JPH0572389B2 - - Google Patents
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- JPH0572389B2 JPH0572389B2 JP16115885A JP16115885A JPH0572389B2 JP H0572389 B2 JPH0572389 B2 JP H0572389B2 JP 16115885 A JP16115885 A JP 16115885A JP 16115885 A JP16115885 A JP 16115885A JP H0572389 B2 JPH0572389 B2 JP H0572389B2
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Description
本発明は、免疫調節作用を有する新規なジチオ
ラン化合物およびそれを有効成分とする新規免疫
調節剤に係る。 上記をさらに詳細に説明すると、本発明に言う
免疫調節作用を有する新規なジチオラン化合物と
は第1図から第3図に示す化合物のうち12,15,
17,19,21及び23の番号を付したものであり、こ
れら化合物又はその生理的に許容される塩を有効
成分とするものが本発明の免疫調節剤である。そ
してこれら化合物を得るための合成経路を簡単に
表示したものが第1図から第3図である。 これら各図について更に説明すると化合物3又
は5も新規であるが、これらはそれぞれ化合物1
からA工程により化合物2とされて後それぞれB
工程又はC工程を経て導かれる。化合物2におい
てR1は低級アルコキシ基又は1級もしくは2級
アミノ基を表す。又化合物5は化合物4からD工
程によつても導かれる。 化合物7及び8も新規であるがいづれも化合物
4よりE工程、F工程の後必要によりG工程を経
て導かれる。なお、化合物8においてR2は低級
アルコキシ基を表す。 以上化合物3,5,7又は8を得る経路を後の
説明の便宜上製造経路と言う。 第2図に示した製造経路は製造経路で得ら
れた新規化合物3からそれぞれ新規である化合物
11,12,15又は17を導く工程を示したもので、図
示の通り工程H,L,M及びNに工程I,J,K
が組合せて用いられる。 同様に第3図に示した製造経路は、新規化合
物5から工程O,P,Q,I,J及びKにより新
規化合物19,21又は23を導くことを示している。 以上の各工程は明細書の後部に更に詳細に実験
例を付して説明する。 一般に免疫調節作用とは免疫機能が正常に機能
している状態ではほとんど影響を与えないが、免
疫機能が低下したときはこれを増強させ、逆に免
疫機能亢進状態ではそれを低下させ、それぞれ免
疫機能の異常を是正し、正常な状態に戻す作用と
理解される。 免疫機能の亢進も抑制機構の低下が原因となつ
ていることがあり、他方免疫機能の低下状態も抑
制機構の亢進が原因たりうるので、免疫調節機構
の制御の乱れに対して調節的に作用し、それを是
正する方向に働くのが免疫調節作用といえる。 これまでの免疫調節剤(レバミゾール、胸線ホ
ルモン等)はそれを用いた治療において、多くの
副作用が報告されている。たとえばレバミゾール
については吐気、発疹、血液障害等が報告されて
おり、中でも最も重大な副作用は顆粒球減少症で
あり、治療中止により消失する副作用であるが、
長期にわたつて該剤を用いる時は白血球数の厳密
な追跡を行なわねばならない。 この理由から、公知の免疫調節剤において通常
認められている重篤な副作用を持たない新しい免
疫調節剤が強く望まれている。 近年、種々の原因で抑制された免疫機能を回復
させ、亢進した免疫機能を正常に復し、更に正常
な免疫機能の強化、維持により、ウイルス、細菌
など病原寄生体の生体内感染や増殖に対抗し、ま
たガンの如き生体内異物の増殖に対しても抵抗性
を強める免疫調節剤の重要性が著しく増加しつつ
ある。そしてこのような薬剤は各種アレルギー、
リウマチ性関節炎などの疾患にも適用が望まれて
いる。 本発明者らはこのような目的に使用するための
免疫調節剤を種々検索した結果肝疾患治療に広く
使用されているリポ酸(チオクト酸DL体)が優
れた免疫調節作用を有することを見いだし、発表
(日本薬学会、第104年会、講演要旨集1984,397
頁、山本格)している。 そして、さらに鋭意検討した結果、本発明に到
達したもので一般式()
ラン化合物およびそれを有効成分とする新規免疫
調節剤に係る。 上記をさらに詳細に説明すると、本発明に言う
免疫調節作用を有する新規なジチオラン化合物と
は第1図から第3図に示す化合物のうち12,15,
17,19,21及び23の番号を付したものであり、こ
れら化合物又はその生理的に許容される塩を有効
成分とするものが本発明の免疫調節剤である。そ
してこれら化合物を得るための合成経路を簡単に
表示したものが第1図から第3図である。 これら各図について更に説明すると化合物3又
は5も新規であるが、これらはそれぞれ化合物1
からA工程により化合物2とされて後それぞれB
工程又はC工程を経て導かれる。化合物2におい
てR1は低級アルコキシ基又は1級もしくは2級
アミノ基を表す。又化合物5は化合物4からD工
程によつても導かれる。 化合物7及び8も新規であるがいづれも化合物
4よりE工程、F工程の後必要によりG工程を経
て導かれる。なお、化合物8においてR2は低級
アルコキシ基を表す。 以上化合物3,5,7又は8を得る経路を後の
説明の便宜上製造経路と言う。 第2図に示した製造経路は製造経路で得ら
れた新規化合物3からそれぞれ新規である化合物
11,12,15又は17を導く工程を示したもので、図
示の通り工程H,L,M及びNに工程I,J,K
が組合せて用いられる。 同様に第3図に示した製造経路は、新規化合
物5から工程O,P,Q,I,J及びKにより新
規化合物19,21又は23を導くことを示している。 以上の各工程は明細書の後部に更に詳細に実験
例を付して説明する。 一般に免疫調節作用とは免疫機能が正常に機能
している状態ではほとんど影響を与えないが、免
疫機能が低下したときはこれを増強させ、逆に免
疫機能亢進状態ではそれを低下させ、それぞれ免
疫機能の異常を是正し、正常な状態に戻す作用と
理解される。 免疫機能の亢進も抑制機構の低下が原因となつ
ていることがあり、他方免疫機能の低下状態も抑
制機構の亢進が原因たりうるので、免疫調節機構
の制御の乱れに対して調節的に作用し、それを是
正する方向に働くのが免疫調節作用といえる。 これまでの免疫調節剤(レバミゾール、胸線ホ
ルモン等)はそれを用いた治療において、多くの
副作用が報告されている。たとえばレバミゾール
については吐気、発疹、血液障害等が報告されて
おり、中でも最も重大な副作用は顆粒球減少症で
あり、治療中止により消失する副作用であるが、
長期にわたつて該剤を用いる時は白血球数の厳密
な追跡を行なわねばならない。 この理由から、公知の免疫調節剤において通常
認められている重篤な副作用を持たない新しい免
疫調節剤が強く望まれている。 近年、種々の原因で抑制された免疫機能を回復
させ、亢進した免疫機能を正常に復し、更に正常
な免疫機能の強化、維持により、ウイルス、細菌
など病原寄生体の生体内感染や増殖に対抗し、ま
たガンの如き生体内異物の増殖に対しても抵抗性
を強める免疫調節剤の重要性が著しく増加しつつ
ある。そしてこのような薬剤は各種アレルギー、
リウマチ性関節炎などの疾患にも適用が望まれて
いる。 本発明者らはこのような目的に使用するための
免疫調節剤を種々検索した結果肝疾患治療に広く
使用されているリポ酸(チオクト酸DL体)が優
れた免疫調節作用を有することを見いだし、発表
(日本薬学会、第104年会、講演要旨集1984,397
頁、山本格)している。 そして、さらに鋭意検討した結果、本発明に到
達したもので一般式()
(2E,4E)−3−メチル−5−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)2,4−ペンタジエン酸〔化
合物15〕 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチオラン−3
−イル)−アクリル酸〔化合物19〕 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−
イル)−2,4−ペンタジエン酸〔化合物17〕 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−
イル)−2,4−ヘキサジエン酸〔化合物21〕 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−
イル)−3−メチル−2,4−ヘキサジエン酸
〔化合物23〕 が挙げられる。 そしてこれら化合物の生理学的に受容しうる塩
も本発明の範囲に包含される。このような塩とし
ては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩な
どのようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグ
ネシウム塩などのようなアルカリ土類金属塩、リ
ジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩などのよう
なアミノ酸塩、好ましくは塩基性アミノ酸塩、ト
リエチルアミン塩、ベンジルアミン塩、プロカイ
ン塩などのような通常の有機塩基塩などを挙げる
ことができる。 本発明化合物は各図に示した製造経路,,
により製造できる。以下その方法について説明
する。 本発明化合物の出発原料である2,2−ジメチ
ル−1,3−ジチアン−4−カルボン酸〔化合物
1〕はγ−ブチロラクトンより公知の方法
(Justus Liebigs Annalen der Chemie
Bd.666.1963年、201頁、Ulrich Schmidt等)に
より製造することができる。 また化合物1又は化合物4などの環状1,3−
ジチアン化合物(下記反応式の化合物C)は一
般に1,3−ジチオール(反応式の化合物A)
と脂肪族アルデヒド又は芳香族アルデヒド、好ま
しくは脂肪族ケトン又は芳香族ケトン(反応式
化合物B)より、酸触媒存在下反応式の反応に
より製造され、アルデヒド又はケトン残基を置換
した環状1,3−ジチアン(反応式の化合物
C)として得られるものである。
オラン−3−イル)2,4−ペンタジエン酸〔化
合物15〕 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチオラン−3
−イル)−アクリル酸〔化合物19〕 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−
イル)−2,4−ペンタジエン酸〔化合物17〕 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−
イル)−2,4−ヘキサジエン酸〔化合物21〕 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−
イル)−3−メチル−2,4−ヘキサジエン酸
〔化合物23〕 が挙げられる。 そしてこれら化合物の生理学的に受容しうる塩
も本発明の範囲に包含される。このような塩とし
ては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩な
どのようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグ
ネシウム塩などのようなアルカリ土類金属塩、リ
ジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩などのよう
なアミノ酸塩、好ましくは塩基性アミノ酸塩、ト
リエチルアミン塩、ベンジルアミン塩、プロカイ
ン塩などのような通常の有機塩基塩などを挙げる
ことができる。 本発明化合物は各図に示した製造経路,,
により製造できる。以下その方法について説明
する。 本発明化合物の出発原料である2,2−ジメチ
ル−1,3−ジチアン−4−カルボン酸〔化合物
1〕はγ−ブチロラクトンより公知の方法
(Justus Liebigs Annalen der Chemie
Bd.666.1963年、201頁、Ulrich Schmidt等)に
より製造することができる。 また化合物1又は化合物4などの環状1,3−
ジチアン化合物(下記反応式の化合物C)は一
般に1,3−ジチオール(反応式の化合物A)
と脂肪族アルデヒド又は芳香族アルデヒド、好ま
しくは脂肪族ケトン又は芳香族ケトン(反応式
化合物B)より、酸触媒存在下反応式の反応に
より製造され、アルデヒド又はケトン残基を置換
した環状1,3−ジチアン(反応式の化合物
C)として得られるものである。
【化】
(式中Xは水素又はカルボキシル基、Y,Zは
アルデヒド又はケトン残基を表す) 反応式で使用されるアルデヒド又はケトンは
1,3−ジチオール(化合物A)の2個のチオー
ル基を保護するために用いられており、次の反応
式で示されるように、酸化工程を経由した後、
環縮少工程により、一般式()で示される1,
2−ジチオラン化合物を得るための保護基として
使用されているものである。
アルデヒド又はケトン残基を表す) 反応式で使用されるアルデヒド又はケトンは
1,3−ジチオール(化合物A)の2個のチオー
ル基を保護するために用いられており、次の反応
式で示されるように、酸化工程を経由した後、
環縮少工程により、一般式()で示される1,
2−ジチオラン化合物を得るための保護基として
使用されているものである。
【化】
(式中Y,Zはアルデヒド、ケトン残基を表
す) 反応式の反応により、一般式()で示す本
発明化合物を製造する上で保護基として用いるア
ルデヒド又はケトンとしては、具体的にはホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド又はベンズアルデ
ヒドなどのような脂肪族、芳香族アルデヒド及び
アセトン、メチルエチルケトン又はアセトフエノ
ン、ベンゾフエノンなどのような脂肪族、芳香族
ケトンが挙げられる。なお、これら保護基として
用いられる化合物は反応式の環縮少工程におい
て副生するものであることから一般式()で表
される本発明化合物と容易に分離可能なアルデヒ
ド又はケトンであることが望ましい。 本発明者らはこの点を念頭に種々のアルデヒド
又はケトンについて鋭意検討した結果、工業的に
大量かつ安価に使用可能であり、又、人体に対す
る危険性が少なく、一般式()で表される本発
明化合物と容易に分離可能なものとして、反応式
で用いられる化合物Bとしてはアセトンが最も
好ましいことを見いだした。 第1図においてアセトンを保護基として用いて
製造した化合物1より工程A,Bを経て製造でき
る化合物3、および工程A,Cを経て製造できる
化合物5ならびに化合物4より工程E,Fを経て
製造できる化合物7はいずれも新規化合物であ
り、一般式()で表される本発明化合物を製造
する上で極めて有用な中間体である。 次に一般式()で表され、環状ジスルフイド
化合物である本発明のジチオラン化合物12,15,
17,19,21及び23の製造方法について説明する。 一般にジスルフイド化合物を製造する場合に
は、2個のチオール基を種々の酸化剤を用いて酸
化することにより目的物が得られる。しかしなが
ら、チオール基を有する化合物がその分子内に
α,β−不飽和カルボニル基における2重結合の
如く、チオール基と非常に反応性に富む2重結合
を有する化合物の場合には、そのジスルフイド化
合物の製造は、副反応として分子間あるいは分子
内でのチオール基の2重結合への付加反応が伴
う。更に使用した酸化剤によつてはジスルフイド
結合の生成のみならず副反応として2重結合の酸
化反応も伴い、目的とするジスルフイド化合物の
みを得ることは極めて困難である。 したがつて一般式()で表される本発明化合
物、すなわち分子内に反応性に富む2重結合を有
する分子内環状ジスルフイド化合物は2個の遊離
チオール基の酸化反応を経由する方法によつては
到底得ることはできない化合物である。 本発明は2個のチオール基を経由することな
く、分子内環状ジスルフイド化合物の新規な製造
方法の発明によりなされたものである。 すなわち不飽和脂肪酸を置換基として有する
1,3−ジチアン化合物を酸化工程に付した後、
環縮少工程により、分子内ジスルフイド化合物で
ある1,2−ジチオラン化合物を高収率で製造す
ることができるのである。 次に第1図〜第3図に示した製造経路,,
およびA工程〜Q工程について具体的に説明す
る。 製造経路 A程;化合物2のR1は低級アルコキシ基又はア
ミノ基および置換アミノを表す。これがエステ
ルである場合は化合物1と低級アルコール(メ
タノール、エタノールなど)より酸触媒存在下
(塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸)脱水
により0°〜100℃の範囲で反応することにより
製造できる。またR1がアミドである場合は化
合物1の反応性誘導体(酸クロリド、混合酸無
水物など)と1級アミン、好ましくは2級アミ
ンと有機溶媒、すなわち脂肪族又は芳香族炭化
水素、ハロゲン化炭化水素、エーテルなどの溶
媒中で−10°〜20℃の範囲で反応することによ
り製造できる。 B工程;A工程により製造した化合物2(エステ
ル又はアミド)を有機溶媒、すなわち脂肪族又
は芳香族炭化水素、エーテルなどの溶媒、好ま
しくはヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラ
ンなどの溶媒中で、当モルあるいは少過剰の水
素化ジイソブチルアルミニウムを用いて、−78°
〜50°の範囲で還元することにより一般式()
で表わす本発明化合物製造の中間体である4−
ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジチア
ン(化合物3)が製造できる。 C工程;A工程で製造した化合物2(アミド)を
有機溶媒、例えばエーテルなどの溶媒、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジ
メトキエタンなどの溶媒中で−78°−50°の範囲
で、好ましくは−78°−0°の範囲で、等モル〜
5倍モル好ましくは等モル〜2倍モルのメチル
リチウム溶液を作用させることにより、4−ア
セチル−2,2−ジメチル−1,3−ジチアン
(化合物5)を製造できる。またこの化合物5
は次のようにD工程によつても製造できる。 D工程;化合物5の製造に用いる化合物4(2,
2−ジメチル−1,3−ジチアン)は、1,3
−プロパンジチオールに酸触媒存在下、有機溶
媒、すなわち脂肪族又は芳香族炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素、エーテルなどの溶媒好ましく
は、ヘキサン、ベンゼン、ジクロルメタン、テ
トラヒドロフランなどの溶媒中で具体的には塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ボロント
リフルオライドジエチルエーテルなどの酸触媒
存在下、アセトンを作用させることにより製造
できる。またアセトンを溶媒とした条件下にお
いても製造できる。 このようにして製造した化合物4(2,2−
ジメチル−1,3−ジチアン)に脂肪族炭化水
素、エーテルなどの溶媒、好ましくはヘキサ
ン、テトラヒドロフランエチルエーテルなどの
溶媒中で、−78°−50°の範囲で、等モル〜3倍
モルのn−ブチルリチウム溶液を作用させた
後、2倍モル〜3倍モルのジメチルアセトアミ
ドを作用させることにより4−アセチル−2,
2−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物5)
を製造できる。 E工程;2,2−ジメチル−1,3−ジチアン
(化合物4)を5−10倍量のメタノール又はエ
タノールに溶解し、0°〜50°の範囲で、好まし
くは5°〜15°の範囲で、酸化剤(例えばメタ過
沃素酸ナトリウム、メタクロル過安息香酸、過
酸化水素水など)を等モル〜1.5倍モル用いて
酸化することにより2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−1−オキシド(化合物6)を製造
できる。 F工程;2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−
1−オキシド(化合物6)を脂肪族又は芳香族
炭化水素、エーテルなどの溶媒、好ましくは、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
2−ジメトキシエタンなどの溶媒に溶解し、−
78°〜30°の範囲で、好ましくは−78°〜0°の範囲
で、例えばt−ブトキシカリウム、n−ブチル
リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、水
素化ナトリウムなどの塩基存在下、酢酸エステ
ル、好ましくは酢酸エチルエステルを作用させ
ることにより、新規化合物である6−アセチル
−2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−1−
オキシド(化合物7)を製造できる。 G工程;F工程で製造したアセチル体である(化
合物7)にアルコール類、脂肪族又は芳香族炭
化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテルなどの
溶媒、好ましくはベンゼン、トルエン、テトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタンなどの溶媒中
で、ウイテイヒ試薬(ホスホラン類、ホスホン
酸誘導体)を作用させることにより化合物8を
製造できる。ホスホラン類の場合0〜150℃で、
好ましくは10〜120°の範囲で、アセチル体(化
合物7)に対して等モル〜10倍モル、好ましく
は等モル〜3倍モル作用させることにより製造
できる。またホスホン酸誘導体の場合−78〜
100℃、好ましくは−20〜30℃の範囲で塩基
(例えばt−ブトキシカリウム、ナトリウムメ
トキシド、リチウムジイソプロピルアミド、水
素化ナトリウムなど)の存在下、アセチル体
(化合物7)に対して等モル〜10倍モル、好ま
しくは等モル〜3倍モル作用させることによ
り、本発明化合物の中間体となる新規化合物で
ある、(E)−3−メチル−3−(2,2−ジメチ
ル−1.3ジチアン−1−(オキシド、6−イル)
−アクリル酸エチルエステル(化合物8)を製
造できる。R2は低級アルキル(メチル、エチ
ル、t−ブチルなど)基を表す。 製造経路 H工程;4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物3)を脂肪族又は芳香族
炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ア
ルコールなどの溶媒、好ましくはベンゼン、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒中
で、ウイテイヒ試薬(例えばホスホラン類、ホ
スホン酸エステル)をG工程と同様の条件下作
用させることにより、化合物9を製造できる。
化合物9におけるR3とは低級アルコキシ基又
は一級アミノ基好ましくは2級アミノ基を表わ
す。 I工程;化合物9をテトラヒドロフラン、ジオキ
サンエチルアルコールなどの溶媒中で、0°〜
100°の範囲で酸加水分解(例えば塩酸、硫酸な
ど)又はアルカリ加水分解(例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム
など)することにより(E)−3−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジチアン−4−イル)アクリル
酸(化合物10)を製造できる。 J工程;(E)−3−(2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン−4−イル)アクリル酸(化合物10)
を5倍〜10倍量のメタノール又はエタノールに
溶解し、E工程と同様の条件下、酸化すること
によりS−オキシド化合物(化合物11)を製造
できる。 本発明では通常、酸化生成物は精製することな
く次の工程に用いることができる。 K工程;化合物11を脂肪族又は芳香族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、エステル、エーテルなど
の溶媒、好ましくはベンゼン、トルエン、ジク
ロルメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、イソプロピルエーテルなどに
溶解し、0°〜150°で、好ましくは30°〜100°で酸
触媒存在下(例えば塩酸、硫酸、過塩素酸など
の鉱酸又はその水溶液ならびに酢酸、メタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機
酸)に1時間〜24時間、好ましくは2時間〜5
時間反応することより、環縮少が起り、本発明
化合物(E)−3−(1,2−ジチオラン−3−イ
ル)アクリル酸(化合物12)を好収量で製造で
きる。 L工程;化合物3をG工程と同様の条件下、ウイ
テイヒ試薬、例えばジメチル−(2−オキソ−
プロピル)−ホスホネート、アセチルメチレン
トリフエニルホスホランなどと反応させること
により、新規物質である(E)−4−(2,2−ジ
メチル−1,3−ジチアン−4−イル)−3−
ブテン−2−オン(化合物13)を製造できる。 M工程;化合物13にG工程と同様の条件下、ウイ
テイヒ試薬、例えばジエチルホスホノ酢酸t−
ブチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどと反
応させることにより、新規である4−(4−t
−ブトキシカルボニル−1,3−ブタジエニル
−3−メチル)−2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン(化合物14)を製造できる。R4は低
級アルキル基(例えばメチル、エチル、t−ブ
チル基など)を表す。この化合物14より前述し
たI,J,Kの各工程の順に同様の処理により
本発明化合物(2E,4E)−5−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)−3−メチル−2,4−ペ
ンタジエン酸(化合物15)を製造できる。 N工程;4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物3)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬、例えばγ−ジエチルホ
スホノクロトン酸エチルあるいはt−ブチルエ
ステルなどを作用させることにより新規化合物
16をシス−トランスの混合物として製造でき
る。R5は低級アルキル基(例えばメチル、エ
チル、t−ブチル基など)を表す。この化合物
16は、前述のI,J,Kの各工程の順に同様の
処理により本発明化合物(2E,4E)−5−(1,
2−ジチオラン−3−イル)−2,4−ペンタ
ジエン酸(化合物17)を製造できる。この化合
物はNMRの分析結果より(2E,4E)異性体の
みである。 製造経路 O工程;4−アセチル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物5)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬、例えばジエチルホスホ
ノ酢酸エチル又はt−ブチルエステルなどを反
応させることにより化合物18が製造できる。
R6は低級アルキル基(メチル、エチル、t−
ブチル基など)を表す。本化合物より前述した
I,J,Kの各工程の順に同様の処理により、
本発明化合物(E)−3−(1,2−ジチオラン−
3−イル)−3−メチル−アクリル酸(化合物
19)を製造できる。 また化合物18より、すなわちエステルを加水
分解することなくJ工程(酸化工程)K工程
(環縮少工程)の順に同様の処理によつても本
発明化合物(化合物19)を製造できる。 P工程;4−アセチル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物5)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬、例えばγ−ジエチルホ
スホノクロトン酸エチル又はt−ブチルエステ
ルを反応させることにより化合物20を製造でき
る。R7は低級アルキル基(メチル、エチル、
t−ブチル基など)を表す。この化合物20より
I,J,Kの各工程順に同様の処理により、本
発明化合物(2E,4E)−5−(1,2−ジチオ
ラン−3−イル)−2,4−ヘキサジエン酸
(化合物21)を製造できる。 Q工程;4−アセチル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物5)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬例えば4−ジエチルホス
ホノ−3−メチル−2−ブテン酸t−ブチルエ
ステルを反応させることにより化合物(22)を
製造できる。R8は低級アルキル基(メチル、
エチル、t−ブチル基など)を表す。この化合
物22よりI,J,Kの各工程順に同様の処理に
より本発明化合物(2E,4E)−5−(1,2−
ジチオラン−3−イル)−3−メチル−2,4
−ヘキサジエン酸(化合物23)を製造できる。 以下実験例により、さらに具体的に説明する。 実験例1 4−(N−フエニル−N−メチルカル
バモイル)−2,2−ジメチル−1,3−ジチ
アン(化合物2)の製造(A工程の例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4−カ
ルボン酸(化合物1)3.5g(18.2ミリモル)を
無水塩化メチレン30mlに溶解し、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド4.13g(20ミリモル)を加え5
分間氷冷攪拌し、次にN−メチルアニリン2.14g
(20ミリモル)を加え、室温で3時間攪拌した。
不溶物を去し、液を希塩酸次いで希炭酸水素
ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を留去し、残渣
をシリカゲルクロマト(溶媒;クロロホルム:メ
タノール=50:1)により精製し、目的物(化合
物2)3.2g(62%)を結晶として得た。融点87
−89℃(ヘキサンより再結晶) NMR(100MHz.CDCl3)δppm:7.2−7.5(5H,
m)3.6−3.8(1H,m),3.26(3H,s),
2.7−2.9(2H,m),1.8−2.4(2H,m) 実験例2 4−ホルミル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン(化合物3)(B工程の例) 実験例1で合成したアミド(化合物2)3.2g
(11.4ミリモル)のテトラヒドロフラン20mlの溶
液を窒素気流下ドライアイス−アセトンにより−
78℃に冷却し、1.54M水素化ジイソブチルアルミ
ニウムのトルエン溶液7.5ml(11.4ミリモル)を
加え、−78℃で1.5時間かきまぜた。 次に5%塩酸50mlに反応溶液を加え、15分間攪
拌後、エチルエーテル抽出し、飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で洗浄後、乾燥した。溶媒を留去した
後、シリカゲルクロマト(溶媒;クロロホルム)
で精製し、目的物(化合物3)1.65g(82%)を
無色油状物として得た。 NMR(100MHz.CDCl3)δppm:9.6(1H,
s),3.62(1H,dd,J=4Hz,6Hz),
2.6−3.2(2H,m),2.1−2.4(2H,m),
1.69(3H,s),1.66(3H,s) 実験例3 4−(ピロリジノカルバモイル)−2,
2−ジメチル−1,3−ジチアン(A工程の
例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4−カ
ルボン酸エチルエステル4.4g(20ミリモル)に
ピロリジン2g(28ミリモル)を加え、70℃で10
時間加熱した。冷却後エチルエーテルに溶解し希
塩酸、希アルカリ水溶液を用いて洗浄後、溶媒を
留去し、シリカゲルクロマト(溶媒;クロロホル
ム:メタノール=50:1)により精製し、目的物
3.2g(65%)を結晶として得た。 融点 72°−74℃。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:3.6−3.9(2H,
m)3.3−3.6(3H,m),2.9−3.1(2H,
m),1.8−2.3(6H,m),1,83(3H,
s),1.65(3H,s) 本化合物からは実施例2と同様の処理により、
4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジチ
アン(化合物3)を得ることができる。 実験例4 4−ホルミル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン(化合物3)(B工程の例) 2.2−ジメチル−1.3−ジチアン−4−カルボン
酸エチルエステル11g(50ミリモル)のトルエン
40ml溶液を、窒素気流下−78℃に冷却し、1.53M
水素化ジイソブチルアルミニウムトルエン溶液35
ml(54ミリモル)を滴下した。−78℃で1時間反
応後、5%塩酸100ml中に注ぎ、室温で30分かき
まぜた。有機層を分取し、溶媒を留去後シリカゲ
ルカラムクロマト(溶媒;クロロホルム)により
精製し、目的物(化合物3)5g(57%)を無色
油状物として得た。 実験例5 4−アセチル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン(化合物5)(C工程の例) 実験例1により得られるアミド(化合物2)
28.1g(0.1モル)の100mlテトラヒドロフラン溶
液を−78℃に冷却し、窒素気流下、1.5Mメチル
リチウムエチルエーテル溶液132ml(0.2モル)を
加え、2時間かきまぜた。氷冷希塩酸に反応液を
注ぎ、有機層を分取し、水洗、乾燥後、濃縮し、
シリカゲルカラムクロマト(溶媒;ヘキサン:酢
酸エチル=10:1)により精製し目的物(化合物
5)15g(79%)を無色油状物として得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:3.55(1H,
t,J=5Hz),2.5−3.2(2H,m),
2.23(3H,s)1.9−2.2(2H,m),1.68
(3H,s),1.62(3H,s) 実施例5で得られる化合物は次の実施例6によ
つても得られる。 実験例6 4−アセチル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン((化合物5)(D工程の例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物
4)1.48g(10ミリモル)のテトラヒドロフラン
10ml溶液に氷冷下1.6Mn−ブチルリチウムヘキサ
ン溶液13.5ml(20ミリモル)を加え、室温で窒素
気流下に一夜放置した。−78℃に冷却後、乾燥N,
Nジメチルアセトアミド4ml(43ミリモル)を一
度に加え、徐々に2時間をかけて室温にもどし
た。飽和塩化アンモニウム水溶液50mlに注ぎ、有
機層を分取し、シリカゲルカラムクロマト(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、
原料ジチアン0.5gを回収し、目的物(化合物5)
1.2g(63%)を無色油状物として得た。 実験例7 2.2−ジメチル−1,3−ジチアン−
1−オキシド(化合物6)(E工程の例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物
4)15g(0.1モル)をメタノール750mlに溶解
し、反応温度を20℃に保ちながらメタ過沃素酸ナ
トリウム22.5g(0.1モル)の250ml水溶液を15分
間を要して滴下した。滴下後同温度で30分間激し
くかきまぜた。不溶物を去後母液を減圧下濃縮
し、クロロホルムを用いて抽出し、有機層を硫酸
マグネシウム上で乾燥し、シリカゲルカラムクロ
マト(溶媒;酢酸エチル)により精製し無色油状
物として化合物6を14.6g(89%)を得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.54(3H,
s),1.62(3H,s),1.9−3.1(6H,m) 実験例8 6−アセチル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン−1−オキシド(化合物7)
(F工程の例) 乾燥テトラヒドロフラン60mlにジイソプロピル
アミン7.5ml(52.8ミリモル)を加え、ドライア
イス−アセトン浴を用いて−20℃に冷却した。こ
れに1.6Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液30ml
(48ミリモル)を加え、同温度で40分かきまぜた。
次に−78℃に冷却し2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン−1−オキシド7.9g(48ミリモル)の
テトラヒドロフラン20ml溶液を同温度で加えた。
1時間かきまぜた後、乾燥酢酸エチル2.4ml(24
ミリモル)を加え、同温度でさらに1.5時間かき
まぜた。ついで酢酸2.8ml(49ミリモル)を加え、
室温にもどした後不溶物を去し、溶媒を留去、
シリカゲルカラムクロマト(溶媒;n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)により精製し、目的物
(化合物7)3.8gを無色油状物として得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.55(3H,
s),1.68(3H,s),2.36(3H,s),
2.1−2.5(2H,m)2.6−3.0(2H,m),
3.5−3.7(1H,m) 実験例9 (E)−3−メチル−3−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジチアン−1−オキシド−6−
イル)アクリル酸エチルエステル(化合物8)
(G工程の例) 乾燥1,2−ジメトキシエタン30mlに60%水
素化ナトリウム0.56g(14.1ミリモル)をけん
だくし、これにジエチルホスホノ酢酸エチル
3.15g(14.1ミリモル)の1,2−ジメトキシ
エタン10ml溶液を氷冷下滴下した。滴下後室温
で30分かきまぜた後、実験例8で製造したS−
オキシド(化合物7)2.9g(14.1ミリモル)
の1,2−ジメトキシエタン15ml溶液を滴下
し、室温で3時間かきまぜた。水を加え、酢酸
エチルを用いて抽出し、無水硫酸ナトリウムを
用いて乾燥後濃縮すると結晶が析出した。これ
を取し、ヘキサンで洗浄し、目的物(化合物
8)1.31g(33.6%)が無色結晶として得られ
る。 融点 170−171℃ 元素分析値(C12H20O3S2) 計算値(%) C 52.13 H 7.31 S
23.19 分析値(%) C 51.77 H 7.48 S
23.05 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.28(3H,
t,J=8Hz)1.60(3H,s),1.7(3H,
s),2.34(3H,s),2.2−2.6(2H,
m),2.7−3.08(1H,m),4.14(2H,
q,J=8Hz),5.94(1H,s),3.1−
3.32(1H,m) 参考例1 エトキシカルボニルメチレントリフエ
ニルホスホラン(H工程で使用されるウイテイ
ヒ試薬の製造) トリフエニルホスフイン52.4gのベンゼン200
ml溶液にブロム酢酸エチルエステル33.4gを滴下
し、室温で3時間かきまぜた。析出したホスホニ
ウム塩を取し、乾燥した。これを水1.5に加
え、希水酸化カリウム水溶液を共存するフエノー
ルフタレインが赤くなるまで加えた。1時間激し
く攪拌し、析出物を取し、十分に水洗後乾燥し
て目的物52g(75%)を得た。融点124−126℃
(酢酸エチルから再結晶) 実験例10 (E)−3−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)アクリル酸エチル(化
合物9)(H工程の例) 4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジ
チアン0.88g(5ミリモル)の10mlベンゼン溶液
に参考例1で合成したホスホラン2.08g(6ミリ
モル)を加え室温で1時間攪拌後、8時間還流さ
せた。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マト(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に
より精製し、目的物(化合物9)を0.95g(77
%)を無色油状物として得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:6.82(1H,
dd,J=16Hz,6Hz),5.95(1H,d,
J=16Hz),4.18(2H,q,J=6Hz),
3.6−3.9(1H,m),2.6−3.2(3H,m),
2.1−2.4(1H,m),1.84(3H,s),1.62
(3H,m),1.30(3H,t,J=6Hz) 実験例11 (E)−3−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)アクリル酸(化合物
10)(I工程の例) 実験例10で合成したエステルに2.3g(9ミリ
モル)をジオキサン40mlに溶解し、6N硫酸2.5ml
を加え、90℃で6時間加熱した。反応液を水に注
ぎ、酢酸エチルを用いて抽出し、溶媒を留去後、
シリカゲルカラムクロマト(溶媒;ジクロルメタ
ン−酢酸エチル混合溶媒)により精製し、目的物
(化合物10)を1.59g(77%)を油状物として得
た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.62(3H,
s,CH3)1.84(3H,s,CH3),2.1−
2.4(1H,m),2.6−3.3(3H,m),3.7−
4.0(1H,m),5.96(1H,d,J=16
Hz),6.93(1H,dd,J=16,7Hz),
10.6(1H,bs) 実験例12 (E)−3−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)アクリル酸−1−オキ
シド(化合物11)(J工程の例) 実験例11で合成したカルボン酸1.57g(7.2ミ
リモル)をメタノール16mlに溶解し、タングステ
ン酸ナトリウムを触媒量加え、28%過酸化水素水
1mlを氷冷下に滴下した。一夜室温に放置後、
H2Oを加え、酢酸エチルを用いて抽出し、溶媒
を留去し、粗結晶0.8g(47.5%、ジチアン−s
−オキシド)を得た。本化合物は精製することな
く次の反応に用いた。 実験例13 (E)−3−(1,2−ジチオラン−3−
イル)アクリル酸(化合物12)(K工程の例) 実験例12で合成したカルボン酸4gをジオキサ
ン30mlに溶解し、これに6N硫酸2mlを加え、95
℃で1.5時間加熱した。冷却後、酢酸エチル50ml
を加え、水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、
無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、10mlに濃縮し
た。短かいシリカゲルカラムクロマト(溶媒;酢
酸エチル)により精製分離後、エチルエーテル−
ヘキサンから結晶化させ、目的物(化合物12)を
2.3g(76%)を淡黄色結晶として得た。 融点 96−97℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:10.5(1H,
b,s)7.0(1H,dd,J=16.9Hz),
5.98(1H,d,J=16Hz),4.25(1H,
m),3.0−3.4(2H,m),2.6(1H,m),
2.16(1H,m) 実験例14 (E)−4−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)−3−ブテン−2−オ
ン(化合物13)(L工程の例) a 純度60%の水素化ナトリウム3.22g(80.5ミ
リモル)を無水テトラヒドロフラン300mlに懸
濁させ氷冷攪拌下ジメチル−(2−オキソ−プ
ロピル)−ホスホネート14.1g(81ミリモル)
のテトラヒドロフラン100ml溶液を滴下し、20
分間同温度で攪拌する。 実験例2で合成した4−ホルミル−2,2−
ジメチル−1,3−ジチアン11.8g(67ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン100ml溶液を滴下し、
3時間攪拌する。反応混合物を希塩酸中に注ぎ
込み、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗
し、溶媒を減圧下に留去して得られる残渣をシ
リカゲルクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=9:1)により精製し、目的物(化合物
13)を油状物として11.3g(82.9%)得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:6.62(1H,
dd,J=15Hz,7Hz),6.15(1H,d,
J=15Hz),3.80(1H,m),2.40,−3,
32'(4H,m),2,25(1H,s)1.82
(1H,s),1.61(1H,s) b 4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン8.4g(47ミリモル)とアセチルメチ
レントリフエニルホスホラン17.0g(53ミリモ
ル)のベンゼン80ml溶液を30分間還流下に攪拌
する。溶媒を減圧下に留去し、シリカゲルクロ
マト(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)
により精製し、目的物(化合物13)を4.8g
(49.8%)得た。 実験例15 4−(4−t−ブトキシカルボニル−
3−メチル−1,3−ブタジエニル)−2,2
−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物14)
(M工程の例) 60%水素化ナトリウム0.88g(22ミリモル)を
無水テトラヒドロフラン50mlにけんだくさせ、氷
冷下ジエチルホスホノ酢酸t−ブチルエステル
6.67g(26ミリモル)を滴下した。均一な溶液に
した後、−20℃まで冷却し、実験例14で製造した
化合物13の4.8g(23ミリモル)のテトラヒドロ
フラン10ml溶液を滴下し、同温度で30分間、つづ
いて氷冷下に2時間かきまぜた。希塩酸中にこの
反応混合物を注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出し、
無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を留去
後、シリカゲルカラムクロマト(溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的物
(化合物14)を無色結晶として3.1g(44%)を得
た。 融点 38−40℃ NMR(100MHz,CDCl3δppm:6.60(1H,t),
5.88(1H,d),5.62(1H,s),3.50
(1H,m),2.4−3.2(3H,m),2.14
(3H,s),1.88−2.0(1H,m)1.78
(3H,s),1.48(12H) 実験例16 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラ
ン−3−イル)−2,4−ペンタジエン酸(化
合物17)(N,I,J,Kの各工程の例) 4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジ
チアン(化合物3)7.9g(45ミリモル)とγ−
ジエチルホスホノクロトン酸エチル12.5g(50ミ
リモル)の20mlテトラヒドロフラン溶液を60%水
素化ナトリウム2g(50ミリモル)の40mlテトラ
ヒドロフラン溶液中に氷冷下滴下し、2時間攪拌
した。水100mlを加え酢酸エチルを用いて抽出し、
溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマト(ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的
物(化合物16)6.9g(56%)を油状物として得
た(シス−トランス混合物)。 この化合物6gをジオキサン40mlに溶解し、
6N硫酸5mlを加え、90−100℃で15時間かきまぜ
加水分解した。 水100mlを加え、酢酸エチルを用いて抽出し、
溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマト(溶
媒;ヘキサン:酢エチ=4:1)により精製し、
カルボン酸3.5g(65%)を油状物として得た。 得られたカルボン酸(シス−トランス混合物)
3.4g(14ミリモル)の40mlメタノール溶液に100
mgのタングステン酸ナトリウムを加え、氷冷下28
%過酸化水素水1.7g(14ミリモル)を加えて30
分間かきまぜた。このものを減圧濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマト(溶媒;クロロホルム:メア
ノール=20:1)により精製し、S−オキシド
3.0g(83%)を得た。 次にこのS−オキシド3.0gをジオキサン40ml
に溶解し、6N硫酸2mlを加え、70℃で15時間攪
拌した。水50mlを加え酢酸エチルを用いて抽出
し、乾燥後約10mlに濃縮した。更にこのものをシ
リカゲルカラムクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=1:1)により精製し、エチルエーテル
−ヘキサンを用いて結晶化させ、黄色結晶0.52g
(22%)を得た。生成物はNMRの分析結果より
トランス、トランス体のみであつた。 融点 140−142℃ NMR(100MHz,CDCl3+DMSO)δppm:12.6
(1H,bs),7.13(1H,dd,J=16,10
Hz),6.30(1H,dd,J=16,10Hz),
6.1(1H,dd,J=16,10Hz),5.78(1H,
d,J=14Hz),4.28(1H,dd,J=
16.8Hz),3.0−3.4(2H,m),2.3−2.7
(1H,m),1.9−2.3(1H,m) 実験例17 (E)−3−メチル−3−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジチアン−4−イル)アクリル
酸t−ブチル(化合物18)(O工程の例) 純度60%の水素化ナトリウム9.9g(0.25モル)
を無水テトラヒドロフラン500mlに懸濁させ、氷
冷攪拌下にジエチルホスホノ酢酸t−ブチル75.1
g(0.30モル)を滴下し、同温度で30分間攪拌す
る。−28℃に冷却し実験例5で合成した4−アセ
チル−2,2−ジメチル−1,3−ジチアン47.3
g(0.25モル)のテトラヒドロフラン100ml溶液
を滴下する。同温度で1時間、続いて氷冷下に1
時間攪拌してから反応混合物を希塩酸中に注ぎ込
み酢酸エチルで抽出する。 有機層を水洗し、溶媒を減圧下に留出する、残
渣をシリカゲルクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)により精製する。E体とZ体の
油状混合物が得られるが、容器の壁面をスパチユ
ラでこすることによりE体のみを結晶化させ目的
物39.1g(54.6%)を無色針状結晶として得た。
融点38−40℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:5.79(1H,
s),3.60(1H,dd,J=2.5Hz,10Hz),
2.6−3.5(2H,m),2−20(3H,s),
1.95−2.2(2H,m)1.85(3H,s),1.65
(3H,s),1.48(9H,s) 実験例18 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19) 実験例17で得たt−ブチルエステル78.1g
(0.27モル)のジオキサン500ml溶液に6N硫酸34.5
mlを加え、90℃で5時間攪拌する。 減圧下に溶媒を留去し、溶媒の量がおよそ4分
の1になつたところで水を加え、析出する結晶を
取し、水洗する。乾燥して(E)−3−メチル−3
−(2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4−
イル)アクリル酸を無色結晶として58.7g(93.3
%)得た。 融点 125−127℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:10.4(1H,
bs),5.96(1H,s),3.61(1H,dd,J
=12Hz,25Hz)2.23(3H,s),1.84
(3H,s),1.61(3H,s),1.6−3.4
(4H,m) このカルボン酸58.7g(0.25モル)のメタノー
ル500ml溶液にタングステン酸ナトリウム1.10g
を加え、氷冷攪拌下に28%過酸化水素水30.5g
(0.27モル)を滴下して30分間同温度で攪拌する。 析出してくる結晶を取、水洗し、(E)−3−メ
チル−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジチア
ン−1−オキシド−4−イル)アクリル酸40.0g
(60.8%)を無色粉末として得た。 融点 216−217℃ このS−オキシド15.0g(60.4ミリモル)のジ
オキサン150ml溶液に6N硫酸8mlを加え、90℃で
9時間攪拌する。これを水中に注ぎ込み、酢酸エ
チルで抽出する。有機層を水洗し、溶媒を減圧下
に留去する。得られる残渣をシリカゲルクロマト
(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製
し、エーテル−ヘキサンから結晶させて(E)−3−
メチル−3−(1,2−ジチオラン−3−イル)
アクリル酸を淡黄色粉末として4.4g(43.6%)
得る。 融点 96−98℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.0(1H,
bs),5.85(1H,s),4.20(1H,t,J
=7Hz),2.9−3.5(2H,m),2.4−2.8
(1H,m),2.25(3H,s),1.9−2.2
(1H,m) 実験例19 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラ
ン−3−イル)−2,4−ヘキサジエン酸(化
合物21)(P,I,J,Kの各工程の例) 純度60%の水素化ナトリウム1.1g(27.5ミリ
モル)を無水テトラヒドロフラン22mlに懸濁さ
せ、氷冷攪拌下に実験例5で得た4−アセチル−
2,2−ジオメチル−1,3−ジチアン(化合物
5)4.7g(24.6ミリモル)とトランス−4−ジ
エチルホスホノークロトン酸t−ブチル7.6g
(27.5ミリモル)の無水テトラヒドロフラン11ml
混合溶液を滴下する。 同温度で2時間、室温で13時間攪拌してから反
応混合物を希塩酸中に注ぎ込み、酢酸エチルで抽
出する。有機層を水洗し、溶媒を減圧下に留去し
て得られた残渣をシリカゲルクロマト(溶媒;ヘ
キサン:酢酸エチル=15:1)により精製し、
(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−1,3−ジ
チアン−4−イル)−2,4−ヘキサンジエン酸
t−ブチル(化合物20)を無色油状物として4.9
g(62.6%)得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:7.45(1H,
q,J=15Hz,10Hz),6.15(1H,d,
J=10Hz),5.80(1H,d,J=15Hz),
3.68(1H,q),2.7−3.2(2H,m)2.0−
2.2(2H,m),1.95(3H,s),1.85(3H,
s)1.62(3H,s),1.50(9H,s) このt−ブチルエステル4.9g(15.4ミリモル)
のジオキサン32ml溶液に6N硫酸3.2mlを加え、90
℃に加熱して3時間攪拌する。反応混合物を水中
に注ぎ込み酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗
し溶媒を減圧下に留去し、ヘキサンを加えて結晶
化させ、(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン−4−イル)−2.4−ヘキサジエ
ン酸を淡黄色結晶として2.05g(51.3%)得た。 融点 163−165℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.10(1H,
bs)7.68(1H,q,J=15Hz,11Hz),
6.25(1H,d,J=11Hz),5.87(1H,
d,J=15Hz),3.70(1H,m),2.6−
3.4(3H,m),2.10(1H,m),2.01(3H,
e),1.90(3H,s),1.62(3H,s) このカルボン酸2.0g(7.0ミリモル)のメタノ
ール23ml溶液にタングステン酸ナトリウム60mgを
加え、氷冷攪拌下に28%過酸化水素水0.96g
(7.9mmol)を滴下し、同温度で30分間攪拌する。 溶媒を減圧下に留去し得られた残渣をシリカゲ
ルクロマト(溶媒;クロロホルム:メタノール=
30:1)で精製し、溶媒を減圧下に留去すること
により、(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン−1−オキシド−4−イル)−
2,4−ヘキサジエン酸を無色粉末として1.31g
(60.1%)得た。 融点 75〜76℃ このS−オキシド体1.3g(4.7ミリモル)のジ
オキサン20ml溶液に6N硫酸0.9mlを加え、70℃で
8時間攪拌する。水を加え酢酸エチルで抽出す
る。有機層を水洗し、溶媒を減圧下で留去する。
得られた残渣をシリカゲルクロマト(溶媒;ヘキ
サン−酢酸エチル=1:1)で精製し、エーテル
−ヘキサンから結晶化させて、(2E,4E)−5−
(1,2−ジチオラン−3−イル)−2,4−ヘキ
サジエン酸(化合物21)を淡黄色粉末として210
mg(20.3%)得た。 融点 123−125℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.8(1H,
bs),7.45(1H,q,J=15Hz,10Hz),
6.25(1H,d,J=10Hz),5.82(1H,
d,J=15Hz),2.40(1H,m)2.9−3.5
(2H,m),2.28−2.72(1H,m),2.02
−2.30(1H,m),1.93(1H,s) 実験例20 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19) 実験例17で得たt−ブチルエステル4.8g(17
ミリモル)をメタノール36mlに溶解し、タングス
テン酸ナトリウム70mgを加え、氷冷下に28%過酸
化水素水溶液2.1g(17ミリモル)を加えた後、
30分間かきまぜた。溶媒を留去し、S−オキシド
6.3gを得た。これをジオキサン40mlに溶解し、
6N硫酸2.8mlを加え、90℃で3時間かきまぜた。
反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽
出、水洗し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。 シリカゲルクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸エ
チル=2:1)により精製し、エーテル−ヘキサ
ンから結晶化し、淡黄色結晶として目的物(化合
物19)1.2gを得た。 融点 96−98℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.0(1H,
bs),5.85(1H,s),4.20(1H,t,J
=7Hz),2.9−3.5(2H,m),2.4−2.8
(1H,m),2.25(3H,s)1.9−2.2(1.9
−2.2(一H,m) 実験例21 (2E,4E)−5−(2,2−ジメチル
−1,3−ジチアン−4−イル)−3−メチル
−2,4−ヘキサジエン酸tert−ブチル(化合
物22)(Q工程の例) 60%水素化ナトリウム1.1g(28ミリモル)を
無水テトラヒドロフラン50mlに懸濁させ、4−ジ
エチルホスホノ−3−メチル−2−ブテン酸tert
−ブチル8.2g(28ミリモル)を氷冷攪拌下に滴
下し、1時間同盟度で攪拌した。続いて氷冷攪拌
下に実験例5で合成したアセチル体(化合物5)
4.8g(25ミリモル)のテトラヒドロフラン20ml
溶液を滴下し、室温で20時間攪拌した。反応混合
物を水中に注ぎ込み酢酸エチルで抽出した。有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧
下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=20:1)精製し、無色油状物の(2E,4E)−
5−(2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4
−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサジエン酸
tert−ブチルを得た。収量1.97g(収率24%) NMR(CDCl3,δppm):5.92(1H,s),5.58
(1H,s)3.55(1H,dd),2.7−3.3
(3H,m),2.17(3H,s),1.95−2.05
(1H,m),1.88(3H,s),1.85(3H,
s),1.59(3H,s),1.48(9H,s) 実験例22 (2E,4E)−5−(2,2−ジメチル
−1.3−ジチアン−4−イル)−3−メチル−
2,4−ヘキサジエン酸 実験例21で合成した(2E,4E)−5−(2,2
−ジメチル−1,3−ジチアン−4−イル)−3
−メチル−2,4−ヘキサジエン酸tert−ブチル
1.9g(5.8ミリモル)をジオキサン13mlに溶解
し、6N硫酸2.4ml加え80℃で5時間加熱攪拌し
た。反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで
抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。残渣にヘ
キサンを加えて結晶化させ、無色結晶の(2E,
4E)−5−(2,2−ジメチル−1,3−ジチア
ン−4−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサジ
エン酸を得た。収量1.44g(収率91.4%) 融点 108−109℃(分解) NMR(CDCl3,δppm):10.7(1H,bs),5.99
(1H,s)5.72(1H,s),3.60(1H,
dd),2.7−3.4(3H,m),2.23(3H,
s),1.90(3H,s),1.83(3H,s)
1.61(3H,s) 実験例23 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラ
ン−3−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサ
ジエン酸ナトリウム(化合物23) 実験例22で合成した(2E,4E)−5−(2,2
−ジメチル−1,3−ジチアン−4−イル)−3
−メチル−2,4−ヘキサジエン酸1.4g(5.3ミ
リモリ)をメタノール10mlに溶解し、タングステ
ン酸ナトリウム30mg(9×10-5モル)を加えた。
氷冷攪拌下に28%過酸化水素水0.63g(5.3ミリ
モル)を加え、同温度で30分間攪拌した。触媒を
去し、溶媒を減圧下に留去して(2E,4E)−5
−(2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−1−
オキシド−4−イル)−3−メチル−2,4−ヘ
キサジエン酸を無色結晶として得た。収量1.5g
(収率100%) 融点 161−165℃(分解) こうして得られたS−オキシド体1.5g(5.2ミ
リモル)をジオキサン15mlに溶解し、6N硫酸1.5
mlを加え、75℃で10時間加熱攪拌した。反応混合
物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して
無色油状物の(2E,4E)−5−(1,2−ジチオ
ラン−3−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサ
ジエン酸を得た。収量0.32g(収率38.8%) NMR(CDCl3,δppm):9.5(1H,bs),6.03
(1H,s)5.75(1H,s),4.24(1H,
t),2.8−3.5(3H,m)2.34(3H,s),
2.10(1H,m),1.98(3H,s) 上で得られたジチオラン体0.29g(1.3ミリモ
ル)に炭酸水素ナトリウム0.106g(1.3ミリモ
ル)の2ml水溶液を加えた。 不溶物を去し、凍結乾燥して黄色粉末の
(2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−イ
ル)−3−メチル−2,4−ヘキサジエン酸ナト
リウムを得た。収量0.27g(収率84.5%) 融点 131°−133℃(分解) 生物試験例 1 (マウス脾細胞を用いた幼若化反応に及ぼす作
用) BALB/Cマウス脾細胞を用いてマイトゲン
(mitogen:Concanavalin A(以下ConAと略
す))刺激によるリンパ球幼若化反応に及ぼす本
発明の各化合物およびリポ酸の作用を検討した。 すなわちBALB/Cマウス(♀、10〜14週令)
の脾細胞1×105個をConA2μg/mlおよび供試
化合物と共に、0.2mlの10%牛胎児血清添加
RPMI−1640培地にてマイクロカルチヤープレー
トを用いてCO2インキユベータ(5%CO2,37
℃)中で48時間培養下した。 その後0.5μCiの3H−チミジン(3H−TdR)を
添加し、さらに18時間培養後、セルハーベスター
にて細胞を採取し、細胞内に取込まれた3H−
TdRの放射活性を測定した。結果を表1に示す。 表1から明らかなように、T細胞マイトゲンで
あるConAで刺激した場合、本発明化合物は、い
ずれも著明な促進作用を示し、これはリポ酸より
も強い作用であつた。 生物試験例 2 (抗体産生増強作用) ICRマウスを用いて抗SRBC(羊赤血球)抗体
産生応答に及ぼす作用を検討した。 すなわちICRマウス(♀、7〜9週令)を1群
4匹用い、抗原SRBCを尾静脈内に5×107個注
射し免疫した。その直後および24時間後に0.5%
メチルセルロース液に懸濁した化合物17,19の
各々2.10mg/Kgを経口投与した。免疫3日後に脾
臓を摘出して、出現する抗体産生細胞数をJerne
のPFC(Plaque Forming Cell)法(Science,
140巻,405頁、1963年)により測定した。 結果を表2に示した。 表2から明らかなように化合物17,19は、2お
よび10mg/Kgの用量で抗体産生を増強した。
す) 反応式の反応により、一般式()で示す本
発明化合物を製造する上で保護基として用いるア
ルデヒド又はケトンとしては、具体的にはホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド又はベンズアルデ
ヒドなどのような脂肪族、芳香族アルデヒド及び
アセトン、メチルエチルケトン又はアセトフエノ
ン、ベンゾフエノンなどのような脂肪族、芳香族
ケトンが挙げられる。なお、これら保護基として
用いられる化合物は反応式の環縮少工程におい
て副生するものであることから一般式()で表
される本発明化合物と容易に分離可能なアルデヒ
ド又はケトンであることが望ましい。 本発明者らはこの点を念頭に種々のアルデヒド
又はケトンについて鋭意検討した結果、工業的に
大量かつ安価に使用可能であり、又、人体に対す
る危険性が少なく、一般式()で表される本発
明化合物と容易に分離可能なものとして、反応式
で用いられる化合物Bとしてはアセトンが最も
好ましいことを見いだした。 第1図においてアセトンを保護基として用いて
製造した化合物1より工程A,Bを経て製造でき
る化合物3、および工程A,Cを経て製造できる
化合物5ならびに化合物4より工程E,Fを経て
製造できる化合物7はいずれも新規化合物であ
り、一般式()で表される本発明化合物を製造
する上で極めて有用な中間体である。 次に一般式()で表され、環状ジスルフイド
化合物である本発明のジチオラン化合物12,15,
17,19,21及び23の製造方法について説明する。 一般にジスルフイド化合物を製造する場合に
は、2個のチオール基を種々の酸化剤を用いて酸
化することにより目的物が得られる。しかしなが
ら、チオール基を有する化合物がその分子内に
α,β−不飽和カルボニル基における2重結合の
如く、チオール基と非常に反応性に富む2重結合
を有する化合物の場合には、そのジスルフイド化
合物の製造は、副反応として分子間あるいは分子
内でのチオール基の2重結合への付加反応が伴
う。更に使用した酸化剤によつてはジスルフイド
結合の生成のみならず副反応として2重結合の酸
化反応も伴い、目的とするジスルフイド化合物の
みを得ることは極めて困難である。 したがつて一般式()で表される本発明化合
物、すなわち分子内に反応性に富む2重結合を有
する分子内環状ジスルフイド化合物は2個の遊離
チオール基の酸化反応を経由する方法によつては
到底得ることはできない化合物である。 本発明は2個のチオール基を経由することな
く、分子内環状ジスルフイド化合物の新規な製造
方法の発明によりなされたものである。 すなわち不飽和脂肪酸を置換基として有する
1,3−ジチアン化合物を酸化工程に付した後、
環縮少工程により、分子内ジスルフイド化合物で
ある1,2−ジチオラン化合物を高収率で製造す
ることができるのである。 次に第1図〜第3図に示した製造経路,,
およびA工程〜Q工程について具体的に説明す
る。 製造経路 A程;化合物2のR1は低級アルコキシ基又はア
ミノ基および置換アミノを表す。これがエステ
ルである場合は化合物1と低級アルコール(メ
タノール、エタノールなど)より酸触媒存在下
(塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸)脱水
により0°〜100℃の範囲で反応することにより
製造できる。またR1がアミドである場合は化
合物1の反応性誘導体(酸クロリド、混合酸無
水物など)と1級アミン、好ましくは2級アミ
ンと有機溶媒、すなわち脂肪族又は芳香族炭化
水素、ハロゲン化炭化水素、エーテルなどの溶
媒中で−10°〜20℃の範囲で反応することによ
り製造できる。 B工程;A工程により製造した化合物2(エステ
ル又はアミド)を有機溶媒、すなわち脂肪族又
は芳香族炭化水素、エーテルなどの溶媒、好ま
しくはヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラ
ンなどの溶媒中で、当モルあるいは少過剰の水
素化ジイソブチルアルミニウムを用いて、−78°
〜50°の範囲で還元することにより一般式()
で表わす本発明化合物製造の中間体である4−
ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジチア
ン(化合物3)が製造できる。 C工程;A工程で製造した化合物2(アミド)を
有機溶媒、例えばエーテルなどの溶媒、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジ
メトキエタンなどの溶媒中で−78°−50°の範囲
で、好ましくは−78°−0°の範囲で、等モル〜
5倍モル好ましくは等モル〜2倍モルのメチル
リチウム溶液を作用させることにより、4−ア
セチル−2,2−ジメチル−1,3−ジチアン
(化合物5)を製造できる。またこの化合物5
は次のようにD工程によつても製造できる。 D工程;化合物5の製造に用いる化合物4(2,
2−ジメチル−1,3−ジチアン)は、1,3
−プロパンジチオールに酸触媒存在下、有機溶
媒、すなわち脂肪族又は芳香族炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素、エーテルなどの溶媒好ましく
は、ヘキサン、ベンゼン、ジクロルメタン、テ
トラヒドロフランなどの溶媒中で具体的には塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ボロント
リフルオライドジエチルエーテルなどの酸触媒
存在下、アセトンを作用させることにより製造
できる。またアセトンを溶媒とした条件下にお
いても製造できる。 このようにして製造した化合物4(2,2−
ジメチル−1,3−ジチアン)に脂肪族炭化水
素、エーテルなどの溶媒、好ましくはヘキサ
ン、テトラヒドロフランエチルエーテルなどの
溶媒中で、−78°−50°の範囲で、等モル〜3倍
モルのn−ブチルリチウム溶液を作用させた
後、2倍モル〜3倍モルのジメチルアセトアミ
ドを作用させることにより4−アセチル−2,
2−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物5)
を製造できる。 E工程;2,2−ジメチル−1,3−ジチアン
(化合物4)を5−10倍量のメタノール又はエ
タノールに溶解し、0°〜50°の範囲で、好まし
くは5°〜15°の範囲で、酸化剤(例えばメタ過
沃素酸ナトリウム、メタクロル過安息香酸、過
酸化水素水など)を等モル〜1.5倍モル用いて
酸化することにより2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−1−オキシド(化合物6)を製造
できる。 F工程;2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−
1−オキシド(化合物6)を脂肪族又は芳香族
炭化水素、エーテルなどの溶媒、好ましくは、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
2−ジメトキシエタンなどの溶媒に溶解し、−
78°〜30°の範囲で、好ましくは−78°〜0°の範囲
で、例えばt−ブトキシカリウム、n−ブチル
リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、水
素化ナトリウムなどの塩基存在下、酢酸エステ
ル、好ましくは酢酸エチルエステルを作用させ
ることにより、新規化合物である6−アセチル
−2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−1−
オキシド(化合物7)を製造できる。 G工程;F工程で製造したアセチル体である(化
合物7)にアルコール類、脂肪族又は芳香族炭
化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテルなどの
溶媒、好ましくはベンゼン、トルエン、テトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタンなどの溶媒中
で、ウイテイヒ試薬(ホスホラン類、ホスホン
酸誘導体)を作用させることにより化合物8を
製造できる。ホスホラン類の場合0〜150℃で、
好ましくは10〜120°の範囲で、アセチル体(化
合物7)に対して等モル〜10倍モル、好ましく
は等モル〜3倍モル作用させることにより製造
できる。またホスホン酸誘導体の場合−78〜
100℃、好ましくは−20〜30℃の範囲で塩基
(例えばt−ブトキシカリウム、ナトリウムメ
トキシド、リチウムジイソプロピルアミド、水
素化ナトリウムなど)の存在下、アセチル体
(化合物7)に対して等モル〜10倍モル、好ま
しくは等モル〜3倍モル作用させることによ
り、本発明化合物の中間体となる新規化合物で
ある、(E)−3−メチル−3−(2,2−ジメチ
ル−1.3ジチアン−1−(オキシド、6−イル)
−アクリル酸エチルエステル(化合物8)を製
造できる。R2は低級アルキル(メチル、エチ
ル、t−ブチルなど)基を表す。 製造経路 H工程;4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物3)を脂肪族又は芳香族
炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ア
ルコールなどの溶媒、好ましくはベンゼン、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒中
で、ウイテイヒ試薬(例えばホスホラン類、ホ
スホン酸エステル)をG工程と同様の条件下作
用させることにより、化合物9を製造できる。
化合物9におけるR3とは低級アルコキシ基又
は一級アミノ基好ましくは2級アミノ基を表わ
す。 I工程;化合物9をテトラヒドロフラン、ジオキ
サンエチルアルコールなどの溶媒中で、0°〜
100°の範囲で酸加水分解(例えば塩酸、硫酸な
ど)又はアルカリ加水分解(例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム
など)することにより(E)−3−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジチアン−4−イル)アクリル
酸(化合物10)を製造できる。 J工程;(E)−3−(2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン−4−イル)アクリル酸(化合物10)
を5倍〜10倍量のメタノール又はエタノールに
溶解し、E工程と同様の条件下、酸化すること
によりS−オキシド化合物(化合物11)を製造
できる。 本発明では通常、酸化生成物は精製することな
く次の工程に用いることができる。 K工程;化合物11を脂肪族又は芳香族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、エステル、エーテルなど
の溶媒、好ましくはベンゼン、トルエン、ジク
ロルメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、イソプロピルエーテルなどに
溶解し、0°〜150°で、好ましくは30°〜100°で酸
触媒存在下(例えば塩酸、硫酸、過塩素酸など
の鉱酸又はその水溶液ならびに酢酸、メタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機
酸)に1時間〜24時間、好ましくは2時間〜5
時間反応することより、環縮少が起り、本発明
化合物(E)−3−(1,2−ジチオラン−3−イ
ル)アクリル酸(化合物12)を好収量で製造で
きる。 L工程;化合物3をG工程と同様の条件下、ウイ
テイヒ試薬、例えばジメチル−(2−オキソ−
プロピル)−ホスホネート、アセチルメチレン
トリフエニルホスホランなどと反応させること
により、新規物質である(E)−4−(2,2−ジ
メチル−1,3−ジチアン−4−イル)−3−
ブテン−2−オン(化合物13)を製造できる。 M工程;化合物13にG工程と同様の条件下、ウイ
テイヒ試薬、例えばジエチルホスホノ酢酸t−
ブチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどと反
応させることにより、新規である4−(4−t
−ブトキシカルボニル−1,3−ブタジエニル
−3−メチル)−2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン(化合物14)を製造できる。R4は低
級アルキル基(例えばメチル、エチル、t−ブ
チル基など)を表す。この化合物14より前述し
たI,J,Kの各工程の順に同様の処理により
本発明化合物(2E,4E)−5−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)−3−メチル−2,4−ペ
ンタジエン酸(化合物15)を製造できる。 N工程;4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物3)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬、例えばγ−ジエチルホ
スホノクロトン酸エチルあるいはt−ブチルエ
ステルなどを作用させることにより新規化合物
16をシス−トランスの混合物として製造でき
る。R5は低級アルキル基(例えばメチル、エ
チル、t−ブチル基など)を表す。この化合物
16は、前述のI,J,Kの各工程の順に同様の
処理により本発明化合物(2E,4E)−5−(1,
2−ジチオラン−3−イル)−2,4−ペンタ
ジエン酸(化合物17)を製造できる。この化合
物はNMRの分析結果より(2E,4E)異性体の
みである。 製造経路 O工程;4−アセチル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物5)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬、例えばジエチルホスホ
ノ酢酸エチル又はt−ブチルエステルなどを反
応させることにより化合物18が製造できる。
R6は低級アルキル基(メチル、エチル、t−
ブチル基など)を表す。本化合物より前述した
I,J,Kの各工程の順に同様の処理により、
本発明化合物(E)−3−(1,2−ジチオラン−
3−イル)−3−メチル−アクリル酸(化合物
19)を製造できる。 また化合物18より、すなわちエステルを加水
分解することなくJ工程(酸化工程)K工程
(環縮少工程)の順に同様の処理によつても本
発明化合物(化合物19)を製造できる。 P工程;4−アセチル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物5)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬、例えばγ−ジエチルホ
スホノクロトン酸エチル又はt−ブチルエステ
ルを反応させることにより化合物20を製造でき
る。R7は低級アルキル基(メチル、エチル、
t−ブチル基など)を表す。この化合物20より
I,J,Kの各工程順に同様の処理により、本
発明化合物(2E,4E)−5−(1,2−ジチオ
ラン−3−イル)−2,4−ヘキサジエン酸
(化合物21)を製造できる。 Q工程;4−アセチル−2,2−ジメチル−1,
3−ジチアン(化合物5)にG工程と同様の条
件下、ウイテイヒ試薬例えば4−ジエチルホス
ホノ−3−メチル−2−ブテン酸t−ブチルエ
ステルを反応させることにより化合物(22)を
製造できる。R8は低級アルキル基(メチル、
エチル、t−ブチル基など)を表す。この化合
物22よりI,J,Kの各工程順に同様の処理に
より本発明化合物(2E,4E)−5−(1,2−
ジチオラン−3−イル)−3−メチル−2,4
−ヘキサジエン酸(化合物23)を製造できる。 以下実験例により、さらに具体的に説明する。 実験例1 4−(N−フエニル−N−メチルカル
バモイル)−2,2−ジメチル−1,3−ジチ
アン(化合物2)の製造(A工程の例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4−カ
ルボン酸(化合物1)3.5g(18.2ミリモル)を
無水塩化メチレン30mlに溶解し、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド4.13g(20ミリモル)を加え5
分間氷冷攪拌し、次にN−メチルアニリン2.14g
(20ミリモル)を加え、室温で3時間攪拌した。
不溶物を去し、液を希塩酸次いで希炭酸水素
ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を留去し、残渣
をシリカゲルクロマト(溶媒;クロロホルム:メ
タノール=50:1)により精製し、目的物(化合
物2)3.2g(62%)を結晶として得た。融点87
−89℃(ヘキサンより再結晶) NMR(100MHz.CDCl3)δppm:7.2−7.5(5H,
m)3.6−3.8(1H,m),3.26(3H,s),
2.7−2.9(2H,m),1.8−2.4(2H,m) 実験例2 4−ホルミル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン(化合物3)(B工程の例) 実験例1で合成したアミド(化合物2)3.2g
(11.4ミリモル)のテトラヒドロフラン20mlの溶
液を窒素気流下ドライアイス−アセトンにより−
78℃に冷却し、1.54M水素化ジイソブチルアルミ
ニウムのトルエン溶液7.5ml(11.4ミリモル)を
加え、−78℃で1.5時間かきまぜた。 次に5%塩酸50mlに反応溶液を加え、15分間攪
拌後、エチルエーテル抽出し、飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で洗浄後、乾燥した。溶媒を留去した
後、シリカゲルクロマト(溶媒;クロロホルム)
で精製し、目的物(化合物3)1.65g(82%)を
無色油状物として得た。 NMR(100MHz.CDCl3)δppm:9.6(1H,
s),3.62(1H,dd,J=4Hz,6Hz),
2.6−3.2(2H,m),2.1−2.4(2H,m),
1.69(3H,s),1.66(3H,s) 実験例3 4−(ピロリジノカルバモイル)−2,
2−ジメチル−1,3−ジチアン(A工程の
例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4−カ
ルボン酸エチルエステル4.4g(20ミリモル)に
ピロリジン2g(28ミリモル)を加え、70℃で10
時間加熱した。冷却後エチルエーテルに溶解し希
塩酸、希アルカリ水溶液を用いて洗浄後、溶媒を
留去し、シリカゲルクロマト(溶媒;クロロホル
ム:メタノール=50:1)により精製し、目的物
3.2g(65%)を結晶として得た。 融点 72°−74℃。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:3.6−3.9(2H,
m)3.3−3.6(3H,m),2.9−3.1(2H,
m),1.8−2.3(6H,m),1,83(3H,
s),1.65(3H,s) 本化合物からは実施例2と同様の処理により、
4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジチ
アン(化合物3)を得ることができる。 実験例4 4−ホルミル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン(化合物3)(B工程の例) 2.2−ジメチル−1.3−ジチアン−4−カルボン
酸エチルエステル11g(50ミリモル)のトルエン
40ml溶液を、窒素気流下−78℃に冷却し、1.53M
水素化ジイソブチルアルミニウムトルエン溶液35
ml(54ミリモル)を滴下した。−78℃で1時間反
応後、5%塩酸100ml中に注ぎ、室温で30分かき
まぜた。有機層を分取し、溶媒を留去後シリカゲ
ルカラムクロマト(溶媒;クロロホルム)により
精製し、目的物(化合物3)5g(57%)を無色
油状物として得た。 実験例5 4−アセチル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン(化合物5)(C工程の例) 実験例1により得られるアミド(化合物2)
28.1g(0.1モル)の100mlテトラヒドロフラン溶
液を−78℃に冷却し、窒素気流下、1.5Mメチル
リチウムエチルエーテル溶液132ml(0.2モル)を
加え、2時間かきまぜた。氷冷希塩酸に反応液を
注ぎ、有機層を分取し、水洗、乾燥後、濃縮し、
シリカゲルカラムクロマト(溶媒;ヘキサン:酢
酸エチル=10:1)により精製し目的物(化合物
5)15g(79%)を無色油状物として得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:3.55(1H,
t,J=5Hz),2.5−3.2(2H,m),
2.23(3H,s)1.9−2.2(2H,m),1.68
(3H,s),1.62(3H,s) 実施例5で得られる化合物は次の実施例6によ
つても得られる。 実験例6 4−アセチル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン((化合物5)(D工程の例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物
4)1.48g(10ミリモル)のテトラヒドロフラン
10ml溶液に氷冷下1.6Mn−ブチルリチウムヘキサ
ン溶液13.5ml(20ミリモル)を加え、室温で窒素
気流下に一夜放置した。−78℃に冷却後、乾燥N,
Nジメチルアセトアミド4ml(43ミリモル)を一
度に加え、徐々に2時間をかけて室温にもどし
た。飽和塩化アンモニウム水溶液50mlに注ぎ、有
機層を分取し、シリカゲルカラムクロマト(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、
原料ジチアン0.5gを回収し、目的物(化合物5)
1.2g(63%)を無色油状物として得た。 実験例7 2.2−ジメチル−1,3−ジチアン−
1−オキシド(化合物6)(E工程の例) 2,2−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物
4)15g(0.1モル)をメタノール750mlに溶解
し、反応温度を20℃に保ちながらメタ過沃素酸ナ
トリウム22.5g(0.1モル)の250ml水溶液を15分
間を要して滴下した。滴下後同温度で30分間激し
くかきまぜた。不溶物を去後母液を減圧下濃縮
し、クロロホルムを用いて抽出し、有機層を硫酸
マグネシウム上で乾燥し、シリカゲルカラムクロ
マト(溶媒;酢酸エチル)により精製し無色油状
物として化合物6を14.6g(89%)を得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.54(3H,
s),1.62(3H,s),1.9−3.1(6H,m) 実験例8 6−アセチル−2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン−1−オキシド(化合物7)
(F工程の例) 乾燥テトラヒドロフラン60mlにジイソプロピル
アミン7.5ml(52.8ミリモル)を加え、ドライア
イス−アセトン浴を用いて−20℃に冷却した。こ
れに1.6Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液30ml
(48ミリモル)を加え、同温度で40分かきまぜた。
次に−78℃に冷却し2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン−1−オキシド7.9g(48ミリモル)の
テトラヒドロフラン20ml溶液を同温度で加えた。
1時間かきまぜた後、乾燥酢酸エチル2.4ml(24
ミリモル)を加え、同温度でさらに1.5時間かき
まぜた。ついで酢酸2.8ml(49ミリモル)を加え、
室温にもどした後不溶物を去し、溶媒を留去、
シリカゲルカラムクロマト(溶媒;n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)により精製し、目的物
(化合物7)3.8gを無色油状物として得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.55(3H,
s),1.68(3H,s),2.36(3H,s),
2.1−2.5(2H,m)2.6−3.0(2H,m),
3.5−3.7(1H,m) 実験例9 (E)−3−メチル−3−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジチアン−1−オキシド−6−
イル)アクリル酸エチルエステル(化合物8)
(G工程の例) 乾燥1,2−ジメトキシエタン30mlに60%水
素化ナトリウム0.56g(14.1ミリモル)をけん
だくし、これにジエチルホスホノ酢酸エチル
3.15g(14.1ミリモル)の1,2−ジメトキシ
エタン10ml溶液を氷冷下滴下した。滴下後室温
で30分かきまぜた後、実験例8で製造したS−
オキシド(化合物7)2.9g(14.1ミリモル)
の1,2−ジメトキシエタン15ml溶液を滴下
し、室温で3時間かきまぜた。水を加え、酢酸
エチルを用いて抽出し、無水硫酸ナトリウムを
用いて乾燥後濃縮すると結晶が析出した。これ
を取し、ヘキサンで洗浄し、目的物(化合物
8)1.31g(33.6%)が無色結晶として得られ
る。 融点 170−171℃ 元素分析値(C12H20O3S2) 計算値(%) C 52.13 H 7.31 S
23.19 分析値(%) C 51.77 H 7.48 S
23.05 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.28(3H,
t,J=8Hz)1.60(3H,s),1.7(3H,
s),2.34(3H,s),2.2−2.6(2H,
m),2.7−3.08(1H,m),4.14(2H,
q,J=8Hz),5.94(1H,s),3.1−
3.32(1H,m) 参考例1 エトキシカルボニルメチレントリフエ
ニルホスホラン(H工程で使用されるウイテイ
ヒ試薬の製造) トリフエニルホスフイン52.4gのベンゼン200
ml溶液にブロム酢酸エチルエステル33.4gを滴下
し、室温で3時間かきまぜた。析出したホスホニ
ウム塩を取し、乾燥した。これを水1.5に加
え、希水酸化カリウム水溶液を共存するフエノー
ルフタレインが赤くなるまで加えた。1時間激し
く攪拌し、析出物を取し、十分に水洗後乾燥し
て目的物52g(75%)を得た。融点124−126℃
(酢酸エチルから再結晶) 実験例10 (E)−3−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)アクリル酸エチル(化
合物9)(H工程の例) 4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジ
チアン0.88g(5ミリモル)の10mlベンゼン溶液
に参考例1で合成したホスホラン2.08g(6ミリ
モル)を加え室温で1時間攪拌後、8時間還流さ
せた。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マト(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に
より精製し、目的物(化合物9)を0.95g(77
%)を無色油状物として得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:6.82(1H,
dd,J=16Hz,6Hz),5.95(1H,d,
J=16Hz),4.18(2H,q,J=6Hz),
3.6−3.9(1H,m),2.6−3.2(3H,m),
2.1−2.4(1H,m),1.84(3H,s),1.62
(3H,m),1.30(3H,t,J=6Hz) 実験例11 (E)−3−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)アクリル酸(化合物
10)(I工程の例) 実験例10で合成したエステルに2.3g(9ミリ
モル)をジオキサン40mlに溶解し、6N硫酸2.5ml
を加え、90℃で6時間加熱した。反応液を水に注
ぎ、酢酸エチルを用いて抽出し、溶媒を留去後、
シリカゲルカラムクロマト(溶媒;ジクロルメタ
ン−酢酸エチル混合溶媒)により精製し、目的物
(化合物10)を1.59g(77%)を油状物として得
た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:1.62(3H,
s,CH3)1.84(3H,s,CH3),2.1−
2.4(1H,m),2.6−3.3(3H,m),3.7−
4.0(1H,m),5.96(1H,d,J=16
Hz),6.93(1H,dd,J=16,7Hz),
10.6(1H,bs) 実験例12 (E)−3−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)アクリル酸−1−オキ
シド(化合物11)(J工程の例) 実験例11で合成したカルボン酸1.57g(7.2ミ
リモル)をメタノール16mlに溶解し、タングステ
ン酸ナトリウムを触媒量加え、28%過酸化水素水
1mlを氷冷下に滴下した。一夜室温に放置後、
H2Oを加え、酢酸エチルを用いて抽出し、溶媒
を留去し、粗結晶0.8g(47.5%、ジチアン−s
−オキシド)を得た。本化合物は精製することな
く次の反応に用いた。 実験例13 (E)−3−(1,2−ジチオラン−3−
イル)アクリル酸(化合物12)(K工程の例) 実験例12で合成したカルボン酸4gをジオキサ
ン30mlに溶解し、これに6N硫酸2mlを加え、95
℃で1.5時間加熱した。冷却後、酢酸エチル50ml
を加え、水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、
無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、10mlに濃縮し
た。短かいシリカゲルカラムクロマト(溶媒;酢
酸エチル)により精製分離後、エチルエーテル−
ヘキサンから結晶化させ、目的物(化合物12)を
2.3g(76%)を淡黄色結晶として得た。 融点 96−97℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:10.5(1H,
b,s)7.0(1H,dd,J=16.9Hz),
5.98(1H,d,J=16Hz),4.25(1H,
m),3.0−3.4(2H,m),2.6(1H,m),
2.16(1H,m) 実験例14 (E)−4−(2,2−ジメチル−1,3
−ジチアン−4−イル)−3−ブテン−2−オ
ン(化合物13)(L工程の例) a 純度60%の水素化ナトリウム3.22g(80.5ミ
リモル)を無水テトラヒドロフラン300mlに懸
濁させ氷冷攪拌下ジメチル−(2−オキソ−プ
ロピル)−ホスホネート14.1g(81ミリモル)
のテトラヒドロフラン100ml溶液を滴下し、20
分間同温度で攪拌する。 実験例2で合成した4−ホルミル−2,2−
ジメチル−1,3−ジチアン11.8g(67ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン100ml溶液を滴下し、
3時間攪拌する。反応混合物を希塩酸中に注ぎ
込み、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗
し、溶媒を減圧下に留去して得られる残渣をシ
リカゲルクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=9:1)により精製し、目的物(化合物
13)を油状物として11.3g(82.9%)得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:6.62(1H,
dd,J=15Hz,7Hz),6.15(1H,d,
J=15Hz),3.80(1H,m),2.40,−3,
32'(4H,m),2,25(1H,s)1.82
(1H,s),1.61(1H,s) b 4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−
ジチアン8.4g(47ミリモル)とアセチルメチ
レントリフエニルホスホラン17.0g(53ミリモ
ル)のベンゼン80ml溶液を30分間還流下に攪拌
する。溶媒を減圧下に留去し、シリカゲルクロ
マト(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)
により精製し、目的物(化合物13)を4.8g
(49.8%)得た。 実験例15 4−(4−t−ブトキシカルボニル−
3−メチル−1,3−ブタジエニル)−2,2
−ジメチル−1,3−ジチアン(化合物14)
(M工程の例) 60%水素化ナトリウム0.88g(22ミリモル)を
無水テトラヒドロフラン50mlにけんだくさせ、氷
冷下ジエチルホスホノ酢酸t−ブチルエステル
6.67g(26ミリモル)を滴下した。均一な溶液に
した後、−20℃まで冷却し、実験例14で製造した
化合物13の4.8g(23ミリモル)のテトラヒドロ
フラン10ml溶液を滴下し、同温度で30分間、つづ
いて氷冷下に2時間かきまぜた。希塩酸中にこの
反応混合物を注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出し、
無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を留去
後、シリカゲルカラムクロマト(溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的物
(化合物14)を無色結晶として3.1g(44%)を得
た。 融点 38−40℃ NMR(100MHz,CDCl3δppm:6.60(1H,t),
5.88(1H,d),5.62(1H,s),3.50
(1H,m),2.4−3.2(3H,m),2.14
(3H,s),1.88−2.0(1H,m)1.78
(3H,s),1.48(12H) 実験例16 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラ
ン−3−イル)−2,4−ペンタジエン酸(化
合物17)(N,I,J,Kの各工程の例) 4−ホルミル−2,2−ジメチル−1,3−ジ
チアン(化合物3)7.9g(45ミリモル)とγ−
ジエチルホスホノクロトン酸エチル12.5g(50ミ
リモル)の20mlテトラヒドロフラン溶液を60%水
素化ナトリウム2g(50ミリモル)の40mlテトラ
ヒドロフラン溶液中に氷冷下滴下し、2時間攪拌
した。水100mlを加え酢酸エチルを用いて抽出し、
溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマト(ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的
物(化合物16)6.9g(56%)を油状物として得
た(シス−トランス混合物)。 この化合物6gをジオキサン40mlに溶解し、
6N硫酸5mlを加え、90−100℃で15時間かきまぜ
加水分解した。 水100mlを加え、酢酸エチルを用いて抽出し、
溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマト(溶
媒;ヘキサン:酢エチ=4:1)により精製し、
カルボン酸3.5g(65%)を油状物として得た。 得られたカルボン酸(シス−トランス混合物)
3.4g(14ミリモル)の40mlメタノール溶液に100
mgのタングステン酸ナトリウムを加え、氷冷下28
%過酸化水素水1.7g(14ミリモル)を加えて30
分間かきまぜた。このものを減圧濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマト(溶媒;クロロホルム:メア
ノール=20:1)により精製し、S−オキシド
3.0g(83%)を得た。 次にこのS−オキシド3.0gをジオキサン40ml
に溶解し、6N硫酸2mlを加え、70℃で15時間攪
拌した。水50mlを加え酢酸エチルを用いて抽出
し、乾燥後約10mlに濃縮した。更にこのものをシ
リカゲルカラムクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=1:1)により精製し、エチルエーテル
−ヘキサンを用いて結晶化させ、黄色結晶0.52g
(22%)を得た。生成物はNMRの分析結果より
トランス、トランス体のみであつた。 融点 140−142℃ NMR(100MHz,CDCl3+DMSO)δppm:12.6
(1H,bs),7.13(1H,dd,J=16,10
Hz),6.30(1H,dd,J=16,10Hz),
6.1(1H,dd,J=16,10Hz),5.78(1H,
d,J=14Hz),4.28(1H,dd,J=
16.8Hz),3.0−3.4(2H,m),2.3−2.7
(1H,m),1.9−2.3(1H,m) 実験例17 (E)−3−メチル−3−(2,2−ジメ
チル−1,3−ジチアン−4−イル)アクリル
酸t−ブチル(化合物18)(O工程の例) 純度60%の水素化ナトリウム9.9g(0.25モル)
を無水テトラヒドロフラン500mlに懸濁させ、氷
冷攪拌下にジエチルホスホノ酢酸t−ブチル75.1
g(0.30モル)を滴下し、同温度で30分間攪拌す
る。−28℃に冷却し実験例5で合成した4−アセ
チル−2,2−ジメチル−1,3−ジチアン47.3
g(0.25モル)のテトラヒドロフラン100ml溶液
を滴下する。同温度で1時間、続いて氷冷下に1
時間攪拌してから反応混合物を希塩酸中に注ぎ込
み酢酸エチルで抽出する。 有機層を水洗し、溶媒を減圧下に留出する、残
渣をシリカゲルクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)により精製する。E体とZ体の
油状混合物が得られるが、容器の壁面をスパチユ
ラでこすることによりE体のみを結晶化させ目的
物39.1g(54.6%)を無色針状結晶として得た。
融点38−40℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:5.79(1H,
s),3.60(1H,dd,J=2.5Hz,10Hz),
2.6−3.5(2H,m),2−20(3H,s),
1.95−2.2(2H,m)1.85(3H,s),1.65
(3H,s),1.48(9H,s) 実験例18 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19) 実験例17で得たt−ブチルエステル78.1g
(0.27モル)のジオキサン500ml溶液に6N硫酸34.5
mlを加え、90℃で5時間攪拌する。 減圧下に溶媒を留去し、溶媒の量がおよそ4分
の1になつたところで水を加え、析出する結晶を
取し、水洗する。乾燥して(E)−3−メチル−3
−(2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4−
イル)アクリル酸を無色結晶として58.7g(93.3
%)得た。 融点 125−127℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:10.4(1H,
bs),5.96(1H,s),3.61(1H,dd,J
=12Hz,25Hz)2.23(3H,s),1.84
(3H,s),1.61(3H,s),1.6−3.4
(4H,m) このカルボン酸58.7g(0.25モル)のメタノー
ル500ml溶液にタングステン酸ナトリウム1.10g
を加え、氷冷攪拌下に28%過酸化水素水30.5g
(0.27モル)を滴下して30分間同温度で攪拌する。 析出してくる結晶を取、水洗し、(E)−3−メ
チル−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジチア
ン−1−オキシド−4−イル)アクリル酸40.0g
(60.8%)を無色粉末として得た。 融点 216−217℃ このS−オキシド15.0g(60.4ミリモル)のジ
オキサン150ml溶液に6N硫酸8mlを加え、90℃で
9時間攪拌する。これを水中に注ぎ込み、酢酸エ
チルで抽出する。有機層を水洗し、溶媒を減圧下
に留去する。得られる残渣をシリカゲルクロマト
(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製
し、エーテル−ヘキサンから結晶させて(E)−3−
メチル−3−(1,2−ジチオラン−3−イル)
アクリル酸を淡黄色粉末として4.4g(43.6%)
得る。 融点 96−98℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.0(1H,
bs),5.85(1H,s),4.20(1H,t,J
=7Hz),2.9−3.5(2H,m),2.4−2.8
(1H,m),2.25(3H,s),1.9−2.2
(1H,m) 実験例19 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラ
ン−3−イル)−2,4−ヘキサジエン酸(化
合物21)(P,I,J,Kの各工程の例) 純度60%の水素化ナトリウム1.1g(27.5ミリ
モル)を無水テトラヒドロフラン22mlに懸濁さ
せ、氷冷攪拌下に実験例5で得た4−アセチル−
2,2−ジオメチル−1,3−ジチアン(化合物
5)4.7g(24.6ミリモル)とトランス−4−ジ
エチルホスホノークロトン酸t−ブチル7.6g
(27.5ミリモル)の無水テトラヒドロフラン11ml
混合溶液を滴下する。 同温度で2時間、室温で13時間攪拌してから反
応混合物を希塩酸中に注ぎ込み、酢酸エチルで抽
出する。有機層を水洗し、溶媒を減圧下に留去し
て得られた残渣をシリカゲルクロマト(溶媒;ヘ
キサン:酢酸エチル=15:1)により精製し、
(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−1,3−ジ
チアン−4−イル)−2,4−ヘキサンジエン酸
t−ブチル(化合物20)を無色油状物として4.9
g(62.6%)得た。 NMR(100MHz,CDCl3)δppm:7.45(1H,
q,J=15Hz,10Hz),6.15(1H,d,
J=10Hz),5.80(1H,d,J=15Hz),
3.68(1H,q),2.7−3.2(2H,m)2.0−
2.2(2H,m),1.95(3H,s),1.85(3H,
s)1.62(3H,s),1.50(9H,s) このt−ブチルエステル4.9g(15.4ミリモル)
のジオキサン32ml溶液に6N硫酸3.2mlを加え、90
℃に加熱して3時間攪拌する。反応混合物を水中
に注ぎ込み酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗
し溶媒を減圧下に留去し、ヘキサンを加えて結晶
化させ、(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン−4−イル)−2.4−ヘキサジエ
ン酸を淡黄色結晶として2.05g(51.3%)得た。 融点 163−165℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.10(1H,
bs)7.68(1H,q,J=15Hz,11Hz),
6.25(1H,d,J=11Hz),5.87(1H,
d,J=15Hz),3.70(1H,m),2.6−
3.4(3H,m),2.10(1H,m),2.01(3H,
e),1.90(3H,s),1.62(3H,s) このカルボン酸2.0g(7.0ミリモル)のメタノ
ール23ml溶液にタングステン酸ナトリウム60mgを
加え、氷冷攪拌下に28%過酸化水素水0.96g
(7.9mmol)を滴下し、同温度で30分間攪拌する。 溶媒を減圧下に留去し得られた残渣をシリカゲ
ルクロマト(溶媒;クロロホルム:メタノール=
30:1)で精製し、溶媒を減圧下に留去すること
により、(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−
1,3−ジチアン−1−オキシド−4−イル)−
2,4−ヘキサジエン酸を無色粉末として1.31g
(60.1%)得た。 融点 75〜76℃ このS−オキシド体1.3g(4.7ミリモル)のジ
オキサン20ml溶液に6N硫酸0.9mlを加え、70℃で
8時間攪拌する。水を加え酢酸エチルで抽出す
る。有機層を水洗し、溶媒を減圧下で留去する。
得られた残渣をシリカゲルクロマト(溶媒;ヘキ
サン−酢酸エチル=1:1)で精製し、エーテル
−ヘキサンから結晶化させて、(2E,4E)−5−
(1,2−ジチオラン−3−イル)−2,4−ヘキ
サジエン酸(化合物21)を淡黄色粉末として210
mg(20.3%)得た。 融点 123−125℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.8(1H,
bs),7.45(1H,q,J=15Hz,10Hz),
6.25(1H,d,J=10Hz),5.82(1H,
d,J=15Hz),2.40(1H,m)2.9−3.5
(2H,m),2.28−2.72(1H,m),2.02
−2.30(1H,m),1.93(1H,s) 実験例20 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19) 実験例17で得たt−ブチルエステル4.8g(17
ミリモル)をメタノール36mlに溶解し、タングス
テン酸ナトリウム70mgを加え、氷冷下に28%過酸
化水素水溶液2.1g(17ミリモル)を加えた後、
30分間かきまぜた。溶媒を留去し、S−オキシド
6.3gを得た。これをジオキサン40mlに溶解し、
6N硫酸2.8mlを加え、90℃で3時間かきまぜた。
反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽
出、水洗し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。 シリカゲルクロマト(溶媒;ヘキサン:酢酸エ
チル=2:1)により精製し、エーテル−ヘキサ
ンから結晶化し、淡黄色結晶として目的物(化合
物19)1.2gを得た。 融点 96−98℃ NMR(100MHz,CDCl3)δppm:11.0(1H,
bs),5.85(1H,s),4.20(1H,t,J
=7Hz),2.9−3.5(2H,m),2.4−2.8
(1H,m),2.25(3H,s)1.9−2.2(1.9
−2.2(一H,m) 実験例21 (2E,4E)−5−(2,2−ジメチル
−1,3−ジチアン−4−イル)−3−メチル
−2,4−ヘキサジエン酸tert−ブチル(化合
物22)(Q工程の例) 60%水素化ナトリウム1.1g(28ミリモル)を
無水テトラヒドロフラン50mlに懸濁させ、4−ジ
エチルホスホノ−3−メチル−2−ブテン酸tert
−ブチル8.2g(28ミリモル)を氷冷攪拌下に滴
下し、1時間同盟度で攪拌した。続いて氷冷攪拌
下に実験例5で合成したアセチル体(化合物5)
4.8g(25ミリモル)のテトラヒドロフラン20ml
溶液を滴下し、室温で20時間攪拌した。反応混合
物を水中に注ぎ込み酢酸エチルで抽出した。有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧
下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=20:1)精製し、無色油状物の(2E,4E)−
5−(2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−4
−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサジエン酸
tert−ブチルを得た。収量1.97g(収率24%) NMR(CDCl3,δppm):5.92(1H,s),5.58
(1H,s)3.55(1H,dd),2.7−3.3
(3H,m),2.17(3H,s),1.95−2.05
(1H,m),1.88(3H,s),1.85(3H,
s),1.59(3H,s),1.48(9H,s) 実験例22 (2E,4E)−5−(2,2−ジメチル
−1.3−ジチアン−4−イル)−3−メチル−
2,4−ヘキサジエン酸 実験例21で合成した(2E,4E)−5−(2,2
−ジメチル−1,3−ジチアン−4−イル)−3
−メチル−2,4−ヘキサジエン酸tert−ブチル
1.9g(5.8ミリモル)をジオキサン13mlに溶解
し、6N硫酸2.4ml加え80℃で5時間加熱攪拌し
た。反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで
抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。残渣にヘ
キサンを加えて結晶化させ、無色結晶の(2E,
4E)−5−(2,2−ジメチル−1,3−ジチア
ン−4−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサジ
エン酸を得た。収量1.44g(収率91.4%) 融点 108−109℃(分解) NMR(CDCl3,δppm):10.7(1H,bs),5.99
(1H,s)5.72(1H,s),3.60(1H,
dd),2.7−3.4(3H,m),2.23(3H,
s),1.90(3H,s),1.83(3H,s)
1.61(3H,s) 実験例23 (2E,4E)−5−(1,2−ジチオラ
ン−3−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサ
ジエン酸ナトリウム(化合物23) 実験例22で合成した(2E,4E)−5−(2,2
−ジメチル−1,3−ジチアン−4−イル)−3
−メチル−2,4−ヘキサジエン酸1.4g(5.3ミ
リモリ)をメタノール10mlに溶解し、タングステ
ン酸ナトリウム30mg(9×10-5モル)を加えた。
氷冷攪拌下に28%過酸化水素水0.63g(5.3ミリ
モル)を加え、同温度で30分間攪拌した。触媒を
去し、溶媒を減圧下に留去して(2E,4E)−5
−(2,2−ジメチル−1,3−ジチアン−1−
オキシド−4−イル)−3−メチル−2,4−ヘ
キサジエン酸を無色結晶として得た。収量1.5g
(収率100%) 融点 161−165℃(分解) こうして得られたS−オキシド体1.5g(5.2ミ
リモル)をジオキサン15mlに溶解し、6N硫酸1.5
mlを加え、75℃で10時間加熱攪拌した。反応混合
物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して
無色油状物の(2E,4E)−5−(1,2−ジチオ
ラン−3−イル)−3−メチル−2,4−ヘキサ
ジエン酸を得た。収量0.32g(収率38.8%) NMR(CDCl3,δppm):9.5(1H,bs),6.03
(1H,s)5.75(1H,s),4.24(1H,
t),2.8−3.5(3H,m)2.34(3H,s),
2.10(1H,m),1.98(3H,s) 上で得られたジチオラン体0.29g(1.3ミリモ
ル)に炭酸水素ナトリウム0.106g(1.3ミリモ
ル)の2ml水溶液を加えた。 不溶物を去し、凍結乾燥して黄色粉末の
(2E,4E)−5−(1,2−ジチオラン−3−イ
ル)−3−メチル−2,4−ヘキサジエン酸ナト
リウムを得た。収量0.27g(収率84.5%) 融点 131°−133℃(分解) 生物試験例 1 (マウス脾細胞を用いた幼若化反応に及ぼす作
用) BALB/Cマウス脾細胞を用いてマイトゲン
(mitogen:Concanavalin A(以下ConAと略
す))刺激によるリンパ球幼若化反応に及ぼす本
発明の各化合物およびリポ酸の作用を検討した。 すなわちBALB/Cマウス(♀、10〜14週令)
の脾細胞1×105個をConA2μg/mlおよび供試
化合物と共に、0.2mlの10%牛胎児血清添加
RPMI−1640培地にてマイクロカルチヤープレー
トを用いてCO2インキユベータ(5%CO2,37
℃)中で48時間培養下した。 その後0.5μCiの3H−チミジン(3H−TdR)を
添加し、さらに18時間培養後、セルハーベスター
にて細胞を採取し、細胞内に取込まれた3H−
TdRの放射活性を測定した。結果を表1に示す。 表1から明らかなように、T細胞マイトゲンで
あるConAで刺激した場合、本発明化合物は、い
ずれも著明な促進作用を示し、これはリポ酸より
も強い作用であつた。 生物試験例 2 (抗体産生増強作用) ICRマウスを用いて抗SRBC(羊赤血球)抗体
産生応答に及ぼす作用を検討した。 すなわちICRマウス(♀、7〜9週令)を1群
4匹用い、抗原SRBCを尾静脈内に5×107個注
射し免疫した。その直後および24時間後に0.5%
メチルセルロース液に懸濁した化合物17,19の
各々2.10mg/Kgを経口投与した。免疫3日後に脾
臓を摘出して、出現する抗体産生細胞数をJerne
のPFC(Plaque Forming Cell)法(Science,
140巻,405頁、1963年)により測定した。 結果を表2に示した。 表2から明らかなように化合物17,19は、2お
よび10mg/Kgの用量で抗体産生を増強した。
【表】
対値で示した。
生物試験齢 3 (急性毒性) 体重20〜26gのddy系雄マウス4〜5匹ずつを
用い、0.5%メチルセルロース液に懸濁させた化
合物19あるいはリポ酸を経口投与し、7日間経過
を観察し、LD50値を求めた。化合物19およびリ
ポ酸LD50値は共に300〜500mg/Kgであつた。 以上の通り、本発明の化合物は、免疫賦活作用
を示す、毒性の弱い化合物であるので、感染症、
癌等の免疫抑制状態にある疾患に対して有効に使
用することができる。 また、本発明の化合物の如き免疫賦活作用を有
する化合物は、用量により、免疫抑制作用を示す
という両面性が広く認められていることから、免
疫調節の必要とされる各種アレルギー、慢性関節
リウマチなどの疾患にも医薬として有効に使用す
ることができる。
生物試験齢 3 (急性毒性) 体重20〜26gのddy系雄マウス4〜5匹ずつを
用い、0.5%メチルセルロース液に懸濁させた化
合物19あるいはリポ酸を経口投与し、7日間経過
を観察し、LD50値を求めた。化合物19およびリ
ポ酸LD50値は共に300〜500mg/Kgであつた。 以上の通り、本発明の化合物は、免疫賦活作用
を示す、毒性の弱い化合物であるので、感染症、
癌等の免疫抑制状態にある疾患に対して有効に使
用することができる。 また、本発明の化合物の如き免疫賦活作用を有
する化合物は、用量により、免疫抑制作用を示す
という両面性が広く認められていることから、免
疫調節の必要とされる各種アレルギー、慢性関節
リウマチなどの疾患にも医薬として有効に使用す
ることができる。
【表】
製剤試験例
本発明の化合物は通常の処方によつて経口的ま
たは非経口的に投与することができる。経口的に
は錠剤、顆粒剤、カプセル剤または散剤などの医
薬用製剤とし、非経口的投与では皮下、静脈また
は筋肉内注射などを目的とする注射剤として用い
られる。投与方法及び剤型はその疾患の種類、患
者の状態などに応じて適宜選択することが望まし
い。 投与量は経口投与の場合には体重1Kg当りの1
日量は0.1mgないし100mg、好ましくは1mgないし
30mgが適当であり、静脈内投与の場合には1mgな
いし10mg、皮下投与または筋肉内投与の場合には
1mgないし30mgがそれぞれ適当であるが、これら
の投与量についてはその疾患の種類、患者の状態
などに応じてさらに適当量を選定することが望ま
しい。また本剤と他剤、例えば抗腫瘍剤、抗菌
剤、抗炎症剤などとの併用も可能である。 以下に製剤例を例示する。 製剤例1 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19)を
活性成分とする 錠剤1錠の組成 活性成分 10mg 乳 糖 38mg トウモロコシデンプン 35mg 結晶セルロース 20mg ヒドロキシプロピルセルロース 5mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 合計 110mg 圧縮錠剤化により上記成分の錠剤を得た。 製剤例2 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19)を
活性成分とする カプセル1カプセルの組成 活性成分 10mg 乳 糖 95mg トウモロコシデンプン 60mg 結晶セルロース 40mg ステアリン酸マグネシウム 5mg 合計 210mg 上記成分をゼラチン硬カプセルに充填しカプセ
ル剤を得た。
たは非経口的に投与することができる。経口的に
は錠剤、顆粒剤、カプセル剤または散剤などの医
薬用製剤とし、非経口的投与では皮下、静脈また
は筋肉内注射などを目的とする注射剤として用い
られる。投与方法及び剤型はその疾患の種類、患
者の状態などに応じて適宜選択することが望まし
い。 投与量は経口投与の場合には体重1Kg当りの1
日量は0.1mgないし100mg、好ましくは1mgないし
30mgが適当であり、静脈内投与の場合には1mgな
いし10mg、皮下投与または筋肉内投与の場合には
1mgないし30mgがそれぞれ適当であるが、これら
の投与量についてはその疾患の種類、患者の状態
などに応じてさらに適当量を選定することが望ま
しい。また本剤と他剤、例えば抗腫瘍剤、抗菌
剤、抗炎症剤などとの併用も可能である。 以下に製剤例を例示する。 製剤例1 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19)を
活性成分とする 錠剤1錠の組成 活性成分 10mg 乳 糖 38mg トウモロコシデンプン 35mg 結晶セルロース 20mg ヒドロキシプロピルセルロース 5mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 合計 110mg 圧縮錠剤化により上記成分の錠剤を得た。 製剤例2 (E)−3−メチル−3−(1,2−ジチ
オラン−3−イル)アクリル酸(化合物19)を
活性成分とする カプセル1カプセルの組成 活性成分 10mg 乳 糖 95mg トウモロコシデンプン 60mg 結晶セルロース 40mg ステアリン酸マグネシウム 5mg 合計 210mg 上記成分をゼラチン硬カプセルに充填しカプセ
ル剤を得た。
第1ないし第3図はいづれも、本発明の化合物
の合成経路を示す図であるが、第1図は製造経路
、第2図は製造経路そして第3図は製造経路
をそれぞれ示す。
の合成経路を示す図であるが、第1図は製造経路
、第2図は製造経路そして第3図は製造経路
をそれぞれ示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() 【式】 (式中nは1又は2であり、Rは水素原子また
はメチル基である) で表される化合物。 2 一般式() 【式】 (式中nは1又は2であり、Rは水素原子また
はメチル基である)で表される化合物または生理
的に許容されるその塩を有効成分とする免疫調節
剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16115885A JPS6222779A (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 新規ジチオラン誘導体およびこれを有効成分とする免疫調節剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16115885A JPS6222779A (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 新規ジチオラン誘導体およびこれを有効成分とする免疫調節剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6222779A JPS6222779A (ja) | 1987-01-30 |
| JPH0572389B2 true JPH0572389B2 (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=15729694
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16115885A Granted JPS6222779A (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 新規ジチオラン誘導体およびこれを有効成分とする免疫調節剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6222779A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58179614A (ja) * | 1982-04-14 | 1983-10-20 | Howa Seni Kogyo Kk | 自動車用深絞り内装材の表皮貼付方法 |
-
1985
- 1985-07-23 JP JP16115885A patent/JPS6222779A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6222779A (ja) | 1987-01-30 |
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