JPH0571574U - 水栓エルボ引出し容易な支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷温水給水管のサヤ管工法において、水栓ボ
ックスなる精密仕上げの器具を使用せずに、壁内で管を
保持する水栓エルボを管が更新可能なるように支持する
簡単な支持具を提供し、配管コストを低減することを目
的とする。 【構成】 後部取付け座水栓エルボに対しては、Ｌ字形
板の垂直面が後方壁に沿うように水平面を壁部材下面に
固定し、垂直面に後部取付け座をネジなどで取付ける。
耳形取付け座水栓エルボに対しては、垂直面が前方壁に
沿うように水平面を壁部材下面に固定し、垂直面に耳形
取付け座をネジなどで取付ける。但し下縁にＵ字形切れ
込みを設けておく。上部取付け座水栓エルボに対して
は、第１Ｌ字形板の垂直面が後方になるように取付け、
第２Ｌ字形板の水平面の下面に上部取付け座水栓エルボ
を固定し、両板の垂直面をネジなどで取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建築物に対する温水冷水のサヤ管ヘッダー工法の給水設備において、 給水管端末が壁内から室内に出る部分を支持する水栓エルボが、取付け取外しが 容易で給水管の更新が簡単にできるような水栓エルボの取付支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

建築物に対するサヤ管ヘッダー工法というのは、その建築物の建築中に壁の中 に温水、冷水の給水管のサヤ管のみを配管しておき、後日その中をフレキシブル な温水、冷水のポリエチレン給水管を通し、一端は屋外の温水、冷水の夫々のヘ ッダーに接続し、他端は壁板内から直角に曲げて室内に出し、水栓に連結する配 管の工法である。サヤ管の両端はヘッダーの直前までと、下記の水栓エルボの手 前まで配管され、水の洩れ込みを防止して給水管に固定されている。このサヤ管 工法では給水管が壁板から小半径で曲がって出る部分を支持するため水栓エルボ を取付け、給水管はその中を貫通して壁外に出される。このサヤ管工法は後日給 水管の取替えを可能にする工法である。

【０００３】 水栓エルボの形状は図１、図２、図３に示すように取付座の位置によって３種 類ある。従来の水栓エルボ１の支持構造は、図１のように水栓エルボ１の後部に 後部取付座２があって後方の壁５にビスで取付けるもの、または図２のように水 栓６側前端の両側に耳形取付座３があって、給水管７が貫通している壁穴の両側 にビスで取付けるもの、若しくは図３のように水栓エルボ１の上部に上部取付座 ４があって上方の壁部材８に木ネジで取付けるものなどであった。 そのため後日配管の更新、又は取替え例えばボイラーを大きくするために配管 の太さを変えるような場合には、水栓エルボ１を給水管７と共に室内に引き出す 必要があるので、水栓６回りの壁を広く壊すしか方法がなかった。しかし予め更 新を予想する場合や丁寧な工事の場合は壁を壊さずに済むように、水栓ボックス という精密に仕上げられた箱状の装置を水栓ごとに壁内に設置していた。しかし これを使用するとコストが大幅に上がるので業界は苦慮している状況である。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

このサヤ管ヘッダー工法は後日管を更新する場合に有利な工法であるから、水 栓ボックスを使用してコストが大巾に上がるのは抑える必要がある。本考案にお いては水栓ボックスを使用せずに、また水栓回りの壁を広く壊すことなく給水管 の更新が可能な、水栓エルボ取付け支持具を提供することを目的とする。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

水栓エルボを取付ける場所は通常はすぐ上方に存在する水平木材などの壁部材 である。これがない場合は建築中に取付けておく。本考案においては給水管の水 栓側端が壁内から室内に出る部分に嵌められた水栓エルボ１を支持するため、平 板を直角に折り曲げた断面Ｌ字形の板を使用する。その水平面はいずれの形式の 場合でも、垂直面が後方又は前方になるように、上方の壁部材の下面に密着固定 される。 後部取付座２水栓エルボは、図１のようにＬ字形板１０の垂直面が後方になる ように取付け、それに後部取付座２を密着してビスなどで取付ける。 耳形取付座３水栓エルボの場合は、図２のようにＬ字形板１０の垂直面を前方 の水栓６側にして、耳形取付座３を水栓側から垂直面に密着してビスなどで取付 ける。但し垂直面には手や水栓エルボ１が入るＵ字形切込み１１を下縁から設け るておく。 上部取付座４水栓エルボの場合は、図３のように第１のＬ字形板１０は垂直面 を後方にして取付けておき、第２のＬ字形板１０ａの水平面下面に上部取付座４ を密着して取付けたものを、適当な高さ位置になるように、第１の垂直面にビス などで固定する。この際、第１第２の水平面は平行にする。

【０００６】

【作用】

給水管７の水栓側端は通常は壁の下方から上がってくるので、水栓エルボ１の 下方には壁部材８がなく、水栓エルボ１の支持はその上部の水平な壁部材８に取 付けられる。壁部材８がない時は特に取り付ける。その支持具は水栓ボックス９ に比すれば著しく安価な断面Ｌ字形板の小片１〜２個である。このように支持具 を介在させる理由は、水栓エルボ１取付け用ビスなどを水栓６の給水管７が貫通 する穴からドライバーなどを差し込んで外し易いからであり、また取付け部分が 丈夫であるからでもある。特に上部取付座４の場合は、第２Ｌ字形板１０ａによ って水栓エルボ１の高さを調節することが可能になるからである。 この取付け方法によれば給水管の壁貫通穴を水栓ボックスの場合より著しく小 さくでき、直径５０〜６０ｍｍにしておけば、各形式取付座の締付けボルトを外 して水栓エルボ１を引き出し、給水管取替え作業が容易にできる。

【０００７】

【実施例】

実施例 １ 図１のＡは後部取付座２水栓エルボの取付け構造の側面図、Ｂはその正面図で ある。この場合は取付座は水栓エルボ１の後方に取付けられている。支持具とし てＬ字形板１０の水平面を上方壁部材８に木ネジで固定して、その垂直面を後方 壁５に平行にすることができるので、垂直面に後部取付座８を直接取付ければ後 部座水栓エルボを水栓６に向かって確実に支持することができ、又壁外に取出す 事もできる。

【０００８】 実施例 ２ 図２のＡは耳形取付座３水栓エルボの取付け構造の側面図、Ｂはその正面図で ある。耳形取付座３は水栓エルボ１の前端に取付けられ、水栓６側壁５に相対す ることになるので、支持具のＬ字形板１０の水平面を上方壁部材８に木ネジで固 定し、その垂直面を前方壁５に沿って平行にする。垂直面には予め手が入いる程 度のＵ字形切込み１１を設けておけば、耳形取付座３を垂直面より水栓６側に出 して垂直面に取付けることが可能になり、確実に支持すると共に壁外に取出す事 もできる。

【０００９】 実施例 ３ 図３のＡは上部取付座４水栓エルボの取付け構造の側面図、Ｂはその正面図で である。この場合は上部取付座４は水栓エルボ１の上部に取付けられているので 、水栓エルボ１の高さ位置決めなどの都合により、第２の支持具を介在させるも のである。第１のＬ字形板１０の水平面は上方壁部材８に固定し、その垂直面を 後方壁５に沿って平行なるようにする。次に第２のＬ字形板１０ａの水平面に下 方から上部取付座４を密着固定した後、第２のＬ字形板１０ａの垂直面の高さが 適当なるように調整して、２個の垂直面を互いにビスで取付け合えば、水栓エル ボ１を確実に支持することができ又壁外に取出す事もできる。

【００１０】

【考案の効果】

給水管工事をサヤ管ヘッダー工法で後日のことを考慮して施工するために、水 栓ボックスという精密な装置を使用する従来工法に対して、本考案によれば薄い 金属板を単に折り曲げて数個の穴を開けたもので、完全に置き換えることが可能 になった。また壁に開ける穴も水栓ボックスの場合より小さくて体裁も良くなっ た。これにより工事コストが低減され、消費者に対するサービスが向上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】Ａは後部取付座水栓エルボの取付け構造の側面
図であり、Ｂは後部取付座水栓エルボの正面図である。

【図２】Ａは耳形取付座水栓エルボの取付け構造の側面
図であり、Ｂは耳形取付座水栓エルボの正面図である。

【図３】Ａは上部取付座水栓エルボの取付け構造の側面
図であり、Ｂは上部取付座水栓エルボの正面図である。

【符号の説明】

１ 水栓エルボ ２ 後部取付座 ３ 耳形取付座 ４ 上部取付座 ５ 壁 ７ 給水管 ８ 壁部材 １０ Ｌ字形板 １０ａ 第２Ｌ字形板 １１ Ｕ字形切込み

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物に対する給水のサヤ管ヘッダー工
   法の施工において、給水管の水栓側端の壁内から室内に
   出る部分に嵌められた水栓エルボ１を支持するため、断
   面Ｌ字形板１０の、垂直面が後方又は前方になるよう
   に、水平面を上方の壁部材に取付け、各種取付座付き水
   栓エルボを垂直面にビスなどにて固定する水栓エルボ引
   出し容易な支持具
2. 【請求項２】 後部取付座２水栓エルボの場合は、Ｌ字
   形板１０の垂直面が後方になるように水平面を取付け、
   該垂直面に後部取付座２を密着してビスなどで固定した
   請求項（１）記載の水栓エルボ引出し容易な支持具
3. 【請求項３】 耳形取付座３水栓エルボの場合は、Ｌ字
   形板１０に手が入る程度のＵ字形切込み１１を下から設
   けた垂直面が前方になるように水平面を取付け、耳形取
   付座３を水栓側から垂直面に密着してビスなどで固定し
   た請求項（１）記載の水栓エルボ引出し容易な支持具
4. 【請求項４】 上部取付座４水栓エルボの場合は、第１
   のＬ字形板１０は垂直面が後方になるように水平面を取
   付けておき、第２のＬ字形板１０ａの水平面下面に上部
   取付座４を密着固定したものを、水栓エルボ１の位置が
   適当で第１第２の水平面が平行なるように、垂直面を互
   いにビスなどにて固定した請求項（１）記載の水栓エル
   ボ引出し容易な支持具。