JPH0571213B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、穀物をトラツク受ホツパーで荷受け
し定温倉庫に貯蔵して処理するトータル的な穀物
貯蔵処理システムに関するものである。

〔従来の技術〕

収穫後に適切な倉庫に保管することなく未乾燥
穀物をそのまま流通ルートに乗せると含水率の増
加を招くことになる。

また、湿度がある値以上になると微生物の活性
度が高まるため、微生物や害虫の活動を抑えるに
は、貯蔵倉庫内で温湿度（穀物含水率）を一定基
準値以下に保持し、穀物の化学的変化や呼吸作用
等を抑制することが肝要である。

定温倉庫は、倉庫内の温湿度を所定の値以下に
保持し、長期間にわたり穀物を貯蔵しても品質の
劣化を防止（品質を長期維持）し、上記の如き各
要請に応えるものであり、穀物の長期貯蔵、緊急
用貯蔵等の用途に供し、穀物の安定供給にも貢献
するものである。

一般に穀物が産地からトラツク等の輸送手段を
使つて定温倉庫に運搬されてくると、その穀物
は、計量その他の荷受け処理後に構内トラツクや
コンベア等様々な手段や方法により搬送され定温
倉庫内に投入貯蔵されるが、従来、定温倉庫内で
の穀物の振り分けも作業員の判断、指示による等
非効率的な人手作業に負うところが多い。また、
定温倉庫から穀物を搬出する際も同様である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の定温倉庫への貯蔵穀物の搬入、搬出は、
一貫してなくそれぞれ全く無関係に適宜必要な設
備を設けて作業を組んでいるため、定温倉庫に貯
蔵される穀物の搬入、搬出処理作業が非効率的で
あつた。

本発明は、上記の考察に基づくものであつて、
穀物を効率よく一貫した自動化設備により定温倉
庫に搬入、搬出処理できる穀物貯蔵処理システム
の提供を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そのために本発明は、穀物をトラツク受ホツパ
ーで荷受けし定温倉庫に貯蔵して処理する穀物貯
蔵処理システムであつて、トラツク受ホツパーで
荷受けした穀物を定温倉庫に搬送する入荷処理
部、少なくとも乾燥機と複合型吸収冷温水発生機
と定温倉庫内への穀物の搬送を切り換える分配機
能を有する貯蔵処理部、及び定温倉庫から搬出す
る穀物を計量し包装する機能を有する袋詰処理部
を具備すると共に、貯蔵処理部は、穀物の含有水
分を調査し定温倉庫へ乾燥機を通して搬入するか
直搬入するかの切り換えを行い、複合型吸収冷温
水発生機を用いて冷温水を製造して定温倉庫内を
定温湿度に維持するように構成したことを特徴と
するものである。

〔作用〕

本発明の穀物貯蔵処理システムでは、入荷処理
部によりトラツク受ホツパーで荷受けした穀物が
定温倉庫に搬送され、貯蔵処理部により定温湿度
に維持された定温倉庫内へ分配される。そして、
袋詰処理部により計量され包装されて定温倉庫か
ら穀物が搬出される。

〔実施例〕

以下、実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は本発明の定温貯蔵処理システムの１実
施例を示す図であり、１はトラツク・スケール、
２、１７はホツパー、３，５，７，１０，１２，
１３，１５はフロー・コンベア、４，８，１１，
１６はバケツト・コンベア、６はドライヤー、９
は貯蔵タンク、１４はゲート、１８は計量器、１
９は包装機、２０は定温倉庫を示す。

第１図において、トラツク・スケール１は、受
入穀物の扱い量の計量を行うものであり、ドライ
ヤーは、穀物の含有水分の調査を行うと共に、含
有水分が多い場合には必要に応じて乾燥を行うも
のである。貯蔵タンク９は、穀物を一時的に貯蔵
するものである。ゲート１４は、多数室に仕切ら
れて構成された定温倉庫２０の各室に穀物を分配
するためのゲートであり、スライドゲートや二股
ゲートの組み合わせによつて、任意の室へ投入で
きるようにしたものである。なお、フロー・コン
ベア３の後、フロー・コンベア７の後にもそれぞ
れ穀物の搬送先を切り換えるゲートが配置され
る。これらのゲートは、搬入の選択ができる流れ
及び操作性を容易にするものであり、ドライヤー
６を通した搬入、ドライヤー６を通さない直搬入
をできるようにしたり、乾燥しきれない穀物のリ
サイクル・ラインを設けたり、倉庫切り換え時の
クツシヨン性を持たせたりするためのものであ
る。計量器１８は、ホツパー１７を通して搬出さ
れた穀物の包装単位に計量するものであり、包装
機１９は、計量されて詰め込まれた穀物を包装す
るもので、袋詰、ミシン掛けを行うものである。

次に、トラツクにより運送されてきた穀物の搬
入から搬出までの流れを説明する。

まず、トラツクによりバラで搬入された穀物
は、トラツク・スケール１にて計量し、ホツパ
ー２に投入される。

次に、ホツパー２下に配備されたフロー・コ
ンベア３にてバケツト・コンベア４に投入さ
れ、フロー・コンベア５よりドライヤー６を通
過し、フロー・コンベア７、バケツト・コンベ
ア１１にて定温倉庫１０上の横引フロー・コン
ベア１２に投入される。また、未乾燥穀物につ
いては貯蔵タンク９によりリサイクルを行う。

定温倉庫２０上の横引フロー・コンベア１２
にて分配フロー・コンベア１３に振り分け、ゲ
ートを通して定温倉庫２０の各室内に投入す
る。

搬出は、定温倉庫２０の穀物をフロー・コン
ベア１５のホツパーに、そしてバケツト・コン
ベア１６に投入する。

バケツト・コンベア１６からホツパー１７に
穀物が投入されると、ホツパー１７の下に配備
された計量器１８で包装単位に計量されて包装
器１９により袋詰、ミシン掛けを行い、搬出さ
れる。

第２図は本発明に適用される定温倉庫システム
の１実施例構成を示す図であり、２１は倉庫、２
２は太陽集熱器、２３はフアン、２４は空調機、
２５は集熱ポンプ、２６は蓄熱槽、２７は廃熱回
収器、２８は熱媒ポンプ、２９は冷温水ポンプ、
３０は複合形吸収冷温水発生機、３１は冷却水ポ
ンプ、１２は冷却塔を示す。

第２図において、太陽集熱器２２は、倉庫は２
１の屋根に搭載されるものであり、この太陽集熱
器２２では、約85℃程度の温水が作られる。この
ような温水の形態で採集された熱エネルギーは、
一旦蓄熱槽２６に貯蔵される。廃熱回収器２７
は、このシステムを稼動させるのに必要な電力を
賄う発電機等内燃機関の廃熱を回収するものであ
る。これら廃熱回収器２７より回収された熱エネ
ルギー又は蓄熱槽２６に貯蔵された熱エネルギー
は、複合形吸収冷温水発生機３０を稼動させ、冷
温水を製造して空調機２４に供給し、冷風を倉庫
２１に送る。複合型吸収冷温水発生機３０は、温
水焚、直焚の複合型であり、太陽熱エネルギー又
は内燃機関の廃熱回収エネルギーを利用し、その
バツクアツプ用の灯油直焚な冷温水発生機を併用
するものである。また、地熱その他の熱エネルギ
ーを利用してもよい。

倉庫２１は、床部に冷風供給口、天井部に排気
口を有し、空調機２４からの冷風が床部の冷風供
給口に導かれ、天井部や壁部（図示省略）の排気
口から空調機２４へと循環している。この倉庫２
１の屋根に太陽集熱器２２を搭載することによつ
て、倉庫２１の屋根への直射光を遮ることができ
るので、倉庫２１が屋根への直射光により温めら
れるのを防ぐことができ、その結果、空調機２４
による温湿度の調整効率が高められることにな
る。

本発明の定温倉庫システムは、上述の如く複合
形吸収冷水温水発生機３０の機能を活用し、直焚
運転を出来る限り少なくするために、このシステ
ムを稼動させるのに必要な電力をエンジンによつ
て賄い、その排熱を複合形吸収冷温水発生機の熱
媒として用いる。その結果、従来のシステムと比
較してもトータル・エネルギーをほぼ半分に削減
し、省エネルギー化を図ることができる。

なお、本発明は、種々の変形が可能であり、上
記実施例に限定されるものではない。搬出に使わ
れるフロー・コンベア１５は、ピツト内とし、投
入ホツパーを設けることによつて床上の作業性を
よくしたり、コンベアは、雨水、粉塵、荷こぼれ
等を考慮し、チエーン・コンベア及びベルト式バ
ケツト・エレベータとしてもよい。また、上記の
説明において、各ゲートの切り換えは、図示しな
いが制御装置において予めその切り換え先やシー
ケンスが設定され、その設定に従つた制御装置の
動作の下で実行されるが、手動によりゲート操作
を行つてもよいことはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、コンベアやドライヤー、バギングを組み込ん
だバラ穀物の搬送、貯蔵、乾燥、袋詰を自動的に
行え、運転の自動化及び操作性の容易なシステム
を提供できる。

しかも、穀物の含有水分を調査し定温倉庫へ乾
燥機を通して搬入するか直搬入するかの切り換え
を行い、複合型吸収冷温水発生機を用いて冷温水
を製造して定温倉庫内を定温湿度に維持するの
で、省エネを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の定温貯蔵処理システムの１実
施例を示す図、第２図は本発明に適用される定温
倉庫システムの１実施例構成を示す図である。 １……トラツク・スケール、２，１７……ホツ
パー、３，５，７，１０，１２，１３，１５……
フロー・コンベア、４，８，１１，１６……バケ
ツト・コンベア、６……ドライヤー、９……貯蔵
タンク、１４……ゲート、１８……計量器、１９
……包装機、２０……定温倉庫。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 穀物をトラツク受ホツパーで荷受けし定温倉
   庫に貯蔵して処理する穀物貯蔵処理システムであ
   つて、トラツク受ホツパーで荷受けした穀物を定
   温倉庫に搬送する入荷処理部、少なくとも乾燥機
   と複合型吸収冷温水発生機と定温倉庫内への穀物
   の搬送を切り換える分配機能を有する貯蔵処理
   部、及び定温倉庫から搬出する穀物を計量し包装
   する機能を有する袋詰処理部を具備すると共に、
   貯蔵処理部は、穀物の含有水分を調査し定温倉庫
   へ乾燥機を通して搬入するか直搬入するかの切り
   換えを行い、複合型吸収冷温水発生機を用いて冷
   温水を製造して定温倉庫内を定温湿度に維持する
   ように構成したことを特徴とする穀物貯蔵処理シ
   ステム。 ２ 入荷処理部は、トラツク受ホツパーで荷受け
   した穀物を乾燥機又は一時貯蔵タンクを経て定温
   倉庫へ搬送することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の穀物貯蔵処理システム。