JPH0570713A - 水性エアゾール塗料組成物 - Google Patents

水性エアゾール塗料組成物

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JPH0570713A
JPH0570713A JP3232059A JP23205991A JPH0570713A JP H0570713 A JPH0570713 A JP H0570713A JP 3232059 A JP3232059 A JP 3232059A JP 23205991 A JP23205991 A JP 23205991A JP H0570713 A JPH0570713 A JP H0570713A
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JP
Japan
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water
weight
soluble
coating composition
resin
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JP3232059A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Yoshioka
保 吉岡
Seiji Shinkawa
誠司 新川
Yoshiaki Oki
良明 大木
Kunihiko Mori
国彦 森
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消防法上の非危険物に該当し、安全衛生上お
よびオゾン層破壊の問題がなく、スプレー缶内の錆を防
ぎ、塗装作業性が良いとともに、優れた性能を有する高
光沢の塗膜を得ることのできる水性エアゾール塗料組成
物を提供する。 【構成】 高分子量の樹脂成分を含む水溶性樹脂を固形
分換算で10〜40重量%、水を10〜50重量%、グ
リコールエーテル類を必須成分とする水溶性非塩素系有
機溶剤を15〜40重量%、顔料を30重量%以下およ
び気化性防錆剤を0.02〜1.5重量%の各割合で含
む塗料原液100重量部に対し、フロン以外の噴射剤が
50〜200重量部の割合で配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水溶性樹脂を使用し
た水性エアゾール塗料組成物に関し、詳しくは、消防法
上の非危険物に該当し、従来の水性エアゾール塗料組成
物では得られなかった高光沢で乾燥性が良く塗膜性能も
優れた水性エアゾール塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に使用されているエアゾール
塗料は、有機溶剤および有機溶剤可溶型樹脂を用いた、
いわゆる溶剤型のエアゾール塗料であり、消防法上の危
険物に該当するものであるため、その取扱い、貯蔵等に
種々の制約が設けられている。このような制約を解消す
るため、溶剤としてトリクレン、パークレン等の塩素系
溶剤を使用し噴射剤としてフロン等を用いて非引火性と
したエアゾール塗料(たとえば、特公昭58−4945
号、特開昭63−243175号、特開平2−1608
78号の各公報等参照)や、水溶性樹脂をバインダーと
した水性エアゾール塗料(たとえば、特開昭58−53
961号、特開昭54−31445号、特公平2−46
622号の各公報等参照)が種々開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、溶剤として
塩素系溶剤を使用し噴射剤としてフロン等を用いた前記
の非引火性エアゾール塗料は、溶剤、噴射剤ともに安全
衛生上有害であり、しかもオゾン層破壊の問題を有す
る。また、前述の従来の水性エアゾール塗料は、以下の
ような欠点を有する。
【0004】 溶剤型エアゾール塗料に比べて、乾燥
性が悪い。 塗膜の光沢(鮮映性)が悪い。 噴射剤との混和性、微粒子化、作業性等の改良を重
視した結果、塗膜性能、特に耐蝕性、耐水性が不充分と
なっている。 引火点について配慮されておらず、低級アルコール
を主体とする可燃性有機溶剤を多量に用いる場合がある
ため、引火点が40℃以下になり、消防法上の危険物に
該当していることがある。
【0005】 有機溶剤量の適性範囲についても考慮
されておらず、有機溶剤量が少なすぎる場合があるた
め、スプレー塗装時の霧化が悪く作業性の問題が残り、
また、塗膜の発泡によるピンホール、タレ等が生じやす
いことがある。 スプレー缶には錆が発生しやすいため、従来は、pH
調整だけでスプレー缶の防錆を行っているが、不充分で
ある。
【0006】そこで、この発明は、消防法上の非危険物
に該当し、安全衛生上およびオゾン層破壊の問題がな
く、スプレー缶の錆の発生を防止することができ、乾燥
性が良く霧化しやすいため塗装作業性が良いとともに、
発泡によるピンホール、タレ等のない仕上がり性が良好
で耐蝕性、耐水性等に優れた高光沢の塗膜を得ることの
できる水性エアゾール塗料組成物を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる水性エアゾール塗料組成物は、分
子量30,000以上60,000以下の樹脂成分を含
む水溶性樹脂を固形分換算で10〜40重量%(この明
細書中、「〜」は以上以下を表す。)、水を10〜50
重量%、グリコールエーテル類を必須成分とする水溶性
で非塩素系の有機溶剤を15〜40重量%、顔料を30
重量%以下および気化性防錆剤を0.02〜1.5重量
%の各割合で含む塗料原液100重量部に対し、フロン
以外の噴射剤を50〜200重量部の割合で配合してな
るものである。
【0008】この発明で用いられる水溶性樹脂は、乾燥
性が良く、高光沢で付着性、耐蝕性、耐水性等の性能に
優れた塗膜を得るために、分子量30,000以上6
0,000以下の高分子量の樹脂成分を含むものである
必要がある。水溶性樹脂は、このような高分子量の樹脂
成分のみからなるものであってもよいが、分子量7,0
00以上30,000未満の低分子量の樹脂成分をも含
むものであることが好ましい。このように分子量の異な
る樹脂成分を併用すると、高分子量の樹脂成分の存在に
より乾燥性が良く、高光沢で付着性、耐蝕性、耐水性等
の性能に優れた塗膜が得られることに加えて、低分子量
の樹脂成分の存在により樹脂の溶解性が良くなって塗料
が安定化し、顔料分散安定性が良くなり、スプレー塗装
時の霧化が起こりやすくなって作業性が良くなり、塗膜
が可塑化して折り曲げ性が良くなるからである。これら
分子量の異なる樹脂成分の混合比(=高分子量樹脂成分
/低分子量樹脂成分)については、50/50〜30/
70の範囲が好ましい。もしも、低分子量樹脂成分の比
率が上記の範囲よりも少ないと、低分子量樹脂成分によ
る効果が充分発揮されず、また、低分子量樹脂成分の比
率が上記の範囲よりも多いと、高分子量樹脂成分による
効果が充分でなくなり、特に乾燥性が悪くなるからであ
る。
【0009】使用できる水溶性樹脂の具体例としては、
特に限定はされないが、たとえば、アクリル樹脂、アル
キド樹脂、エポキシエステル樹脂およびポリビニルコポ
リマー等が挙げられる。これらのうち、塗膜性能、霧化
適性、エアゾール化した後の安定性等を考慮して、アク
リル樹脂の使用が好ましい。水溶性樹脂は、1種のみを
用いてもよいし、あるいは、2種以上を併用してもよ
い。なお、使用できる水溶性アクリル樹脂の市販品とし
ては、特に限定はされないが、たとえば、大日本インキ
化学工業(株)製「ウォーターゾール」シリーズ、三菱
レーヨン(株)製「ダイヤナール」シリーズ、昭和高分
子化学(株)製「コーガム」シリーズ、(株)日本触媒
製「アロロン」シリーズおよび日立化成(株)製「ヒタ
ロイド」シリーズ等が挙げられる。
【0010】この発明では、溶剤として水と有機溶剤を
用いる必要がある。ただし、有機溶剤は、グリコールエ
ーテル類を必須成分とする水溶性で非塩素系のものであ
る必要がある。用いられるグリコールエーテル類として
は、特に限定はされないが、たとえば、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル等
が挙げられる。これらのグリコールエーテル類のうち、
乾燥性をより良くするためには、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノエチル
エーテルが望ましく、安全衛生上の点からは、エチレン
グリコールモノブチルエーテルが望ましい。グリコール
エーテル類は、1種のみを用いてもよいし、あるいは、
2種以上を併用してもよい。有機溶剤としては、グリコ
ールエーテル類だけを用いてもよいが、その他の水溶性
で非塩素系のものを併用してもよい。使用できるその他
の水溶性で非塩素系の有機溶剤としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、n−ブタノール、アミルアルコー
ル、ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、
ベンジルアルコール、オクチルアルコール等の引火点4
0℃以上の高級アルコール類等が挙げられる。これらの
アルコール類のうち、乾燥性をより良くするためには、
n−ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコー
ル、シクロヘキシルアルコールおよびベンジルアルコー
ルが好ましい。これらのアルコール類は、前述のグリコ
ールエーテル類と共沸しやすく、そのため、塗膜中に残
存する有機溶剤量を減らすことになり、塗膜の乾燥を速
める働きをするからである。また、乾燥性をより良くす
るために、前記の高級アルコール類の代わりに、あるい
は、高級アルコール類とともに、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノ
ール等の引火点が40℃以下の低級アルコール類を、塗
料原液としての引火点が40℃以下にならないような範
囲内で併用してもよい。
【0011】この発明の水性エアゾール塗料組成物は、
顔料を含んでいてもよいし、あるいは、含んでいなくて
もよい。顔料を含む場合、使用できる顔料としては、一
般のエアゾール塗料に使用されている顔料をほとんど制
約なしに用いることができ、特に限定はされないが、た
とえば、チタン白(酸化チタン)、カーボンブラック、
ベンガラ等の無機顔料、シヤニンブルー、シヤニングリ
ーン、パーマネントレッド等の有機顔料、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー等の体質顔料、ウレタンビーズ等の
粒子状ビーズ顔料、パール顔料、各種染料等が挙げられ
る。顔料は、1種のみ用いてもよいし、あるいは、2種
以上を併用してもよい。なお、艶消し塗膜としたい場合
は、従来、一般に使われているシリカ等の艶消し剤を配
合すればよい。また、いわゆるメタリックカラーを有す
る塗膜を得るために、従来の溶剤型塗料で一般に採用さ
れているアルミ顔料を配合すると、水とアルミ顔料との
接触により発生する水素ガスによってエアゾールスプレ
ー缶の膨張等の事故を起こす危険性があるので、アルミ
顔料は採用できない。そこで、メタリックカラーを出す
ためには、たとえば、パール顔料および他の着色顔料を
配合することにより、アルミ顔料を用いた場合と同様の
意匠を作り出すことができる。
【0012】この発明で用いられる気化性防錆剤として
は、特に限定はされないが、たとえば、アンモニア、エ
チレンジアミン、モルホリン、シクロヘキシルアミン等
の各種アミン類、シクロヘキシルアンモニウムカーボネ
ート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘ
キシルアンモニウムカプリレート、シクロヘキシルアン
モニウムラウレート、モルホリンラウレート等のアミン
の塩類、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、ジ
シクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ニトロナフ
タリンアンモニウムナイトライト等のアミンの亜硝酸塩
類や、亜硝酸ソーダ等の無機の亜硝酸塩類等が挙げられ
る。気化性防錆剤は、1種のみ用いてもよいし、あるい
は、2種以上を併用してもよい。
【0013】この発明で用いられる噴射剤は、フロン以
外のものであれば、特に限定はされないが、たとえば、
ジメチルエーテル等の親水性(水可溶性)噴射剤や、液
化石油ガス(LPG)、炭化水素等の疎水性噴射剤を用
いることができる。炭化水素の具体例としては、特に限
定はされないが、たとえば、n−ブタン、イソブタン、
プロパン、エタン等が挙げられる。噴射剤は、1種のみ
用いてもよいし、あるいは、2種以上を併用してもよ
い。なお、親水性噴射剤と疎水性噴射剤とを併用する場
合は、疎水性噴射剤の量を、親水性噴射剤の特性を損な
わない範囲内に抑えることが好ましい。
【0014】この発明の水性エアゾール塗料組成物は、
必要に応じて、従来の水性エアゾール塗料組成物に使用
されている分散剤、消泡剤、pH調整剤等の添加剤を適宜
含んでいてもよい。たとえば、pH調整剤を添加して水性
エアゾール塗料組成物のpHを7.2〜10に調整するこ
とにより、スプレー缶内の防錆効果をさらに向上させて
もよいのである。
【0015】この発明の水性エアゾール塗料組成物は、
特に限定されるわけではないが、たとえば、以下のよう
な方法により製造することができる。まず、水溶性樹
脂、水および有機溶剤の必要量の一部と顔料を容器に入
れ、ディスパーで攪拌混合した後に、サンドグラインド
ミルで分散させる。次に、残りの水溶性樹脂、水および
有機溶剤と気化性防錆剤を添加し、さらに消泡剤等の添
加剤を添加した後、ディスパーで均一に攪拌混合するこ
とによって、水性エアゾール塗料原液を得る。この水性
エアゾール塗料原液と噴射剤とを所定の混合比でエアゾ
ールスプレー缶に充填することによって、水性エアゾー
ル塗料組成物を得る。
【0016】
【作用】この発明では、分子量30,000以上60,
000以下の高分子量の樹脂成分を含む水溶性樹脂を用
いることにより、乾燥性が良く、高光沢で付着性、耐蝕
性、耐水性等の性能に優れた塗膜が得られるようにして
いる。そして、この水溶性樹脂の含有量が、塗料原液1
00重量部中、固形分換算で10〜40重量%の割合に
なるようにしている。これは、水溶性樹脂の含有量が1
0重量%を下回ると、付着性、耐蝕性、耐水性等の塗膜
性能に重大な欠陥を生じ、また、その含有量が40重量
%を上回ると、霧化不良になるとともに、後で述べる有
機溶剤量が必要以上に多くなり、消防法上の非危険物に
該当しなくなるからである。
【0017】この発明では、溶剤として水と水溶性有機
溶剤とを用いている。水の含有量は、塗料原液100重
量部中、10〜50重量%の割合になるようにしてい
る。もしも、水の含有量が10重量%未満の場合、水溶
性樹脂の製造上困難であり、また、水の含有量が50重
量%を越える場合、霧化性や乾燥性が悪くなるからであ
る。
【0018】水溶性有機溶剤としては、非塩素系のもの
に限定することにより安全衛生上およびオゾン層破壊の
問題を解消しているとともに、グリコールエーテル類を
必須成分とすることにより乾燥性を良くしている。そし
て、この水溶性有機溶剤の含有量は、塗料原液100重
量部中、15〜40重量%の割合になるようにしてい
る。もしも、水溶性有機溶剤の含有量が15重量%未満
になると、水溶性樹脂の安定性が悪くなったり、霧化不
良のために塗膜の発泡によるピンホール、タレ等が生じ
実用塗膜にならなかったりするからである。また、水溶
性有機溶剤の含有量が40重量%を越えると、塗膜仕上
がり性や塗膜性能等はさらに良好となるが、消防法上の
非危険物に該当しなくなるからである。
【0019】この発明では、必要に応じて顔料を含んで
いてもよいのであるが、顔料を含む場合、その含有量
は、塗料原液100重量部中、30重量%以下の割合に
なるようにしている。もしも、顔料の含有量が30重量
%を越えると、PVCが高くなり、高光沢の塗膜が得ら
れなくなるからである。この発明では、気化性防錆剤を
用いることによりスプレー缶内面の錆の発生を防止して
いる。そして、この気化性防錆剤の含有量は、塗料原液
100重量部に対し、0.02〜1.5重量%の割合に
なるようにしている。もしも、気化性防錆剤の含有量が
0.02重量%未満になると、スプレー缶内面の防錆効
果が不充分になるため錆が発生しやすくなるとともに、
鉄部に塗装された時にフラッシュ錆を発生しやすいから
であり、また、その含有量が1.5重量%を越えると、
塗膜に残存した気化性防錆剤が水により膨潤することに
より塗膜にフクレが生じて塗膜性能が著しく低下しやす
くなるからである。
【0020】この発明では、フロン以外の噴射剤を用い
ることによりオゾン層破壊の問題を解消している。そし
て、この噴射剤の配合量は、塗料原液100重量部に対
し、50〜200重量部の割合になるようにしている。
もしも、噴射剤の配合量が50重量%未満になると、霧
化が難しくなり、また、その配合量が200重量%を越
えると、塗膜形成が不充分になり塗膜の外観が悪くなる
からである。
【0021】
【実施例】以下に、この発明の実施例を比較例と併せて
説明するが、この発明は、下記実施例に限定されない。
なお、以下の各例中、「部」および「%」はいずれも重
量基準である。また、以下の実施例および比較例で行っ
た各種評価試験の方法は、以下に示す通りである。光沢 JIS−K5400−7.6(1990年)の「鏡面光
沢度測定方法」により入射(受光)角60°で測定し
た。耐水性 JIS−K5400−8.19(1990年)に準じ、
各塗料組成物をスプレー塗装したブリキ板を水道水中に
18時間浸漬後、ハガレ、ワレ、フクレ、変色がなかっ
たものは○で、変色のみあったものは△で、ハガレ、ワ
レ、フクレがあったものは×でそれぞれ評価した。耐蝕性 JIS−K5400−8.23(1990年)の「耐塩
水性」に準じ、3%塩化ナトリウム水溶液中に96時間
浸漬後、サビ、ハガレ、ワレ、フクレがなかったものは
○で、サビ、ハガレ、ワレ、フクレがわずかにあったも
のは△で、サビ、ハガレ、ワレ、フクレが著しくあった
ものは×でそれぞれ評価した。付着性 JIS−K5400−8.5.2(1990年)の「碁
盤目テープ法」に準じ、隙間間隔5mmの9つの枡目につ
いてセロハン粘着テープを用いて調べ、残っている枡目
の数が7〜9個のものは○で、その枡目の数が3〜6個
のものは△で、その枡目の数が3個未満のものは×でそ
れぞれ評価した。乾燥性 JIS−K5400−6.5(1990年)の「乾燥時
間」により測定し、指触乾燥時間(分)と半硬化時間
(分)で評価した。折り曲げ性 JIS−K5400−8.1(1990年)の「耐屈曲
性」に準じ、ブリキ板について屈曲試験器を用い、心棒
直径8mmで試験を行い、ワレ、ハガレがなかったものは
○で、ワレ、ハガレがわずかにあったものは△で、ワ
レ、ハガレが著しくあったものは×でそれぞれ評価し
た。スプレー霧化適性 エアゾール化された塗料をスプレー塗装し、霧の状態と
塗料の微粒子化の状態を目視で観察し、これらの状態が
良好のものは○で、不良のものは×でそれぞれ評価し
た。引火点 ASTM D−3278による「セタ密閉式引火点試験
器」を用い、塗料原液について測定した。有機溶剤量 塗料原液全体から樹脂固形分、顔料、気化性防錆剤等の
添加剤固形分および水の量を差し引いた残りの有機溶剤
の量の、塗料原液全体に対する割合(%)で示した。塗膜外観 JIS−K5400−7.1(1990年)の「塗膜の
外観」により調べ、艶ムラ、シワ、ヘコミ、ハジキ、ブ
ツがなかったものは○で、若干の艶ムラがあったものは
△で、艶ムラ、シワ、ヘコミ、ハジキ、ブツが著しくあ
ったものは×でそれぞれ評価した。塗料原液安定性 塗料原液を試験管に密封入し、常温で1ヵ月間放置後、
沈殿、分離の有無を目視で調べ、沈殿、分離がなかった
ものは○で、少しあったものは△で、著しくあったもの
は×でそれぞれ評価した。フラッシュ錆防止性 常法通り、研磨、脱脂した磨軟鋼板に塗料を塗装し、フ
ラッシュ錆の発生の有無を目視で調べ、フラッシュ錆の
発生がなかったものは○で、フラッシュ錆の発生があっ
たものは×でそれぞれ評価した。
【0022】−実施例1− 顔料として25.0部のチタン白、水溶性樹脂として1
5.0部のアクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)
製、ウォーターゾールS−720、不揮発分47.5
%、数平均分子量35,000)、有機溶剤として7.
0部のエチレングリコールモノブチルエーテルおよび
3.0部の水をディスパーで均一に攪拌混合した後、サ
ンドグラインドミルを用いて分散して、ペーストを得
た。このペーストに、31.4部のウォーターゾールS
−720、4.0部のエチレングリコールモノブチルエ
ーテルおよび8.0部の水と、その他の有機溶剤として
6.0部のn−ブタノール、気化性防錆剤として0.3
部のシクロヘキシルアンモニウムカーボネートおよび
0.1部の消泡剤〔BYK−ケミー(Chemie)社
製、BYK−020〕を加えることにより、所定粘度の
塗料原液を得た。この塗料原液の引火点は51℃、燃焼
点は81℃であった。また、この塗料原液中、水溶性樹
脂の含有量は固形分換算で22%であり、有機溶剤の含
有量は35%であった。
【0023】この塗料原液100mlと、噴射剤としての
ジメチルエーテル200mlとを常法に従ってエアゾール
スプレー缶に充填することにより、水性エアゾール塗料
組成物を得た。得られた水性エアゾール塗料組成物は、
スプレー塗装時の霧化適性に優れ、耐蝕性、耐水性等の
塗膜性能に優れていた。
【0024】−実施例2〜10および比較例1〜9− 実施例1において、原材料の種類および配合量、噴射剤
の種類、ならびに、塗料原液と噴射剤との混合比等を下
記表1〜3に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様
にして、各例の水性エアゾール塗料組成物を作製した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】なお、前記表1〜3中、各原材料の具体名
は、以下の通りである。アクリル樹脂Aは、大日本イン
キ化学工業(株)製のウォーターゾールS−720(不
揮発分47.5%、数平均分子量35,000)であ
る。アクリル樹脂Bは、大日本インキ化学工業(株)製
のウォーターゾールS−725(不揮発分55.0%、
数平均分子量18,000)である。
【0029】アクリル樹脂Cは、三菱レーヨン(株)製
のダイヤナールLW−1001(不揮発分50%)であ
る。アクリル樹脂Dは、(株)日本触媒製のアロロン4
53(不揮発分50%)である。有機溶剤Aは、エチレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテルである。
【0030】有機溶剤Bは、n−ブタノールである。有
機溶剤Cは、エチレングリコールモノエチルエーテルで
ある。有機溶剤Dは、イソプロパノールである。有機溶
剤Eは、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル
である。有機溶剤Fは、ベンジルアルコールである。
【0031】有機溶剤Gは、シクロヘキシルアルコール
である。顔料Aは、チタン白(酸化チタン)である。顔
料Bは、カーボンブラックである。気化性防錆剤Aは、
シクロヘキシルアンモニウムカーボネートである。気化
性防錆剤Bは、シクロヘキシルアンモニウムラウレート
である。
【0032】気化性防錆剤Cは、モノエタノールアミン
ベンゾエートである。消泡剤Aは、BYK−ケミー(C
hemie)社製のBYK−020である。消泡剤B
は、サンノプコ社製のデヒドラン1513である。噴射
剤Aは、ジメチルエーテルである。噴射剤Bは、LPG
である。
【0033】以上の実施例1〜10および比較例1〜9
で得られた水性エアゾール塗料組成物について、各種評
価試験を行った。それらの結果を下記表4〜5に示し
た。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】この発明の水性エアゾール塗料組成物
は、消防法上の非危険物に該当するため生産・保管・流
通・使用時の安全性の向上に寄与するとともに、塩素系
有機溶剤やフロンガスを含んでいないため安全衛生上お
よびオゾン層破壊の問題がない。また、この塗料組成物
は、スプレー缶の錆の発生を防止することができ、霧化
しやすいため塗装作業性が良く、乾燥性が良い。そし
て、この塗料組成物によれば、発泡によるピンホール、
タレ等のない仕上がり性が良好で耐蝕性、耐水性等に優
れた高光沢の塗膜を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 国彦 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量30,000以上60,000以
    下の樹脂成分を含む水溶性樹脂を固形分換算で10〜4
    0重量%、水を10〜50重量%、グリコールエーテル
    類を必須成分とする水溶性で非塩素系の有機溶剤を15
    〜40重量%、顔料を30重量%以下および気化性防錆
    剤を0.02〜1.5重量%の各割合で含む塗料原液1
    00重量部に対し、フロン以外の噴射剤を50〜200
    重量部の割合で配合してなる水性エアゾール塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 水溶性樹脂が、アクリル樹脂、アルキド
    樹脂、エポキシエステル樹脂およびポリビニルコポリマ
    ーからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1記載の水性エアゾール塗料組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性樹脂が、分子量7,000以上3
    0,000未満の樹脂成分をも含むものである請求項1
    または2記載の水性エアゾール塗料組成物。
  4. 【請求項4】 水溶性で非塩素系の有機溶剤が、塗料原
    液の引火点が40℃以下にならないような範囲内で低級
    アルコール類をも含むものである請求項1から3までの
    いずれかに記載の水性エアゾール塗料組成物。
  5. 【請求項5】 気化性防錆剤が、アミン類、アミンの塩
    類および亜硝酸塩類からなる群から選ばれた少なくとも
    1種である請求項1から4までのいずれかに記載の水性
    エアゾール塗料組成物。
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