JPH0570639U - 流動層処理装置における多孔板ユニット - Google Patents

流動層処理装置における多孔板ユニット

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JPH0570639U JP1912492U JP1912492U JPH0570639U JP H0570639 U JPH0570639 U JP H0570639U JP 1912492 U JP1912492 U JP 1912492U JP 1912492 U JP1912492 U JP 1912492U JP H0570639 U JPH0570639 U JP H0570639U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は流動室5と流動風吹込室4との境界周
縁部への熱の影響を少なくし、その部分の密閉に弾力性
の良いシール材21を使用することができるようにした
流動層処理装置における多孔板ユニット3に関するもの
であり、流動層本体内部を仕切る多孔板ユニット3が、
吹出孔15を有する面を底面とし、側面17は流動層本
体内側にほぼ嵌合するように形成され、上部は開放して
上端には外側にシール部Sに関与するフランジ18が形
成されて成ることを特徴とする。 【効果】発泡シリコン製シールのような弾力性が良く、
シール性に優れたシール材21を適用してシールを完全
に行うことができるため、シール性を心配することなく
気軽に分解してメンテナンスを行うことができる。また
多孔板ユニット3を容器形状にすることで、処理残品や
媒体球を収納したまま多孔板ユニット3ごとこれらを移
送することができ、メンテナンス時の作業性が向上す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の目的】 【産業上の利用分野】
本考案は被処理物に対して乾燥、造粒、コーティング等の処理を施す流動層処 理装置に関し、特に流動室と流動風吹込室との間に設けられる多孔板ユニットに 係るものである。
【0002】
【考案の背景】
流動層処理装置は粉粒体等を乾燥、造粒、コーティングする装置として広く使 用されている。この装置は、流動室と流動風吹込室とが複数の吹出孔を有する多 孔板ユニットで仕切られ、流動風吹込室から供給される流動風により、流動室内 で被処理物を流動させながら処理を行うものである。またこの種の装置の具体例 としては、流動室内に媒体球を入れ込み、流動風吹込室から供給される熱風によ り、媒体球と被処理物とを一緒に流動させて、被処理物の乾燥を行なう流動層乾 燥装置がある。
【0003】 しかしながらこのような流動層処理装置では、次のような問題点があった。即 ち、まず前記流動層乾燥装置のように、流動風吹込室4’から高温の熱風を供給 するものでは、図7に示すように多孔板ユニット3’付近の温度が非常に高温に なるため、多孔板ユニット3’端部のシール部S’に弾力性が良くシール性に優 れたシール材が使えず、耐熱性を重視するために弾力性に乏しい非アスベスト系 のシール材を使用せざるを得なかった。そのためシール性を維持するために、装 置自体が容易に分解できない構造を採用し、その結果メンテナンスが困難となっ ていた。
【0004】 また前述した媒体球を用いた流動層乾燥装置では、流動層内の処理残品や媒体 球の排出は、図7に示すように流動層本体2’の側壁に形成される取出ゲート1 3’から行なっているが、排出時には媒体球A’の噛み込みにより取出ゲート1 3’を外しにくかったり、取出ゲート13’を開けると媒体球等が飛散してしま ったり、更には取出ゲート13’からの掻き出しの際に、取出ゲート13’の段 差に媒体球等が引っ掛かり、掻き出しが困難になるなどの種々の問題点があった 。
【0005】
【開発を試みた技術的事項】
本考案はこのような背景に鑑みなされたものであって、高温処理を必要とする 流動層処理装置であっても、流動室と流動風吹込室との境界周縁部への熱の影響 を少なくし、その部分の密閉に弾力性の良いシール材を使用することができるよ うにして、組み立て時におけるシールの完全性を危惧することなく、装置の分解 を容易なものとし、これによりサニタリー性の向上を図るとともに、処理残品、 媒体球の排出並びに層内の洗浄等が容易にできるようにした流動層処理装置にお ける多孔板ユニットの開発を試みたものである。
【0006】
【考案の構成】 【目的達成の手段】
即ち本出願に係る第一の考案たる流動層処理装置における多孔板ユニットは、 流動層本体内部が、複数の吹出孔を有する多孔板ユニットで仕切られて上部に流 動室、下部に流動風吹込室がそれぞれ形成され、流動風吹込室から吹出孔を介し て流動室側へ流動風を供給して被処理物を流動室内で流動処理する装置において 、前記多孔板ユニットは、前記吹出孔を有する面を底面とし、側面は流動層本体 内側にほぼ嵌合するように形成され、上部は開放して上端には外側にシール部に 関与するフランジが形成されて成ることを特徴として成るものである。
【0007】 また本出願に係る第二の考案たる流動層処理装置における多孔板ユニットは、 前記要件に加えて前記多孔板ユニットは、非流動状態で処理残品を収納できるだ けの深さ寸法を有する容器形状であることを特徴として成るものである。
【0008】 更に本出願に係る第三の考案たる流動層処理装置における多孔板ユニットは、 前記要件に加えて前記流動層処理装置は、前記流動室に前記吹出孔よりも径寸法 の大きな複数の媒体球を収納し、この媒体球を前記流動風吹込室から供給される 熱風により被処理物と一緒に流動させながら被処理物を乾燥する装置であって、 前記多孔板ユニットは非流動状態で処理残品及び前記複数の媒体球を収納できる だけの深さ寸法を有することを特徴として成るものである。
【0009】 更に本出願に係る第四の考案たる流動層処理装置における多孔板ユニットは、 前記要件に加えて前記フランジには取手が設けられていることを特徴として成る ものである。 これら考案により前記目的を達成せんとするものである。
【0010】
【考案の作用】
本考案では多孔板ユニットを容器形状とし、その上端の外側にシール部に関与 するフランジを形成したから、流動風供給室からの熱風は多孔板ユニットの底面 に遮られてシール部には直接当たらない。また水分等の蒸発が行われる流動室は 、流動風吹込室と比べてかなり低温となる。従って流動室側に位置するシール部 は、熱伝導によって加熱されるものの、それ程高温になることはない。そのため 、耐熱性は低いが弾力性が良く、シール性に優れたシール材を適用することがで きる。またこれによりシールの完全性が担保されるから、組立時のシール性を危 惧することなく、容易に流動層本体の分解を行うことができる。
【0011】 また多孔板ユニットの深さ寸法を、非流動状態で処理残品や媒体球が収納でき るように設定したから、処理残品等の回収の際に流動層本体を分解しても、処理 残品や媒体球は多孔板ユニット内に収納されており、散らばることがない。
【0012】
【実施例】
以下本考案を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。符号1は本考案を適 用した流動層処理装置の一例たる流動層乾燥装置であって、このものは上部がや や拡径し、天部と底部とを閉鎖したほぼ円筒状の流動層本体2を主たる構成部材 とする。この流動層本体2の内部は多孔板ユニット3で仕切られ、その下方には 流動風吹込室4を形成し、またその上方には流動室5と、更にその上方に排気室 5aをそれぞれ形成して成る。
【0013】 尚、この種の流動層乾燥装置には幾つかの種類があるが、本実施例の装置は、 流動室5内に多孔板ユニット3の吹出孔よりも径寸法の大きな複数の媒体球Aを 入れ込み、この媒体球Aを下から吹き上げる熱風で流動させながら、原料を噴霧 または滴下して、加熱された媒体球Aからの熱伝導と、流動化熱風からの対流伝 熱により原料を乾燥させるものである。
【0014】 流動層本体2は、上部の拡径部分を構成する上部層6と、この上部層6と多孔 板ユニット3との間に位置する中間層7と、多孔板ユニット3より下に位置する 下部層8とから構成され、これらが分解できるようになっているとともに、組み 立て状態では多孔板ユニット3と中間層7との間、多孔板ユニット3と下部層8 との間にそれぞれシール部Sが設けられて、層内と外部との通気が確実に遮断さ れている。
【0015】 また下部層8には熱風取入口9が形成され、上部層6には熱風排出口10が形 成されることで、流動層内には熱風取入口9→流動風吹込室4→流動室5→熱風 排出口10の順で熱風の流路が形成される。また中間層7の内側には、原料供給 管11が中央まで延び、その先端には原料を流動室5内に供給するためのノズル 12が下向きに設けられる。更に中間層7の側面には、運転中の内部状態を観察 するための覗き窓13が設けられ、下部層8にも落下した処理品等の点検口14 が設けられる。
【0016】 次に本考案の特徴的構成を具える多孔板ユニット3と、これに関連してシール 部Sについて説明する。まず多孔板ユニット3は、図3に示すような容器形状を なすものであって、底部には複数の吹出孔15を有する吹出面16を形成し、そ の周端からは吹出面16と垂直に上方へ向かって側面17を形成し、更にこの側 面17の上端から外側へ向けてフランジ18を形成し、上部は開放されて成るも のである。尚、吹出面16と側面17とによって囲まれた部分を収納部19と定 義する。またこのフランジ18の一部には、互いに向かい合う位置にフランジが 延長形成され、そこにそれぞれ把手20が設けられる。
【0017】 尚、多孔板ユニット3の側面17で形成される円筒部分は、下部層8の上部内 側へほぼ嵌合するように、その径寸法が設定される。即ち多孔板ユニット3を下 部層8の上部にセットした状態では、多孔板ユニット3の側面17と下部層8の 内面との間は、僅かな間隙が形成される程度である。従って、流動風吹込室4か らの熱風が、直接多孔板ユニット3のフランジ18付近に当たることがないから 、フランジ18の加熱状態はかなり緩和される。またフランジ18は側面17の 深さ分だけ流動風吹込室4と比べて温度の低い流動室5側に位置するので、耐熱 性のシールを使用する必要はないのである。
【0018】 また収納部19の深さは、流動層の非流動状態において処理残品と媒体球Aと を収納できるだけの深さを有する。尚ここで収納できるとは、処理残品と媒体球 Aとの高さが多孔板ユニット3の上面を越えている場合であっても、多孔板ユニ ット3を下部層8からはずして運搬する場合に、多孔板ユニット3から媒体球A 等がこぼれない程度であれば収納できているものとする。
【0019】 更に吹出面16における吹出孔15の形成態様は、流動室5での流動状態を決 定する一つの要素であるため種々の形態を採り得るが、例を示すと図5(a)に 示すように金網状にしたものや、図5(b)に示すように単に孔をパンチングし たもの、或いは流動風を旋回状に供給するために図5(c)に示すように横方向 から吹出しできるようにしたものなどが適用できる。
【0020】 次にシール部Sは、多孔板ユニット3におけるフランジ18の上下面と、中間 層7または下部層8との間にリング形状をした発泡シリコン製のシール材21を 設けたものである。尚、発泡シリコン製のシール材21は、耐熱性には劣るが弾 力性が良く、シール性に優れているため、ほぼ完全なシール性を発揮できる。因 みにこのように耐熱性に劣るがシール性に優れた発泡シリコン製のシール材21 を使用することができるのは、多孔板ユニット3を容器形状にすることで、前述 したように多孔板ユニット3におけるフランジ18が熱風により直接加熱を受け ず、またその位置も温度の低い流動室5側にあるため、フランジ18がそれ程加 熱されないからに他ならない。尚、本実施例では発泡シリコン製シール材を用い たが、それに限定されることなく、例えば、フッ素ゴム、ネオプレンゴムなどの 弾力性あるシール材を用いてもよい。
【0021】 本考案を適用した流動層乾燥装置1は以上述べた構造を具えるものであって、 以下このものの作動状態並びにメンテナンスについて説明する。まず作動状態に ついて説明すると、熱風取入口9から供給された熱風が多孔板ユニット3の吹出 孔15を介して流動室5へ吹き込み、この流動風により媒体球Aが流動している 状態で、ノズル12からスラリー状または液状の原料Mが供給される。
【0022】 すると原料Mは図6(a)に示すように、媒体球Aの表面に分散しながら薄膜 状に付着する。そして流動している媒体球Aの表面からは、媒体球Aからの熱伝 導と流動している熱風からの対流伝熱により、図6(b)に示すように速やかに 水分が蒸発する。更に媒体球Aに付着した原料は水分が蒸発することにより乾燥 し、固形分のみが媒体球Aの表面に残るが、図6(c)に示すように媒体球A同 志の衝突の衝撃で媒体球Aから剥離、粉末化して、流動風にのって熱風排出口1 0から外部へ排出される。尚、この粉末物は後工程で回収され製品となる。
【0023】 次に流動層乾燥装置1のメンテナンスについて説明する。層内を清掃したり、 層内に溜まった処理残品を取り除くためにメンテナンスが必要であるが、本装置 では流動層本体2を分解して行う。この分解に際して多孔板ユニット3を取り外 すときには、図1に示すように中間層7を取り外したのち、多孔板ユニット3に おける把手20を握って持ち上げるように下部層8から外せばよい。
【0024】 因みに多孔板ユニット3は容器形状をなし、媒体球Aや処理残品は収納部19 内に収納されているため、中間層7を取り外しても媒体球Aが散らばることもな く、しかも媒体球Aや処理残品を回収する場合にも、他の容器にこれらを移し替 えるのではなく、多孔板ユニット3ごと移送すればよい。
【0025】 以上は、流動層処理装置の一例である流動層乾燥装置1に本考案を適用した実 施例を説明したものであるが、この他にも、原料を造粒したり、原料にコーティ ング等の処理を施す他の流動層処理装置にも、同様にして本考案を適用すること ができる。尚、造粒やコーティングを行う流動層処理装置では、媒体球を使用し ないから、多孔板ユニットの深さ寸法は、メンテナンス時に多孔板ユニット上に 残る処理残品や製品の容量を考慮して設定すればよい。また流動風が冷風のとき には、シール材との関係は問題にならないが、処理残品等の回収が容易である点 では本考案の適用の余地があるので、冷風を流動風とする流動層処理装置にも本 考案を適用することができる。
【0026】
【考案の効果】
本考案では多孔板ユニットを容器形状として、流動風供給室からの熱風がシー ル部に直接当たらないようにし、その位置も流動風吹込室と比べて温度の低い流 動室側にしたから、発泡シリコン製シールのような弾力性が良く、シール性に優 れたシール材を適用してシールを完全に行うことができる。そのため従来シール 性の維持を重視してメンテナンス時に分解まで行うことは少なかったが、本考案 を適用した流動層処理装置では、シール性を心配することなく気軽に分解してメ ンテナンスを行うことができる。
【0027】 また多孔板ユニットを容器形状にしたから、多孔板ユニットに処理残品や媒体 球を収納したまま多孔板ユニットごとこれらを移送することができ、メンテナン ス時の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の多孔板ユニットを適用した流動層乾燥
装置を示す斜視図である。
【図2】同上側面図である。
【図3】本考案の多孔板ユニットを拡大して示す斜視図
である。
【図4】同上縦断側面図である。
【図5】吹出面の種々の実施例を示す説明図である。
【図6】媒体球に付着した原料が乾燥し剥離する様子を
段階的に示す模式図である。
【図7】従来の多孔板ユニットを使用した場合の問題点
を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 流動層乾燥装置 2 流動層本体 3 多孔板ユニット 4 流動風吹込室 5 流動室 5a 排気室 6 上部層 7 中間層 8 下部層 9 熱風取入口 10 熱風排出口 11 原料供給管 12 ノズル 13 覗き窓 14 点検口 15 吹出孔 16 吹出面 17 側面 18 フランジ 19 収納部 20 把手 21 シール材 A 媒体球 S シール部 M 原料

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層本体内部が、複数の吹出孔を有す
    る多孔板ユニットで仕切られて上部に流動室、下部に流
    動風吹込室がそれぞれ形成され、流動風吹込室から吹出
    孔を介して流動室側へ流動風を供給して被処理物を流動
    室内で流動処理する装置において、前記多孔板ユニット
    は、前記吹出孔を有する面を底面とし、側面は流動層本
    体内側にほぼ嵌合するように形成され、上部は開放して
    上端には外側にシール部に関与するフランジが形成され
    て成ることを特徴とする流動層処理装置における多孔板
    ユニット。
  2. 【請求項2】 前記多孔板ユニットは、非流動状態で処
    理残品を収納できるだけの深さ寸法を有する容器形状で
    あることを特徴とする請求項1記載の流動層処理装置に
    おける多孔板ユニット。
  3. 【請求項3】 前記流動層処理装置は、前記流動室に前
    記吹出孔よりも径寸法の大きな複数の媒体球を収納し、
    この媒体球を前記流動風吹込室から供給される熱風によ
    り被処理物と一緒に流動させながら被処理物を乾燥する
    装置であって、前記多孔板ユニットは非流動状態で処理
    残品及び前記複数の媒体球を収納できるだけの深さ寸法
    を有することを特徴とする請求項1記載の流動層処理装
    置における多孔板ユニット。
  4. 【請求項4】 前記フランジには取手が設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の流動層処
    理装置における多孔板ユニット。
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