JPH0570512A - 内孔を有する重合体粒子の製造方法 - Google Patents

内孔を有する重合体粒子の製造方法

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JPH0570512A
JPH0570512A JP23318791A JP23318791A JPH0570512A JP H0570512 A JPH0570512 A JP H0570512A JP 23318791 A JP23318791 A JP 23318791A JP 23318791 A JP23318791 A JP 23318791A JP H0570512 A JPH0570512 A JP H0570512A
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貴行 宮崎
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啓司 多田
Yasuyuki Nakahara
靖幸 中原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内孔を有する重合体粒子を製造する。 【構成】 内孔を有する重合体粒子の製造方法におい
て、粒子状重合体100重量部を含有する分散媒中に、
重合性ビニル単量体1ないし10重量部、および単独で
は上記内孔を有する重合体粒子には実質的に相溶しない
非重合性有機溶剤1ないし100重量部を加えて重合
し、内孔を有する重合体粒子を得る。 【効果】 本製造方法によれば、粒子径や内孔径を極め
て容易にコントロールすることが可能であり、かつ粒子
径に対し大きな内孔を有する重合体粒子を得ることがで
きる。また得られた内孔を有する重合体粒子は溶剤が除
去される際に内孔が収縮することがなく、乾燥性も優れ
ており、塗料や塗工紙における中空有機顔料として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】有機系の顔料は無機系の顔料と比
べて軽量性に優れ、熱可塑性を有するなどのことから、
塗料や塗工紙などの分野で使用されている。近年、有機
顔料の軽量性や不透明性などを改良する目的で、内孔を
有する重合体粒子が製造されるに至っている。本発明は
このような内孔を有する重合体粒子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】内孔を有する重合体粒子の製造方法は古
くから知られている。例えば特公昭36−9168号公
報および同37−14327号公報には、水に不溶の非
重合性有機溶剤の存在下において懸濁重合または乳化重
合を実施することにより該溶剤を内孔中に含有する重合
体粒子が得られることが開示されている。しかしこのよ
うな方法においては内孔を有する粒子が満足に得られな
かったり、粒子径や内孔径の分布が非常に大きくなるな
どの欠点があった。またこのような方法を用いる場合、
特開昭61−66710号公報、同62−127336
号公報には種粒子としての重合体粒子の存在下に実施で
きることも述べられている。しかし種粒子を使用する場
合についても非重合性有機溶剤を使用する方法に関して
は同様に、内孔を有する重合体粒子を安定に得ることが
困難であったり、粒子径や内孔径をコントロールするこ
とが困難であったり、強度的に優れた内孔を有する重合
体粒子を得ることが困難で、粒子に内包された溶剤を除
去する際に内孔が収縮したりするなどという問題点があ
った。
【0003】また特開昭63−135409号公報では
コア/シェル型重合体粒子のコア部を優先的に該重合体
と相溶する有機溶剤で膨潤させ、乾燥時に内孔を発現さ
せるという方法も述べられている。しかしこの方法に関
しては、用いるコア/シェル型の重合体粒子は有機溶剤
だけを吸収して膨潤する必要があるため溶剤膨潤性を有
するように設計しなければならず、そのため強度的に優
れた内孔を有する重合体粒子を得ることが困難であった
り、重合体と相溶した溶剤は除去することが困難であっ
たり、またシェル部の重合体も用いた有機溶剤によって
ある程度可塑化されることが避けられず、溶剤除去時あ
るいは乾燥時に粒子全体が収縮して内孔が縮小、消失す
るなどという問題点があった。
【0004】一方このような有機溶剤を使用しないで内
孔を含有する重合体粒子を製造する方法もいくつか知ら
れている。例えば特開昭56−32513号公報のアル
カリ膨潤性のコア部とそれを覆うシェル部とからなる重
合体粒子に塩基性物質を作用させて該コア部を膨潤、膨
張させることにより乾燥時に内孔が発現する粒子を得る
方法および類似の方法としては特開平2−173101
号公報のコア部が酢酸ビニル重合体からなるコア/シェ
ル型重合体の該コア部を加水分解する方法などである。
しかしこれらの方法に関しては、コア部が膨張するため
にはシェル部にも可塑性が必要であるため、やはり強度
的に優れた内孔を有する重合体粒子を得ることが困難で
あったり、コア部の重合体に吸収されている水は除去さ
れ難く、そのため所定の用途に供した時の乾燥性が悪か
ったりするなどという問題点があった。
【0005】また特開昭61−62510号公報には種
粒子と溶解性パラメーターが0.1以上異なる単量体を
重合させる方法も述べられているが、この方法では粒子
外径に対して大きな内孔径を得ることができないという
問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は以上に述べたように、粒子径や内孔径を容易
にコントロールしつつ、粒子径に対して大きな内孔が得
られ、溶剤を除去する際に内孔が収縮することがなく、
また強度的に優れた内孔を有する重合体粒子を得る方法
がこれまで満足になかったということである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的として、本発明者らはそれら各種の問題点に関し
充分に満足できるような内孔を有する重合体粒子の製造
方法について鋭意検討を重ねてきた結果、本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、内孔を有する重合体
粒子の製造方法において、粒子状重合体(A)100重
量部を含有する分散媒中に、重合性ビニル単量体(B)
1ないし10重量部、および単独では上記内孔を有する
重合体粒子には実質的に相溶しない非重合性有機溶剤
(C)1ないし100重量部を添加して重合することを
特徴とする内孔を有する重合体粒子の製造方法である。
【0008】本発明における粒子状重合体(A)とは、
通常はスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レンなどの芳香族ビニル化合物類、およびブタジエンな
どの共役ジオレフィン類、および塩化ビニル、塩化ビニ
リデンなどの含塩素ビニル化合物類、および酢酸ビニル
などの酢酸エステル類、およびアクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類、および
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アリルメタクリ
レートなどのメタクリル酸エステル類、およびメチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート、アリルアクリレートなどのアクリル酸エ
ステル類、およびアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸などの不飽和酸類、およびア
クリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和アミド
類、およびジビニルベンゼン、エチレングリコールジメ
タクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
1.3−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリアリル
イソシアヌレートなどの架橋性単量体類などの単量体を
用い、乳化重合や懸濁重合によって重合される粒子であ
るが、溶液重合や塊状重合あるいはその他の方法によっ
て重合された他の重合体を粒子状にしたものを用いるこ
とも可能である。またこれらの単量体を重合する際に
は、必要に応じてt−ドデシルメルカプタン、オクチル
メルカプタンなどのメルカプタン類、または四塩化炭
素、臭化エチレンなどのハロゲン化物、あるいはチオグ
リコール酸エチルヘキシルやα−メチルスチレンダイマ
ーなどの連鎖移動剤が用いられる。粒子の形状は通常は
球形であるがその他の形状のものを用いることも可能で
ある。粒子の大きさは分散媒中に分散可能な範囲であれ
ば特に制限されないが、塗料や塗工紙の用途に供される
場合には直径0.2ないし5μ程度が好ましく、さらに
好ましくは0.3ないし2μである。また粒子の構造は
均質であっても不均質であっても構わないが、以下の
(工程1)および(工程2)により得られる粒子状重合
体(ロ)であることが好ましい。(工程1)120℃に
おける溶融粘度が105 Pa・S(パスカル・秒)以下
であって粒子径が0.1ないし2μの水分散性粒子状重
合体(イ)を重合する工程。(工程2)粒子状重合体
(イ)を種粒子として、該種粒子重合時とは異なる組成
の単量体を分散媒中に加えて重合して粒子径が0.2な
いし5μであって、150℃における溶融粘度が104
Pa・S以上である水分散性粒子状重合体(ロ)を得る
工程。工程(1)で得られる粒子状重合体(イ)とは、
上記に例示した単量体および必要に応じて連鎖移動剤を
用い、一般に知られた乳化重合や懸濁重合などの方法に
よって得られる重合体粒子である。粒子状重合体(イ)
の粒子径は0.1ないし2μであり、その粒子径分布は
小さい方が好ましい。また粒子状重合体(イ)の溶融粘
度は120℃において105 Pa・S以下であり、その
ガラス転移温度は好ましくは110℃以下である。また
粒子状重合体(イ)は実質的に非架橋体であることが好
ましい。工程(2)で得られる粒子状重合体(ロ)と
は、分散媒中で粒子状重合体(イ)を種粒子とし、粒子
状重合体(イ)を構成する単量体組成とは異なる組成の
単量体を、一般に知られた乳化重合や懸濁重合などの方
法によって重合させた重合体粒子である。用いる単量体
の種類としては上記に例示したものが挙げられ、また連
鎖移動剤としては上記に例示したものが必要に応じて用
いられる。粒子状重合体(ロ)の粒子径は0.2〜5μ
であり、粒子径の分布は小さい方が好ましい。なお粒子
状重合体(ロ)中に占める粒子状重合体(イ)の重量分
率は特に制限されないが好ましくは5ないし70%であ
り、さらに好ましくは10ないし50%である。また粒
子状重合体(ロ)の溶融粘度は150℃において104
Pa・S以上である。ここで粒子状重合体(イ)を種粒
子とし、粒子状重合体(イ)とは異なる組成の単量体を
重合させた粒子状重合体(ロ)は、一般的には均一な重
合体粒子とはならず異層構造型重合体粒子となるが、そ
のような異層構造型重合体粒子のなかでも、粒子状重合
体(イ)をコアとし、後から重合させた重合体がその回
りを覆ういわゆるコア/シェル型の重合体粒子であるこ
とが好ましい。このような粒子状重合体(ロ)のガラス
転移温度を測定すると、通常、粒子状重合体(イ)に起
因するものと、後から重合させた重合体に起因するもの
の二つのガラス転移温度が観測されるが、後から重合さ
せた重合体に起因するガラス転移温度については好まし
くは80℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上
である。また後から重合させた重合体は架橋構造体でな
くても構わないが架橋構造体であることが好ましい。ま
た粒子状重合体(ロ)の外側をさらに覆うように他の重
合体を導入することはなんら差し支えない。この場合そ
の重合体は必ずしも粒子状重合体(ロ)の表面を完全に
覆っている必要はなく、粒子状重合体(ロ)の表面に島
状に存在していても良い。尚、重合体粒子の粒子径は例
えば電子顕微鏡観察により測定することができる。また
重合体の溶融粘度は例えば島津製作所製フローテスター
CFT−500形を使用し、直径0.5mm、長さ1m
mのノズルを用い、荷重100kgf、昇温速度3℃/
分という条件で測定することができる。またガラス転移
温度については例えば粘弾性測定装置や示差熱分析装置
などを使用して測定することができる。
【0009】本発明における重合性ビニル単量体(B)
とは、ラジカル重合可能なものであれば特に制限され
ず、例としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物類、ブタジエン
などの共役ジオレフィン類、および塩化ビニル、塩化ビ
ニリデンなどの含塩素ビニル化合物類、および酢酸ビニ
ルなどの酢酸エステル類、およびアクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類、およ
びメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロ
ピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステル類、およびメチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのア
クリル酸エステル類などが挙げられ、これらのものは一
種類で、あるいは二種類以上を組み合わせて用いられ
る。またこれらの単量体を重合する際には、必要に応じ
てt−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタンな
どのメルカプタン類、または四塩化炭素、臭化エチレン
などのハロゲン化物、あるいはチオグリコール酸エチル
ヘキシルやα−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動
剤が用いられる。重合性ビニル単量体(B)は用いる粒
子状重合体(A)との相溶性に優れたものが好ましく、
また水系の分散媒を用いる場合には疎水性であることが
好ましく、具体的には水溶解度が0.5重量%以下であ
ることが好ましい。粒子状重合体(A)100重量部に
対して用いられる重合性ビニル単量体(B)は1ないし
10重量部必要であるが、好ましくは5ないし10重量
部である。重合性ビニル単量体(B)の使用量が1重量
部以下では内孔を有する重合体粒子を得ることは難し
く、10重量部以上では内孔を有する重合体粒子の粒子
径コントロールが難しくなったり、一括して添加する場
合には、重合熱による微視的な温度の上昇をコントロー
ルすることが難しくなり、内孔を有する重合体粒子を得
ることが難しくなる。
【0010】本発明における非重合性有機溶剤(C)と
は、ラジカル重合性を有さず、単独では内孔を有する重
合体粒子には実質的に相溶しないものであれば特に制限
されない。この“単独では内孔を有する重合体粒子には
実質的に相溶しない”とは、現象としては、未重合の重
合性ビニル単量体(B)が共存する場合には粒子状重合
体に相溶するが、重合性ビニル単量体(B)の重合の進
行と共に粒子状重合体に相溶することができなくなり、
ほぼ全量が重合体粒子と相分離するということである。
本発明の条件下においては、用いた非重合性有機溶剤
(C)は重合体粒子の内部で相分離して内孔を形成する
ものと考えられる。また内孔を有する重合体粒子と実質
的に相溶しないためには、用いる粒子状重合体(A)に
対しても相溶性がないかあるいは非常に小さいことが好
ましい。このような非重合性有機溶剤(C)の種類は、
用いる粒子状重合体(A)の組成や分子量、重合性ビニ
ル単量体(B)の種類と量および内孔を有する重合体粒
子の組成や分子量などに影響され、一般的な例としては
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イ
ソオクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンな
どの脂環式炭化水素類などが挙げられるが、溶解性パラ
メーターの小さい直鎖状の脂肪族炭化水素類が好まし
い。これらのものは一種類で、あるいは二種類以上を組
み合わせて用いられる。粒子状重合体(A)100重量
部に対して用いられる非重合性有機溶剤(C)は1ない
し100重量部必要であるが、好ましくは5ないし80
重量部であり、さらに好ましくは10ないし50重量部
である。非重合性有機溶剤(C)の使用量が1重量部以
下では内孔の大きさが小さすぎ、100重量部以上では
適度の大きさの内孔を有する重合体粒子を得ることが難
しい。
【0011】次に本発明の製造方法について説明する。
本発明による内孔を有する重合体粒子の製造は一般に知
られた乳化重合あるいは懸濁重合の方法によって行なう
ことができる。すなわち、攪はん機、温度計などを備え
た容器に分散媒、粒子状重合体(A)および必要に応じ
て界面活性剤や分散安定剤などを添加し、これに重合性
ビニル単量体(B)、非重合性有機溶剤(C)および重
合開始剤などを添加して重合を行なう方法である。重合
性ビニル単量体(B)、非重合性有機溶剤(C)および
重合開始剤などは一括して添加しても良いし、連続的に
添加しても良いし、さらには一部の量を一括して添加し
残りの量を連続的に添加するという方法を用いても良
い。また連続的に添加する場合には、添加の速度を途中
で変化させても良い。製造方法の好ましい例としては、
水溶性重合開始剤を用いる場合には、攪はん機、温度計
などを備えた容器に分散媒として例えば水、粒子状重合
体(A)および必要に応じて界面活性剤や分散安定剤な
どを添加し、これに重合性ビニル単量体(B)および非
重合性有機溶剤(C)を添加し、所定の温度で所定時間
攪はんした後重合開始剤を添加し、さらに所定の温度で
所定時間攪はんを続けて重合を完結させるという方法が
ある。また油溶性重合開始剤を用いる場合には、重合性
ビニル単量体(B)または非重合性有機溶剤(C)ある
いはそれらの混合物に開始剤を予め溶解しておき、これ
らを初期仕込物に添加し、開始剤が実質的に作用しない
温度において所定時間攪はんした後、開始剤が作用する
温度以上に昇温するか還元剤を添加し、所定時間攪はん
を続けて重合を完結させるという方法をとることができ
る。重合性ビニル単量体(B)および非重合性有機溶剤
(C)はそのまま初期仕込物に添加しても良いが、予め
分散媒中に微分散したものを添加することが好ましい。
あるいはそのまま初期仕込物に添加し、界面活性剤ある
いはまた機械的攪はん力の作用により系内で微分散する
ことが好ましい。重合性ビニル単量体(B)および非重
合性有機溶剤(C)を予め分散媒中に微分散する方法の
例としては、ホモミキサー、バイオミキサーなどの機械
的分散機あるいは超音波ホモジナイザーなどを用いる方
法があるが、微分散する場合には必要に応じて通常、以
下に例示した界面活性剤を一種類あるいは二種類以上組
み合わせたものを用いて行なう。また、必要に応じてド
デシルクロライドなどの難水溶性物質を併せて用いるこ
ともできる。微分散するために用いる界面活性剤の量
は、重合性ビニル単量体(B)および非重合性有機溶剤
(C)の重量に対し、有効成分として通常0.1%ない
し10%である。尚、微分散の程度は油滴の粒径として
通常はおよそ10μ以下であるが、油滴の粒径は小さい
ほど好ましい。また本発明の製造方法においては、添加
した重合性ビニル単量体(B)および非重合性有機溶剤
(C)が粒子状重合体(A)に充分吸収された後に重合
を開始することが好ましい。添加した重合性ビニル単量
体(B)および非重合性有機溶剤(C)が粒子状重合体
(A)に充分吸収された後に重合を開始することによ
り、用いた粒子状重合体(A)以外の場所で重合が生じ
ることによる新粒子の発生を抑制することができるので
粒子径のコントロールが容易であり、また粒子内生じる
内孔の大きさは用いる非重合性有機溶剤(C)の量によ
り容易にコントロールすることができる。添加した重合
性ビニル単量体(B)および非重合性有機溶剤(C)が
粒子状重合体(A)に充分吸収されるのに要する時間
は、用いる粒子状重合体(A)の組成や分子量、重合性
ビニル単量体(B)および非重合性有機溶剤(C)の種
類および量、並びに系の温度などによって異なるが通常
は12時間以内である。また重合開始剤を作用させてか
ら重合を完結させるのに要する時間は、開始剤の種類お
よび量並びに系の温度などによって異なるが通常は5時
間以内である。尚、本発明の方法における反応系の温度
設定は、用いる粒子状重合体(A)の組成や分子量、開
始剤の種類および量などによって異なるが、通常は30
℃ないし120℃の範囲で行なわれる。
【0012】必要に応じて用いられる界面活性剤として
は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、反応
性のものやオリゴソープなどがあるが、これらのものは
1種類を用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用
いても良い。アニオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルサ
ルフェートアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールサルフェートアルカリ金属塩、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸アルカリ金属塩、ジアル
キルスルホコハク酸アルカリ金属塩などを用いることが
できる。ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂
肪酸エステル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド
ブロック共重合体などを用いることができる。
【0013】また、分散安定剤としてはポリビニルアル
コール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなど保護コロイドとしての作用を有する
高分子化合物などを用いることができる。重合開始剤と
しては所定の温度においてラジカルを発生させる化合物
が用いられる。水溶性の開始剤としては、例えば過硫酸
ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど
の過硫酸塩類、あるいは過酸化水素などの過酸化物が用
いられ、油溶性の開始剤としては、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、第三ブチルパーオキサイド、第三
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有
機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化
合物などが用いられる。またこれらのものは還元剤と組
み合わせて、いわゆるレドックス系の開始剤として用い
ることもできる。
【0014】尚、重合を実施する際あるいは実施した後
に各種の添加剤を用いることはなんら差し支えない。こ
のような添加剤としては、pH調整剤、老化防止剤、酸
化防止剤、防腐剤などである。また重合が実質的に完結
した状態においては、内孔を有する重合体粒子の内孔に
は用いた非重合性有機溶剤(C)が存在しているが、こ
の溶剤(C)は必要に応じて、得られた内孔を有する重
合体粒子の分散液にスチームあるいは窒素や空気などの
気体を吹き込むという方法などにより除去することがで
きる。
【0015】さらに本発明の製造方法により得られた内
孔を有する重合体粒子は乾燥させ、粉体として用途に供
することもできる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中の部および%は特に断わらない限り
重量基準である。また反応は窒素雰囲気下で行なった。
【0017】
【実施例1】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、スチレン(ST)21%、メチルメタ
クリレート(MMA)50%、アクリロニトリル(A
N)25%、アクリル酸(AA)4%からなる単量体を
t−ドデシルメルカプタン(t−DDM)2%とともに
乳化共重合して得られた、粒子径が0.48μである粒
子状重合体100部の42%水分散液を入れ、内温が7
0℃になるまで加熱、攪はんした。これに、スチレン1
0部およびヘプタン20部をラウリル硫酸ナトリウム
0.05部の存在下、30部のイオン交換水中で超音波
ホモジナイザーを使用して微分散したものを添加して7
0℃でさらに5時間攪はんした。これに、過硫酸ナトリ
ウム0.3部をイオン交換水5部に溶解したものを添加
して70℃でさらに3時間半攪はんした後冷却した。得
られた分散液の固形分濃度は36.3%であり、重合体
粒子の粒子径は0.52μであった。得られた重合体粒
子の断面を電子顕微鏡で観察したところ0.24μの孔
が観察された。得られた内孔を有する重合体粒子の分散
液を70℃に保ち、これに窒素ガスを吹き込んでヘプタ
ンを除去した重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、内孔の収縮は生じていなかった。
【0018】
【実施例2】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子径0.1μの種粒子3.7部とイ
オン交換水100部を入れ、内温が80℃になるまで加
熱、攪はんした。これにスチレン90部、ブチルアクリ
レート(BA)10部、t−ドデシルメルカプタン3部
の混合物と過硫酸ナトリウム0.8部をイオン交換水2
0部に溶解したものをそれぞれ4時間かけて添加し、そ
の後さらに80℃で2時間攪はんした後冷却した。ここ
で得られた粒子状重合体を粒子状重合体(イ)とする。
得られた粒子状重合体(イ)分散液の固形分濃度は4
7.2%であり、粒子状重合体(イ)の粒子径は電子顕
微鏡で観察したところ0.3μであった。また得られた
分散液を乾燥して粒子状重合体(イ)の粉末を得、フロ
ーテスターを使用し、直径0.5mm、長さ1mmのノ
ズルを用い、荷重100kgf、昇温速度3℃/分の条
件で溶融粘度を測定したところ、120℃における溶融
粘度は1×104 Pa・Sであった。
【0019】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子状重合体(イ)30部とイオン交
換水80部を入れ、内温が80℃になるまで加熱、攪は
んした。これにスチレン49%、メチルメタクリレート
45%、アクリル酸4%およびジビニルベンゼン(DV
B)2%からなる組成の単量体混合物70部と過硫酸ナ
トリウム0.6部をイオン交換水20部に溶解したもの
をそれぞれ3時間かけて添加し、その後さらに80℃で
2時間攪はんした後冷却した。ここで得られた粒子状重
合体を粒子状重合体(ロ)とする。得られた粒子状重合
体(ロ)分散液の固形分濃度は50.1%であり、粒子
状重合体(ロ)の粒子径は電子顕微鏡で観察したところ
0.45μであった。また得られた分散液を乾燥して粒
子状重合体(ロ)の粉末を得、フローテスターを使用
し、同一の条件で溶融粘度を測定したところ、150℃
における溶融粘度は2×105 Pa・Sであった。
【0020】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子状重合体(ロ)100部の47%
水分散液を入れ、内温が60℃になるまで加熱、攪はん
した。これに、スチレン5部およびヘキサン10部をラ
ウリル硫酸ナトリウム0.05部の存在下、15部のイ
オン交換水中で超音波ホモジナイザーを使用して微分散
したものを添加して60℃でさらに5時間攪はんした。
これに、過硫酸ナトリウム0.3部をイオン交換水5部
に溶解したものを添加して60℃でさらに2時間半攪は
んした後冷却した。得られた分散液の固形分濃度は4
2.4%であった。得られた重合体粒子の外観を電子顕
微鏡で観察したところ粒子径は0.47μであり、粒子
径の分布は極めて小さかった。また得られた重合体粒子
の断面を電子顕微鏡で観察したところ0.21μの孔が
観察された。実施例1と同様の方法でヘキサンを除去し
た内孔を有する集合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察し
たところ、内孔の収縮は生じていなかった。またヘキサ
ンを除去した内孔を有する重合体粒子の分散液をスプレ
ードライヤーで乾燥することにより、内孔を有する重合
体粒子の粉体を得た。
【0021】
【実施例3】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、実施例2で使用した粒子状重合体
(ロ)100部の47%水分散液を入れ、内温が60℃
になるまで加熱、攪はんした。これに、スチレン10部
およびヘキサン30部をラウリル硫酸ナトリウム0.0
5部の存在下、40部のイオン交換水中で超音波ホモジ
ナイザーを使用して微分散したものを添加して60℃で
さらに5時間攪はんした。これに、過硫酸ナトリウム
0.3部をイオン交換水5部に溶解したものを添加して
60℃でさらに2時間半攪はんした後冷却した。得られ
た分散液の固形分濃度は37.0%であり、重合体粒子
の粒子径は0.50μであった。得られた重合体粒子の
断面を電子顕微鏡で観察したところ0.31μの孔が観
察された。実施例1と同様の方法でヘキサンを除去した
内孔を有する重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察たと
ころ、内孔の収縮は生じていなかった。
【0022】
【実施例4】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子径0.1μの種粒子3.7部とイ
オン交換水100部を入れ、内温が80℃になるまで加
熱、攪はんした。これにスチレン100部、t−ドデシ
ルメルカプタン5部の混合物と過硫酸ナトリウム0.8
部をイオン交換水20部に溶解したものをそれぞれ4時
間かけて添加し、その後さらに80℃で2時間攪はんし
た後冷却した。ここで得られた粒子状重合体を粒子状重
合体(イ)とする。得られた粒子状重合体(イ)分散液
の固形分濃度は47.7%であり、粒子状重合体(イ)
の粒子径は電子顕微鏡で観察したところ0.3μであっ
た。また得られた分散液を乾燥して粒子状重合体(イ)
の粉末を得、フローテスターを使用し、直径0.5m
m、長さ1mmのノズルを用い、荷重100kgf、昇
温速度3℃/分の条件で溶融粘度を測定したところ、1
20℃における溶融粘度は2×104 Pa・Sであっ
た。
【0023】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子状重合体(イ)30部とイオン交
換水80部を入れ、内温が80℃になるまで加熱、攪は
んした。これにスチレン49%、メチルメタクリレート
45%、アクリル酸4%およびジビニルベンゼン2%か
らなる組成の単量体混合物70部と過硫酸ナトリウム
0.6部をイオン交換水20部に溶解したものをそれぞ
れ3時間かけて添加し、その後さらに80℃で2時間攪
はんした後冷却した。ここで得られた粒子状重合体を粒
子状重合体(ロ)とする。得られた粒子状重合体(ロ)
分散液の固形分濃度は50.1%であり、粒子状重合体
(ロ)の粒子径は電子顕微鏡で観察したところ0.45
μであった。また得られた分散液を乾燥して粒子状重合
体(ロ)の粉末を得、フローテスターを使用し、同一の
条件で溶融粘度を測定したところ、150℃における溶
融粘度は3×105 Pa・Sであった。
【0024】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子状重合体(ロ)100部の47%
水分散液を入れ、内温が60℃になるまで加熱、攪はん
した。これにスチレン10部、およびヘキサン30部を
ラウリル硫酸ナトリウム0.05部の存在下、40部の
イオン交換水中で超音波ホモジナイザーを使用して微分
散したものを添加して60℃でさらに5時間攪はんし
た。これに、過硫酸ナトリウム0.3部をイオン交換水
5部に溶解したものを添加して60℃でさらに2時間半
攪はんした後冷却した。得られた分散液の固形分濃度は
37.0%であり、重合体粒子の粒子径は0.50μで
あった。得られた重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察
したところ0.30μの孔が観察された。実施例1と同
様の方法でヘキサンを除去した内孔を有する重合体粒子
の断面を電子顕微鏡で観察したところ内孔の収縮は生じ
ていなかった。
【0025】
【比較例1】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、スチレン21%、メチルメタクリレー
ト50%、アクリロニトリル25%、アクリル酸4%か
らなる単量体をt−ドデシルメルカプタン2%とともに
乳化共重合して得られた粒子径が0.42μである粒子
状重合体100部の40%水分散液を入れ、内温が70
℃になるまで加熱、攪はんした。これに、スチレン10
0部及びヘプタン30部の混合物並びに過硫酸ナトリウ
ム0.8部をイオン交換水80部に溶解したものを各々
5時間かけて添加し、70℃でさらに3時間半攪はんし
た後冷却した。得られた分散液の固形分濃度は43.5
%であり、重合体粒子の外観を電子顕微鏡により観察し
たところ粒子径の分布が大きかった。得られた重合体粒
子の断面を電子顕微鏡で観察したところ、孔は観察され
たが大きさに分布があった。
【0026】
【比較例2】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、実施例2で使用した粒子状重合体粒子
(イ)30部とイオン交換水80部を入れ、内温が80
℃になるまで加熱、攪はんした。これにスチレン51
%、メチルメタクリレート45%およびアクリル酸4%
からなる組成の単量体混合物70部と過硫酸ナトリウム
0.6部をイオン交換水20部に溶解したものをそれぞ
れ3時間かけて添加し、その後さらに80℃で2時間攪
はんした後冷却した。ここで得られた粒子状重合体を粒
子状重合体、(ロ)とする。得られた粒子状重合体
(ロ)分散液の固形分濃度は50.1%であり、粒子状
重合体(ロ)の粒子径は電子顕微鏡で観察したところ
0.45μであった。また得られた分散液を乾燥して粒
子状重合体(ロ)の粉末を得、フローテスターを使用
し、同一の条件で溶融粘度を測定したところ、150℃
における溶融粘度は4×103 Pa・Sであった。
【0027】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子状重合体(ロ)100部の47%
水分散液を入れ、内温が60℃になるまで加熱、攪はん
した。これに、スチレン10部およびヘキサン30部を
ラウリル硫酸ナトリウム0.05部の存在下、40部の
イオン交換水中で超音波ホモジナイザーを使用して微分
散したものを添加して60℃でさらに5時間攪はんし
た。これに、過硫酸ナトリウム0.3部をイオン交換水
5部に溶解したものを添加して60℃でさらに2時間半
攪はんした後冷却した。得られた分散液の固形分濃度は
37.0%であり、重合体粒子の粒子径は0.48μで
あった。得られた重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察
したところ0.22μの孔が観察されたが、実施例1と
同様の方法でヘキサンを除去した重合体粒子の断面を電
子顕微鏡で観察したところ、内孔は消失していた。
【0028】
【比較例3】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子径0.1μの種粒子3.7部とイ
オン交換水100部を入れ、内温が80℃になるまで加
熱、攪はんした。これにスチレン100部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.8部の混合物と過硫酸ナトリウム
0.8部をイオン交換水20部に溶解したものをそれぞ
れ4時間かけて添加し、その後さらに80℃で2時間攪
はんした後冷却した。ここで得られた粒子状重合体を粒
子状重合体(イ)とする。得られた粒子状重合体(イ)
分散液の固形分濃度は46.7%であり、粒子状重合体
(イ)の粒子径は電子顕微鏡で観察したところ0.3μ
であった。また得られた分散液を乾燥して粒子状重合体
(イ)の粉末を得、フローテスターを使用し、直径0.
5mm、長さ1mmのノズルを用い、荷重100kg
f、昇温速度3℃/分の条件で溶融粘度を測定したとこ
ろ、120℃における溶融粘度は5×105Pa・Sで
あった。
【0029】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、粒子状重合体(イ)30部とイオン交
換水80部を入れ、内温が80℃になるまで加熱、攪は
んした。これにスチレン49%、メチルメタクリレート
45%、アクリル酸4%およびジビニルベンゼン2%か
らなる組成の単量体混合物70部と過硫酸ナトリウム
0.6部をイオン交換水20部に溶解したものをそれぞ
れ3時間かけて添加し、その後さらに80℃で2時間攪
はんした後冷却した。ここで得られた粒子状重合体を粒
子状重合体(ロ)とする。得られた粒子状重合体(ロ)
分散液の固形分濃度は50.1%であり、粒子状重合体
(ロ)の粒子径は電子顕微鏡で観察したところ0.45
μであった。また得られた分散液を乾燥して粒子状重合
体(ロ)の粉末を得、フローテスターを使用し、同一の
条件で溶融粘度を測定したところ、150℃における溶
融粘度1×106 Pa.Sであった。
【0030】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたスラスコに、粒子状重合体(ロ)100部の47%
水分散液を入れ、内温が60℃になるまで加熱、攪はん
した。これにスチレン10部およびヘキサン30部をラ
ウリル硫酸ナトリウム0.05部の存在下、40部のイ
オン交換水中で超音波ホモジナイザーを使用して微分散
したものを添加して60℃でさらに5時間攪はんした。
これに、過硫酸ナトリウム0.3部をイオン交換水5部
に溶解したものを添加して60℃でさらに2時間半攪は
んした後冷却した。得られた分散液の固形分濃度は3
7.0%であり、重合体粒子の粒子径は0.46μであ
った。得られた重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察し
たところ孔は観察されなかった。
【0031】
【比較例4】実施例3のヘキサンをトルエンに変えた以
外は全て実施例3と同じ操作を行なった。得られた分散
液の固形分濃度は37.0%であり、重合体粒子の粒子
径は0.50μであった。得られた重合体粒子の断面を
電子顕微鏡で観察したところ孔は観察されなかった。ま
た得られた重合体粒子から実施例1と同様の方法でトル
エンを除去した後、重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観
察したところ孔は観察されなかった。
【0032】
【比較例5】攪はん機、還流冷却器、および温度計を備
えたフラスコに、実施例2で使用した粒子状重合体
(ロ)100部の47%水分散液を入れ、内温が60℃
になるまで加熱、攪はんした。これにヘキサン30部を
ラウリル硫酸ナトリウム0.05部の存在下、30部の
イオン交換水中で超音波ホモジナイザーを使用して微分
散したものを添加して60℃でさらに7時間半攪はんし
た後冷却した。冷却後、フラスコ中にはヘキサンが多量
に分離しており、粒子径は0.45μのままであった。
得られた重合体粒子の断面を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ孔は観察されなかった。
【0033】上記の実施例、比較例に関する要点を表1
にまとめる。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の内孔を有する重合体粒子の製造
方法においては、粒子径や内孔径のコントロールが極め
て容易であり、かつ粒子径に対して大きな内孔を有する
ものを得ることができる。また本方法により製造された
内孔を有する重合体粒子は溶剤が除去される際に内孔が
収縮することがなく、乾燥性も優れており、塗料や塗工
紙における中空有機顔料として優れた性能を有してい
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内孔を有する重合体粒子の製造方法にお
    いて、粒子状重合体(A)100重量部を含有する分散
    媒中に、重合性ビニル単量体(B)1ないし10重量
    部、および単独では上記内孔を有する重合体粒子には実
    質的に相溶しない非重合性有機溶剤(C)1ないし10
    0重量部を添加して重合することを特徴とする内孔を有
    する重合体粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記の(工程1)および(工程2)によ
    り得られる粒子状重合体(ロ)を粒子状重合体(A)と
    して使用することを特徴とする請求項1記載の内孔を有
    する重合体粒子の製造方法。(工程1)120℃におけ
    る溶融粘度が105 Pa・S(パスカル・秒)以下であ
    って粒子径が0.1ないし2μの水分散性粒子状重合体
    (イ)を重合する工程。(工程2)粒子状重合体(イ)
    を種粒子として、該種粒子重合時とは異なる組成の単量
    体を分散媒中に加えて重合して粒子径が0.2ないし5
    μであって、150℃における溶融粘度が104 Pa・
    S以上である水分散性粒子状重合体(ロ)を得る工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009079086A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Sekisui Plastics Co Ltd 単中空粒子、その製造方法、樹脂組成物及び光拡散板

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JP2009079086A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Sekisui Plastics Co Ltd 単中空粒子、その製造方法、樹脂組成物及び光拡散板

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