JPH0570318A - 歯科鋳造用材料 - Google Patents

歯科鋳造用材料

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JPH0570318A
JPH0570318A JP3135870A JP13587091A JPH0570318A JP H0570318 A JPH0570318 A JP H0570318A JP 3135870 A JP3135870 A JP 3135870A JP 13587091 A JP13587091 A JP 13587091A JP H0570318 A JPH0570318 A JP H0570318A
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dental casting
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Hisao Honma
久夫 本間
Kazunori Iijima
一法 飯島
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TOOYAMA KIKINZOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科鋳造用金パラ合金の改良に関する。 【構成】 Au、Ag、Pd、Cuを主成分とする歯科
鋳造用合金において、Auの含有量を17.4〜18.
6重量%とし、あるいはこれにZn3重量%以下含有せ
しめたもの。 【効果】 鋳造性を低下することなく、耐食性を向上さ
せ、又、機械的性質も向上した優れた歯科鋳造用材料で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯科鋳造用材料である金
銀パラジウム合金(金パラ合金)の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】歯科鋳造用金パラ合金は、Auの含有量
が12%以上、Pdの含有量が20%以上、Agの含有
量が40%以上と規定されているが、現在市販されてい
る金パラ合金は、Auが12%と20%含有した2種類
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】市販されている金パラ
合金の中、Au含有量12%のものは、耐食性の点で十
分とは言えず、口腔内で変色や腐食する症例もある。
又、Au含有量20%のものは、融点が1000℃以上
になるため、鋳造性が低下することが懸念されてあまり
用いられていない。
【0004】そこで、耐食性、鋳造性及び機械的性質な
どの点を一段と向上を計った、しかも融点を1000℃
以下に低下させる組成の金パラ合金が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、Au、Ag、
Pd、Cuを主成分とする歯科鋳造用合金において、A
uの含有量を17.4〜18.6重量%としたもの、あ
るいはさらにこれに3重量%以下のZnを含有せしめた
ことを特徴とする歯科鋳造用材料である。
【0006】Auは銀の硫化による変色を押える効果
と、合金の融点降下や熱処理効果を持たせるために添加
する銅の作用を助長するが、本発明のように17.4〜
18.6重量%の範囲とすることにより、かかる本来の
作用の外に新規な特性を見出した。
【0007】すなわち、Au量を17.4〜18.6重
量%としたことにより融点は12%Au合金よりも若干
高くなるが、20%Au合金より低く、鋳造性は良好で
ある。
【0008】Znを3重量以下、特には1重量%添加す
ることにより融点は更に低下する傾向となり、鋳造性は
更に改善される。
【0009】又、本発明の17.4〜18.6%Au合
金材料は引張強さが、12%Au合金材料よりも向上し
た。さらにZnを添加したものでは、伸びを低下させず
に強度が増し、機械的性質の向上が明瞭となる。
【0010】そして、図1は本発明においてZnを含有
しない場合の鋳造のままについて引張試験後の破断面の
組織を示す顕微鏡写真、図2は同じくZnを1%含有す
る場合の顕微鏡写真を示すが、図2の方がディンプルが
微細化しており、このことがZn添加による機械的強度
向上と関連づけられる。
【0011】図3はAuを18重量%及びZnを1重量
%含有する本発明合金の軟化処理状態の金属組織を示す
電子顕微鏡写真であり、図4は従来の12%Au合金の
軟化処理状態の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。
両者の対比から明らかなように、両者は共通のマトリッ
クス(M)、不定形の白色粒(C)及びその周辺に層状
部(R)が存在した3相からなっている。図3の本発明
材料においては、上記3相の外に図4では見られない白
色粒を囲むような相(MC)も存在する。
【0012】本発明におけるこれらの相についてX線分
析を行った結果を図5〜8に示す。分析の結果による
と、M、C、Rの各部における各元素のスペクトルピー
クは、図3、図4の場合のいずれも類似した傾向であっ
たが、図3で新たに生成されたMCの部位はAuに富む
相であった。
【0013】一般に金パラ合金の腐食は、白色粒の周辺
の層状部で発生しやすいものであるが、本発明合金で
は、12%金パラ合金に比べて層状領域が減少し、その
上、白色粒周辺には金に富む相(MC)も存在すること
から、耐食性が良好となる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を比較例とともに説明する。
下記表1に示す4種の合金を用意した。
【0015】
【表1】
【0016】合金No.1はNo.3のものに対して融解温
度は10℃と若干上昇する程度であり、又、Znを添加
したNo.2とNo.4の比較においても、さしたる違いは
なく、いずれにしても1000℃以下の融解温度で鋳造
性は良好である。
【0017】次に機械的性質についての試験結果を表2
に示す。処理条件としてはJISの第1種(軟化処理)
と第2種(硬化処理)に準拠したものと実用的には鋳造
のままで用いられることが多いことから、この3種の条
件とした。
【0018】
【表2】
【0019】実施例の場合、比較例の場合と較べて伸び
はほぼ同程度であるが、引張強さはすぐれている。特に
No.2のZnを添加したものは、伸びを低下させずに強
度が増し、機械的性質の向上が明瞭となる。又、マイク
ロビッカースかたさ(荷重500g)の試験結果を表3
に示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明は、金パラ合金の鋳造性を低下す
ることなく、耐食性を向上させて、歯科用材料として口
腔内で変色や腐食がないようにし、しかも機械的性質も
向上した材料で、優れた歯科鋳造用材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のZnを含有しない合金の鋳造の
ままについて引張試験後の破断面の金属組織を示す顕微
鏡写真を示す。
【図2】Znを含有する場合の図1と同様の金属組織を
示す顕微鏡写真を示す。
【図3】本発明実施例の合金の軟化処理後の金属組織を
示す顕微鏡写真である。
【図4】比較例の合金の軟化処理後の金属組織を示す顕
微鏡写真である。
【図5】本発明実施例の合金におけるマトリックス部の
X線分析結果を示すグラフである。
【図6】同じく白色粒部のX線分析結果を示すグラフで
ある。
【図7】同じく層状部のX線分析結果を示すグラフであ
る。
【図8】同じく白色粒の周辺部のX線分析結果を示すグ
ラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Au、Ag、Pd、Cuを主成分とする
    歯科鋳造用合金において、Auの含有量を17.4〜1
    8.6重量%としたことを特徴とする歯科鋳造用材料。
  2. 【請求項2】 Au、Ag、Pd、Cuを主成分とする
    歯科鋳造用合金において、Auの含有量を17.4〜1
    8.6重量%とし、さらに3重量%以下のZnを含有せ
    しめたことを特徴とする歯科鋳造用材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014156636A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Ishifuku Metal Ind Co Ltd 歯科鋳造用合金及びその製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5271330A (en) * 1975-12-11 1977-06-14 Sankin Ind Co Goldd silverr palladium alloy having refined grains by addition of small amount of rhenium for dental castings

Patent Citations (1)

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JP2691085B2 (ja) 1997-12-17

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