JPH0570011A - 高摩擦ローラ - Google Patents

高摩擦ローラ

Info

Publication number
JPH0570011A
JPH0570011A JP26278991A JP26278991A JPH0570011A JP H0570011 A JPH0570011 A JP H0570011A JP 26278991 A JP26278991 A JP 26278991A JP 26278991 A JP26278991 A JP 26278991A JP H0570011 A JPH0570011 A JP H0570011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical body
friction roller
peripheral surface
high friction
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26278991A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Fujiwara
正利 藤原
Hiroshi Takahashi
博 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Piolax Inc
Original Assignee
Kato Hatsujo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kato Hatsujo Inc filed Critical Kato Hatsujo Inc
Priority to JP26278991A priority Critical patent/JPH0570011A/ja
Publication of JPH0570011A publication Critical patent/JPH0570011A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部分的に摩擦係数が低下することなく、紙面
などに対して均一な優れたグリップ力を得ることができ
る高摩擦ローラを提供する。 【構成】 金属の円筒体27に直接接触しないで印刷が
できる手段、例えば石英ファイバーを用いた紫外線の照
射、レーザ光線の照射、インクジェットなどの手段を用
いることにより、円筒体27に均一な継目のないドット
状のレジストパターンを形成し、これをエッチング処理
することによって、円筒体27の全周に亙って規則正し
く、かつ、不連続な箇所がないように配列された突起2
5を有する高摩擦ローラ21を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、プリンターや
X−Yプロッター等の紙送りに好適な高摩擦ローラに関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリンターやX−Yプロッター
の紙送りローラとしては、用紙に対する摩擦力、紙送り
の位置精度、耐久性等の点から、金属の円筒体の外周面
に凹凸を形成した高摩擦ローラが用いられているが、こ
のようなローラとしては、寸法精度が高く、弾性変形を
起こさず、紙を確実にグリップし、耐摩耗性の高いもの
が望まれる。
【0003】従来、このような高摩擦ローラとして、例
えば特開昭60-23248号には、ステンレス鋼板の表面にエ
ッチングによって微細な突起を形成し、この鋼板をスパ
イラル状に巻いて接合し、筒状に成形したローラが示さ
れている。
【0004】また、特開昭63-93878には、金属の円筒体
の外周面に、所定のレジストパターンを形成し、エッチ
ングして凸部を形成した後、レジストを除去して、円筒
体の外周面に多数のドット状の凸部を形成した高摩擦ロ
ーラが示されている。
【0005】上記においてレジストパターンの形成方法
としては、図4に示すように、円筒体3の外周面にフォ
トレジスト7を塗布した後、フィルム状のフォトマスク
8を巻き付け、円筒体3を回転させながら、スリット9
を介して、光10を照射して露光し、次いで現像、およ
びポストベークを行なう方法が開示されている。
【0006】また、図5に示すように、スクリーン版1
3を、スキージ12で押圧して、スクリーン版13の開
口部14からインクレジスト11をスクリーン印刷して
レジストパターンを形成する方法も開示されている。
【0007】更に、図6に示すように、凹版16のイン
クレジスト11を転写ローラ15により転写凹版してレ
ジストパターンを形成する方法も開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エッチ
ングにより微細な突起を形成した金属板を円筒状に曲げ
て高摩擦ローラを製造する場合には、図7に示すよう
に、ローラ17の表面に継ぎ目18ができてしまうとい
う問題があった。
【0009】また、円筒体の外周面に、スクリーン印刷
や、転写凹版によりレジストパターンを形成する場合に
は、円筒体を1回転させて最終列のドットを形成する際
に、最初の列のドットがスクリーン版や、凹版に押し付
けられて潰れてしまうという問題があった。
【0010】このため、特開平3-130186号に示されるよ
うに、円筒体の周面の一部に印刷した後、印刷された樹
脂を硬化させ、その後、再び円筒体の周面の残りの部分
に印刷を行なうことが必要となる。この場合、印刷の継
目部分には、印刷の重なりを避けるため所定のスペース
を設ける必要があり、したがって、出来上がったローラ
の表面には、突起が設けられていないスペースが所定幅
で設けられる。
【0011】更に、図4に示す露光による方法は、フォ
トレジストを塗布した円筒体の外周に、フォトマスクを
密着させ、かつ、継ぎ目が、重なったり、間が開いたり
しないように巻き付けるのが困難であるという問題があ
った。
【0012】したがって、エッチングによって突起を形
成した従来の高摩擦ローラは、円筒体の全周のある箇所
において、突起の配列が不連続になることを避けられな
かった。このような不連続な箇所があると、その部分に
おいて一時的に摩擦係数が低下するので、均一なグリッ
プ力を得ることが困難となる。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的は、全周にわたって均一な優
れたグリップ力を得ることができる新規な高摩擦ローラ
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の高摩擦ローラは、金属の円筒体の外周面に
エッチング加工により微細な突起を形成した高摩擦ロー
ラにおいて、前記突起が全周に亙って規則正しく、か
つ、不連続な箇所がないように配列されていることを特
徴とする。
【0015】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。
【0016】前述したように、金属の円筒体の外周面に
エッチング加工により微細な突起を形成する場合、従来
のスクリーン印刷などの方法によってレジストパターン
を形成すると、突起の配列が不連続となった継目を設け
ることが必要となる。
【0017】そこで、本発明者らは、金属の円筒体の外
周面に不連続な箇所を有することなくレジストパターン
を形成するため鋭意研究した結果、円筒体の表面に接触
しない状態で印刷する手段、例えば石英ファイバーを用
いた紫外線の照射、レーザ光線の照射、インクジェット
などの手段を用いることにより、全周均一な継目のない
レジストパターンの形成が可能なことを見いだし、本発
明を完成するに至ったのである。
【0018】すなわち、金属の円筒体の外周面に予め紫
外線硬化樹脂を塗布しておき、円筒体を所定角度ずつ回
転させながら紫外線やレーザ光線を照射して、円筒体の
外周面の紫外線硬化樹脂をドット状に感光させ、円筒体
がほぼ一周して全面にドット状の感光がなされた後、現
像、ポストベークを行なって感光した部分の紫外線硬化
樹脂を硬化させることにより、円筒体の外周面に継目の
ない均一なドット状のレジストパターンを形成すること
ができる。
【0019】また、インクジェット印刷機を用い、イン
クジェットのヘッドに対して、円筒体を軸方向に往復移
動させ、かつ、所定角度ずつ回転させながら、円筒体の
外周面にレジスト用の樹脂をドット状に印刷することに
より、上記と同様に継目のない均一なドット状のレジス
トパターンを形成することもできる。
【0020】こうして、円筒体の外周面にドット状のレ
ジストパターンを形成した後、円筒体をエッチング液に
浸漬してエッチング処理することにより、レジストが設
けられていない部分が侵食されるので、レジストに覆わ
れた部分がドット状の微細な突起となる。そして、エッ
チング終了後、レジストを剥離することにより、突起が
全周に亙って規則正しく、かつ、不連続な箇所がないよ
うに配列された本発明の高摩擦ローラを得ることができ
る。
【0021】本発明の高摩擦ローラにおいて、前記突起
は、頂部の径が20〜60μm、高さが60〜120 μm、頂部
から20μmの高さにおける径が80μm以下の形状をなす
ものであることが好ましい。
【0022】上記において、頂部の径が上記よりも小さ
い場合は、耐摩耗性が乏しくなり、頂部の径が上記より
も大きい場合は、紙に対する食い込みが不足して十分な
摩擦係数が得られなくなる。また、高さが上記よりも低
い場合は、十分な摩擦係数が得られなくなり、高さが上
記よりも高い場合は、突起が破損しやすくなり耐久性が
低下する。更に、頂部から20μmの高さにおける径が80
μmを超える場合は、突起の立ち上がりを鋭くすること
ができないので、十分な摩擦係数が得られなくなるとい
う問題がある。このような突起形状は、レジストパター
ンのドット径、エッチング時間などによって比較的自由
に調整することができる。
【0023】なお、突起と突起の間隔は、特に限定され
ないが、0.2 〜0.7mm であることが好ましい。突起の間
隔が上記よりも小さい及び大きい場合は、いずれも摩擦
係数が低下する傾向がある。また、突起の配列は、例え
ば碁盤目状であってもよく、千鳥格子状であってもよ
い。
【0024】本発明の高摩擦ローラは、突起を有する外
周面が、平滑処理されていることが好ましい。すなわ
ち、エッチング処理によって、ローラの外周面は、多数
の微細な凹凸を有する荒れた状態になる。ローラの外周
面がこのように荒れていると、紙送りローラとして用い
たとき、紙の繊維が付着しやすくなり、付着した紙の繊
維によって摩擦係数が低下してしまうという問題が生じ
る。このため、エッチング処理を施した後、例えばブラ
ッシング等を行なって、その表面を平滑処理することが
好ましい。
【0025】更に、本発明の高摩擦ローラは、前記突起
を有する外周面に、硬質メッキ層が施されていることが
好ましい。すなわち、高摩擦ローラの材質としては、例
えば炭素鋼、ステンレスなどの金属が用いられるが、外
周面に微細な突起を形成して紙送りローラなどに用いる
と、上記金属材質だけでは、十分な耐摩耗性が得られ
ず、耐久性が不足する。このため、高摩擦ローラの外周
面に、例えばNi−Pメッキ、硬質クロームメッキなど
の硬質メッキ層を施すことにより、耐久性をより向上さ
せることが好ましい。なお、このようなメッキ層は、前
記エッチングにより形成された表面の微細な凹凸を滑ら
かにする役割も果たす。
【0026】
【作用】本発明の高摩擦ローラは、エッチング加工によ
って形成された微細な突起が、金属の円筒体の外周面の
全周に亙って規則正しく配列されているので、部分的に
摩擦係数が低下することがなくなり、紙面などに対して
均一な優れたグリップ力を得ることができる。
【0027】また、突起が、頂部の径が20〜60μm、高
さが60〜120 μm、頂部から20μmの高さにおける径が
80μm以下の形状をなすものとした場合には、紙送りロ
ーラとして用いた場合に、耐久性を損なうことなく、優
れたグリップ力を付与することができる。
【0028】更に、円筒体の突起を有する外周面が、平
滑処理されている場合には、紙送りローラとして用いた
場合に、紙の繊維の付着を防止して、摩擦係数の低下を
防止することができる。
【0029】加えて、円筒体の突起を有する外周面に、
硬質メッキ層を施した場合には、耐久性を更に向上させ
ることができる。
【0030】
【実施例】図1には、本発明の高摩擦ローラの一実施例
が示されている。
【0031】この高摩擦ローラ21は、炭素鋼、合金鋼
等からなる金属の円筒体27の外周面23に、継ぎ目を
形成することなく、多数の微細な突起25を全周に亙っ
て規則正しく、かつ、不連続な箇所がないように配列し
て形成したものである。このため、円筒体27の外周面
23の一部分において部分的に摩擦係数が低下するのを
防止して、紙面などに対して均一な優れたグリップ力を
得ることができる。なお、この実施例においては、突起
25が千鳥格子状に形成されているが、突起25の配列
は、これに限定されることはなく、例えば碁盤目状に配
列されたものであってもよい。
【0032】なお、本発明の高摩擦ローラは、紙送りロ
ーラだけでなく、X−Yプロッタ、ロボット、減速機械
などにおける金属ベルト用の高摩擦プーリとしても利用
することができる。
【0033】この高摩擦ローラ21は、図2、3に示す
ようなフォトレジストにおける露光装置31を用いて、
ドット状のレジストパターンを形成し、これをエッチン
グ処理して製造したものである。
【0034】図2において、フォトレジストにおける露
光装置31は、多数本の石英ファイバーの束32、33
を有し、これらの石英ファイバーの束32、33は、一
方の端部において、一本ずつ一列に、露光用ヘッド34
に接続されている。
【0035】石英ファイバーの束32、33は、有効径
が50〜200 μmの石英ファイバーからなり、それらのフ
ァイバーの一方の端部が、露光用ヘッド34の部分にお
いて0.2 〜2mm程度の間隔で一例に配列されている。露
光用ヘッド34の部分に配列される石英ファイバーの本
数は、通常、円筒体27の長さ1cm当たり5〜50本程度
とすることが好ましい。なお、石英ファイバーの束3
2、33は、二つの束に限定されるものではなく、一つ
の束又は三つ以上の束としてもよい。
【0036】図3に示すように、石英ファイバーの束3
2、33の各ファイバーは、交互に一本ずつ露光用ヘッ
ド34に接続されている。このように石英ファイバーの
束32、33の各ファイバーを、交互に一本ずつ露光用
ヘッド34に接続した場合には、後述するように、石英
ファイバーの束32と33とに交互に紫外線を照射する
ことにより、千鳥格子状のレジストパターンを形成する
ことができる。
【0037】石英ファイバーの束32、33の、露光用
ヘッド34側とは異なる端部には、シャッタ36を間に
配置して、紫外線照射装置35が設置されている。シャ
ッタ36は、2つの開口部36a、36bを有してお
り、図2中矢印Aで示す如くスライド動作する。図2に
示す状態では、石英ファイバーの束32、33のいずれ
にも紫外線は照射されず、図に示す状態からシャッタ3
6が右方向にスライドすると、開口部36aを通して石
英ファイバーの束32に紫外線が照射され、図に示す状
態からシャッタ36が図中左方向にスライドすると開口
部36bを通して石英ファイバーの束33に紫外線が照
射されるようになっている。
【0038】一方、石英ファイバーの束32、33が接
続された露光用ヘッド34に対向して、露光用ヘッド3
4と平行に、かつ、回転自在に円筒体27を支持する円
筒体支持手段である回転軸38が配置されている。回転
軸38は、支持した円筒体27を所定角度ずつ回転さ
せ、停止することができる回転手段39に接続されてい
る。回転手段39としては、角度割り出しが可能で、一
定角度毎に停止させることができる回転手段が好まし
く、例えば、パルスモータ、サーボモータ等を用いるこ
とができる。
【0039】ここで、回転手段39による一回の回動角
は、円筒体27の径や所望とするドットの間隔によって
異なるが、例えば、円筒体27の直径を20〜40mmとし、
ドットの間隔を0.5 〜1.0mm とした場合には、1.4 〜5.
7 °となる。高摩擦ローラを製造するための微細なレジ
ストパターンを形成する場合には、通常、一回の回動角
を、0.5〜10°の範囲とすることが好ましい。
【0040】次に、図2、3に示されるフォトレジスト
における露光装置31を用いた、円筒体27周面への露
光方法について説明する。
【0041】まず、円筒体27の外周面23に紫外線レ
ジストを塗布し、乾燥させる。紫外線レジストが乾燥し
た後、円筒体27を回転軸38に装着する。このとき、
シャッタ36は、図2に示す状態にあり、石英ファイバ
ーの束32、33のいずれにも紫外線を照射していな
い。
【0042】次に、円筒体27を停止した状態で、シャ
ッタ36を、例えば図2中右方向にスライドさせ、開口
部36aを通して、石英ファイバーの束32に紫外線を
照射する。これにより、露光用ヘッド34に配列された
石英ファイバーの束32より導かれた石英ファイバーの
先端から、紫外線がドット状に照射され、円筒体27の
紫外線レジストが一列のドット状に感光する。
【0043】そして、再びシャッタ36を図2に示す状
態に戻し、ファイバーの束32、33のいずれにも紫外
線が照射されないようにする。この状態で、回転手段3
9により円筒体27を所定角度回動させる。
【0044】次に、シャッタ36を図2中左方向にスラ
イドさせ、開口部36bを通して、石英ファイバーの束
33に紫外線を照射する。これにより、露光用ヘッド3
4に配列された石英ファイバーの束33より導かれた石
英ファイバーの先端から、紫外線がドット状に照射さ
れ、円筒体27の紫外線レジストが一列のドット状に感
光する。
【0045】そして、再びシャッタ36を図2に示す状
態に戻し、ファイバーの束32、33のいずれにも紫外
線が照射されないようにする。この状態で、回転手段3
9により円筒体27を再び所定角度回動させる。
【0046】このような操作を、円筒体27がほぼ一回
転するまで繰り返し、円筒体27の紫外線レジストを全
周に亙って露光させた後、円筒体27を回転軸38から
取り外す。円筒体27の紫外線レジストに露光した後、
公知の方法で現像してドット状のレジストを形成し、こ
れをエッチング処理し、その後レジストを剥離して図1
に示す高摩擦ローラ21が得られる。
【0047】上記のような露光方法によってレジストパ
ターンを形成すれば、従来のスクリーン印刷によりレジ
ストパターンを形成する場合のように、円筒体が一回転
したとき、すでに形成したドットを押し潰してしまうこ
とはなく、また、露光用ヘッドが円筒体に直接接触しな
いので、レジストによる汚れも生じず、微細で、精密な
ドット状のレジストパターンを均一に形成することがで
きる。
【0048】このようにして得られた高摩擦ローラは、
継目を有することなく、突起が全周に亙って規則正し
く、かつ、不連続な箇所がないように配列されるため、
紙面などに対して均一な優れたグリップ力を得ることが
できる。
【0049】本発明の高摩擦ローラは、上記のような方
法で、金属の円筒体の外周面に、継目なく均一にドット
状のレジストパターンを形成し、これをエッチング処理
することによって得られるが、エッチング処理しただけ
の突起25は、図8に示すように、その表面が荒れて微
細な凹凸を有する状態をなす。このため、紙送りローラ
として用いた場合、紙の繊維が付着しやすくなり、摩擦
係数の低下を招きやすくなっている。
【0050】このため、図9に示すように、エッチング
処理して得られた高摩擦ローラ21の外周面を平滑処理
することが好ましい。このような平滑処理は、例えばブ
ラッシングすることによってなされる。
【0051】更に、こうして得られた高摩擦ローラ21
は、例えば、紙送りローラとして長期間に亙って使用す
ると、突起25が摩耗して次第に摩擦係数が低下する。
したがって、より優れた耐久性を付与するためには、図
10に示すように、ローラ21の外周面に硬質メッキ層
41を施すことが好ましい。硬質メッキ層41として
は、Ni−Pメッキ、硬質クロームメッキなどが挙げら
れる。なお、図8に示した状態から、平滑処理を行なう
ことなく、直接、硬質メッキ層41を施してもよく、そ
の場合、エッチング処理によって形成された表面の微細
な凹凸が硬質メッキ層41によって滑らかにされるとい
う効果が得られる。
【0052】また、高摩擦ローラ21の突起25の形状
は、特に紙送りローラとして使用する場合には、図10
における頂部の径W1 が20〜60μm、高さhが60〜120
μm、頂部から20μmの高さにおける径W2 が80μm以
下とされることが好ましい。このような形状とすること
により、優れたグリップ力と耐久性を付与することがで
きる。
【0053】図11、12、13には、円筒体27の外
周面に、継目のないドット状のレジストパターンを形成
する他の印刷装置の例が示されている。
【0054】図11、12に示すように、この印刷装置
51は、基台52上にレール53を有し、このレール5
3上を移動可能なスライドベース54が配置されてい
る。スライドベース54は、円筒体27を回転自在に支
持する回転軸56を有し、この回転軸56の一端は、回
転駆動手段としてのサーボモータ57に接続されてい
る。また、スライドベース54は、レール53に対して
直角方向に突出したブラケット58を有し、このブラケ
ット58は、レール53と平行に配置され、サーボモー
タ59により回転するボールネジ60に螺合しており、
ボールネジ60の回転により、円筒体27の軸方向に移
動するようになっている。また、インクジェット印刷機
61のヘッド62が、印刷すべき樹脂の噴出方向を、円
筒体27の外周面に向けて配置されている。
【0055】図13を併せて参照すると、インクジェッ
ト印刷機61は、印刷すべきドット状のパターンを入力
するためのキーボード64と、印刷すべきレジスト用樹
脂を貯留されたタンク65と、このタンク65からヘッ
ド62に樹脂を供給する樹脂供給管63とを備えてい
る。タンク65は、床上に立設されたポール66にホル
ダ67を介して支持されている。また、ヘッド62は、
ポール66に固定され側方に延出されたアーム69と、
このアーム69の先端部より下方に延出されたアーム6
8とを介して、樹脂を噴出するノズルを下方に向けて支
持されている。
【0056】このようなインクジェット印刷機61とし
ては、例えば、「JAIME 1000」(商品名、イマージュ
(フランス)製)等を使用することができる。また、タ
ンク65に貯留されるレジスト用樹脂としては、使用す
るエッチング液に対して耐食性があり、粘度が比較的小
さいもの、例えば紫外線硬化樹脂などが好ましく使用さ
れる。
【0057】したがって、この印刷装置51によれば、
まず、高摩擦ローラの基体となる金属の円筒体27を回
転軸56に装着する。なお、レジスト用樹脂は、予めタ
ンク65内に充填しておく。そして、レジスト用樹脂の
印刷パターンを決めてその情報をキーボード64から入
力する。
【0058】そして、円筒体27を、サーボモータ57
により回転させ、また、サーボモータ59により軸方向
に移動させながら、インクジェット印刷機61のヘッド
62からレジスト用樹脂を噴射し、円筒体27の外周面
にドット状の印刷を施す。
【0059】この印刷方法としては、円筒体27を回
転させつつ、円筒体27とヘッド62とを相対的に軸方
向に移動させて、ドットを螺旋状に印刷する方法、円
筒体27を一周させてドットを環状に印刷した後、円筒
体27とヘッド62とを相対的に軸方向に所定ピッチ移
動させ、再び円筒体27を一周させてドットを環状に印
刷する操作を繰り返す方法、円筒体27とヘッド62
とを相対的に軸方向に移動させ、ドットをライン状に印
刷した後、円筒体27を所定角度回動させて、再び円筒
体27とヘッド62とを相対的に軸方向に移動させ、ド
ットをライン状に印刷する操作を繰り返す方法、など各
種の方法が採用できる。
【0060】上記いずれの方法によっても、円筒体27
の外周面に、レジスト用樹脂を、継目なく規則正しい配
列で、ドット状に印刷することができる。そして、例え
ばレジスト用樹脂として紫外線硬化樹脂を用いた場合に
は、紫外線を照射して樹脂を硬化させる。この円筒体2
7をエッチング処理し、最後にレジストを剥離すること
により、本発明の高摩擦ローラを得ることができる。
【0061】このように、円筒体の外周面に、ドット状
のレジストパターンを継目なく、規則正しい配列で形成
する方法としては、石英ファイバーを用いた紫外線の照
射、レーザ光線の照射、インクジェットなどの各種手段
を用いることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高摩擦ロ
ーラによれば、突起が全周に亙って規則正しく、かつ、
不連続な箇所がないように配列されるため、部分的に摩
擦係数が低下することはなく、紙面などに対して均一な
優れたグリップ力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高摩擦ローラの一実施例を示す概略斜
視図である。
【図2】本発明の高摩擦ローラの製造に用いられるフォ
トレジストにおける露光装置の一例を示す模式図であ
る。
【図3】図2に示す装置において、露光用ヘッドに石英
ファイバーを一本ずつ一列に接続した状態を示す説明図
である。
【図4】従来のレジストパターンの形成方法の一例を示
す説明図である。
【図5】従来のレジストパターンの形成方法の他の例を
示す説明図である。
【図6】従来のレジストパターンの形成方法の更に他の
例を示す説明図である。
【図7】従来の高摩擦ローラの一例を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明の高摩擦ローラにおいてエッチング処理
したときの突起の形状を示す説明図である。
【図9】本発明の高摩擦ローラにおいて平滑処理したと
きの突起の形状を示す説明図である。
【図10】本発明の高摩擦ローラにおいて外周面に硬質
メッキ層を施したときの突起の形状を示す説明図であ
る。
【図11】本発明の高摩擦ローラの製造に際し、レジス
トパターンを形成するための印刷装置の他の例を示す正
面図である。
【図12】同印刷装置の平面図である。
【図13】同印刷装置に用いられるインクジェット印刷
機を示す説明図である。
【符号の説明】
21 高摩擦ローラ 23 円筒体の外周面 25 突起 27 円筒体 41 硬質メッキ層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の円筒体の外周面にエッチング加工
    により微細な突起を形成した高摩擦ローラにおいて、前
    記突起が全周に亙って規則正しく、かつ、不連続な箇所
    がないように配列されていることを特徴とする高摩擦ロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 前記突起は、頂部の径が20〜60μm、高
    さが60〜120 μm、頂部から20μmの高さにおける径が
    80μm以下の形状をなすものである請求項1記載の高摩
    擦ローラ。
  3. 【請求項3】 前記円筒体の前記突起を有する外周面
    が、平滑処理されている請求項1又は2記載の高摩擦ロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 前記円筒体の前記突起を有する外周面
    に、硬質メッキ層が施されている請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載の高摩擦ローラ。
JP26278991A 1991-09-13 1991-09-13 高摩擦ローラ Pending JPH0570011A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26278991A JPH0570011A (ja) 1991-09-13 1991-09-13 高摩擦ローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26278991A JPH0570011A (ja) 1991-09-13 1991-09-13 高摩擦ローラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0570011A true JPH0570011A (ja) 1993-03-23

Family

ID=17380630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26278991A Pending JPH0570011A (ja) 1991-09-13 1991-09-13 高摩擦ローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0570011A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010070872A (ko) * 2001-06-15 2001-07-27 이석수 롤러 날염기를 이용한 섬유의 날염방법
US7060191B2 (en) * 2000-10-19 2006-06-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnet roll, method of manufacturing the magnet roll, and electronic equipment using the magnet roll

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060191B2 (en) * 2000-10-19 2006-06-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnet roll, method of manufacturing the magnet roll, and electronic equipment using the magnet roll
KR20010070872A (ko) * 2001-06-15 2001-07-27 이석수 롤러 날염기를 이용한 섬유의 날염방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2412814C2 (ru) Способ структурирования поверхности прессованного листа или бесконечной ленты
JP5878553B2 (ja) 液体液滴堆積装置により印刷マスターをデジタル式に創るシステムと方法
US8800439B2 (en) Continuously updatable rotary pad printing apparatus and method
JPH09104099A (ja) プリントヘッド及びプレートクリーニングアセンブリ
JPWO2004007324A1 (ja) 紙送りローラとその製造方法
US20130286093A1 (en) Head driving mechanism and printing apparatus
JPH0570011A (ja) 高摩擦ローラ
JP3022298B2 (ja) 印刷ステンシルを作製する方法とその装置
KR20190046670A (ko) 전사 장치 및 전사 방법
JP2011011442A (ja) 印刷方法
JP3353928B2 (ja) レジストパターン形成方法及び装置
JP7221642B2 (ja) 転写装置
JP6404436B1 (ja) 転写装置および転写方法
JP4052638B2 (ja) インクジェットプリンタによる円筒状の被塗膜形成体の塗膜形成方法
JPH0570013A (ja) 高摩擦ローラ及びその製造法
JP2727445B2 (ja) ロータリースクリーンの製造方法
CN117139096A (zh) 涂布装置
JPH03248843A (ja) 円筒体周面への印刷方法及び装置
JPH0952343A (ja) スクリーン印刷ステンシルの製造方法
KR101158110B1 (ko) 롤스탬프를 이용한 리버스임프린트 방식의 연속패턴 전사장치 및 방법
CN109709767B (zh) 转印装置
JPH0812123A (ja) 高摩擦ローラの製造法
JPH0451153A (ja) フォトレジストにおける露光方法および装置
KR20190046669A (ko) 전사 장치 및 전사 방법
JP2006088526A (ja) スクリーン印刷製版装置