JPH0569886U - プリント板とコネクタとの結合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コネクタの実装密度を向上させ、余分な工数
及び専用治具を必要とせず、十分な固定強度を得る。 【構成】 絶縁ハウジング１１の実装当接面１１ａには
コンタクト２１の接触片２２が収容されている部分の範
囲内で間隔を置いて複数の突出金具３１を固定し、プリ
ント板４１には複数の突出金具の間隔に合わせて開けた
半田付け用の複数のスルーホール４３を備え、該複数の
スルーホールに対応する複数の突出金具をそれぞれ挿入
し、該突出金具をスルーホールに半田付けしてコネクタ
をプリント板に固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリント板実装用コネクタをプリント板に取り付け固定するための プリント板とコネクタとの結合構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のプリント板とコネクタとの結合構造は、第１に、図８に示す絶縁ハウジ ング１の両側に形成した張出し部２，２の部分にスペース３を採り、この張出し 部２，２に図示しない取付け金具を設け、当該取付け金具によってコネクタをプ リント板４に取付けるもの、第２に、絶縁ハウジングに一体に設けた絶縁材製の 突起をプリント板の貫通孔に挿入し、プリント板の裏側で当該突起を熱加締めし てコネクタをプリント板に固定するもの、第３に、図９に示す絶縁ハウジング５ に植設したばね性を有する突起６をプリント板７の保持孔７ａに圧入してコネク タを当該プリント板７に固定するもの等があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記第１の結合構造では、絶縁ハウジング１の両側に張出し部２，２ を形成してあるためプリント板４の板面上に余分なスペース３を必要とし、コネ クタの実装密度が上がらないという問題点があり、第２の構造では熱加締めのた めに余分の工数を要するのみならず専用治具を必要とするという問題点があり、 第３の結合構造ではコネクタをばね性突起６によってプリント板７に仮固定する ことはできるが固定強度が不足するという問題点があった。

【０００４】 本考案の目的は、従来のこのような問題点に鑑み、コネクタの実装密度を向上 させ、余分な工数及び専用治具を必要とせず、十分な固定強度を得ることができ るプリント板とコネクタとの結合構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、請求項１に記載の本考案は、内部に複数のコンタ クトの接触片が収容されている絶縁ハウジングの実装当接面をプリント板面に当 接させてコネクタをプリント板に取付けるプリント板とコネクタとの結合構造に おいて、前記絶縁ハウジングの実装当接面には前記接触片が収容されている部分 の範囲内で間隔を置いて複数の突出金具を固定し、前記プリント板には前記複数 の突出金具の間隔に合わせて開けた半田付け用の複数の貫通孔を備え、該複数の 貫通孔に対応する前記複数の突出金具をそれぞれ挿入し、該突出金具を前記貫通 孔に半田付けして前記コネクタを前記プリント板に固定したことを特徴とし、請 求項２に記載の本考案は、前記絶縁ハウジングの実装当接面に対し直角をなす端 面の位置を前記接触片の配列ピッチの１／２に合わせて設定したことを特徴とす る。

【０００６】

【作用】

請求項１に記載の本考案では、絶縁ハウジングの実装当接面には接触片が収容 されている部分の範囲内で間隔を置いて複数の突出金具を固定し、プリント板に は複数の突出金具の間隔に合わせて開けた半田付け用の複数の貫通孔を備え、該 複数の貫通孔に対応する複数の突出金具をそれぞれ挿入し、該突出金具を貫通孔 に半田付けしてコネクタをプリント板に固定したことにより、絶縁ハウジングの 両側に張り出す部分を必要とせず、半田付けだけで固定されるので、コネクタの 実装密度が向上し、余分な工数及び専用治具が不要であり、十分な固定強度が得 られ、請求項２に記載の本考案では、絶縁ハウジングの実装当接面に対し直角を なす端面の位置を接触片の配列ピッチの１／２に合わせて設定したことにより、 コネクタの実装密度を一層向上させ得る。

【０００７】

【実施例】

以下において、本考案の実施例につき、ソケット側のコネクタを例として、図 面を参照しつつ詳細に説明する。 図１は本考案の実施例に係るプリント板とコネクタとの結合構造の要部を示す 一部切除側面図、図２はプリント板に取り付ける前のコネクタを示す正面図、図 ３はその平面図である。

【０００８】 この実施例に係るプリント板とソケット側のコネクタとの結合構造は、絶縁ハ ウジング１１の実装当接面１１ａにはソケットコンタクト２１の接触片２２が収 容されている部分の範囲内で間隔を置いて複数の突出金具３１を固定し、プリン ト板４１には複数の突出金具３１の間隔に合わせて開けた半田付け用の複数の貫 通孔であるスルーホール４３を備え、該スルーホール４３にそれぞれ対応する突 出金具３１を挿入し、該突出金具３１をスルーホール４３に半田付けしてコネク タをプリント板４１に固定するようになっており、絶縁ハウジング１１の実装当 接面１１ａに対し直角をなす両側端面１１ｂの位置を接触片２２の配列ピッチＰ の１／２に合わせて設定してある。

【０００９】 絶縁ハウジング１１は、４行で４８列の格子状行列型に挿入孔１３を配列して 設け、この各挿入孔１３の内部にそれぞれのソケットコンタクト２１の接触片２ ２が圧入して収容されており、背面側寄りの下面が実装当接面１１ａとされて該 実装当接面１１ａをプリント板４１の板面に当接させてある。

【００１０】 図４に示すように、絶縁ハウジング１１は、実装当接面１１ａに菱形断面の小 突起１４と、断面円形のボス１５とを同一直線上に等間隔にて配列し、二つの小 突起１４と一つのボス１５とを交互に配置し、両端面１１ｂに最も近い位置のみ 各一つの小突起１４を配置してある。絶縁ハウジング１１は、下面の前後方向の 中間位置に小段差１１ｅを介在させて、正面側寄りに実装当接面１１ａよりも若 干上方に位置する平らな下面１１ｄを有している。上記小突起１４は、下端が先 細テーパ状に形成されており、絶縁ハウジング１１をプリント板４１に取付ける 際に当該プリント板４１の図示しない小貫通孔に圧入されて絶縁ハウジング１１ を位置決めするとともに仮固定するためのものである。

【００１１】 絶縁ハウジング１１の実装当接面１１ａに対し直角をなす両端面１１ｂの位置 は、ソケットコンタクト２１の接触片２２の配列ピッチＰ、即ち挿入孔１３の配 列ピッチＰに適合させるために、図２に示すように、両端の挿入孔１３の中心線 からの寸法Ｌを挿入孔１３の配列ピッチＰの丁度１／２にしてある。絶縁ハウジ ング１１の正面寄り側の下面には複数の支持突起１６がボス１５と同一のピッチ にてボス１５に対し位置をずらせて突設してある。これらの各支持突起１６は、 下面が突出金具３１及びソケットコンタクト２１の脚部２３ａの下端とほぼ面一 になるように下方への突出寸法を設定してある。

【００１２】 また、絶縁ハウジング１１は、上面１１ｃに前後方向に沿って細幅凸条１７ａ 及び広幅凸条１７ｂを交互に配列して一体形成してある。この細幅凸条１７ａ及 び広幅凸条１７ｂはこのソケット側のコネクタと嵌合する図示しない相手方コネ クタの絶縁ハウジングに形成されている凹条に嵌合し、相互に丁度配列ピッチＰ だけずれた位置では挿入不能にして、嵌合の位置ずれを防止するためのものであ る。

【００１３】 ソケットコンタクト２１は、挿入孔１３に挿入されている接触片２２と一体の リード２３を有し、このリード２３が絶縁ハウジング１１の背面側へ突出し上段 が長く下段が短い突出長さにてそれぞれ所定位置で下方へほぼ直角に曲げて各脚 部２３ａが形成されている。これらの脚部２３ａは整列板２６の小貫通孔２６ａ を貫通し、プリント板４１に格子状に配列して設けたそれぞれの小スルーホール ４４に挿通させてある。

【００１４】 ソケットコンタクト２１の脚部２３ａが貫通する整列板２６は、プリント板４ １の小スルーホール４４の格子状行列型配置に合わせて格子状行列型に配設した 小貫通孔２６ａ（図３参照）を有し、当該脚部２３ａが対応する小貫通孔２６ａ に挿入されることによって正確な位置が確保され、脚部２３ａの下端をプリント 板４１の小スルーホール４４へ挿入する際に円滑な挿入ができるようになってい る。

【００１５】 図５は突出金具の固定構造の詳細を示す部分拡大断面図である。 突出金具３１は、円形断面の棒体３２と、この棒体３２よりも大きい円形断面 を有する同芯配置の突部３３とを一体成形してあり、棒体３２の中間位置に先細 テーパ状の抜け止め鍔３２ａを一体に備え、突部３３の下端中央に小円錐体３３ ａを備え、棒体３２がボス１５内に同芯配置にてインサート成形をもって固定さ れ、突部３３がソケットコンタクト２１のリード２３の脚部２３ａ先端と同じ方 向即ち下向きに突出しており、ボス１５と共にプリント板４１のスルーホール４ ３に挿通された後に、ソケットコンタクト２１のリード２３の脚部２３ａの半田 付けと同時に突部３３が半田３５によってプリント板４１に固定される。

【００１６】 図６は本考案の別の実施例を示し、その(A) はプリント板とコネクタとの結合 構造の半田付けする前の状態を示す部分拡大断面図、(B) はその半田付けした後 の状態を示す部分拡大断面図である。 この場合、絶縁ハウジング１１にプリント板４１の厚さとほぼ等しい突出長さ にて一体成形し突設したボス１５にめくらの圧入穴１５ａを同芯的に予め形成し てあり、この圧入穴１５ａに突出金具３１の棒体３２を圧入し、プリント板４１ のスルーホール４３に挿入した後に、突部３３を半田付けする際に、プリント板 ４１のスルーホール４３内に半田３５が上がるため、絶縁ハウジング１１及びボ ス１５の成形用樹脂を適当に選定してあれば、ボス１５が熱によって変形し、突 出金具３１の抜け止め鍔３２ａの外周にボス１５を形成している樹脂の一部が回 り込んでボス１５への突出金具３１の固定力が大きくなるという利点がある。

【００１７】 プリント板４１は、小突起１４が貫通する図示しない小貫通孔、ボス１５及び 突出金具３１が挿入される複数のスルーホール４３、ソケットコンタクト２１の 各リード２３がそれぞれ貫通する複数の小スルーホール４４等を備えている。

【００１８】 上述のような複数のコネクタは、図７に示すように隣合うもの同士の端面１１ ｂを合わせて密接させ、並べてプリント板４１に配列され、図１に示す状態で溶 融半田ディップ装置でプリント板４１のパターン面である下面をディップして半 田付けすると、突部３３及びソケットコンタクト２１のリード２３の脚部２３ａ がそれぞれ対応するスルーホール４３及び小スルーホール４４に半田付けされ、 リード２３がプリント板４１の回路に接続され、突部３３がプリント板４１に強 固に固定される。

【００１９】 このようにして複数のコネクタが図７に示すように隣合うもの同士の端面１１ ｂを合わせて相互密接させ、並べてプリント板４１に配列されると、絶縁ハウジ ング１１の実装当接面１１ａに対し直角をなす両端面１１ｂの位置を挿入孔１３ の配列ピッチＰの１／２に合わせ、両端の挿入孔１３の中心線から端面１１ｂま での寸法Ｌを挿入孔１３の配列ピッチＰの丁度１／２に設定してあるため、隣合 うコネクタの端面１１ｂの合わせ目における挿入孔１３，１３間のピッチが他の 通常の挿入孔１３，１３間のピッチＰに合致する。

【００２０】 上記実施例によれば、プリント板４１への突出金具３１の半田付けをソケット コンタクト２１の半田付けと同時にできるため、余分な工数を要しないという利 点がある。 なお、本考案は、上記実施例によって限定されるものではなく、プラグ側のコ ネクタにも同様に適用でき、突出金具３１全体を板状材で構成してもよく、突出 金具３１の断面を円形以外の任意の形状にすることも可能であり、小突起１４と 突出金具３１との個数比を２対１以外に必要に応じて任意に変更することができ 、その他要旨から逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

【００２１】

【考案の効果】

請求項１に記載の本考案は、絶縁ハウジングの実装当接面には接触片が収容さ れている部分の範囲内で間隔を置いて複数の突出金具を固定し、プリント板の複 数の貫通孔に対応する複数の突出金具をそれぞれ挿入し、該突出金具を貫通孔に 半田付けしたことにより、絶縁ハウジングの両端に張出し部分を必要としないた め、コネクタの実装密度を向上させることができ、半田付けだけでコネクタがプ リント板に固定されるので、余分な工数及び専用治具を必要とせず、十分な固定 強度を得ることができるという効果を奏する。 請求項２に記載の本考案では、絶縁ハウジングの実装当接面に対し直角をなす 端面の位置を接触片の配列ピッチの１／２に合わせて設定したことにより、コン タクトの配列ピッチをずらすことなく複数のコネクタを並べてプリント板に固定 し結合することができ、一層コネクタの実装密度を向上させることができるとい う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るプリント板とコネクタと
の結合構造の要部を示す一部切除側面図である。

【図２】本考案の実施例に係るコネクタをプリント板に
取り付ける前の状態を示す正面図である。

【図３】本考案の実施例に係るコネクタを示す平面図で
ある。

【図４】本考案の実施例に係るコネクタの絶縁ハウジン
グを示す底面図である。

【図５】本考案の実施例に係るプリント板とコネクタと
の結合構造の要部を示す部分拡大断面図である。

【図６】(A) は本考案の別の実施例に係るプリント板と
コネクタとの結合構造の半田付けする前の状態を示す部
分拡大断面図、(B) はその半田付けした後の状態を示す
部分拡大断面図である。

【図７】本考案の実施例に係るプリント板とコネクタと
の結合構造によってコネクタをプリント板に配列固定し
た状態の説明用概略平面図である。

【図８】従来のプリント板とコネクタとの結合構造を示
す平面図である。

【図９】従来のプリント板とコネクタとの結合構造の別
の例を示す断面図である。

【符号の説明】

Ｐ ピッチ １１ 絶縁ハウジング １１ａ 実装当接面 １１ｂ 端面 １３ 挿入孔 １４ 小突起 １５ ボス １５ａ 圧入穴 ２１ ソケットコンタクト ２２ 接触片 ２３ リード ２３ａ 脚部 ２６ 整列板 ３１ 突出金具 ３２ 棒体 ３２ａ 抜け止め鍔 ３３ 突部 ３３ａ 小円錐体 ３５ 半田 ４１ プリント板 ４３ スルーホール（貫通孔） ４４ 小スルーホール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に複数のコンタクトの接触片が収容
   されている絶縁ハウジングの実装当接面をプリント板面
   に当接させてコネクタをプリント板に取付けるプリント
   板とコネクタとの結合構造において、前記絶縁ハウジン
   グの実装当接面には前記接触片が収容されている部分の
   範囲内で間隔を置いて複数の突出金具を固定し、前記プ
   リント板には前記複数の突出金具の間隔に合わせて開け
   た半田付け用の複数の貫通孔を備え、該複数の貫通孔に
   対応する前記複数の突出金具をそれぞれ挿入し、該突出
   金具を前記貫通孔に半田付けして前記コネクタを前記プ
   リント板に固定したことを特徴とするプリント板とコネ
   クタとの結合構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のプリント板とコネクタ
   との結合構造において、前記絶縁ハウジングの実装当接
   面に対し直角をなす端面の位置を前記接触片の配列ピッ
   チの１／２に合わせて設定したことを特徴とするプリン
   ト板とコネクタとの結合構造。