JPH0569538A - インクジエツト記録方法 - Google Patents
インクジエツト記録方法Info
- Publication number
- JPH0569538A JPH0569538A JP3261364A JP26136491A JPH0569538A JP H0569538 A JPH0569538 A JP H0569538A JP 3261364 A JP3261364 A JP 3261364A JP 26136491 A JP26136491 A JP 26136491A JP H0569538 A JPH0569538 A JP H0569538A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- water
- paper
- recording
- jet recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 特殊な材料や処理を必要とすることなく、一
般の普通紙と同じ様な処方で被記録材を製造することが
可能であり、且つ、インクジェット諸特性を全て満足し
得るインクジェット記録方法を提供すること。 【構成】 被記録材上に水性インクにより記録するイン
クジェット記録方法において、被記録材が、水性インク
で測定したブリストウ法による0.08秒後の液体転移
量が10〜30ml/mm2 である抄紙原紙上に水溶性
高分子が塗布されている水溶性高分子塗布用紙であり、
且つ該水溶性高分子塗布用紙の水性インクで測定したブ
リストウ法による1秒後の液体転移量が40〜80ml
/mm2 であることを特徴とするインクジェット記録方
法。
般の普通紙と同じ様な処方で被記録材を製造することが
可能であり、且つ、インクジェット諸特性を全て満足し
得るインクジェット記録方法を提供すること。 【構成】 被記録材上に水性インクにより記録するイン
クジェット記録方法において、被記録材が、水性インク
で測定したブリストウ法による0.08秒後の液体転移
量が10〜30ml/mm2 である抄紙原紙上に水溶性
高分子が塗布されている水溶性高分子塗布用紙であり、
且つ該水溶性高分子塗布用紙の水性インクで測定したブ
リストウ法による1秒後の液体転移量が40〜80ml
/mm2 であることを特徴とするインクジェット記録方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録方法に関し、更に
詳しくは水性インクによって記録するインクジェット記
録方法に関する。
詳しくは水性インクによって記録するインクジェット記
録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電記録方法による画像形成方法は、種
々の方法により被記録材の表面に選択的に電荷を付与
し、その帯電部分に粒子状の記録剤(トナー)を付着さ
せ、画像を形成する方式であり、複写機やファクシミリ
等に広く利用されている。中でも特に、静電プロセスを
利用した電子写真方式の複写機は広く普及している。一
方、インクジェット記録方法は、種々のインク(記録
液)吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用い
てインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを
加熱によりイオンにして発泡させその圧力を利用する方
式等により、インクの小滴を発生及び飛翔させ、それら
の一部もしくは全部を紙等の被記録材に付着させて記録
を行うものであり、騒音の発生が少なく、高速印字、多
色印字の行える記録方法として注目されている。この様
なインクジェット記録方法に於いては、被記録材、イン
クの双方に対して、以下のことが要求される。即ち、 (1)被記録材に付着したインク滴が速やかに乾燥し、
もしくは被記録材中に浸透し、印字後、指や記録装置の
一部が印字部に触れても、被記録材中に受容されたイン
クが擦れないこと。 (2)付着したインク滴が必要以上に滲み過ぎず、又、
インクが紙表面の繊維に添って滲んだときに発生するフ
ェザリングを生じず、且つ真円度の高いドットを形成す
ること。 (3)多色印字の場合は、異色のインク滴が隣り合って
同時に印字されても、乾燥や浸透の過程で、隣りのイン
ク滴と混じり合うことによる画像の劣化を生じないこ
と。 (4)インク滴中の色剤(染料)が被記録材の奥深くま
で浸透せず、光学濃度の高い画像が得られること。
々の方法により被記録材の表面に選択的に電荷を付与
し、その帯電部分に粒子状の記録剤(トナー)を付着さ
せ、画像を形成する方式であり、複写機やファクシミリ
等に広く利用されている。中でも特に、静電プロセスを
利用した電子写真方式の複写機は広く普及している。一
方、インクジェット記録方法は、種々のインク(記録
液)吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用い
てインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを
加熱によりイオンにして発泡させその圧力を利用する方
式等により、インクの小滴を発生及び飛翔させ、それら
の一部もしくは全部を紙等の被記録材に付着させて記録
を行うものであり、騒音の発生が少なく、高速印字、多
色印字の行える記録方法として注目されている。この様
なインクジェット記録方法に於いては、被記録材、イン
クの双方に対して、以下のことが要求される。即ち、 (1)被記録材に付着したインク滴が速やかに乾燥し、
もしくは被記録材中に浸透し、印字後、指や記録装置の
一部が印字部に触れても、被記録材中に受容されたイン
クが擦れないこと。 (2)付着したインク滴が必要以上に滲み過ぎず、又、
インクが紙表面の繊維に添って滲んだときに発生するフ
ェザリングを生じず、且つ真円度の高いドットを形成す
ること。 (3)多色印字の場合は、異色のインク滴が隣り合って
同時に印字されても、乾燥や浸透の過程で、隣りのイン
ク滴と混じり合うことによる画像の劣化を生じないこ
と。 (4)インク滴中の色剤(染料)が被記録材の奥深くま
で浸透せず、光学濃度の高い画像が得られること。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、以
上の様なインクジェット記録方法に、従来一般に用いら
れている市販の上〜中質紙及び一般のPPC用紙(電子
写真記録用紙)等の紙を用いた場合は、以下に述べる問
題がある。 (1)インクジェット記録中又は記録後に、記録装置の
一部或は指等が記録部に触れると、紙によるインクの受
容が速やかでない為、受容されていないインクが擦れて
汚れを生じ、画像品位が著しく低下する。更に、著しい
場合には記録の判読が不可能になる場合もある。 (2)インクが紙に付着後、ドットからヒゲ状のもの
(フェザリング)が発生し、真円度の著しく低いドット
になる。この為ドット形状が悪く、鮮明な画像を得るこ
とが出来ない。 これに対しインクジェット記録装置の性能の向上と普及
とに伴い、高解像度、高品位の記録画像を得る為、例え
ば、特開昭59−35977号公報、特開昭58−13
2586号公報等において、インクジェット記録用の被
記録材であるコート紙が種々提案されている。しかしな
がら、この様なコート紙は、インク吸収性が高く、画像
濃度には優れるものの、外観が普通紙の様でないこと、
鉛筆や万年筆等の筆記具では正常な筆記が出来ないこと
等の問題がある。又、モノクロ印字や、必ずしも高濃度
な画像を必要としないビジネスカラー印字の用途には、
普通紙に比べてコストが高すぎるという問題もある。
上の様なインクジェット記録方法に、従来一般に用いら
れている市販の上〜中質紙及び一般のPPC用紙(電子
写真記録用紙)等の紙を用いた場合は、以下に述べる問
題がある。 (1)インクジェット記録中又は記録後に、記録装置の
一部或は指等が記録部に触れると、紙によるインクの受
容が速やかでない為、受容されていないインクが擦れて
汚れを生じ、画像品位が著しく低下する。更に、著しい
場合には記録の判読が不可能になる場合もある。 (2)インクが紙に付着後、ドットからヒゲ状のもの
(フェザリング)が発生し、真円度の著しく低いドット
になる。この為ドット形状が悪く、鮮明な画像を得るこ
とが出来ない。 これに対しインクジェット記録装置の性能の向上と普及
とに伴い、高解像度、高品位の記録画像を得る為、例え
ば、特開昭59−35977号公報、特開昭58−13
2586号公報等において、インクジェット記録用の被
記録材であるコート紙が種々提案されている。しかしな
がら、この様なコート紙は、インク吸収性が高く、画像
濃度には優れるものの、外観が普通紙の様でないこと、
鉛筆や万年筆等の筆記具では正常な筆記が出来ないこと
等の問題がある。又、モノクロ印字や、必ずしも高濃度
な画像を必要としないビジネスカラー印字の用途には、
普通紙に比べてコストが高すぎるという問題もある。
【0004】一方、ノンコートタイプの紙としては、例
えば、特開昭52−53012号公報に、ステキヒト・
サイズ度が1秒以下の抄紙原紙上に、水溶性高分子を塗
布し、そのステキヒト・サイズ度を3秒以下とした記録
用紙が開示されている。しかしながら、この様な濾紙の
様な低サイズ紙を用いると、液体の浸透性が良すぎる
為、ドットが拡がり過ぎ、又、ドット形状も悪くなり、
高解像度な画質が得られないという問題がある。又、色
材(染料)が被記録材の繊維層へ深く浸透してしまい、
高濃度な画像が得られないという問題もある。もちろ
ん、前述した全ての記録特性を満足する為には、基紙の
ステキヒト・サイズ度やボア径分布(特開昭58−11
0288号公報)等の単一な物性値を好適とするだけで
は不十分であり、インクの最適化も必要となる。しか
し、この様な全ての特性を満足する記録方法は、現在よ
く知られていない。又、上記した様に、銀塩写真やオフ
セット、グラビア印刷調のビクトリアルカラーと異な
り、モノクロや一部のビジネスカラー印字の用途には、
コスト面から普通紙印字に対する要求が強い。しかし、
従来公知の普通紙は、上記した全てのインクジェット適
性を必ずしも満足するものではなかった。
えば、特開昭52−53012号公報に、ステキヒト・
サイズ度が1秒以下の抄紙原紙上に、水溶性高分子を塗
布し、そのステキヒト・サイズ度を3秒以下とした記録
用紙が開示されている。しかしながら、この様な濾紙の
様な低サイズ紙を用いると、液体の浸透性が良すぎる
為、ドットが拡がり過ぎ、又、ドット形状も悪くなり、
高解像度な画質が得られないという問題がある。又、色
材(染料)が被記録材の繊維層へ深く浸透してしまい、
高濃度な画像が得られないという問題もある。もちろ
ん、前述した全ての記録特性を満足する為には、基紙の
ステキヒト・サイズ度やボア径分布(特開昭58−11
0288号公報)等の単一な物性値を好適とするだけで
は不十分であり、インクの最適化も必要となる。しか
し、この様な全ての特性を満足する記録方法は、現在よ
く知られていない。又、上記した様に、銀塩写真やオフ
セット、グラビア印刷調のビクトリアルカラーと異な
り、モノクロや一部のビジネスカラー印字の用途には、
コスト面から普通紙印字に対する要求が強い。しかし、
従来公知の普通紙は、上記した全てのインクジェット適
性を必ずしも満足するものではなかった。
【0005】従って、本発明の目的は、特殊な材料や処
理を必要とすることなく、一般の普通紙と同じ様な処方
で被記録材を製造することが可能であり、且つ、前述の
インクジェット諸特性を全て満足し得るインクジェット
記録方法を提供することである。
理を必要とすることなく、一般の普通紙と同じ様な処方
で被記録材を製造することが可能であり、且つ、前述の
インクジェット諸特性を全て満足し得るインクジェット
記録方法を提供することである。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、被記録材上に水
性インクにより記録するインクジェット記録方法におい
て、被記録材が、水性インクで測定したブリストウ法に
よる0.08秒後の液体転移量が10〜30ml/mm
2 である抄紙原紙上に水溶性高分子が塗布されている水
溶性高分子塗布用紙であり、且つ該水溶性高分子塗布用
紙の水性インクで測定したブリストウ法による1秒後の
液体転移量が40〜80ml/mm2 であることを特徴
とするインクジェット記録方法である。
によって達成される。即ち、本発明は、被記録材上に水
性インクにより記録するインクジェット記録方法におい
て、被記録材が、水性インクで測定したブリストウ法に
よる0.08秒後の液体転移量が10〜30ml/mm
2 である抄紙原紙上に水溶性高分子が塗布されている水
溶性高分子塗布用紙であり、且つ該水溶性高分子塗布用
紙の水性インクで測定したブリストウ法による1秒後の
液体転移量が40〜80ml/mm2 であることを特徴
とするインクジェット記録方法である。
【0007】
【作用】即ち、本発明者は、水性インクによって記録す
るインクジェット記録方法の従来技術の欠点を解決した
記録方法を得るべく鋭意研究した結果、水性インクに特
定の水溶性高分子処理用紙を組み合わせて用いれば、イ
ンクの吸収に優れ、且つインクの滲みやフェザリングが
発生せず、優れた色彩性及びドット形状を与え、精細で
高解像度の記録画像が得られることを知見し本発明に至
った。
るインクジェット記録方法の従来技術の欠点を解決した
記録方法を得るべく鋭意研究した結果、水性インクに特
定の水溶性高分子処理用紙を組み合わせて用いれば、イ
ンクの吸収に優れ、且つインクの滲みやフェザリングが
発生せず、優れた色彩性及びドット形状を与え、精細で
高解像度の記録画像が得られることを知見し本発明に至
った。
【0008】
【好ましい実施態様】次に、本発明を本発明の好ましい
実施態様を挙げて更に詳しく説明する。先ず、本発明で
使用する、水性インクで測定したブリストウ法による
0.08秒後における液体転移量が10〜30ml/m
m2 である抄紙原紙について説明する。本発明で規定す
るブリストウ法とは、液体浸透量の測定方法であり、そ
の詳細は1967年発行の Svensk Papperstidn. Nr19
の中の「Liquid Absorption into Paper Durinng Stort
Time Intervals (J. Authony Bristow)」に紹介されて
いる。尚、本発明で言うブリストウ法による液体転移量
は、動的浸透性試験装置(東洋精機製)を用いて、ヘッ
ドにかかる荷重を0.5Kg/cm2 として求めた。イ
ンクジェット記録適性に優れる被記録材は湿潤強度が弱
いものが多い為、荷重が0.5Kg/cm2 を超えない
範囲で測定する必要があるからである。本発明で使用す
る抄紙原紙は、水性インクで測定したブリストウ法によ
る0.08秒後における液体転移量が、10〜30ml
/mm2 であることを特徴とする。即ち、液体転移量が
10ml/mm2 未満の抄紙原紙を用いた表面サイズ紙
を使用してインクジェット記録を行うと、フェザリング
及び印字濃度は良好であるものの、定着性が不良であ
り、一方、液体転移量が30ml/mm2 を超えた原紙
を用いた表面サイズ紙の場合には、定着性は良好である
ものの、フェザリング、印字濃度が不良であり、いずれ
も好ましくない。尚、液体転移量を0.08秒後のもの
とした理由は、表面無サイズ紙の特性が明瞭になる為で
ある。
実施態様を挙げて更に詳しく説明する。先ず、本発明で
使用する、水性インクで測定したブリストウ法による
0.08秒後における液体転移量が10〜30ml/m
m2 である抄紙原紙について説明する。本発明で規定す
るブリストウ法とは、液体浸透量の測定方法であり、そ
の詳細は1967年発行の Svensk Papperstidn. Nr19
の中の「Liquid Absorption into Paper Durinng Stort
Time Intervals (J. Authony Bristow)」に紹介されて
いる。尚、本発明で言うブリストウ法による液体転移量
は、動的浸透性試験装置(東洋精機製)を用いて、ヘッ
ドにかかる荷重を0.5Kg/cm2 として求めた。イ
ンクジェット記録適性に優れる被記録材は湿潤強度が弱
いものが多い為、荷重が0.5Kg/cm2 を超えない
範囲で測定する必要があるからである。本発明で使用す
る抄紙原紙は、水性インクで測定したブリストウ法によ
る0.08秒後における液体転移量が、10〜30ml
/mm2 であることを特徴とする。即ち、液体転移量が
10ml/mm2 未満の抄紙原紙を用いた表面サイズ紙
を使用してインクジェット記録を行うと、フェザリング
及び印字濃度は良好であるものの、定着性が不良であ
り、一方、液体転移量が30ml/mm2 を超えた原紙
を用いた表面サイズ紙の場合には、定着性は良好である
ものの、フェザリング、印字濃度が不良であり、いずれ
も好ましくない。尚、液体転移量を0.08秒後のもの
とした理由は、表面無サイズ紙の特性が明瞭になる為で
ある。
【0009】上記の様な抄紙原紙は、従来公知の木材パ
ルプを主体として形成されるが、印字品位(フェザリン
グ)の上からは、機械パルプよりも化学パルプが好まし
く、針葉樹より広葉樹のパルプを使用するのが好まし
い。又、パルプとしては、広葉樹晒しパルプ(LBK
P)が100%であることが最も好ましいが、他のパル
プ或いは、合成繊維やガラス繊維を混入させる場合に
は、混入させるパルプを10%以下にするのが好まし
い。上記の抄紙原紙には、填料を添加することが出来る
が、具体的には、クレー、タルク、カオリナイト、酸化
チタン、炭酸カルシウム等の填料が挙げられる。更に、
上記の材料の他に抄紙原紙には、従来公知の抄紙助剤、
サイズ剤、歩留り向上剤、紙力増強剤等が必要に応じて
添加され抄造されるが、色材の発色性や記録画像の保存
性等の面から抄紙方法は、硫酸バンドを用いる酸性抄紙
法より中性抄紙法が好ましい。抄紙原紙の記録液転移量
の調整は、主にサイズ剤の種類や量によって調整され
る。
ルプを主体として形成されるが、印字品位(フェザリン
グ)の上からは、機械パルプよりも化学パルプが好まし
く、針葉樹より広葉樹のパルプを使用するのが好まし
い。又、パルプとしては、広葉樹晒しパルプ(LBK
P)が100%であることが最も好ましいが、他のパル
プ或いは、合成繊維やガラス繊維を混入させる場合に
は、混入させるパルプを10%以下にするのが好まし
い。上記の抄紙原紙には、填料を添加することが出来る
が、具体的には、クレー、タルク、カオリナイト、酸化
チタン、炭酸カルシウム等の填料が挙げられる。更に、
上記の材料の他に抄紙原紙には、従来公知の抄紙助剤、
サイズ剤、歩留り向上剤、紙力増強剤等が必要に応じて
添加され抄造されるが、色材の発色性や記録画像の保存
性等の面から抄紙方法は、硫酸バンドを用いる酸性抄紙
法より中性抄紙法が好ましい。抄紙原紙の記録液転移量
の調整は、主にサイズ剤の種類や量によって調整され
る。
【0010】本発明において使用される上記の抄紙原紙
の上に塗布される水溶性高分子の例としては、でんぷ
ん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリ
アクリルアミド、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン
等が挙げられる。特に記録液中の色素としてアニオン性
染料を含有する場合には、印字濃度、印字の耐水性の点
から、カチオン化でんぷん、カチオン変性ポリビニルア
ルコール等のカチオン性水溶性樹脂が特に好ましい。
又、この様な水溶性高分子の他に、必要に応じ重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、尿素ホルマリン
樹脂等の有機、無機の顔料、分散剤、消泡剤等を添加し
てもよい。これらの材料からなる塗布液は、サイズプレ
ス等によって抄紙原紙に塗布される。
の上に塗布される水溶性高分子の例としては、でんぷ
ん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリ
アクリルアミド、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン
等が挙げられる。特に記録液中の色素としてアニオン性
染料を含有する場合には、印字濃度、印字の耐水性の点
から、カチオン化でんぷん、カチオン変性ポリビニルア
ルコール等のカチオン性水溶性樹脂が特に好ましい。
又、この様な水溶性高分子の他に、必要に応じ重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、尿素ホルマリン
樹脂等の有機、無機の顔料、分散剤、消泡剤等を添加し
てもよい。これらの材料からなる塗布液は、サイズプレ
ス等によって抄紙原紙に塗布される。
【0011】又、塗布液の乾燥は、塗布後速やかに短時
間で乾燥するのが好ましい。具体的には、110℃以上
の条件で5分間以内で乾燥するのが好ましい。乾燥条件
が緩やかな場合には、塗布した水溶性高分子が抄紙内部
まで浸透してしまう為、水溶性高分子の塗布による効果
がでにくい。又、塗布液の粘度もなるべく高い方が同様
の理由で好ましい。塗布量は、通常表面サイズに使用さ
れている1g/m2 より多く、且つ5g/m2 未満であ
ることが、印字品位、印字濃度の点から好ましい。
間で乾燥するのが好ましい。具体的には、110℃以上
の条件で5分間以内で乾燥するのが好ましい。乾燥条件
が緩やかな場合には、塗布した水溶性高分子が抄紙内部
まで浸透してしまう為、水溶性高分子の塗布による効果
がでにくい。又、塗布液の粘度もなるべく高い方が同様
の理由で好ましい。塗布量は、通常表面サイズに使用さ
れている1g/m2 より多く、且つ5g/m2 未満であ
ることが、印字品位、印字濃度の点から好ましい。
【0012】上記の方法により作製された水溶性高分子
を塗布した用紙の、使用する記録液で測定したブリスト
ウ法による1秒後の液体転移量は、40〜80ml/m
m2の範囲にあることが必要である。転移量が40ml
/mm2 未満の場合は、インクジェット記録した場合の
定着性が不良となり、一方、80ml/mm2 を超える
場合は、印字濃度、フェザリングの点で好ましくない。
以上の様にして調製される被記録材の好適な坪量は、6
0g/m2 以上、好ましくは80g/m2 以上である。
坪量が60g/m2 未満の場合には、高密度印字を行な
った場合にコックリングを発生することがあるからであ
る。
を塗布した用紙の、使用する記録液で測定したブリスト
ウ法による1秒後の液体転移量は、40〜80ml/m
m2の範囲にあることが必要である。転移量が40ml
/mm2 未満の場合は、インクジェット記録した場合の
定着性が不良となり、一方、80ml/mm2 を超える
場合は、印字濃度、フェザリングの点で好ましくない。
以上の様にして調製される被記録材の好適な坪量は、6
0g/m2 以上、好ましくは80g/m2 以上である。
坪量が60g/m2 未満の場合には、高密度印字を行な
った場合にコックリングを発生することがあるからであ
る。
【0013】本発明の記録方法は、以上に記載された被
記録材を用いた記録方法であり、本発明に於いて、被記
録材にインクジェット記録方法により付着させるインク
それ自体は公知のものでよい。又、インクに使用する溶
媒は、安全性の点から水又は水と水溶性有機溶剤との混
合溶媒が好ましく、特に好適なものは、水に水溶性有機
溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコー
ルを含有した混合溶媒である。又、この際に使用する水
としては、種々のイオンを含有する一般の水でなく、脱
イオン水を使用するのが好ましい。インク中の好適な水
分含有量は、インク全重量に対して50重量%以上、よ
り好ましくは70重量%以上である。又、インク中に含
まれる水溶性有機溶剤の含有量は記録剤(染料)濃度に
よっても異なるが、インク全重量に対して5重量%以
上、好適には10重量%以上であることが好ましい。イ
ンクの水分含有量が50重量%に満たない場合には、イ
ンク中に含まれる水溶性有機溶剤の量が多く、被記録材
に対する浸透性が良好になりすぎる為、本発明で使用す
る被記録材を用いてもドット形状が悪く、ドットが滲み
過ぎる場合がある。又、水溶性有機溶剤の含有量が、5
重量%に満たないと、ノズル先端で染料が析出し易くな
り、ノズル詰まりを発生する場合があり好ましくない。
記録材を用いた記録方法であり、本発明に於いて、被記
録材にインクジェット記録方法により付着させるインク
それ自体は公知のものでよい。又、インクに使用する溶
媒は、安全性の点から水又は水と水溶性有機溶剤との混
合溶媒が好ましく、特に好適なものは、水に水溶性有機
溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコー
ルを含有した混合溶媒である。又、この際に使用する水
としては、種々のイオンを含有する一般の水でなく、脱
イオン水を使用するのが好ましい。インク中の好適な水
分含有量は、インク全重量に対して50重量%以上、よ
り好ましくは70重量%以上である。又、インク中に含
まれる水溶性有機溶剤の含有量は記録剤(染料)濃度に
よっても異なるが、インク全重量に対して5重量%以
上、好適には10重量%以上であることが好ましい。イ
ンクの水分含有量が50重量%に満たない場合には、イ
ンク中に含まれる水溶性有機溶剤の量が多く、被記録材
に対する浸透性が良好になりすぎる為、本発明で使用す
る被記録材を用いてもドット形状が悪く、ドットが滲み
過ぎる場合がある。又、水溶性有機溶剤の含有量が、5
重量%に満たないと、ノズル先端で染料が析出し易くな
り、ノズル詰まりを発生する場合があり好ましくない。
【0014】又、インクに使用される染料は、直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に
代表される水溶性染料であり、特にインクジェット記録
方式のインクとして好適であり、且つ、上記した被記録
材との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、
耐光性、その他の要求される性能を満たす画像を与える
ものであれば従来公知のいずれのものも使用出来る。こ
の様な水溶性染料は、インク中において一般には、約
0.1〜20重量%を占める割合で使用される。
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に
代表される水溶性染料であり、特にインクジェット記録
方式のインクとして好適であり、且つ、上記した被記録
材との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、
耐光性、その他の要求される性能を満たす画像を与える
ものであれば従来公知のいずれのものも使用出来る。こ
の様な水溶性染料は、インク中において一般には、約
0.1〜20重量%を占める割合で使用される。
【0015】又、本発明に用いるインクは上記の成分の
外に必要に応じて、界面活性剤剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤等を包含し得る。以上の様にして調製されるイ
ンクの好適な粘度は、3cp以下、より好ましくは2c
p以下である。インクは一般に、低粘度である方が被記
録材へ毛管浸透し易くなる為、本発明では低粘度である
ことは好ましくないが、吐出特性の面から高粘度のもの
はより好まれない。即ち、吐出を行なっていないノズル
表面では、常に溶媒(水)の蒸発が起こっており、記録
剤(染料)の析出に至らなくても、粘度の増加による吐
出ヨレ、不吐出が起こる場合がある。この為、粘度が3
cpを超えるインクを本発明方法に用いた場合には、頻
繁にノズルの回復動作を行なう必要が生じ、あまり好ま
しくない。
外に必要に応じて、界面活性剤剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤等を包含し得る。以上の様にして調製されるイ
ンクの好適な粘度は、3cp以下、より好ましくは2c
p以下である。インクは一般に、低粘度である方が被記
録材へ毛管浸透し易くなる為、本発明では低粘度である
ことは好ましくないが、吐出特性の面から高粘度のもの
はより好まれない。即ち、吐出を行なっていないノズル
表面では、常に溶媒(水)の蒸発が起こっており、記録
剤(染料)の析出に至らなくても、粘度の増加による吐
出ヨレ、不吐出が起こる場合がある。この為、粘度が3
cpを超えるインクを本発明方法に用いた場合には、頻
繁にノズルの回復動作を行なう必要が生じ、あまり好ま
しくない。
【0016】前記の被記録材に上記のインクを付与して
記録を行う本発明のインクジェット記録方法としては、
インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体である
被記録材にインクを付与し得る方式であればいかなる方
式でもよい。この様な方式の代表的なものは、例えば、
アイイーイーイー トランス アクション オン イン
ダストリィ アプリケイションズ(IEEE Transactions
on Industry Applications)Vol.IA−13.N
o.1(1977年2、3月号)、日経エレクトロニク
スの1976年4月19日号、1973年1月29日号
及び1974年5月6日号に記載されている。これらに
記載の方式は、本発明の方法にいずれも好適なものであ
るが、中でも特に本発明に好適なものとしては、ドロッ
プ・オン・デマンド方式が挙げられる。オン・デマンド
方式の例としては、ピエゾ素子方式があるが、この方式
では、インクに加える圧力手段として、他の方式の如く
ポンプの様な機械的手段を利用するのではなく、ピエゾ
素子を利用する。即ち、ピエゾ素子に電気信号を与えて
機械的変位を生じさせることにより、インクに圧力を加
え、ノズルよりインクを噴射させる方式である。又、本
発明方法では、特開昭54−59936号公報に記載さ
れている、熱エネルギーの作用を受けたインクの急激な
体積変化を利用し、この状態変化による作用力によりイ
ンクをノズルから吐出させるインクジェット方式も有効
に使用することが出来る。
記録を行う本発明のインクジェット記録方法としては、
インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体である
被記録材にインクを付与し得る方式であればいかなる方
式でもよい。この様な方式の代表的なものは、例えば、
アイイーイーイー トランス アクション オン イン
ダストリィ アプリケイションズ(IEEE Transactions
on Industry Applications)Vol.IA−13.N
o.1(1977年2、3月号)、日経エレクトロニク
スの1976年4月19日号、1973年1月29日号
及び1974年5月6日号に記載されている。これらに
記載の方式は、本発明の方法にいずれも好適なものであ
るが、中でも特に本発明に好適なものとしては、ドロッ
プ・オン・デマンド方式が挙げられる。オン・デマンド
方式の例としては、ピエゾ素子方式があるが、この方式
では、インクに加える圧力手段として、他の方式の如く
ポンプの様な機械的手段を利用するのではなく、ピエゾ
素子を利用する。即ち、ピエゾ素子に電気信号を与えて
機械的変位を生じさせることにより、インクに圧力を加
え、ノズルよりインクを噴射させる方式である。又、本
発明方法では、特開昭54−59936号公報に記載さ
れている、熱エネルギーの作用を受けたインクの急激な
体積変化を利用し、この状態変化による作用力によりイ
ンクをノズルから吐出させるインクジェット方式も有効
に使用することが出来る。
【0017】又、インクの乾燥定着に加熱手段を用いる
場合には、加熱ローラー、加熱プラテンを用いた直接加
熱方法、熱風ヒーター等、輻射線を用いた間接加熱方法
等、いずれも使用可能である。本発明方法では、特に揮
発性溶剤の少ない、水分含有量の多いインクを使用する
為、インクの加熱、乾燥は有効である。
場合には、加熱ローラー、加熱プラテンを用いた直接加
熱方法、熱風ヒーター等、輻射線を用いた間接加熱方法
等、いずれも使用可能である。本発明方法では、特に揮
発性溶剤の少ない、水分含有量の多いインクを使用する
為、インクの加熱、乾燥は有効である。
【0018】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。
【0019】実施例1〜6及び比較例1〜4抄紙原紙の作製 広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP、ショッパー濾
水度46°SR)95部と針葉樹さらしクラフトパルプ
(NBKP、ショッパー濾水度55°SR)5部とを混
合して原料パルプとした。この原料パルプ100部に対
して、軽質炭酸カルシウム10部とサイズ剤(アルキル
ケテンダイマー)を添加し、抄紙を行って坪量90g/
m2の抄紙原紙を得た。この時、表1に示した様に添加
するサイズ剤の量を、0、0.05、0.1、0.2部
と4段階に変化させ、サイズ度の異なった抄紙原紙a、
b、c、dを夫々得た。
水度46°SR)95部と針葉樹さらしクラフトパルプ
(NBKP、ショッパー濾水度55°SR)5部とを混
合して原料パルプとした。この原料パルプ100部に対
して、軽質炭酸カルシウム10部とサイズ剤(アルキル
ケテンダイマー)を添加し、抄紙を行って坪量90g/
m2の抄紙原紙を得た。この時、表1に示した様に添加
するサイズ剤の量を、0、0.05、0.1、0.2部
と4段階に変化させ、サイズ度の異なった抄紙原紙a、
b、c、dを夫々得た。
【0020】水溶性高分子塗布用紙の作製 上記によって得られた抄紙原紙a、b、c、dのサイズ
度の異なる原紙の表面に、5%とうもろこしでんぷんを
塗布量5g/m2 でバーコーターにより夫々塗布し、表
1に示した様に、実施例1及び実施例2と、比較例1及
び比較例2の本発明方法で使用する水溶性高分子塗布用
紙を得た。又、上記によって得られた抄紙原紙a、b、
c、dのサイズ度の異なる原紙の表面に、5%カチオン
変性ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−C−3
18−2A)を塗布量2.5g/m2 でバーコーターに
より夫々塗布し、表1に示した様に、実施例3及び実施
例4と比較例3及び比較例4の本発明方法で使用する水
溶性高分子塗布用紙を得た。更に、抄紙原紙cの表面
に、5%カチオン変性ポリビニルアルコール(クラレ社
製PVA−C−318−2A)を塗布量3.5g/m2
及び1.5g/m2 でバーコーターにより夫々塗布し、
表1に示した様に実施例5及び実施例6の本発明方法で
使用する水溶性高分子塗布用紙を得た。
度の異なる原紙の表面に、5%とうもろこしでんぷんを
塗布量5g/m2 でバーコーターにより夫々塗布し、表
1に示した様に、実施例1及び実施例2と、比較例1及
び比較例2の本発明方法で使用する水溶性高分子塗布用
紙を得た。又、上記によって得られた抄紙原紙a、b、
c、dのサイズ度の異なる原紙の表面に、5%カチオン
変性ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−C−3
18−2A)を塗布量2.5g/m2 でバーコーターに
より夫々塗布し、表1に示した様に、実施例3及び実施
例4と比較例3及び比較例4の本発明方法で使用する水
溶性高分子塗布用紙を得た。更に、抄紙原紙cの表面
に、5%カチオン変性ポリビニルアルコール(クラレ社
製PVA−C−318−2A)を塗布量3.5g/m2
及び1.5g/m2 でバーコーターにより夫々塗布し、
表1に示した様に実施例5及び実施例6の本発明方法で
使用する水溶性高分子塗布用紙を得た。
【0021】液体転移量の測定 インクとして下記の組成のインクを使用した。 ・C.I.フードブラック2 3部 ・ジエチレングリコール 15部 ・水 82部 上記インクの粘度は1.5cpであった。この様にして
調製したインクを用いて、動的浸透性試験装置(東洋精
機製)により、温度20℃、湿度60%の条件下で、上
記で調製した夫々の抄紙原紙及び水溶性高分子塗布用紙
の液体転移量を測定し、得られた夫々の液体転移量を表
1に示した。
調製したインクを用いて、動的浸透性試験装置(東洋精
機製)により、温度20℃、湿度60%の条件下で、上
記で調製した夫々の抄紙原紙及び水溶性高分子塗布用紙
の液体転移量を測定し、得られた夫々の液体転移量を表
1に示した。
【表1】 表1
【0022】
【評価】インクジェット記録特性評価 インクジェット記録は、360dpiのノズル密度を有
する64ノズルを備えたバブルジェット方式の記録ヘッ
ドを有する、インクジェットモノクロプリンターを用い
て行った。この記録ヘッドの各ノズルから吐出される記
録液の平均吐出体積は、約80ngである。上記のモノ
クロプリンターを使用して、表1に示した実施例1〜6
及び比較例1〜4の水溶性高分子塗布用紙に、前記の水
性インクで夫々印字を行ないインクジェット記録特性を
評価した。評価方法は次の通りである。 ・画像濃度 画像濃度は、前記のインクジェットモノクロプリンター
を用い最大印字密度のベタ印字を行なった際の、ベタ印
字部の画像濃度をマクベス濃度計RD−918を用いて
求めた。 ・印字品位 印字品位は、前記のインクジェットモノクロプリンター
を用いてアルファベットを印字し、得られた画像品位を
下記の基準で3段階にわけ評価した。 A:エッジが鮮明でほとんどフェザリングを発生しな
い。 B:小さなフェザリングを発生し、エッジがやや不鮮明
である。 C:大きなフェザリングが多発し、エッジが著しく不鮮
明である。 ・定着性 定着性は、前記のインクジェットモノクロプリンターを
用い最大印字密度のベタ印字を行ない、記録画像に指触
したときに、インクが乾燥して擦れが生じなくなるまで
の時間を測定し、評価した。尚、印字環境は、温度20
℃、湿度60%の条件下で行なった。得られた評価結果
を表2に示した。
する64ノズルを備えたバブルジェット方式の記録ヘッ
ドを有する、インクジェットモノクロプリンターを用い
て行った。この記録ヘッドの各ノズルから吐出される記
録液の平均吐出体積は、約80ngである。上記のモノ
クロプリンターを使用して、表1に示した実施例1〜6
及び比較例1〜4の水溶性高分子塗布用紙に、前記の水
性インクで夫々印字を行ないインクジェット記録特性を
評価した。評価方法は次の通りである。 ・画像濃度 画像濃度は、前記のインクジェットモノクロプリンター
を用い最大印字密度のベタ印字を行なった際の、ベタ印
字部の画像濃度をマクベス濃度計RD−918を用いて
求めた。 ・印字品位 印字品位は、前記のインクジェットモノクロプリンター
を用いてアルファベットを印字し、得られた画像品位を
下記の基準で3段階にわけ評価した。 A:エッジが鮮明でほとんどフェザリングを発生しな
い。 B:小さなフェザリングを発生し、エッジがやや不鮮明
である。 C:大きなフェザリングが多発し、エッジが著しく不鮮
明である。 ・定着性 定着性は、前記のインクジェットモノクロプリンターを
用い最大印字密度のベタ印字を行ない、記録画像に指触
したときに、インクが乾燥して擦れが生じなくなるまで
の時間を測定し、評価した。尚、印字環境は、温度20
℃、湿度60%の条件下で行なった。得られた評価結果
を表2に示した。
【表2】 表2
【0023】上記の表2に示した様に、使用した抄紙原
紙の液体転移量が30ml/mm2より大きく、且つ水
溶性高分子塗布用紙の液体転移量が80ml/mm2 よ
り大きい比較例1及び比較例3の方法では、本発明方法
の実施例と比べて印字濃度が不十分であり、又、印字品
位も劣っていた。又、使用した抄紙原紙の液体転移量が
10ml/mm2 より小さく、且つ水溶性高分子塗布用
紙の液体転移量が40ml/mm2 より小さい比較例2
及び比較例4の方法では、本発明方法の実施例と比べ
て、印字濃度及び印字品位は十分であるが、乾燥時間が
長くかかり定着性が劣っていた。
紙の液体転移量が30ml/mm2より大きく、且つ水
溶性高分子塗布用紙の液体転移量が80ml/mm2 よ
り大きい比較例1及び比較例3の方法では、本発明方法
の実施例と比べて印字濃度が不十分であり、又、印字品
位も劣っていた。又、使用した抄紙原紙の液体転移量が
10ml/mm2 より小さく、且つ水溶性高分子塗布用
紙の液体転移量が40ml/mm2 より小さい比較例2
及び比較例4の方法では、本発明方法の実施例と比べ
て、印字濃度及び印字品位は十分であるが、乾燥時間が
長くかかり定着性が劣っていた。
【0024】
【発明の効果】以上説明した様に本発明の記録方法を実
施すると次の如き効果を奏する。 (1)使用する被記録材の水性インクの吸収性が高い
為、インクの付与後、直ちに乾燥したと同じ状態とな
り、記録装置の一部や手指等が接触してもそれらを汚染
したり、記録画像が汚れることがなく、定着性に優れた
画像を得ることが出来る。 (2)得られるインクドットが真円に近く、且つ高濃度
であり、又、ドットが過大に滲んだり、ドットからフェ
ザーリングが生じたりしないので鮮明且つ解像度の高い
印字品位に優れた画像を形成することが出来る。 (3)又、被記録材に付与されたインク中の色材(染
料)の発色が良好であり、高い色彩性を示し、従って鮮
明で高解像度の印字品位に優れた画像を形成することが
出来る。
施すると次の如き効果を奏する。 (1)使用する被記録材の水性インクの吸収性が高い
為、インクの付与後、直ちに乾燥したと同じ状態とな
り、記録装置の一部や手指等が接触してもそれらを汚染
したり、記録画像が汚れることがなく、定着性に優れた
画像を得ることが出来る。 (2)得られるインクドットが真円に近く、且つ高濃度
であり、又、ドットが過大に滲んだり、ドットからフェ
ザーリングが生じたりしないので鮮明且つ解像度の高い
印字品位に優れた画像を形成することが出来る。 (3)又、被記録材に付与されたインク中の色材(染
料)の発色が良好であり、高い色彩性を示し、従って鮮
明で高解像度の印字品位に優れた画像を形成することが
出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】 被記録材上に水性インクにより記録する
インクジェット記録方法において、被記録材が、水性イ
ンクで測定したブリストウ法による0.08秒後の液体
転移量が10〜30ml/mm2 である抄紙原紙上に水
溶性高分子が塗布されている水溶性高分子塗布用紙であ
り、且つ該水溶性高分子塗布用紙の水性インクで測定し
たブリストウ法による1秒後の液体転移量が40〜80
ml/mm2 であることを特徴とするインクジェット記
録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3261364A JPH0569538A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | インクジエツト記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3261364A JPH0569538A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | インクジエツト記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0569538A true JPH0569538A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=17360818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3261364A Pending JPH0569538A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | インクジエツト記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0569538A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6084610A (en) * | 1995-01-13 | 2000-07-04 | Fujitsu Limited | Ink jet recording method and apparatus, ink and ink cartridge |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP3261364A patent/JPH0569538A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6084610A (en) * | 1995-01-13 | 2000-07-04 | Fujitsu Limited | Ink jet recording method and apparatus, ink and ink cartridge |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4965612A (en) | Ink-jet recording system and ink-jet recording method | |
US5670242A (en) | Cast coated paper for ink jet recording | |
EP0199874A1 (en) | Ink jet recording sheet having an ink-receptive layer containing polyethylene oxide | |
JP2001199157A (ja) | インクジェットプリント方法用の記録材料 | |
JP3591938B2 (ja) | インクジェット用記録媒体及びこれを用いた画像形成方法 | |
CN110267822B (zh) | 适印记录介质 | |
US20110059272A1 (en) | Inkjet anti-curl compositions for media and systems for processing the media | |
US6880927B2 (en) | Printing medium for the inkjet printing method | |
JPH0717085B2 (ja) | 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP2943927B2 (ja) | 被記録材,これを甲いたインクジェット記録方法及び被記録材の製造方法 | |
JPH0569538A (ja) | インクジエツト記録方法 | |
JP2962727B2 (ja) | 被記録材及びこれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP3184697B2 (ja) | インクジェット記録システム | |
JP2618358B2 (ja) | 被記録材 | |
JPH02117880A (ja) | 被記録材及び記録方法 | |
JP2003034072A (ja) | インクジェット記録用記録紙およびそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP2006281606A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2801295B2 (ja) | インクジェット記録システム及びインクジェット記録方法 | |
JP3072824B2 (ja) | インクジェット用記録媒体及びこれを用いた画像形成方法 | |
JP3720075B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JPH05139023A (ja) | インクジエツト記録用紙 | |
JPH0415746B2 (ja) | ||
JP2018188762A (ja) | 印刷用紙 | |
JP3912042B2 (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP3017653B2 (ja) | 記録用紙及びその製造方法 |