JPH0569288B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、変圧器巻線等を巻回する巻線装置に
関するものである。

［従来の技術］ 柱上変圧器等の巻線を巻回する従来の巻線装置
は、第２図に示すように構成されている。同図に
おいて１は巻枠２を取付ける巻取軸、３は送りネ
ジ軸４に螺合するナツトを備えて該送りネジ軸の
回転に伴つて巻枠２の軸線方向に送られる（トラ
バースされる）線ガイドキヤリツジ、５はキヤリ
ツジ３にアーム６を介して支持されてキヤリツジ
３の移動に伴つて巻枠２の近傍を軸線方向にトラ
バースする線ガイドローラである。７は巻取軸１
及び送りネジ軸４を駆動する駆動源としての電動
機で、この電動機７の出力軸はＶベルト８を介し
てクラツチブレーキ機構９の入力軸に結合され、
クラツチブレーキ機構９の出力軸はＶベルト１０
を介して減速機１１の入力軸に結合されている。
減速機１１の出力軸はチエーン１２を介して巻取
軸１に結合されるとともに送りピツチ変換用ギア
ボツクス１３の入力軸に結合され、ギアボツクス
１３の出力軸は送り方向切替え用クラツチ１４と
ギア減速機構１５とを介して送りネジ軸４に結合
されている。この巻取装置においては、送りネジ
軸４とキヤリツジ３と線ガイドローラ５と電動機
７から送りネジ軸４に動力を伝達する機構とによ
り巻線導体のトラバース機構１６が構成されてい
る。

上記の巻線装置においては、巻枠２を巻取軸１
に取付けた後、先ず手作業により巻枠２に対して
必要な前処理を行う。次いで巻線導体ｗの端部を
巻枠２に固定し、電動機７を回転させて巻取軸１
を回転させるとともに送りネジ軸４を回転させ
て、送りネジ軸４の回転によりキヤリツジ３を巻
枠２の軸線方向にトラバースさせる。これにより
図示しない巻線ドラムから供給される巻線導体ｗ
が線ガイドローラ５を経て巻枠２に供給され、巻
線導体が巻枠２の軸線方向にトラバースしつつ該
巻枠に巻回される。送り方向切替え用クラツチ１
４は、線ガイドローラ５が巻枠２の端部に達する
毎に動作して送りネジ軸４の回転方向を反転させ
る。

なお、巻線の層間に絶縁紙を挿入するには、上
記のトラバース機構に加えて、層間絶縁紙の自動
挿入装置が設けられる。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記の巻線装置は巻取軸が１個だけ設けられて
いたため、トラバース機構１６から巻枠２に巻線
導体ｗが供給されて巻線作業が自動的に行われて
いる間作業者の手があくことになる。そのため工
数的には線を手で送つて巻線作業を進める場合と
変りがなくなり、巻線作業能率を向上させること
ができない。

なお作業者の待ち時間を解消するため、２〜３
台の自動巻線装置を１人の作業者が操作すること
も考えられるが、この場合は複数の巻線装置が必
要になるため、設備費が高くなる上に装置の据付
スペースを多く必要とするという問題があり、ま
た作業者の動作範囲が大きくなるため、時間のロ
スが多くなるという問題があつた。

本発明は、時間のロスを生じさせることなく、
また装置のコストをそれほど上昇させること無く
高能率で巻線作業を進めることができるようにし
た巻線装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、その実施例を示す第１図に見られる
ように、１対の巻取軸２２，２３を回転自在に支
持して一方の巻取軸を自動作業用ステーシヨンＡ
に位置させた時に他方の巻き取り軸を手動作業ス
テーシヨンＢに位置させるように回動させられる
回動板２０と、自動作業ステーシヨンに位置する
巻取軸に取付けられた巻枠２に巻線導体をトラバ
ースさせつつ自動供給するトラバース機構１６
と、自動作業ステーシヨンＡに位置する巻取軸に
第１のクラツチ３０Ａを介して結合されて該巻取
軸を駆動する自動作業用駆動機構４５と、手動作
業ステーシヨンＢに位置する巻取軸に第２のクラ
ツチ３０Ｂを介して結合されて該巻取軸を駆動す
る手動作業用駆動機構４６とを備えており、自動
作業用駆動機構４５及び手動作業用駆動機構４６
はそれぞれ異なる駆動源７及び４０により駆動さ
れる。

［発明の作用］ 上記のように構成すると、第１及び第２のクラ
ツチを切つた状態で回動板を回動させることによ
り、巻取軸を自動作業ステーシヨンまたは手動作
業ステーシヨンに位置させることができる。従つ
て一方の巻取軸を自動作業ステーシヨンに位置さ
せて巻線作業を自動的に行わせている間に他方の
巻取軸を手動作業ステーシヨンに位置させて、自
動巻きされた巻線の後処理作業や、次の自動巻き
に用いる巻き枠の取付け作業や自動巻きに先立つ
て行う前処理作業等の手作業で行う必要がある作
業を行うことができる。そのため作業者の手があ
くことがなく、巻線作業の能率を向上させること
ができる。また自動巻作業は手動作業ステーシヨ
ンの直前で行われるので、作業者は自動巻作業を
監視しながら手動作業を行うことができ、作業者
の周囲に複数台の巻線装置を設置する場合のよう
にロス時間を生じさせることなく能率良く作業を
進めることができる。更に、複数台の巻線装置を
設置する場合に比べて設備費を安くすることがで
き、また装置の設置面積の縮小を図ることができ
る。

［実施例］ 以下添附図面を参照して本発明の実施例を説明
する。

第１図は本発明の実施例を示したもので、同図
において２０は回動軸２１を中心に回動し得るよ
うに支持された回動板で、この回動板２０には巻
枠２，２を取付ける１対の巻取軸２２，２３がそ
れぞれ軸受２４及び２５により回転自在に支持さ
れている。巻取軸２２及び２３は互いに180度離
れた対称位置に配置され、回動板２０を回動させ
て一方の巻取軸を自動作業ステーシヨンＡに位置
させた時に他方の巻き取り軸を手動作業ステーシ
ヨンＢに位置させることができるようになつてい
る。図示の状態では巻取軸２２が自動作業ステー
シヨンＡに、巻取軸２３が手動作業ステーシヨン
Ｂにそれぞれ配置されている。

自動作業ステーシヨンＡ及び手動作業ステーシ
ヨンＢにはそれぞれ巻取軸２２，２３の一端側に
位置させてクラツチの駆動側カツプリング２６Ａ
及び２６Ｂが配置され、これらのカツプリングは
適宜の手段により駆動軸Ｘ，Ｙに対して回転自在
に且つ軸線方向に一定距離スライド自在に支持さ
れている。一方巻取軸２２及び２３の一端にはそ
れぞれクラツチの従動側カツプリング２７及び２
８が取付けられ、駆動側カツプリング２６Ａ及び
２６Ｂはそれぞれ自動作業ステーシヨンＡ及び手
動作業ステーシヨンＢに位置する従動側カツプリ
ング２７及び２８に噛合う結合位置とこれらの従
動側カツプリングから離れる開離位置との間をス
ライドし得るようになつていて、自動作業ステー
シヨンＡにある駆動側カツプリング２６Ａとこの
カツプリングに噛合う従動側カツプリング２７ま
たは２８とにより第１のクラツチ３０Ａが、また
手動作業ステーシヨンＢにある駆動側カツプリン
グ２６Ｂとこのカツプリングに噛合う従動側カツ
プリング２７または２８とにより第２のクラツチ
３０Ｂがそれぞれ構成されている。

駆動側カツプリング２６Ａ及び２６Ｂの端部に
周設された溝２６ａ，２６ｂ内に、中央部が枢支
されたレバー３１及び３２の一端に設けられたロ
ーラ３１ａ及び３２ａがそれぞれ嵌合され、レバ
ー３１及び３２の他端がシリンダ３３及び３４の
ロツドに枢結されている。これらのシリンダによ
りカツプリング２６Ａ及び２６Ｂが結合位置と開
離位置との間を偏位するように駆動される。なお
第１図は駆動側カツプリング２６Ａ及び２６Ｂが
それぞれ結合位置にあつて従動側カツプリング２
７及び２８に結合された状態を示している。

自動作業ステーシヨンＡには、このステーシヨ
ンＡに配置された巻取軸２２または２３と平行に
伸びる送りネジ軸４が設けられ、この送りネジ軸
４に線ガイドキヤリツジ３に設けられたナツトが
螺合されている。線ガイドキヤリツジ３にはアー
ム６の一端が支持され、アーム６の他端は自動作
業用ステーシヨンＡにある巻取軸２２または２３
に取付けられている巻枠２の近傍まで伸びてい
る。そしてこのアーム６の他端に線ガイドローラ
５が取付けられ、図示しないドラムから引出され
た巻線導体ｗがガイドローラ５を経由して自動作
業ステーシヨンＡにある巻取軸に取付けられた巻
枠２に供給される。

自動ステーシヨンＡにある送りネジ軸４及び巻
取軸を駆動するために電動機７が設けられてい
る。この電動機７の出力軸はＶベルト８を介して
クラツチブレーキ機構９の出力軸に結合され、ク
ラツチブレーキ機構９の出力軸はＶベルト１０を
介して減速機１１の入力軸に結合されている。減
速機１１の出力軸はチエーン１２を介して自動作
業ステーシヨンＡにある第１のクラツチ３０Ａの
駆動側カツプリング２６Ａに結合されるととも
に、送りピツチ変換用ギアボツクス１３の入力軸
に結合され、ギアボツクス１３の出力軸は送り方
向切替え用クラツチ１４とギア減速機構１５とを
介して送りネジ軸４に結合されている。

また手動作業ステーシヨンＢにある巻取軸を駆
動するために電動機４０が設けられ、この電動機
４０の出力軸はＶベルト４１を介してクラツチ・
ブレーキ機構４２の入力軸に結合されている。ク
ラツチブレーキ機構４２の出力軸はチエーン４３
を介して第２のクラツチ３０Ｂの駆動側カツプリ
ング２６Ｂに結合されている。

本実施例においては、電動機７とＶベルト８と
クラツチ・ブレーキ機構９とＶベルト１０と減速
機１１とギアボツクス１３と送り方向切替え用ク
ラツチ１４と減速機構１５とネジ軸４とキヤリツ
ジ３と線ガイドローラ５とにより巻線導体のトラ
バース機構１６が構成されている。

また電動機７とＶベルト８とクラツチ・ブレー
キ機構９とＶベルト１０と減速機１１とチエーン
１２とにより、自動作業ステーシヨンＡに位置す
る巻取軸２２または２３に第１のクラツチ３０Ａ
を介して結合されて該巻取軸を駆動する自動作業
用駆動機構４５が構成され、電動機４０とＶベル
ト４１とクラツチ・ブレーキ機構４２とチエーン
４３とにより、手動作業ステーシヨンＢに位置す
る巻取軸２３または２２に第２のクラツチ３０Ｂ
を介して結合されて該巻取軸を駆動する手動作業
用駆動機構４６が構成されている。

上記の実施例において、巻線作業を行うに当つ
ては先ず一方の巻取軸、例えば巻取軸２２を手動
作業ステーシヨンＢに位置させて、該巻取軸２２
に巻枠２を取付け、該巻枠２に対して必要な前処
理を行う。この場合巻枠２を回転させる必要があ
れば第２のクラツチ３０Ｂをつないで電動機４０
を回転させる。この前処理作業が完了した後、シ
リンダ２６Ａ及び２６Ｂを駆動して第１及び第２
のクラツチ３０Ａ及び３０Ｂを切り、回動板２０
を回転させて巻取軸２２を自動作業ステーシヨン
Ａに位置させる。この時他方の巻取軸２３が手動
作業ステーシヨンＢに位置する。尚この回動板２
０の回転は、図示しない電動機により行わせても
よく、また手動にて行わせてもよい。

巻取軸２２を自動作業ステーシヨンＡに位置さ
せた後、巻線導体ｗを巻枠２に固定し、第１のク
ラツチ３０Ａをつないで電動機７を駆動する。こ
れにより巻取軸２２を回転させるとともに送りネ
ジ軸４を回転させ、巻線導体４をトラバースさせ
つつ巻枠２に巻線を巻回する。また図示しない層
間絶縁紙の自動挿入装置により、巻線の層間に絶
縁紙を挿入する。

自動作業ステーシヨンＡにおいて巻枠２に対す
る巻線の自動巻回作業が行われている間に、手動
作業ステーシヨンＢにある巻取軸２３に巻枠２を
取付け、この巻枠に対して必要な前処理を行う。

自動作業ステーシヨンＡにおいて巻線の巻回作
業が完了した後、シリンダ３３及び３４を動作さ
せて第１及び第２のクラツチ３０Ａ及び３０Ｂを
切り、回動板２０を回動させて、巻線が完了した
巻枠２が取付けられている巻取軸２２を手動作業
ステーシヨンＢに、また次に巻線を巻回する巻枠
２を取付けた巻取軸２３を自動作業ステーシヨン
Ａにそれぞれ位置させる。次いでシリンダ３３を
動作させて第１及び第２のクラツチ３０Ａをつな
ぎ、電動機７を回転させて自動作業ステーシヨン
Ａにおいて巻線作業を開始させる。また手動作業
ステーシヨンＢにおいては、既に巻回された巻線
の後処理を行い、後処理が終つた巻線を巻枠２と
ともに巻取軸から外す。次いで手動作業ステーシ
ヨンＢの巻取軸２２に新たな巻枠２を取付け、こ
の巻枠に対して必要な前処理作業を施す。以下同
様の動作を繰返して巻線作業を進める。

上記のように本発明においては、第１及び第２
のクラツチ３０Ａ及び３０Ｂを切つた状態で回動
板２０を回動させることにより、巻取軸２２，２
３を自動作業ステーシヨンまたは手動作業ステー
シヨンに位置させることができる。従つて一方の
巻取軸２２を自動作業ステーシヨンに位置させて
巻線作業を自動的に行わせている間に他方の巻取
軸２２を手動作業ステーシヨンに位置させて自動
巻きされた巻線の後処理作業や、次の自動巻きに
用いる巻き枠の取付け作業や自動巻きに先立つて
行う前処理作業等の手作業を行うことができる。
この場合自動巻作業は手動作業ステーシヨンの直
前で行われているので、作業者は自動巻作業を監
視しながら手動作業を行うことができる。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、第１及び第２
のクラツチを切つた状態で回動板を回動させるこ
とにより、巻取軸を自動作業ステーシヨンまたは
手動作業ステーシヨンに位置させることができる
ので、一方の巻取軸を自動作業ステーシヨンに位
置させて巻線作業を自動的に行わせている間に他
方の巻取軸を手動作業ステーシヨンに位置させて
自動巻きされた巻線の後処理作業や、次の自動巻
きに用いる巻き枠の取付け作業や自動巻きに先立
つて行う前処理作業等の手作業を行うことができ
る。従つて作業者の手があくことが無く、巻線作
業の能率を向上させることができる。また自動巻
作業は手動作業ステーシヨンの直前で行われるの
で、作業者は自動巻作業を監視しながら手動作業
を行うことができ、作業者の周囲に複数台の巻線
装置を設置する場合のようにロス時間を生じさせ
ることなく能率良く作業を進めることができる。
更に、複数台の巻線装置を設置する場合に比べて
設備費を安くすることができ、また装置の設置面
積の縮小を図ることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を概略的に示
した概略構成図、第２図は従来の巻線装置の構成
を概略的に示した概略構成図である。 ２……巻枠、３……線ガイドキヤリツジ、４…
…送りネジ軸、７……電動機、８……Ｖベルト、
９……クラツチ・ブレーキ機構、１０……Ｖベル
ト、１１……減速機、１３……送りピツチ変更用
ギアボツクス、１４……送り方向切替え用クラツ
チ、１５……ギア減速機、１６……トラバース機
構、２０……回動板、２２，２３……巻取軸、２
６Ａ……第１のクラツチの駆動側カツプリング、
２６Ｂ……第２のクラツチの駆動側カツプリン
グ、２７……巻取軸２２に取付けられた従動側カ
ツプリング、２８……巻取軸２３に取付けられた
従動側カツプリング、３０Ａ……第１のクラツ
チ、３０Ｂ……第２のクラツチ、３３，３４……
シリンダ、４０……電動機、４１……Ｖベルト、
４２……クラツチ・ブレーキ機構、４３……チエ
ーン、４５……自動作業用駆動機構、４６……手
動作業用駆動機構、Ａ……自動作業ステーシヨ
ン、Ｂ……手動作業ステーシヨン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １対の巻取軸を回転自在に支持して一方の巻
   取軸を自動作業ステーシヨンに位置させた時に他
   方の巻き取り軸を手動作業ステーシヨンに位置さ
   せるように回動させられる回動板と、 前記自動作業ステーシヨンに位置する巻取軸に
   取付けられた巻枠に巻線導体をトラバースさせつ
   つ自動供給するトラバース機構と、 前記自動作業ステーシヨンに位置する巻取軸に
   第１のクラツチを介して結合されて該巻取軸を駆
   動する自動作業用駆動機構と、 前記手動作業ステーシヨンに位置する巻取軸に
   第２のクラツチを介して結合されて該巻取軸を駆
   動する手動作業用駆動機構とを具備し、 前記自動作業用駆動機構及び手動作業用駆動機
   構はそれぞれ異なる駆動源により駆動されること
   を特徴とする巻線装置。