JPH0568937U - 異物噛み込み防止用カバーを具えたコンベヤチェーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連結ピンと同心上に大径の載荷ローラと小径
の走行ローラを有するコンベヤチェーンにおいて、チェ
ーン内への異物の落下を防止するとともに、搬送物に異
物が付着することを防止すること。 【構成】 コンベヤチェーンは、連結ピンと同心に大径
の載荷ローラ及び小径の走行ローラを有する。リンクプ
レートには、隣合う大径の載荷ローラ及び小径の走行ロ
ーラの間の間隙を覆うように異物噛み込み防止用カバー
が取付けられている。異物噛み込み防止用カバーは、可
撓性係合片を有する。可撓性係合片は、リンクプレート
に形成された窓に係合する。異物噛み込み防止用カバー
は、小径の走行ローラの外径の半径方向内側に位置す
る。小径の走行ローラは、チェーンの帰り側においても
異物噛み込み防止用カバーから突出するので、レール上
を走行することができる。従って、大径の載荷ローラ
は、専ら搬送物載荷用のローラとして機能し、搬送物へ
の塵埃の付着は防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、連結ピンと同心上に大径の載荷ローラと小径の走行ローラを有する コンベヤチェーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種コンベヤチェーンは、載荷ローラ上の搬送物をチェーン自体の走行速度 よりも速く搬送する（増速）とともに、必要に応じて搬送物を滞留させてチェー ンのみを走行させる（アキュムレート）ことができるもので、搬送・組立作業用 に利用されることも多い。ところが、組立作業中にボルトやナット等の異物が落 下すると、これがチェーンに噛み込み、ローラの損傷及びコンベヤの停止を招く 。そのため、この種のチェーンでは、異物噛み込み防止用カバーが取付けられる ことが多い。 図１２及び図１３は、実開昭 62-197610号公報に開示された異物噛み込み防止 用カバー５０を示している。この異物噛み込み防止用カバー５０は、リンクプレ ート５２，５４と一体成形された平板状である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような異物噛み込み防止用カバー５０には、次の欠点がある。 (1) 異物噛み込み防止用カバー５０は平板状であるから、走行ローラ５８との 間には隙間が存在する。チェーン内へはここから異物が落下するので、ローラの 損傷及びチェーンの停止を防止するための充分な機能が得られない。 (2) 異物噛み込み防止用カバー５０は小径の走行ローラ５８の外径の半径方向 外側に位置する。そのため、チェーンの帰り側では小径の走行ローラ５８をレー ルで受けることができない。結果として、大径の載荷ローラ５６がレール上を走 行することになる。従って、レール上に存在する摩耗粉が大径の載荷ローラ５６ に付着し、チェーンの搬送側において、この摩耗粉が搬送物を付着するという欠 点がある。 (3) そして、チェーンの帰り側で載荷ローラ５６がレール上を走行するので、 走行ローラがレール上の走行する場合に比して、チェーンの安定性を損なうとい う欠点もある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、内リンクプレートと外リンクプレートを交互に連結する連結ピンと 同心上に大径の載荷ローラと小径の走行ローラを有するコンベヤチェーンにおい て、前記リンクプレートに、隣合う載荷ローラ間の隙間及び隣合う走行ローラ間 の隙間を覆うように異物噛み込み防止用カバーを設けたコンベヤチェーンにより 前記課題を解決した。

【０００５】

【作用】

コンベヤチェーンの使用中に、作業者がボルトやナット等を誤って落下させて も異物、噛み込み防止用カバーが隣合う載荷ローラ及び走行ローラの隙間を覆っ ているので、落下した異物が原因となってローラが損傷したりチェーンが停止し たりすることはない。 そして、隣合う走行ローラ間において、異物噛み込み防止用カバーを走行ロー ラの外径の半径方向内側に位置させることにより、チェーンの帰り側においても 走行ローラをレールで受けることができるので、搬送物に接する載荷ローラに摩 耗粉が付着することがない。また、帰り側でも安定してチェーンを走行させるこ とができる。 また、異物噛み込み防止用カバーは可撓性係合片を有し、内リンクプレート及 び外リンクプレートが窓孔又は切欠を有し、前記係合片が内リンクプレートには 外側から外リンクプレートには内側から各リンクプレートの窓孔又は切欠に係合 するようにしたコンベヤチェーンでは、異物噛み込み防止用カバーのリンクプレ ートに対する着脱が容易であるとともに、チェーンの幅方向に突出するものがな く、チェーンの円滑な運転が可能となる。

【０００６】

【実施例】 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。チェーンの基本構造につい ては周知であるから、説明は省略する。

【０００７】 図１乃至図４は本考案によるコンベヤチェーンの第１実施例を示している。コ ンベヤチェーン１０は、連結ピン１２と同心上において、搬送物載荷用の大径の 載荷ローラ１４と、レール１６上を転動する一対の小径の走行ローラ１８とを有 してなる。載荷ローラ１４と走行ローラ１８とは相対回転が可能になっている。 本実施例の場合、載荷ローラ１４と走行ローラ１８は樹脂製のものであるが、金 属製でも差し支えない。

【０００８】 内リンクプレート２０及び外リンクプレート２２は、各々が窓孔２４を有する 。隣合う大径の載荷ローラ１４，１４の間及び隣合う小径の走行ローラ１８，１ ８の間を覆うように、異物噛み込み防止用カバー２６，２８が内リンクプレート ２０又は外リンクプレート２２の窓孔２４にスナップ係合して取付けられている 。そのため、異物噛み込み防止用カバー２６，２８は可撓性係合片２７，２９を 有する。図１は内リンクプレート２０に対して異物噛み込み防止用カバー２６を 外側から取付ける場合、図２は外リンクプレート２２に対して異物噛み込み防止 用カバー２８を内側から取付ける場合を示している。

【０００９】 異物噛み込み防止用カバー２６，２８は、図１乃至図３に示されるように、小 径の走行ローラ１８の外径の半径方向内側に位置し、従って、小径の走行ローラ １８はその上部が異物噛み込み防止用カバー２６，２８から突出している。

【００１０】 異物噛み込み防止用カバー２６，２８は、内リンクプレート２０及び外リンク プレート２２に弾性を利用して取付けられるが、大径の載荷ローラ１４及び小径 の走行ローラ１８の外周面とは僅かな隙間をもって非接触状態を保つような寸法 関係になっている。

【００１１】 図５乃至図８は本考案によるコンベヤチェーンの第２実施例を示している。本 実施例のコンベヤチェーン３０と第１実施例のものと異なる点は、大径の載荷ロ ーラ１４同士が隣合う部分において、異物噛み込み防止用カバー３６，３８がそ の上面に突起４０を有することである。

【００１２】 本実施例のチェーン３０は、防塵カバー４２と併用する場合に好適である。突 起４０の上面は防塵カバー４２の上面と面一になっている。防塵カバー４２と大 径の載荷ローラ１４との間隙は僅かに設定されている。

【００１３】 異物噛み込み防止用カバー３６，３８は、大径の載荷ローラ１４及び小径の走 行ローラ１８のいずれに対しても僅かな隙間をもって設けることができ、それ自 体でチェーン１０内への異物の落下を防止するが、本実施例のように、防塵カバ ー４２と併用することにより、クリーン度が一層要求される用途に特に好適であ る。

【００１４】 次に、図９乃至図１１は、本考案に適用できるリンクプレートの例である。図 ９は、第１及び第２実施例において利用されたリンクプレート２０（２２）を示 し、中央に長方形の窓孔２４が形成されたものである。図１０のリンクプレート ２０’は中央に円形の窓孔２４’が形成されたもの、図１１のリンクプレート２ ０”は上下に切欠２４”，２４”が形成されたものである。これらの部分に異物 噛み込み防止用カバーの可撓性係合片に設けられた突起が係入することになる。

【００１５】

【考案の効果】

請求項１記載のコンベヤチェーンは、隣合う大径の載荷ローラ間及び隣合う小 径の走行ローラ間が異物噛み込み防止用カバーによって覆われているので、ボル トやナット等の異物がチェーン内に落下することは無くなる。また、異物噛み込 み防止用カバーは、リンクプレートに、大径の載荷ローラ及び小径の走行ローラ とは僅かな隙間をもって非接触状態を保って取り付けることができるので、各々 のローラの回転に支障をきたすことがなく、また、摩耗粉が発生することもない 。従って、クリーン度が要求される搬送物を搬送・組立する場合に特に好適であ る。

【００１６】 請求項２記載のコンベヤチェーンは、異物噛み込み防止用カバーが小径の走行 ローラの外径の半径方向内側に取付けられているので、チェーンの帰り側におい ても小径の走行ローラをレールで受けることができ、搬送物と接触する大径の載 荷ローラに摩耗粉が付着したり、また、これが傷付いたりすることを防止するこ とができる。帰り側におけるチェーンの走行も安定する。

【００１７】 そして、請求項３記載のコンベヤチェーンでは、異物噛み込み防止用カバーの リンクプレートに対する着脱が容易であるとともに、チェーンの幅方向に突出す るものがなく、チェーンの円滑な運転が可能となる。

【提出日】平成４年９月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような異物噛み込み防止用カバー５０には、次の欠点がある。 （１）異物噛み込み防止用カバー５０は平板状であるから、走行ローラ５８と の間には隙間が存在する。チェーン内へはここから異物が落下するので、ローラ の損傷及びチェーンの停止を防止するための充分な機能が得られない。 （２）異物噛み込み防止用カバー５０は小径の走行ローラ５８の外径の半径方 向外側に位置する。そのため、チェーンの帰り側では小径の走行ローラ５８をレ ールで受けることができない。結果として、大径の載荷ローラ５６がレール上を 走行することになる。従って、レール上に存在する摩耗粉が大径の載荷ローラ５ ６に付着し、チェーンの搬送側において、この摩耗粉が搬送物に付着するという 欠点がある。 （３）そして、チェーンの帰り側で載荷ローラ５６がレール上を走行するので 、走行ローラがレール上の走行する場合に比して、チェーンの安定性を損なうと いう欠点もある。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１２】 本実施例のチェーン３０は、カバー４２と併用する場合に好適である。突起４ ０の上面はカバー４２の上面と面一になっている。カバー４２と大径の載荷ロー ラ１４との間隙は僅かに設定されている。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１３】 異物噛み込み防止用カバー３６，３８は、大径の載荷ローラ１４及び小径の走 行ローラ１８のいずれに対しても僅かな隙間をもって設けることができ、それ自 体でチェーン１０内への異物の落下を防止するが、本実施例のように、カバー４ ２と併用することにより、クリーン度が一層要求される用途に特に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるコンベヤチェーンの第１実施例を
示し、図３の１−１線断面図である。

【図２】図４の２−２線断面図である。

【図３】第１実施例のコンベヤチェーンの正面図であ
る。

【図４】図３のコンベヤチェーンの平面図である。

【図５】本考案によるコンベヤチェーンの第２実施例を
示し、図７の５−５線断面図である。

【図６】図７の６−６線断面図である。

【図７】第２実施例のコンベヤチェーンの正面図であ
る。

【図８】図７のコンベヤチェーンの平面図である。

【図９】第１及び第２実施例のコンベヤチェーンに利用
されるリンクプレートの正面図である。

【図１０】本考案のチェーンに利用できるリンクプレー
トの他の実施例の正面図である。

【図１１】本考案のコンベヤチェーンに利用できるリン
クプレートのさらに他の実施例の正面図である。

【図１２】従来のコンベヤチェーンの断面図である。

【図１３】図１２のコンベヤチェーンの平面図である。

【符号の説明】

１０，３０ コンベヤチェーン １４ 大径の載荷ローラ １８ 小径の走行ローラ ２０ 内リンクプレート ２２ 外リンクプレート ２４，２４’ 窓孔 ２４” 切欠 ２７，２９ 可撓性係合片 ２６，２８，３６，３８ 異物噛み込み防止用カバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浜口 進 大阪府枚方市藤阪北町32−22 (72)考案者 須子 友男 大阪府交野市天野が原町４丁目14−12

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内リンクプレートと外リンクプレートを
   交互に連結する連結ピンと同心上に大径の載荷ローラと
   小径の走行ローラを有するコンベヤチェーンにおいて、 前記リンクプレートに、隣合う載荷ローラ間の隙間及び
   隣合う走行ローラ間の隙間を覆うように異物噛み込み防
   止用カバーを設けたことを特徴とする、コンベヤチェー
   ン。
2. 【請求項２】 前記異物噛み込み防止用カバーは、隣合
   う走行ローラ間において、前記走行ローラの外径の半径
   方向内側に位置する、請求項１記載のコンベヤチェー
   ン。
3. 【請求項３】 前記異物噛み込み防止用カバーは可撓性
   係合片を有し、内リンクプレート及び外リンクプレート
   が窓孔又は切欠を有し、前記係合片が内リンクプレート
   には外側から外リンクプレートには内側から各リンクプ
   レートの窓孔又は切欠に係合するようになっている、請
   求項１又は２記載のコンベヤチェーン。