JPH0210849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、チエーンコンベヤの搬送チエーンや
ローラコンベヤのローラ駆動チエーン等に用いる
チエーンに関するものである。

〔従来の技術〕

動力伝達用や搬送用に広く用いられているロー
ラチエーンは、両側一対のローラリンクプレート
の両端部間に筒状のブツシユを設けかつこの各ブ
ツシユの外周にローラを回動自在に設けたローラ
リンクと、両側一対のピンリンクプレート間にピ
ンを設けたピンリンクから成り、上記ローラリン
クのブツシユに上記ピンリンクのピンを挿通して
ローラリンクとピンリンクを交互に連結して構成
されており、内側のローラリンクプレート、外側
のピンリンクプレート、ローラ、ブツシユ、ピン
が全て金属製である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このため、従来のローラチエーンは、動力伝達
用の伝動チエーンや一般的な重量物搬送用のチエ
ーンコンベヤの搬送チエーンに用途が限定され、
たとえば、搬送チエーンが停止させずに搬送チエ
ーン上の搬送物だけを停止させるアキユーム可能
なチエーンコンベヤに用いる場合には、金属製の
リンクプレートが搬送物に擦れるので、摩擦抵抗
が大きく、搬送物に損傷を与えるだけでなく、騒
音の発生源にもなつていた。

なお、一部では、ローラリンクに相当する部分
つまりローラリンクプレートとブツシユとローラ
に相当する部分を合成樹脂で一体成形し、ピンリ
ンクのピンリンクプレートとピンは別体の金属製
のままとしたチエーンも使用されているが、この
チエーンは、回動自在のローラが無く、一体成形
の合成樹脂部分がガイドレールやスプロケツトホ
イールに摺接するので、摩耗が激しく、しかも、
一体成形の合成樹脂部分に引張り荷重やせん断荷
重が直接加わるので、低負荷条件に使用が限定さ
れていた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、アキユーム可能なチエーンコンベヤの搬送チ
エーン等に用いても、搬送物との摩擦抵抗が小さ
く、低騒音で搬送物を損傷することがなく、しか
も、従来のものと同様に高負荷条件に耐えるロー
ラチエーンを提供することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、両側のローラリンクプレート１１の
両端部間に筒状のブツシユ１２を設けこの各ブツ
シユ１２の外周にローラ１３を回動自在に設けて
成るローラリンク１と、両側のピンリンクプレー
ト２１間にピン２２を設けて成るピンリンク２と
を備え、上記ローラリンク１のブツシユ１２内に
上記ピンリンク２のピン２２を挿通してローラリ
ンク１とピンリンク２を交互に連結したチエーン
に関するものであつて、上記ローラリンク１のロ
ーラリンクプレート１１の外側に位置した上記ピ
ンリンク２のピンリンクプレート２１を、合成樹
脂プレート２４の外側面に金属プレート２５を埋
設して形成し、上記ローラリンク１のローラリン
クプレート１１及びブツシユ１２と、上記ピンリ
ンク２のピン２２を、金属で形成したものであ
る。

〔作用〕

本考案のチエーンは、ピンリンクプレート２１
の合成樹脂プレート２４により、搬送物との摩擦
抵抗を小さくし、ピンリンクプレート２１の金属
プレート２５と金属性のローラリンクプレート１
１を金属製のブツシユ１２及びピン２２を介して
連結することにより、従来の全てが金属製のロー
ラチエーンと同様な高負荷条件に耐えるようにし
たものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図及び第２図において、１はローラリンク
で、このローラリンク１は、両側一対の金属製の
ローラリンクプレート１１の両端部間に金属製の
円筒状のブツシユ１２を配設し、この各ブツシユ
１２の外周に金属製あるいは合成樹脂製の円筒状
のローラ１３を回動自在に嵌合した状態で、ブツ
シユ１２の両端部を圧入等により各ローラリンク
プレート１１に固定したもので、ブツシユ１２の
両端部はローラリンクプレート１１の外面に開口
し、ローラ１３は回動自在に支持されている。

２はピンリンクで、このピンリンク２は、両側
一対のピンリンクプレート２１の両端部間に金属
製の円柱状のピン２２を配設し、この各ピン２２
を上記ローラリンク１のブツシユ１２内に回動自
在に挿通した状態で、ピン２２の両端部をかしめ
等により各ピンリンクプレート２１に固定したも
ので、ピンリンクプレート２１は、上記ローラリ
ンク１のローラリンクプレート１１の外側に位置
して、ローラリンクプレート１１に回動自在に連
結されている。

そして、上記ローラリンク１のブツシユ１２と
上記ピンリンク２のピン２２を介して、ローラリ
ンク１とピンリンク２が交互に連結されてチエー
ンが構成されている。

そうして、本考案では、上記ピンリンク２のピ
ンリンクプレート２１を、合成樹脂プレート２４
の外側面に金属プレート２５を埋設することによ
り形成してあり、ピンリンクプレート２１の内側
面及び外周縁部は合成樹脂プレート２４となつて
いる。

したがつて、第３図に示すように、本考案のチ
エーンをチエーンコンベヤの搬送チエーンに用い
た場合、搬送物３１を合成樹脂プレート２４の縁
部で支持することになり、チエーンを停止させず
にチエーン上の搬送物３１だけを停止させるアキ
ユームを行なつても、搬送物３１との摩擦抵抗が
小さく、搬送３１が損傷せず、騒音も小さい。そ
して、回動自在なローラ１３がコンベヤフレーム
３２のガイドレール３３やスプロケツトホイール
に係合するので、耐久性は、従来の全てが金属製
のローラチエーンと同様で、その上、ピンリンク
プレート２１の合成樹脂プレート２４が金属製の
ローラリンクプレート１１に対向しているので、
摩耗や騒音は、従来の金属と金属の摺動よりも低
減される。

また、ピン２２はピンリンクプレート２１の金
属プレート２５にかしめられ、連結部分が、ロー
ラリンクプレート１１、ブツシユ１２、ピン２
２、金属プレート２５、ピン２２、ブツシユ１
２、ローラリンクプレート１１というように、全
て金属間で行なわれるので、従来の全てが金属製
のローラチエーンと同様な高負荷条件に耐えるこ
とができる。

なお、第４図は変形例で、ピンリンクプレート
２１において、合成樹脂プレート２４の一端部
で、隣接した合成樹脂プレート２４の他端部を囲
むようにしたもので、このようにすると、チエー
ンコンベヤの搬送チエーンに用いた場合、搬送物
３１に対する支持面が平坦になる。

また、この第４図のチエーンの場合、第５図に
示すように、ローラコンベヤのローラ３４を駆動
するローラ駆動チエーンに用いることもでき、と
くに、ローラコンベヤの全長が長くて、ローラ駆
動ベルトを用いたのでは、ベルトの全長が長くな
りすぎて、ベルトの継目が多くなつたり、ベルト
の張力が不安定になつたりする場合に有効であ
る。

また、第６図も変形例で、このチエーンは、両
側のピンリンクプレート２１の合成樹脂プレート
２４の上縁部を合成樹脂係合板３６で一体的に連
結したもので、チエーンコンベヤの搬送チエーン
に用いた場合、搬送物３１を広く支持することが
でき、ローラコンベヤのローラ駆動チエーンに用
いた場合、ローラ３４を確実に駆動することがで
きる。

さらに、第７図も変形例で、このチエーンは、
ピンリンクプレート２１の金属プレート２５にボ
ス部３８をバーリング加工等により形成し、この
ボス部３８をブツシユ１２の端面に対向したもの
で、ピン２２のかしめ時にピンリンクプレート２
１の合成樹脂プレート２４がつぶれなくなる。

〔考案の効果〕 上述したように、本考案によれば、チエーンコ
ンベヤの搬送チエーンに用いた場合、搬送物を合
成樹脂プレートの縁部で支持することになり、チ
エーンを停止させずにチエーン上の搬送物だけを
停止させるアキユームを行なつても、搬送物との
摩擦抵抗が小さく、搬送物が損傷せず、騒音も小
さい。そして、回動自在なローラがガイドレール
やスプロケツトホイールに係合するので、耐久性
は、従来のローラチエーンと同様で、その上、ピ
ンリンクプレートの合成樹脂プレートが金属製の
ローラリンクプレートに対向しているので、摩耗
や騒音は、従来の金属と金属の摺動よりも低減さ
れる。また、ピンはピンリンクプレートの金属プ
レートにかしめられ、連結部分が、ローラリンク
プレート、ブツシユ、ピン、金属プレート、ピ
ン、ブツシユ、ローラリンクプレートというよう
に、全て金属間で行なわれるので、従来の全てが
金属製のローラチエーンと同様な高負荷条件に耐
えることができる。さらに、ローラコンベヤのロ
ーラを駆動するローラ駆動チエーンに用いること
もできる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図はチエーン
の一部を断面にした平面図、第２図はその側面
図、第３図はその使用状態を示すチエーンコンベ
ヤの縦断面図、第４図は変形例を示すチエーンの
一部の側面図、第５図はその使用状態を示すロー
ラコンベヤの縦断面図、第６図及び第７図もそれ
ぞれ変形例を示すチエーンの断面図である。 １……ローラリンク、１１……ローラリンクプ
レート、１２……ブツシユ、１３……ローラ、２
……ピンリンク、２１……ピンリンクプレート、
２２……ピン、２４……合成樹脂プレート、２５
……金属プレート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 両側のローラリンクプレートの両端部間に筒状
   のブツシユを設けこの各ブツシユの外周にローラ
   を回動自在に設けて成るローラリンクと、 両側のピンリンクプレート間にピンを設けて成
   るピンリンクとを備え、 上記ローラリンクのブツシユ内に上記ピンリン
   クのピンを挿通してローラリンクとピンリンクを
   交互に連結したチエーンにおいて、 上記ローラリンクのローラリンクプレートの外
   側に位置した上記ピンリンクのピンリンクプレー
   トを、合成樹脂プレートの外側面に金属プレート
   を埋設して形成し、上記ローラリンクのローラリ
   ンクプレート及びブツシユと、上記ピンリンクの
   ピンを、金属で形成したことを特徴とするチエー
   ン。