JPH0568768A - 連続洗濯機および連続洗濯方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯物を複数の洗濯籠に順次移送しながら連
続的に洗濯する装置および方法に関するものであり、特
に複数種類の洗濯物を洗濯するときの洗濯条件の変更を
幅広くかつ速やかに行うことができる連続洗濯機および
当該連続洗濯機における洗濯条件の変更方法に関するも
のである。 【構成】 洗剤洗い用の外胴の最終段のもの２ｄに洗剤
タンク１２を連結した連続洗濯機において、洗剤タンク
１２を２以上の室１２ｄ、１２ｃに分割可能とし、新た
な室１２ｃを洗剤洗い用の外胴の上流側の外胴２ｃに開
口し、最上段のすすぎ用の外胴２ｅと最終段の洗剤洗い
用の外胴２ｄとを開閉弁２１を介して連通し、最上段の
すすぎ用の外胴２ｅの排水口に開閉弁１９を設けると共
に最終段の洗剤洗い用の外胴２ｄに開閉弁２０を有する
新たな排水口２２を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、洗濯物を複数の洗濯
籠に順次移送しながら連続的に洗濯する装置および方法
に関するものであり、特に複数種類の洗濯物を洗濯する
ときの洗濯条件の変更を幅広くかつ速やかに行うことが
できる連続洗濯機および当該連続洗濯機における洗濯条
件の変更方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】連続洗濯機は、多段に配置された外胴と
各外胴内で回動する洗濯籠を備えており、水洗い用、洗
剤洗い用およびすすぎ洗い用の外胴が順次配置され、洗
剤洗い用の外胴に洗剤供給装置の洗剤投入口が設けら
れ、装置の一端から第１段目の洗濯籠に投入された洗濯
物を順次隣接する洗濯籠に移送しながら洗濯動作を行
い、最終段の洗濯籠から洗浄された洗濯物を排出する構
造である。

【０００３】図４は従来のこの種の連続洗濯機の洗浄水
の流れを示したものである。洗濯物を投入するホッパ２
３に隣接する第１段に水洗い用の外胴２ａが配置され、
中間に洗剤洗い用の外胴２ｂ〜２ｄが配置され、終段に
すすぎ洗い用の外胴２ｅ、２ｆが配置されいる。

【０００４】従来の装置では、各外胴２ａ〜２ｆの役割
は定まっており、洗剤洗い用に定められた第２〜４段目
の外胴２ｂ〜２ｄは連通管１６、１７で連通されてお
り、すすぎ洗い用に定められた第５段目と第６段目の外
胴２ｅと２ｆは連通管１８で連通されている。洗剤タン
ク１２とバルブ１３からなる洗剤供給装置１１は、第４
段目の外胴２ｄに設けた洗剤投入口１４に連結されてい
る。

【０００５】洗剤Ｗは、洗剤投入装置１１から常時一定
量ずつ第４段目の外胴２ｄに供給され、外胴２ｄ内で洗
浄水に溶解したあと、連通管１６、１７を通って上流側
の外胴２ｃ，２ｂへも供給される。すすぎ用の外胴２ｆ
に供給された清浄水Ｂは、連通管１８を通って上流側の
外胴２ｅに返送され、一定時間滞留したあと、外胴２ｅ
の排水口から排出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】洗濯物は、その素材や
汚れの付き具合により、洗濯条件を変化させる必要があ
るが、従来の連続洗濯機は、その構造上、各段の役割が
水洗い用、洗剤洗い用およびすすぎ洗い用として定めら
れてしまうので、洗濯条件の大幅な変更が困難であると
いう欠点があった。

【０００７】また従来の連続洗濯機で洗濯条件を切り換
えるときには、洗濯条件に合わせて洗剤の種類を変更す
ると共にバルブ１３の開度を調整して洗剤の投入量を変
更しているが、洗浄水に洗剤が溶解して外胴２ｄ内の洗
浄水が新たな洗濯物の洗濯条件に合った状態になるまで
に一定の時間がかかり、洗濯物を切り換えたときの洗濯
条件の変更が速やかに行えない問題があった。

【０００８】本発明は、洗濯物の種類に応じて洗濯条件
をより幅広く変更できるようにすると共に、洗濯条件の
変更をより速やかに行うことができる連続洗濯機を提供
することにより、複数種類の洗濯物をより効率よく洗濯
できるようにすることを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の連続洗濯機は、
多段に配置された外胴２ａ〜２ｆと各外胴内で回動する
洗濯籠４ａ〜４ｆを備え、洗剤洗い用の外胴の最終段の
もの２ｄに洗剤タンク１２にバルブ１３を介して連通さ
れた洗剤投入口１４を開口した連続洗濯機に関するもの
である。

【００１０】本発明の装置の特徴部分は、連続洗濯機の
洗剤タンク１２を２以上の室１２ｄ、１２ｃに分割可能
とし、分割によって形成された新たな室１２ｃにバルブ
１３ｃを介して連通される第２の洗剤剤投入口１３ｃを
前記外胴２ｄより上流側の外胴２ｃに開口し、最上段の
すすぎ用の外胴２ｅと最終段の洗剤洗い用の外胴２ｄと
を開閉弁２１を介して連通し、最上段のすすぎ用の外胴
２ｅの排水口に開閉弁１９を設けると共に最終段の洗剤
洗い用の外胴２ｄに開閉弁２０を有する新たな排水口２
２を設けたことである。

【００１１】上記構造の連続洗濯機の洗濯条件を変更す
る際には、分割された洗剤タンクの室１２ｄと１２ｃに
変更前と変更後の洗濯条件に合わせて洗剤と水とを所定
の割合で混合した異なる洗浄水を予め収容しておき、洗
濯物の変更に合わせて室１２ｄの通路を開閉するバルブ
１３ｄと室１２ｃの通路を開閉するバルブ１３ｃとを開
閉する。洗剤タンクの室１２ｄおよび１２ｃに加熱装置
や攪拌機を設けておけば、収容する洗浄水の調整を速や
かに行うことが可能になる。

【００１２】

【作用】上記構成の連続洗濯機は、従来の洗濯形式を含
めて４つの洗濯形式が可能である。即ち、洗剤タンク１
２を分割しないで、即ち一種の洗剤組成で、バルブ１３
ｄ及び開閉弁１９を開きかつバルブ１３ｃ及び開閉弁２
０、２１を閉じたもの（第１の形式）、バルブ１３ｄ及
び開閉弁１９を閉じかつバルブ１３ｃ及び開閉弁２０、
２１を開いたもの（第２の形式）、更に洗剤タンク１２
を２分割して各室１２ｄ、１２ｃに異なる洗剤を収容し
て、バルブ１３ｄ、１３ｃ及び開閉弁１９、２０を開き
かつ開閉弁２１を閉じたもの（第３の形式）、バルブ１
３ｄ及び開閉弁１９を閉じかつバルブ１３ｃ及び開閉弁
２０、２１を開いたもの（第４の形式）の４つの形式で
ある。

【００１３】第１の形式は従来装置と同様である。第２
の形式及び第４の形式はすすぎ用の外胴が一つ増加する
ものであり、外胴の機能を変更してすすぎと洗いの比率
を変更させることができ、前者と後者は洗浄水中の洗剤
の種類が異なり、異なった洗濯物の洗濯に適している。
第３の形式は洗い用の外胴２ｄ、２ｃの各々が異なった
組成の洗浄水を持つ特殊なものとなる。

【００１４】以上の洗濯条件を洗濯物に合わせて変更す
る際には、洗濯物に最も適した組成に洗剤と水とを調合
した洗浄水を洗剤タンク１２の室１２ｃ、１２ｄに収容
しておけば、より速やかな洗濯条件の変更が可能にな
る。

【００１５】

【実施例】図１ないし図３は本発明の一実施例を示した
ものである。本発明の連続洗濯機１は、図２に示すよう
に、６個の外胴２ａ〜２ｆを備えており、各外胴２ａ〜
２ｆは、形鋼で構成されたフレーム３に搭載されてい
る。

【００１６】外胴２ａ〜２ｆ内にはそれぞれ円筒形の洗
濯籠４ａ〜４ｆが内装されている。各洗濯籠４ａ〜４ｆ
は、隣接する洗濯籠と一体的に連結され、フレーム３の
両端上方に設けた電動機５からチェーン６を介して駆動
されて往復回動する。洗濯籠４ａ〜４ｆの外周壁には図
示しない多数の透孔が穿設されており、下部が外胴２ａ
〜２ｆ内の洗浄水７ａ〜７ｆに浸漬して回動することに
より、内部に投入された洗濯物８を洗浄する。

【００１７】洗濯籠４ａ〜４ｆには、図３に示すよう
に、外周一端から中心に向かうスパイラルガイド９ａ〜
９ｆが設けられており、所定時間間隔で洗濯籠４ａ〜４
ｆを１回転させることにより、スパイラルガイド９ａ〜
９ｆが洗濯籠４ａ〜４ｆ内の洗濯物８をすくい上げて隣
接する洗濯籠４ｂ〜４ｆおよび排出口２４に移送する。

【００１８】第１図に示すように、第３、４段目の外胴
２ｃ、２ｄの上方には洗剤供給装置１１の洗剤タンク１
２が設置されており、この洗剤タンク１２は仕切板１０
で２つの室１２ｃ、１２ｄに分割形成されている。各室
にはバルブ１３ｃ、１３ｄを介して洗剤投入口１４ｃ、
１４ｄが連結されている。洗剤投入口１４ｃ、１４ｄは
第３段目の外胴２ｃと第４段目の外胴２ｄとにそれぞれ
開口している。

【００１９】第２〜第４段目の外胴２ｂ〜２ｄは、連通
管１６、１７で連通されており、第４段目の外胴２ｄに
は開閉弁２０を有する排水口２２が設けられている。第
４段目と第５段目の外胴２ｅ、２ｆは開閉弁１８を介し
て連通されており、５段目の外胴の排水口に開閉弁１９
が設けられている。

【００２０】本発明の連続洗濯機でシーツ等の汚れが落
ちやすい洗濯物８を洗濯するときは、バルブ１３ｃおよ
び開閉弁２０、２１を開きかつバルブ１３ｄおよび開閉
弁１９を閉じた状態で、ホッパ２３から第１番目の洗濯
籠４ａに洗濯物８を投入し、電動機５を起動して洗濯籠
４ａ〜４ｆを往復回動して洗濯物８を洗浄する。洗濯籠
４ａ〜４ｆが所定時間回動したあと洗濯籠４ａ〜４ｆが
一回転させられ、洗濯籠４ａ〜４ｆの内部に設けられた
スパイラルガイド９ａ〜９ｆにより、各洗濯籠内の洗濯
物８が隣接する洗濯籠４ｂ〜４ｆに移送され、第６番目
の洗濯籠４ｆから洗浄された洗濯物８が吐出口２４を経
て排出されて洗濯動作が完了する。この際、第２番目と
第３番目の外胴２ｂ、２ｃで洗剤洗いが行われ、第４番
目から第６番目の外胴２ｄ〜２ｆですすぎ洗いが行われ
る。

【００２１】引き続いて枕カバー等の汚れが落ち難い洗
濯物８を洗濯するときは、洗剤タンク１２ｄに洗浄力の
強い特殊な洗剤を収容し、ホッパ２３から投入された洗
濯物が例えば第３番目の外胴２ｃに移送された時にバル
ブ１３ｃ、開閉弁２０、２１を閉じ、バルブ１３ｄ及び
開閉弁１９を開く。これによりすすぎ洗い用として用い
ていた第４段目の外胴４ｄが洗剤洗い用の外胴に変更さ
れ、洗濯物が外胴２ｄに移送されるまでに洗浄水を洗濯
物の洗濯条件に合った状態に変更することができ、しか
も洗剤洗い用の外胴２ｄが増加して洗濯動作が強化され
る。

【００２２】このとき洗剤タンク１２ｄに洗剤と水とを
予め枕カバーの洗濯に適した割合で混合した洗浄水を収
納しておけば、外胴２ｄ内で洗剤が水に溶解するのに要
する時間が不要になるので、上記手順による洗濯条件の
変更がより短時間で可能になる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、本発明の連続洗濯機は、
洗濯物の種類に応じて洗濯条件を変化させることがで
き、従来装置に比べて洗濯条件の変更幅を広くでき、か
つ洗濯条件の変更がより速やかにできる。したがって、
各種の洗濯物をより経済的かつ迅速に洗濯することか可
能になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の連続洗濯機の洗浄水の流れを示す模式
図

【図２】本発明の連続洗濯機の内部構造を示す正面図

【図３】図２のＡ部断面図

【図４】従来の連続洗濯機の洗浄水の流れを示す模式図

【符号の説明】 2a〜2f 外胴 4a〜4f 洗濯籠 12c,12d 洗剤タンクの室 13c,13d バルブ 14c,14d 洗剤投入口 19〜21 開閉弁 22 排水口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多段に配置された外胴(2a)〜(2f)と各外
   胴内で回動する洗濯籠(4a)〜(4f)とを備え、すすぎ用の
   外胴(2e)に隣接する洗剤洗い用の外胴(2d)に洗剤タンク
   (12)にバルブ(13)を介して連通された洗剤投入口(14)を
   開口した連続洗濯機において、前記洗剤タンク(12)を２
   以上の室(12d),(12c) に分割形成し、分割によって新た
   に形成される室(12c) にバルブ(13c) を介して連通され
   る第２の洗剤投入口(14c) を設け、該洗剤投入口(14c)
   を前記外胴(2d)より上流側の外胴(2c)に開口し、すすぎ
   用の外胴(2e)とこれに隣接する洗剤洗い用の外胴(2d)と
   を開閉弁(21)を介して連通し、すすぎ用の外胴(2e)の排
   水口に開閉弁(19)を設けると共に洗い用の外胴(2d)に開
   閉弁(20)を有する排水口(22)を設けた、連続洗濯機。
2. 【請求項２】 請求項１記載の連続洗濯機を用い、分割
   された洗剤タンクの室(12d),(12c) に洗剤と水とを所定
   の割合で混合した洗浄水を収納し、室(12d)の通路を開
   閉するバルブ(13d) と室(12c) の通路を開閉するバルブ
   (13c) とを交互に開閉することにより洗濯条件の変更を
   行うことを特徴とする、連続洗濯方法。