JPH0568636A - 蒸気加熱装置 - Google Patents

蒸気加熱装置

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JPH0568636A
JPH0568636A JP22925291A JP22925291A JPH0568636A JP H0568636 A JPH0568636 A JP H0568636A JP 22925291 A JP22925291 A JP 22925291A JP 22925291 A JP22925291 A JP 22925291A JP H0568636 A JPH0568636 A JP H0568636A
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JP
Japan
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steam
heating
heating block
heating device
water
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JP22925291A
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English (en)
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Shoji Inukai
章二 犬飼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸気の潜熱を最大限利用して熱伝達効率を高
め、装置のサイズなどを犠牲とすることなく、蒸気加熱
装置の加熱能力の向上を実現すること。 【構成】 蒸気加熱装置1は、蒸気通過孔23を備える
加熱ブロック2を有し、その上下面側には蒸気発生室3
および加熱処理室5を有する。この蒸気発生室3に連通
するノズル体41からは、水が間欠的に加熱ブロック2
の一方面21に向けて噴霧され、発生した蒸気は、蒸気
通過孔23から加熱処理室5に噴出される。しかも、蒸
気は蒸気通過孔23の内部で加熱され、乾き度が高い湿
り蒸気または過熱蒸気となって、その潜熱を最大限利用
可能な状態で、冷凍食品などを加熱する。この蒸気は蒸
気反射面51によって跳ね返り、再利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品などを加熱するため
の蒸気加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍食品などを短時間で加熱して解凍す
るための装置としては、電子レンジが最も一般的に使用
されている。この電子レンジによる解凍においては、食
品から水分が過剰に除去され、その食味が低下するなど
の問題を有しているため、蒸気を利用した加熱装置の開
発が活発に行われている。この蒸気加熱装置において
は、加熱板に対し水を滴下することなどによって蒸気を
発生させ、この蒸気に冷凍食品を晒すことによって、そ
れを解凍するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
蒸気加熱装置においては、蒸気の自然対流を利用して、
これに冷凍食品を晒すため、蒸気が冷凍食品を加熱する
前に、周囲に対して熱が放出されてしまう。しかも、加
熱板から蒸発した蒸気は、すぐに水分に凝縮して食品を
加熱する前に潜熱を放出してしまい、冷凍食品の加熱に
潜熱を利用できないものである。このため、食品に対す
る加熱速度が低いという問題がある。そこで、滴下する
水の量を増やして、冷凍食品に伝達する熱量を増大さ
せ、加熱速度を高めるなどの方法が利用されるが、加熱
板のヒーター容量も高める必要があるのに加えて、食品
に付着する水の量が高くなって食味が低下するなどの問
題がある。
【0004】かかる問題点を解消するために、本願発明
者は、蒸気加熱装置における食品に対する熱伝達効率を
高めることによって、加熱速度を高めることを提案す
る。すなわち、蒸気を、自然対流ではなく、食品側に向
けて強制的に噴出すると共に、その過程で蒸気を再加熱
することにより、乾き度が高い湿り蒸気、さらには、過
熱蒸気の状態で食品に吹きつけることにより、蒸気が水
分になるときの潜熱を最大限利用可能な蒸気加熱装置と
することである。すなわち、蒸気を、水分に凝縮しない
状態で加熱に用いることによって、蒸気が水分になると
きに放出する潜熱を加熱処理に利用する。しかしなが
ら、この提案を実現するために、食品に向けて蒸気を噴
出するための機構および再加熱手段などを装置に追加す
ることは、装置のコストが高くなると共に、そのサイズ
が大きくなるなどの実用面での問題を招来し、本提案を
具現化できるに至っていないのが現状である。
【0005】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
装置のコストやサイズを犠牲とすることなく、上記提案
を実現するものであり、蒸気の潜熱を最大限利用して、
被加熱部材への熱伝達効率を高めて、被加熱部材への加
熱能力を向上可能な蒸気加熱装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る蒸気加熱装置において講じた手段を図
1を参照して、説明する。この図において、蒸気加熱装
置1は、一方面21の側から他方面22の側に向けて貫
通する蒸気通過孔23などの蒸気通過部を備える加熱ブ
ロック2と、この加熱ブロック2の一方面21の側に密
閉状態に形成された蒸気発生室3と、この蒸気発生室3
に連通して加熱ブロック2の一方面21に向けて水を噴
出するノズル体41と、このノズル体41に対して水を
圧送する圧送手段4とを有する。ここで、加熱ブロック
2の他方面22の側が、加熱処理室5などの加熱処理部
とされるが、加熱処理部としては、加熱処理室5のよう
に略閉鎖空間として形成されているものの他に、開放状
態のものなどを利用でき、加熱処理部は、加熱ブロック
2に対して相対移動するものであってもよい。なお、本
発明における蒸気発生室3の密閉状態とは、蒸気発生室
3が蒸気通過孔23およびノズル体41には導通してい
るものであり、完全密閉状態を意味するものではない。
【0007】ここで、蒸気発生室3において発生する蒸
気による内圧上昇を急速に高めて、蒸気通過孔23から
の噴出速度を高く確保することによって、被加熱部材へ
の熱伝達効率をより高めるために、圧送手段4は、ノズ
ル体41に対する水の圧送を間欠動作とする圧送制御機
構を備えていることが好ましく、また、ノズル体41
は、略円形のノズルパターンをもって加熱ブロック2の
一方面21に向けて水を噴霧するフルコーン型のノズル
体であることが効果的である。
【0008】さらに、加熱ブロック2の一方面21に供
給された水が、その広い領域から熱が受けて、瞬間的に
蒸気となるように、加熱ブロック2の一方面21は、ノ
ズル体41のノズルパターンの中心側から外周側に向け
てテーパが形成されていることが好ましく、また、この
一方面21は、荒仕上げ程度の粗面状態にあることが効
果的である。
【0009】そして、蒸気通過孔23の内部を蒸気が通
過する時に、加熱ブロック2の一方面21に付着した水
が蒸気通過孔23の内部に巻き込まれて、蒸気通過孔2
3の内部に水のスケールなどが付着すること防止するこ
とにより、装置のメンテナンスを容易とするために、加
熱ブロック2の一方面21の側には、蒸気通過孔23の
開口部周囲に突条部を備えることが好ましい。
【0010】また、蒸気通過孔23を通過してきた蒸気
を跳ね返らせて、被加熱部材の加熱に再利用できるよう
にするために、加熱ブロック2の他方面22に対向する
蒸気反射面51を備えることが好ましい。
【0011】また、加熱処理室5で凝縮した水分が加熱
ブロック2の一方面21に付着して、蒸気の噴出を妨げ
ることなどを防止するために、加熱ブロック2は、その
一方面21を上方に向けて配置されることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明に係る蒸気加熱装置における作用を、図
1を参照して、説明する。この図において、フルコーン
型のノズル体41などから噴出された水は、加熱ブロッ
ク2の一方面21において加熱されて、蒸気となる。か
かる蒸気が発生する蒸気発生室3は密閉状態であるた
め、その内部圧力が上昇し、加熱ブロック2の蒸気通過
孔23の内部を通過して、加熱処理室5などの加熱処理
部に向けて噴出される。ここで、蒸気通過孔23は加熱
ブロック2に形成されているため、これらの蒸気通過孔
23の内部を通過する蒸気は、加熱ブロック2からの熱
によって再加熱され、乾き度が高い湿り蒸気、さらに
は、過熱蒸気となる。すなわち、すでに水分となってい
ない蒸気を多く含む状態、または、水分を含まない状態
となる。
【0013】ここで、水分となった状態の100℃の水
が1℃温度低下する過程で放出する熱量は、1g当たり
1cal(顕熱)であるが、100℃の蒸気が100℃
の水分になるときの熱量は、体積変化を無視するとし
て、1g当たり約539cal(潜熱)であり、極めて
大きい。従って、本発明においては、かかる潜熱を放出
可能な状態の蒸気を多く含む状態で、蒸気を被加熱部材
に供給するため、被加熱部材は、その顕熱は勿論のこ
と、蒸気が水分になるときに放出する潜熱をも最大限受
けて加熱される。従って、顕熱を利用して加熱する装置
に比較して、被加熱部材に対する熱伝達効率が高く、加
熱速度が高い。また、高温度での加熱処理が可能であ
る。しかも、被加熱部材に向けて蒸気を噴出するための
機構や、再加熱手段などを装置に追加しないので、蒸気
加熱装置のコストやサイズなどが犠牲になることもな
い。
【0014】また、被加熱部材への熱伝達量を高めるた
めに、蒸気の発生量を高める方法を採用すると、被加熱
部材が食品などの場合には、食品が過剰に水を吸収しす
ぎて、食味が低下などの問題を招く。これに対し、圧送
手段4からの水の供給を間欠的に行うようにした場合に
は、蒸気発生室3の内部圧力が急速に高まり、食品など
の被加熱部材に向かう蒸気の供給速度が瞬間的に高ま
り、食品を少ない水量で急加熱することができ、その食
味などを低下させることがない。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例に係る蒸気加熱装置に
ついて、添付図面を参照して、説明する。
【0016】図1は本例の蒸気加熱装置の一部を切り欠
いて示す要部の側面断面図、図2はそのスタンド台の内
部に設けられた制御部などの構成を示す蒸気加熱装置の
側面図、図3はその正面図、図4はその背面図である。
【0017】これらの図において、蒸気加熱装置1は、
下面に位置決め部11aを備えるベース台11、制御部
などが収納されたスタンド台12、および上面カバー1
3を有し、この上面カバー13の下方において、冷凍食
品の解凍などが行われる。
【0018】スタンド台12の側面12aは、断熱効果
を高めるために2重構造とされており、この側面12a
に、内径が約120mmの凹部を備えるアルミニウム合
金製などの加熱ブロック2が、ガラスクロスなどの無機
質系断熱材2bを介して水平方向に取付けされている。
この加熱ブロック2の内部には、定格が200v、70
0wなどの4本のカートリッジヒーター2aが収納され
ている。また、加熱ブロック2には、上面たる一方面2
1の側から下面たる他方面22の側に向けて、約1.5
φの開口部を備える複数の蒸気通過孔23が貫通してい
る。この加熱ブロック2の上方には、蓋材31がパッキ
ン32を介して取付けされ、加熱ブロック2の凹部、す
なわち、その一方面21の側が密閉状態の蒸気発生室3
になっている。また、蓋材31は、ロックピン31bな
どによって着脱自在になっており、蒸気発生室3の内部
を容易に清浄化可能になっている。この蓋材31の上部
31aには、加熱ブロック2の一方面21に向けて水を
噴霧するノズル体41が、蒸気発生室3の内部に連通す
る状態で固定されている。ここで、ノズル体41は、加
熱ブロックの一方面21に向けて円形のノズルパターン
で水の飛沫を噴霧するフルコーン型のものであり、その
噴角は約50〜60°である。このノズル体41に水を
圧送するための圧送手段4は、スタンド台12の側に設
けられており、水道管からストレーナーおよび減圧弁を
介して供給された水が蒸気加熱装置1の内部に導入され
るためのカプラー42,このカプラー42からノズル体
41に向かう配管43,および配管43の途中位置に介
挿され、ノズル体41への水の供給を間欠的に行うソレ
ノイドバルブ44aなどから構成された圧送制御機構4
4とを有する。この圧送制御機構44は、たとえば、ノ
ズル体41が1秒間に約10ccの水を約10秒間隔で
噴霧するように設定可能なものである。
【0019】一方、加熱ブロック2の下面たる他方面2
2の側には、加熱処理部としての加熱処理室5を有す
る。ここで、加熱処理室5は、上面が開放されたステン
レス製の深さが約165mm、約160mm角の角形容
器5aの内部として形成されており、この角形容器5a
の側面には、必要に応じて把手5bが取付け可能になっ
ている。なお、加熱処理室5の形状は、その深さ寸法を
より長いものにして、室内の蒸気保有容量を高めること
により、蒸気噴出の休止期間においても加熱可能な状態
として、より効果的な加熱を行なえるようにしてもよ
い。また、角形容器5aの底面は、加熱ブロック2の他
方面22に対向する蒸気反射面51になっており、蒸気
反射面51には、蒸気などが抜け出すと共に、加熱処理
室5の内部に凝縮した水を外部に排出するためのドレイ
ン孔52が形成されている。それ故、加熱処理室5にお
いて、蒸気と空気とが混合することなく、空気が方向性
をもって吹き出されて、空気が蒸気に容易に置換される
ようにもなっている。このドレイン孔52からの水は、
下方位置でベース台11の上に着脱可能に取付られたド
レイン受け14に排出されるようになっている。ここ
で、ドレイン受け14は、深さが約50mm程度のもの
で、着脱可能になっており、回収した水を廃棄可能にな
っている。また、角形容器5aは、開放端側にフランジ
部5cを備えており、このフランジ部5cと、加熱ブロ
ック2に設けられたレール状の案内部25とによって、
角形容器5aすなわち加熱処理室5は、蒸気加熱装置1
から引出し自在および着脱自在になっている。さらに、
加熱処理室5の内部には、その中間位置に、ステンレス
製のメッシュからなる食品載置部としてのバスケット5
4が配置されており、このバスケット54に解凍すべき
冷凍食品が載置される。ここで、バスケット54に代え
て、図1に破線で示すような波板54aで、多数の孔が
形成されて蒸気が通過可能なものを食品載置部として利
用することもできる。
【0020】また、スタンド台12は、その外面側に、
加熱ブロック2への電力供給を設定温度まで高める状
態、設定温度より低い待機温度とする状態、停止状態に
切換可能なレバースイッチ15aを有し、さらに、水の
間欠的供給ショット数を設定するための時間設定タイマ
ー15b,この加熱処理動作の開始を指示するスタート
スイッチ15c,設定時間の終了などを知らせるブザー
15d,放熱板15e,加熱ブロック2への断続的な電
力供給状態を表示する加熱ランプ15kなどを備えてお
り、加熱処理の終了は、ブザー15dによって利用者に
知らせるようになっている。なお、設定時間や経過時間
を表示するために、複数のLEDなどを配列した表示部
などを設けてもよい。また、スタンド台12は、その内
部に、予め設定されたノズル体41への水の供給および
休止の間欠圧送動作条件に基づいて、ソレノイドバルブ
44aを制御するパルス設定ツインタイマー15f,加
熱ブロック2の内部に設けられた熱電対15gによる温
度の計測結果に基づいて、カートリッジヒーター2aへ
の給電条件をレバースイッチ15aの設定状態に基づい
て制御する電子温度コントローラ15h,この電子温度
コントローラ15hの制御によりカートリッジヒーター
2aへの電力の給断するソリッドステートリレー15i
および補助リレー15jなども備え、加熱ブロック2に
対する制御なども自動的に行われるようになっている。
さらに、各部分に対しては、ヒューズ16a,16b,
16cが取付けられている。
【0021】なお、本例においては、加熱ブロック2と
して、その一方面21に、ノズル体41からの水の噴霧
領域(ノズルパターン)の中心21aから外周側21b
に向けて約3°のテーパ21cが形成されて、その外周
側21bでの深さが約20mmのものが用いられてお
り、その表面は荒仕上げ程度の粗面状態のままである。
【0022】従って、加熱ブロック2の一方面21に噴
霧された水は、そのテーパ21cに沿って外周側に広が
りながら各部位で加熱される。しかも、その表面は粗面
状態であるため、熱伝達可能な実効表面積が広い。それ
故、加熱効率が高いので、飛沫状に噴霧された水は瞬間
的に蒸発する。また、蒸気通過孔23は、その平面を図
5に示すとおり、加熱処理室5に対応するように、加熱
ブロック2の中心21aの周囲に2重に形成されてお
り、内側には4ヶ所、外側には8ヶ所設けられている。
これらの蒸気通過孔23の形成位置を避けながらも、そ
の近接位置を通過するように、4本のカートリッジヒー
ター2aが加熱ブロック2の内部に収納されている。こ
のため、加熱ブロック2の一方面21が加熱されること
は勿論のこと、蒸気通過孔23の内部も加熱されるよう
になっている。これらの蒸気通過孔23は、その断面を
図6に示すとおり、加熱ブロック2の孔2cの内部に固
定されたアルミニウム製などのブシュ23a,23bよ
り構成され、このブシュ23aの一方端の鍔部23cは
加熱ブロック2の一方面21から突出して、蒸気通過孔
23の開口部周囲に突条部を構成している。このため、
蒸気通過孔23の内部に水が流れ込まないと共に、水が
巻き込まれることもない。それ故、蒸気通過孔23の内
部が、水中のスケールなどによって詰まることがないの
で、蒸気加熱装置1のメンテナンスも容易である。
【0023】かかる構成の蒸気加熱装置1の使用態様に
ついて、以下に説明する。
【0024】まず、蒸気加熱装置1から加熱処理室5を
引き出して、そのバスケット54に解凍すべき冷凍食品
を収納した後、再び、加熱処理室5を戻す。この状態で
は、加熱ブロック2のカートリッジヒーター2aには、
電力を供給した状態にはあるが、ノズル体41から、水
は噴霧されない状態にある。ここで、加熱ブロック2の
温度は、約160〜220℃の温度を維持するように設
定されている。
【0025】次に、圧送手段4の圧送制御機構44を作
動させて、ノズル体41に対して水を圧送する。これに
より、ノズル体41は、1秒間に約10ccの水を、約
0.5kg/cm2 の圧力で約10秒間隔で飛沫状に噴
霧する。ここで、ノズル体41から噴霧された水は、加
熱ブロック2の一方面21において加熱されて、瞬間的
に蒸気となる。かかる蒸気が発生する蒸気発生室3は密
閉状態であるため、その内部圧力が上昇し、蒸気通過孔
23の内部を通過して、加熱処理室5に向けて噴出され
る。従って、この噴出力によって、蒸気は、冷凍食品な
どの被加熱部材に向けて推進されるため、周囲に熱を放
出するなどの加熱ロスが少ない。しかも、蒸気通過孔2
3は加熱ブロック2に形成されているため、これらの蒸
気通過孔23の内部を通過する蒸気は、加熱ブロック2
からの熱によって約100℃以上にまで再加熱され、乾
き度が高い湿り蒸気、さらには、加熱蒸気となる。従っ
て、これらの蒸気を受けて、冷凍食品などは、蒸気ある
いは水分の顕熱よって加熱されることは勿論のこと、食
品の表面などで蒸気が水分になるときに放出する潜熱を
も最大限受けて、急速に加熱される。特に、同量の水で
あっても、潜熱は、顕熱に比較して極めて大きな熱量を
放出可能であるため、冷凍食品は短時間で解凍される。
しかも、蒸気通過孔23から下方に向けて噴出された蒸
気は、加熱ブロック2の他方面22に対向する蒸気反射
面51によって、食品に向けて跳ね返って、再び、これ
を加熱する。かかる蒸気の再利用も行われるため、高温
度の蒸気が吹きつけられ、食品の加熱速度が高く、加熱
状態も均一である。また、冷凍食品は、少ない水の量で
急速加熱されるので、その食味が低下することもない。
【0026】そして、装置に対して、食品に向けて蒸気
を噴出するための機構および再加熱手段などを新たに追
加しないので、装置のコストやサイズなどが犠牲になる
こともない。
【0027】ここで、ノズル体4からの水の供給を定常
的なものとしても、冷凍食品の解凍は比較的短時間で可
能であるが、水を間欠的に切換した場合には、蒸気発生
室3の内部で急速に蒸気を発生させて、加熱処理室5に
向かう蒸気の勢いを高めることができ、解凍速度をより
高めることができる。しかも、水の加熱によって、温度
が低下した加熱ブロック2の一方面21などは、水の供
給の休止期間のうちに、高い温度に復帰するため、瞬間
的な蒸気の発生が可能になっている。このとき、蒸気通
過孔23の内部を通過する蒸気は、その通過速度が高く
なって再加熱時間が短くなるが、蒸気の速度が高い程、
蒸気通過孔23の内壁からの熱伝達係数が高まるので、
これらの蒸気通過孔23の内部を通過する蒸気は、充分
に加熱される。加えて、蒸気の瞬間的な圧力変化を利用
して、食品の表面膜などを薄くすることなどもでき、調
理用として具合がよい。
【0028】なお、ヒーター容量、蒸気通過孔の大きさ
および数、蒸気発生室および過熱処理部の形状、大きさ
などは、蒸気過熱装置の処理容量や用途などによって最
適なものに設計されるべき性質のものであり、限定のな
いものである。たとえば、蒸気加熱装置自身が、ユニッ
トとして複数連結されて連続式の蒸気加熱装置になって
いるものでもよい。この場合には、被加熱部材の搬送を
容易とするために、加熱処理部は周囲が区画されている
ものに代えて、たとえば、蒸気が案内される案内板など
によって、両側のみが仕切られているものであってもよ
い。また、蒸気加熱装置のうち、加熱ブロックおよび蒸
気発生室のみが一体化されたものであって、これらが移
動する連続加熱装置であってもよい。この場合には、配
列された状態の被加熱部材に対し、加熱ブロックおよび
蒸気発生室が、加熱ブロックの他方面側を被加熱部材に
向けて移動する。すなわち、加熱処理部と加熱ブロック
とが相対的に移動するものとなる。
【0029】さらに、上記実施例においては、蒸気過熱
装置を冷凍食品の解凍に用いた例で説明したが、その用
途に限定のないものであり、蒸し器など各種の用途に利
用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る蒸気加熱装
置においては、一方面側から他方面側に向けて貫通する
蒸気通過部が形成された加熱ブロックと、この加熱ブロ
ックの一方面側の蒸気発生室と、蒸気発生室に連通して
水を噴射するノズル体および圧送手段とを有するため、
以下の効果を奏する。
【0031】 供給された水を、加熱ブロックからの
熱によって蒸気とし、この蒸気を、蒸気発生室の内部圧
力の上昇を利用して、蒸気通過部を介して噴射する。従
って、蒸気は、周囲に熱を大きく奪われることなく、高
温のまま被加熱部材に到達するため、加熱効率が高い。
【0032】 蒸気通過部の内部を通過する蒸気は、
そこで再加熱され、乾き度が高い湿り蒸気、さらには、
過熱蒸気の状態となる。従って、これらの蒸気の顕熱に
加えて、蒸気が水分になるときに放出する潜熱をも充分
に利用して加熱できるので、熱伝達効率が高く、加熱速
度が高い。
【0033】 蒸気を噴出するための機構および再加
熱手段などを、別に設けないので、装置のコストやサイ
ズなどが犠牲になることもない。
【0034】 圧送手段が水の噴射を間欠的に行わせ
る圧送制御機構を備えている場合、また、ノズル体が水
を噴霧するフルコーン型のものの場合には、蒸気発生室
での蒸発が急速に発生するため、蒸気の噴出速度が高ま
り、加熱効率をさらに高めることができる。また、加熱
ブロックの一方面21に、ノズルパターンの中心側から
外周側に向けてテーパが形成されているもの、その表面
が粗面化されているものを用いた場合にも、供給された
水が、広い領域から熱が伝達されるため、水の噴射速度
が高まり、熱伝達効率がさらに高まる。
【0035】 蒸気通過部の開口部周囲に突条部を備
える場合には、蒸気通過部の内部に水が巻き込まれず、
蒸気通過部内部に水のスケールなどが付着しにくいの
で、装置のメンテナンスが容易である。
【0036】 加熱ブロックの他方面に対向する蒸気
反射面を備える場合には、蒸気の跳ね返りを利用して、
その熱を再利用できるので、高温加熱が可能であると共
に、均一な加熱状態となる。それ故、加熱能力をさらに
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る蒸気加熱装置の一部を切
り欠いて示す要部の断面図である。
【図2】図1に示す蒸気加熱装置のスタンド台の内部の
構成を示す蒸気加熱装置の側面図である。
【図3】図1に示す蒸気加熱装置の正面図である。
【図4】図1に示す蒸気加熱装置のスタンド台の内部の
構成を示す蒸気加熱装置の背面図である。
【図5】図1に示す蒸気加熱装置に用いた加熱ブロック
の平面図である。
【図6】図1に示す蒸気加熱装置に用いた加熱ブロック
の断面図である。
【符号の説明】
1・・・蒸気加熱装置 2・・・加熱ブロック 2a・・カートリッジヒーター 3・・・蒸気発生室 4・・・圧送手段 41・・・ノズル体 5・・・加熱処理室 21・・・一方面 22・・・他方面 23・・・蒸気通過孔 51・・・蒸気反射面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方面側から他方面側に向けて貫通する
    蒸気通過部を備える加熱ブロックと、この加熱ブロック
    の一方面側に密閉状態に形成された蒸気発生室と、この
    蒸気発生室に連通して前記加熱ブロックの一方面に向け
    て水を噴出するノズル体と、このノズル体に対して水を
    圧送する圧送手段と、を有することを特徴とする蒸気加
    熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧送手段は、前
    記ノズル体に対する水の圧送を間欠動作とする圧送制御
    機構を備えていることを特徴とする蒸気加熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    ノズル体は、略円形のノズルパターンをもって前記加熱
    ブロックの一方面に向けて水を噴霧するフルコーン型の
    ノズル体であることを特徴とする蒸気加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかの項
    において、前記加熱ブロックの一方面は、前記ノズル体
    のノズルパターンの略中心側から外周側に向けてテーパ
    が形成されていることを特徴とする蒸気加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかの項
    において、前記加熱ブロックの一方面は、粗面状態にあ
    ることを特徴とする蒸気加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかの項
    において、前記加熱ブロックの一方面には、前記蒸気通
    過部の開口部周囲に突条部を備えることを特徴とする蒸
    気加熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかの項
    において、前記加熱ブロックの他方面側には、この面か
    らの所定位置に、それに対向する状態に配置された蒸気
    反射面を備えることを特徴とする蒸気加熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかの項
    において、前記加熱ブロックの一方面は、上方に向けて
    配置されていることを特徴とする蒸気加熱装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009015531A1 (fr) * 2007-07-30 2009-02-05 Chia-Yi Hsu Cuiseur à vapeur multifonction et son mode de fonctionnement

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