JPH0568520A - 食品用保存剤 - Google Patents

食品用保存剤

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JPH0568520A
JPH0568520A JP26273691A JP26273691A JPH0568520A JP H0568520 A JPH0568520 A JP H0568520A JP 26273691 A JP26273691 A JP 26273691A JP 26273691 A JP26273691 A JP 26273691A JP H0568520 A JPH0568520 A JP H0568520A
Authority
JP
Japan
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polylysine
food
acid
preservative
amino acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP26273691A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Hiraki
純 平木
Emi Sugano
恵美 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP26273691A priority Critical patent/JPH0568520A/ja
Publication of JPH0568520A publication Critical patent/JPH0568520A/ja
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、種々の食品、特にタンパク
質含有率の高い食品に対し極めて優れた防腐効果を呈す
る食品保存剤を提供することにある。 【構成】 ポリリシン若しくはその塩およびグリシン、
アラニン、フェニルアラニン、メチオニン、アスパラギ
ン、トリプトファン、グルタミン、リシン、アルギニン
またはヒスチジンから選ばれる少なくとも1種の中性若
しくは塩基性アミノ酸若しくはその塩を有効成分とする
食品用保存剤。 【効果】 ポリリシンと所定のアミノ酸を夫々100p
pmおよび500ppm程度添加するだけで食品(豆
乳)の腐敗を大幅に遅延させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品に添加することに
より、食品に対し優れた防腐効果を発揮する食品保存剤
に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】食品の保存性を向上させる
目的のため、エチルアルコ−ル、無機酸、有機酸、低級
脂肪酸モノグリセライドなどの各種抗菌剤が単独もしく
は数種併用で用いられているが、これらの保存剤は比較
的蛋白質含量が低い食品には効果を示しても、豆乳、濃
縮乳、ココアエキスなど蛋白質含量の多い食品に対して
は、効果が低く、防腐効果が得られる濃度で添加を行う
と蛋白質の変性や凝固が起こり、多量に使用することが
できない。特公平2−40308号は、保存性の優れた
食品の製造法として、食品にプロタミン及び特定のアミ
ノ酸若しくはその塩を含有せしめる方法を開示してい
る。しかし、プロタミンは水への溶解性が低いため可溶
化された状態で用いる必要があり、食品への必要な添加
量も例えば0.1%以上のように防腐剤としては比較的
大量を必要とし、更に添加後の加熱を必要とし食品によ
っては、風味を損うおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような事からタン
パク質含量の高い食品に対し保存性が高く、しかも食品
の風味に影響を与えない食品の保存剤が求められてい
た。本発明者はタンパク質含量が高い食品の保存に関し
抗菌効果が高く食品の風味に対して影響の少ない食品保
存剤を開発する目的で鋭意研究を行なった結果、ポリリ
シンと特定のアミノ酸を食品中に含有させる事によりポ
リリシンの有する抗菌力を有効に発現し優れた保存剤が
得られる事を見出した。さらに、ポリリシンと特定のア
ミノ酸の組合せに係る食品用保存剤は食品に添加後に格
別の加熱を必要としないことを見出して本発明を完成し
た。以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、
食品へ極めて少量添加するのみで著しく防腐効果の高い
食品用保存剤と該保存剤を使用する保存性の向上した食
品の製造法を提供することである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、下記(1)
ないし(3)の構成を有する。 (1)ポリリシン若しくはその塩及びグリシン、アラニ
ン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、
アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、また
はヒスチジンから選ばれる少なくとも1種の中性若しく
は塩基性アミノ酸若しくはその塩を有効成分とする食品
用保存剤。 (2)ポリリシンがε−ポリリシンであることを特徴と
する前記1記載の食品用保存剤。 (3)ポリリシンの塩が塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸等であるこ
とを特徴とする前記1記載の食品用保存剤。
【0005】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明の食品保存剤は、食品の製造において、ポリ
リシン、およびグリシン、アラニン、フェニルアラニ
ン、メチオニン、トリプトファン、アスパラギン、グル
タミン、リシン、アルギニンまたはヒスチジンから選ば
れる少なくとも1種類の中性若しくは塩基性アミノ酸あ
るいはその塩を含有せしめることを特徴とする、保存性
の優れた食品保存剤である。
【0006】本発明に用いられる特に好ましいアミノ酸
としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、メ
チオニン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミ
ン、リシン、アルギニンがあげられる。
【0007】本発明に用いられるポリリシンは、例えば
特開昭59−20359に記載のε−ポリリシン生産菌
であるストレプトマイセス族に属するポリリシン生産菌
であるストレプトマイセス・アルブラス・サブスピ−シ
−ズ・リジノポリメラスを培地に培養し、得られた培養
物からε−ポリリシンを分離・採取することによって得
られる。
【0008】リシンは1分子中に2つのアミノ基を有す
るアミノ酸であり、これから得られるポリリシンは一般
にα位のアミノ基と、ε位のカルボキシル基とが結合し
たα−ポリリシンと、ε位のアミノ基とα位のカルボキ
シル基とが縮合したε−ポリリシンとの2種類が存在す
るが、本発明では上記の製造法により得られるε−ポリ
リシンを用いた方が安全性の面で望ましい。
【0009】本発明にあっては、ポリリシンは遊離の形
で用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸などの無
機酸もしくは酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ
酸、クエン酸などの有機酸の塩の形で用いることもでき
る。ポリリシンは遊離の形であれ、上述の無機酸もしく
は有機酸との塩の形であれ、食品保存剤としての効果は
本質的に差がない。
【0010】本発明の対象食品としては比較的低濃度に
蛋白質が存在する食品、例えば穀類、野菜果実類などを
主体原料とする食品のほか、蒲鉾、竹輪、はんぺん、魚
肉ハム、ソ−セ−ジなどの水産製品、ハム、ソ−セ−
ジ、ウインナ−ソ−セ−ジ、ベ−コン、ハンバ−グミン
チボ−ルなどの畜肉製品、豆腐、豆乳、濃縮乳などの比
較的蛋白質含量の高い食品が好ましいが、缶入りココア
などの飲料であってもよい。添加方法には特に制限はな
く、ポリリシン及びアミノ酸を一緒に添加してもよく、
別個に添加してもよい。ポリリシンとアミノ酸の混合物
を調製して添加してもよい。ポリリシン及び/又はアミ
ノ酸の水溶液を用いる場合は、水溶液を食品に噴霧して
もよく、また食品を水溶液に浸漬してもよい。
【0011】本発明に係るポリリシンの添加量は抗菌力
の発現性からみて、0.001〜1.0%、特に0.0
5〜0.5%が好ましい。相乗剤として使用するアミノ
酸の添加量は食品の味覚、風味などに影響を及ぼさない
範囲であれば良くポリリシン1重量部に対して0.00
1〜2000重量部、好ましくは0.005〜500重
量部である。なおこの処理前の食品がすでに著量のアミ
ノ酸を含有する場合はその分だけアミノ酸の添加を節約
することができる。
【0012】ポリリシンは0.005%以上の濃度で食
品中の一般細菌類の増殖を抑制することが知られている
が、蛋白質含量の高い食品中では抗菌効果が低下する場
合がある。又、アミノ酸は食品中に常在する成分であり
当然抗菌効果は有していない。しかしながら実施例で示
されるようにポリリシン及びアミノ酸を併用して使用す
る事により蛋白質含量の高い食品中で、それぞれ単独で
は得られなかった高い抗菌作用を得られる事ができ、こ
れはポリリシン及びアミノ酸の相乗効果によるものであ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の試験例及び実施例を用いその
詳細を説明する。なお、本実施例は本発明をなんら限定
するものではない。 実施例1 市販の調製豆乳(pH7.0)40〜50mlをガラス
瓶に分注しオ−トクレ−ブ滅菌を行った。無菌濾過した
ポリリシン及びアミノ酸水溶液を所定濃度になる様に滅
菌豆乳に添加混合し全量を50mlとした。次いでバチ
ルス・サブチルスの菌懸濁液を豆乳中約50個/mlと
なるように接種し、35℃で保存し経時的に菌数測定を
行なった。アミノ酸として、グリシン(Gly)、アラニ
ン(Ala)、フェニルアラニン(Phe)、アスパラギン
(Asn)、グルタミン(Gln)、アルギニン(Arg)、
メチオニン(Met)、リシン塩酸塩(Lys)、トリプト
ファン(Trp)、ヒスチジン(His)を用いた。
【0014】表1及び表2の結果から明らかなように、
滅菌豆乳にポリリシンのみを100ppm、あるいはア
ミノ酸のみを500ppm添加するだけでは菌の増殖を
十分に抑制する作用は認められなかったが、豆乳にポリ
リシンを100ppm、アミノ酸を500ppm添加し
たものはその相乗効果で顕著な増殖抑制効果が認められ
た。
【0015】実施例2 ココアエキスを6倍希釈したものに無菌濾過したポリリ
シンおよびアミノ酸を添加し全量を50mlとしたもの
を35℃で保存し経時的に生菌数を測定した。
【0016】表3から明らかなようにポリリシンのみを
0.25%、あるいはアルギニン0.5%添加するだけ
では菌の増殖を抑制する効果は認められなかったが、コ
コアエキスにポリリシンを0.25%、アルギニンを
0.5%添加したものは、顕著な菌の増殖抑制効果が認
められた。
【0017】実施例3 小麦粉50gに対しグラニュ−糖50g、食塩0.5
g、全卵55g、ベ−キングパウダ−0.5g、3倍濃
縮乳10gを混合撹拌し、そこにポリリシン及び、グリ
シンを所定濃度に溶解した液糖を5g加えた。最後にバ
ナナ果肉20gを混合した後、カップに30gずつ充填
し、蒸し器で20分間加熱した。加熱後、放冷したもの
を保存試験標本とした。保存試験は蒸しパンを35℃の
恒温機中に保温し経時的に一般細菌数を測定した。
【0018】表4から明らかなようにポリリシンを0.
1%、あるいはグリシンを1.0%添加したバナナ蒸し
パンは2日後に腐敗してしまったのに対し、ポリリシン
を0.1%、グリシンを1.0%添加したバナナ蒸しパ
ンは十分な保存効果を示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリリシン若しくはその塩及びグリシ
    ン、アラニン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプ
    トファン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギ
    ニン、またはヒスチジンから選ばれる少なくとも1種の
    中性若しくは塩基性アミノ酸若しくはその塩を有効成分
    とする食品用保存剤。
  2. 【請求項2】 ポリリシンがε−ポリリシンであること
    を特徴とする請求項1記載の食品用保存剤。
  3. 【請求項3】 ポリリシンの塩が塩酸、硫酸、リン酸、
    酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸等
    であることを特徴とする請求項1記載の食品用保存剤。
JP26273691A 1991-09-13 1991-09-13 食品用保存剤 Pending JPH0568520A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6294183B1 (en) 1996-08-21 2001-09-25 Chisso Corporation Antimicrobial resin composition and antimicrobial resin molded article comprising same
JP2004035461A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Chisso Corp 防臭消臭剤
JP2004067586A (ja) * 2002-08-06 2004-03-04 Chisso Corp 抗菌剤組成物及びそれを用いた抗菌性シート状物品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6294183B1 (en) 1996-08-21 2001-09-25 Chisso Corporation Antimicrobial resin composition and antimicrobial resin molded article comprising same
JP2004035461A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Chisso Corp 防臭消臭剤
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