JPH056730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は圃場において、ジヤガイモ、サツマイ
モ、コンニヤク玉、その他の作物を、先行する掘
取機で畝の上に堀り上げた後、前記作物に付着し
ている土等を高速回転しているブラシにより擦り
落す土落し機に関する。

〔従来の技術〕

掘取機で畝の上に堀り出されたジヤガイモ、サ
ツマイモ、コンニヤク玉等の作物には、土類が付
着している。このため、土のついている作物を圃
場から農家の庭先作業場に運んできて、該作業場
に備えてある土落し機にかけて土を落す作業をお
こなつていたので、作物から土を落す作業にはモ
ーター等の設備と多くの手数を要していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記の事情に鑑みて創案されたもの
で、圃場において畝の上に堀り起こした作物の土
類を、堀り起こしたままの状態で、テイラー等の
牽引手段と連結させて畝間を移動させ乍ら、擦り
落す土落し機を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段及びその作用〕

上記の問題点を解決するため、本考案は、地面
上を走行するテイラーやトラクターなどの牽引手
段に連結され、地面上に堀り起こされ作物の土類
を移動しながら擦り落す土落し機であつて、地面
近くに回転自在に支持されたブラシと、該ブラシ
へ搬送手段の駆動源や、独立した別の駆動源から
の駆動力を伝達しブラシを回転させる動力伝達装
置と、前記ブラシを覆う本体から構成する。

上記構成を採用したことにより、土落し機を圃
場の畝間に移動させると、土落し機が移動し乍ら
畝の上に堀り起こしたままの作物の土類をブラシ
で擦り落すことができ、短時間で効率よく作業す
ることができる。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第１図は本考案の土落し機をテイラーに取付け
た状態を示す正面図、第２図は本考案の土落し機
の外観斜視図、第３図は本考案の土落し機の動作
を示す説明図である。

第１図及び第２図に示す如く、本考案の実施例
はテイラー３に取着されるようにした土落し機Ａ
を示している。土落し機Ａの本体１の中央にはナ
イロン等の繊維を回転胴Ｈに植設して作られた円
柱状のブラシ２が軸受２′，２″を介して高速回転
可能に支承されている。前記ブラシ２の一端側と
前記本体１の上方には動力伝達装置が支持されて
いて次のように構成されている。即ち、駆動源で
あるテイラー３のエンジン４から主クラツチ（テ
ンシヨンクラツチ）や変速機等を介して伝わる動
力は、テイラー３の動力取出軸（図示せず）に嵌
着されたＶプーリ（図示せず）からベルト５ａの
伝動でアイドルプーリ５を介して土落し機Ａの駆
動軸６に嵌着された駆動プーリ７に着脱自在に巻
掛けて伝達させる。前記駆動軸６は本体１上から
突出されたサポート８，９に軸受１０，１１を介
して高速回転可能に支承されている。前記駆動軸
６の一端側のサポート９内には第３図に示す如
く、スプロケツト１２が嵌着されていて、該スプ
ロケツト１２を介してチエーン１３が前記ブラシ
２の一端側を支承している軸に嵌着されたスプロ
ケツト１４に巻掛けられている。そして、前記駆
動源からの動力が前記ブラシ２に伝達されてブラ
シ２を高速回転させている。

前記本体１はブラシ２をすつぽり覆うような略
台形形状をしていて、土落し機Ａが移動する方向
の前後に略長方形の入口部１５と出口部１６を開
口させている。入口部１５と出口部１６には弾性
部材１７，１８が吊設されていて、その弾性変形
により作物Ｐを供給及び排出を可能にすると共
に、ブラシ２の高速回転により作物Ｐに付着して
いた土等を飛散させないように覆うため該弾性部
材１７，１８が本体１にネジ止めされている。

前記本体１の後方には、本体１と切離されて軸
１９の左右の端部から後方へ延びる脚２０，２１
に車輪２２，２３が設けられている。そして、本
体１の上部中央の進行方向に設けられた杆材２４
の後端に本体１の上下方向の位置調節部材２５が
設けられている。該位置調節部材２５は、レバー
２５ａを時計方向に回転させると本体１が下方に
動き、反時計方向に回転させると本体１が上方へ
動くように螺合２５ｂされている。なお、２６は
前記杆材２４の先端に取付けられたテイラー３と
の接続の為のジヨイントである。

次に本考案の土落し機Ａの作用について説明す
る。土落し機Ａは、圃場において、先行する掘取
機で作物Ｐを畝の上に堀り起こした後、使用され
るもので、付着した土等が乾燥する頃作業すると
良好に土等をこすり落すことができる。テイラー
３に牽引されて、駆動源から動力伝達装置を介し
てブラシ２を高速回転させ、図示（第３図）の如
く矢印方向に土落し機Ａが畝間に移動する場合、
入口部１５より弾性部材１７が作物にあたつてめ
くれ乍ら移動するときに作物を本体内に収容す
る。前述した如く、ブラシ２は時計方向に高速回
転しているため、作物Ｐはブラシ２と地面の間に
圧接挟持され、ブラシ２より表面上の土類を擦り
落されると共に、ブラシの回転力により、作物が
本体内で浮上したり、転がつたりするときに作物
の裏側等もブラシ２と接触し、この動作によつて
作物のすべての面の土類が擦り落される。擦り落
された土類は本体１と弾性部材１７，１８により
覆われた状況下にあるので、外部に飛散すること
を防止される。土類を落された作物Ｐは出口部１
６より弾性部材１８をめくり上げるようにして本
体外へ放出される。

なお、本実施例では牽引車にテイラーを使用し
たが、これに限定されず、例えば乗用トラクタの
PTO軸にユニバーサルジヨイントを介して傘歯
車により土落し機Ａの駆動軸６に動力を伝達させ
て使用できることは勿論、駆動軸にモーター、バ
ツテリー等の駆動源を直接取着し、直接ブラシを
回転させる直動方式とすることもできる。また、
本体１の形態は実施例に限ることなく、要するに
ブラシを収容回転させ、且つ作物の土をこすり落
す際外部に土等が飛散しないものであれば他例で
もよい。更に実施例では後部に車輪２２，２３を
取付けたが、そり等の手段であつてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明した如く、本考案によれば、他の作業
に使うために圃場に導入するテイラー等牽引装置
に本考案土落し機を連結して、圃場で堀り起こし
た作物の土類を、そのまま本考案土落し機を用い
て移動させ乍ら擦り落すことができるので、従来
の作業の如く、庭先作業場まで作物を運んでき
て、別途、土落し機にかけて土を落す作業を改善
し、モーター等の設備費の節減と共に作業手数を
軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

実施例の第１図は本考案の土落し機をテイラー
に取付けた状態を示す正面図、第２図は本考案の
土落し機の外観斜視図、第３図は本考案の土落し
機の動作を示す説明図である。 Ａ……土落し機、１……本体、２……ブラシ、
３……テイラー、５……アイドルプーリ、６……
駆動軸、７……駆動プーリ、１３……チエーン、
１７，１８……弾性部材、２４……杆材、２５…
…位置調節部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 地面上を走行する牽引手段に連結され、地面上
   に堀り起こされた作物の土類を移動しながら擦り
   落す土落し機であつて、 地面近くに回転自在に支持されたブラシと、該
   ブラシへ駆動力を伝達しブラシを回転させる動力
   伝達装置と、前記ブラシを覆う本体を備えている
   ことを特徴とする作物の土落し機。