JPH0567302B2 - - Google Patents

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JPH0567302B2
JPH0567302B2 JP59165386A JP16538684A JPH0567302B2 JP H0567302 B2 JPH0567302 B2 JP H0567302B2 JP 59165386 A JP59165386 A JP 59165386A JP 16538684 A JP16538684 A JP 16538684A JP H0567302 B2 JPH0567302 B2 JP H0567302B2
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Japan
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blood chamber
chamber
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Yasushi Jo
Toshio Nagase
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は人工心臓用血液ポンプ装置に関し、更
に詳しくは気体圧によつて駆動されるサツク型血
液ポンプの改良に関するものである。
(従来の技術) 近年、開心手術やその他の手術の際に、体外に
おいて補助的かつ一時的に心臓の機能を代替する
ための人工心臓の開発が進められている。
気体圧によつて駆動されるサツク型の人工心臓
の研究は、我国でも世界に先がけて研究されてい
るが、実際に患者に対しての臨床応用への道は始
まつたばかりである。臨床使用に際して問題とな
るのは、人工心臓内部での血栓生成問題であつ
て、抗血栓性を如何に付与するかは、きわめて困
難な問題とされ、ポンプの材質、デザイン、表面
の平滑性、更には血液チヤンバー内の血液パター
ンの問題などが複雑に関与していると考えられ
る。
本発明は、殊にサツク型の血液ポンプの変形す
る挙動や血液チヤンバー内の血液の流れに留意し
て、発明がなされたものである。
第1図から第4図はサツク型血液ポンプ及び血
液チヤンバーの従来の型の基本的形態を示すもの
であり、また第5図及び第6図は空気圧の加減に
伴う血液チヤンバーの変形状態を示すものであ
る。
サツク型血液ポンプは、耐圧性(たとえばポリ
カーボネート製)のハウジングアウターケース1
と、偏平袋状で底面が円弧状に形成された血液チ
ヤンバー2とから構成されている。この血液チヤ
ンバー2の上部には、血液導入管3と血液排出管
4とが上向きに、そして略々平行に形成してあ
り、かつ上部周囲にはフランジ5が取付けてあ
る。また図は省略したが、前記血液導入管3と血
液排出管4との内部には、血液の逆流を防止する
公知の弁が施してあり、これにより血液導入管3
から血液チヤンバー2内に導入された血液は、血
液排出管4より排出されるようになつている。
前記血液チヤンバー2は、第1図に示す状態の
下に前記ハウジングアウターケース1の内に収納
され、フランジ5によつて気密に保持される。そ
してハウジングアウターケース1の底部側面に設
けたポート11を経て、ハウジングアウターケー
ス内の圧力を交互に陽圧、陰圧にすることによつ
て血液チヤンバーの容積が縮少・膨張を交互にく
り返して拍動ポンプとして機能する。
本発明は上記の如きサツク型の空動式人工心臓
の動物実験において、血液チヤンバー2内の血栓
の生成条件を種々検討し、血液チヤンバー2内に
て血栓が生じない、長時間にわたり使用可能な血
液ポンプの開発を試みた結果得られたものであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等の検討に依れば、低拍出の状態での
動物実験において血栓の発生する場所は概ね決ま
つており、血液チヤンバー2内では、血液チヤン
バー2の底部、殊に底面部に近い両脇に血栓発生
が多くみられることが分つた。
本発明者等は、更にこの現象の原因について検
討と観察とを進めたところ、血液の流れの比較的
速いところでは、血栓の生成はきわめて少ない
が、血流が多少とも滞留するところには、血栓発
生の可能性が高いことをも知つた。これは導管付
近は当然血液の出入りがあるところであり、血液
の流れが速く、したがつて血栓生成が少ないので
ある。一方血液チヤンバー2の底部付近は、やや
もすれば血液が滞留するからである。
本発明者等は、この本質的に血液が滞留し易い
血液チヤンバー2の底部付近の血液の滞留を、出
来るだけ無くすることについて種々検討を行つた
結果、ついに本発明に到達した。
これまでの血液チヤンバー2における周壁の肉
厚は、第3〜4図に例示するように略々均一であ
つた。このような血液チヤンバー2を、第1図に
示すハウジングアウターケース1内にて、空気の
圧力により圧縮すると、第5図からへと容積
が減少し、アウターケースの空気の減圧によつて
第5図のように膨張する。
第5図は、第3図に示す無負荷状態のものに
ハウジングアウターケース1内にて空気圧を加え
た際の変化状態を示すものである。これによれ
ば、血液チヤンバー2における容積の減少は、そ
の断面形状なりに均等に生ずるというものではな
く、最も変化し易い部分、すなわち、血液チヤン
バー2の両広面積側面の中央部よりやや底部付近
から変化が優先的に生じ、そのような変化状態の
下に、圧力の増加に伴う容積の減少が周囲に伝播
して行く。そして更に加圧されたときには、第5
図に示すように、最も変化し易い部分がまず互
に接触し、この接触が順次上下及び左右へと拡が
つて行く。この結果、上方の血液は直接的に血液
排出管4の方向へと押出されるが、下方の血液は
両脇部分に滞留が生じ易くなる。前記底面部付近
及び底面部両脇の血液の滞留の程度は、圧縮によ
つて両側壁が相互に接触してひしやげる中央部よ
りも大きい。またこの部分はハウジングアウター
ケース1内が減圧されて、第5図に示すように
容積が膨脹したとき、すなわち、拍動毎に新しく
導入される血液との入れ替りも悪い。
実際に動物実験の結果、血栓生成がみられる場
所は、第2図のクロスラインで示した部分に多
い。このようなことから、血栓の生成を抑制する
ためには、血液チヤンバー2が圧縮したときに、
底面部を始め両脇まで未密着部分が残らぬよう
に、ひしやげることがよいことを見出した。殊に
圧縮により血液チヤンバーの容積が減少するとき
に、その減少が底部付近から生じ、同時に血液チ
ヤンバーの両サイド(相対する狭面積側面)が円
滑に圧縮され、それが順次上方に均一に伝播する
容積圧縮パターンが重要であることを見出し、血
液チヤンバーの底面の少なくとも1部に前記底部
の長手方向に稜角を形成するとともに、該稜角に
沿つて生じた稜線部分の肉厚を他の部分よりも薄
く形成することによつてこの目的が達せられるこ
とを見出し、すでに提案した(特願昭56−
42980)。該発明により所期の目的は達せられた
が、本発明者らは、さらに長期の使用のための詳
細な耐久機能を行つたところ、前記底面の稜線部
分の肉厚を他の部分より薄くしたものは該部分に
反覆疲労による強度の劣化が生じ易いことを知つ
た。そこで本発明者らは、血液チヤンバー内の血
液パターンを変えることなしに、すなわち底面及
び底面付近に血液が滞留しないよう、この底面の
力学的な弱点を改良する種々の検討を行い、血液
チヤンバーの底面の稜線部分の形状を特殊な形
状、更に詳しく説明すれば断面が実質的に三角形
状を有する肉厚状とし、かつ血液チヤンバーの底
面部を所定の形状とすることによつてこの問題を
解決し、本発明に到達したものであつて、その要
旨は弁を内蔵する血液導入管と血液排出管を夫々
具備し、これらの管に連通して形成された偏平形
状の血液チヤンバーを有するサツク型の血液ポン
プにおいて、前記血液チヤンバーの底面の少くと
も一部が底面の長手方向に稜線を形成し、該稜線
部分を断面が三角形状に厚肉となるように形成し
たサツク型血液ポンプに係る。
(問題点を解決するための手段) 次に、本発明を第7図以下に示す実施例により
詳細に説明する。なお、第1〜6図に示す基本的
形態と同一の部分については、同一符号をもつて
示し、詳細な説明は省略する。
第7図は、広面積側面2aから見た血液チヤン
バー2の正面図で、底面2bの底端部の肉厚を第
8図に示すようにほぼ二等辺三角形状にして他の
部分より厚く形成してある。この部分は第7図a
〜gに及び底面全体にわたり、稜線が前記底面の
長手方向に連続して形成されるが、その範囲はb
〜f間またはさらに短かくc〜e間に限定されて
形成してもよい。しかし好ましくは血液チヤンバ
ー2の最大巾Dより小さくなつた底部部分、更に
好ましくは、その巾D′が0.9Dより小さくなつた
底部部分にわたり形成することであり、それ以外
の部分及び狭面積側面2cは、従来構造と同様に
半円形断面(第9図参照)に形成されてもよい。
また、血液チヤンバーの底面稜線部は、拍動が
通例60〜100回/分で行われることから、1日に
約10万回、1ケ月に約300万回、1年で4000万回
近くにも及び、その拍動毎に屈伸運動を行うこと
になり、従つて長期に至るほど反復疲労による強
度の劣化を生じ易くそのために改善が必要とさ
れ、一方、この強度の劣化の改善とともに、血液
の底部への滞留についても同時に改善されること
が必要とされる。
本発明は、反復疲労による強度劣化の改善を、
血液チヤンバー底面の稜線部の肉厚を他の部分よ
り厚くすることにより、また血液の滞留の改善
を、上記肉厚部を第8図Bに示す如き断面三角形
状となるように構成し、さらにその形状を特定の
条件とし、かつ血液チヤンバー底部の形状を所定
の条件とすることにより、長期に亘る使用に耐
え、しかも血液の滞留の改良にも成功したもので
ある。すなわち、本発明は前記のすでに提案した
(特願昭56−42980)稜線部分の肉厚を薄くして形
成した形成チヤンバーを用いたものと同様に底面
部における血液滞留の改善を図り、しかもこの血
液チヤンバーの反復疲労による強度劣化の改善を
も図つたものである。
第8図Bにもとづき本発明に係る厚肉部分の構
成について説明する。第8図Bは第8図Aにおけ
る底端部の厚肉部分(第8図Aの点線で囲んだ部
分)の断面を拡大した図である。図に示す如く血
液チヤンバー2の稜線部6が最大厚肉tを有して
構成される。
厚肉tは、1.3<t<5の条件を満すこと
が必要とされる。ここで、は血液チヤンバーの
内壁面の底端部mと血液チヤンバー外壁面との最
短の距離で形成される最小厚肉、通例は底端部と
水平方向にある血液チヤンバーの膜厚が相当す
る。またtは前記mと血液チヤンバーの外壁面と
の最長の距離で形成される最大厚肉をいい、tが
1.3より小さい場合は、血液チヤンバーをひし
やげた際に厳しい屈曲角度を形成し、拍動速度の
増加に伴なう弾性による変形回復が遅れ、伸張し
た部分が十分に戻らないうちに次の変形が加えら
れるとになり、折り目が入り易くなり長期の使用
に問題が生じることとなる。tを5より大きく
しても本発明の効果が厚みほどに期待できず反つ
て形態上不都合を来すことになる。
また、第8図Aに示す如き血液チヤンバーの相
対向する広面積側面と交わる方向に切断した狭面
側面の内壁面及び外壁面とにアールを設け、内壁
面に設けられたアールRが外壁面に設けられたア
ールrより大きいことが必要である。前記Rは2
〜25mmで形成され、rは1〜20mmの範囲で形成さ
れる必要がある。前記R又はrが前記の範囲以下
では、血液チヤンバーの底部周囲が偏平になりす
ぎ、又前記の範囲以上では血液チヤンバーの屈曲
が困難となり、いずれも好ましくない。ここにア
ールR又はrとは、例えば3mmのアールといえば
半径3mmの丸みをつけることをいう。また、稜線
部の肉厚の断面が図に示す如く三角形状で形成さ
れる必要がある。三角形状以外では血液チヤンバ
ーの底部における拍動による繰返しの伸縮の動作
がスムーズにゆかなくなるためである。
また、屈伸耐久性に優れ、理想的な血液流パタ
ーンを使用時に生じさせるにはサツクの全体形状
が偏平形状であることが必要で、第2図に示すよ
うに、血液チヤンバー2の最大巾Dと、第3図に
示す無負荷状態での最大厚みWの比D/Wは1.5
〜3.0、好ましくは1.6〜2.5、更に好ましくは1.8
〜2.3がよい。
また前記血液チヤンバー2の中心線上における
全高Lと、前記最大巾Dとの間に 0.8≦D/L≦2.0 の比にあるのがよい。
このような条件を充足する血液チヤンバーで
は、空気圧によつてひしやげるパターンを、拍動
毎に一定にすることができる。
第10図Aは血液チヤンバー内壁面における稜
角が50°の角度をもつて形成されているときの血
液チヤンバーの壁厚を薄肉テーパー化した例を示
すもので、この場合には、稜角を形成する2つの
面2b′,2b′の壁厚を、底端になるに従い順次薄
肉に形成し、稜線部6となる部分では、断面にお
いて三角形状に厚肉に形成している。この結果、
稜線部は外圧により押し漬され易くしかも、稜線
にかかる局部的な歪は三角形状の肉厚部に吸収さ
れて緩和作用をうけ、耐疲労性に優れた効果を発
揮する。2つの面2b′,2b′は外圧によりきわめ
て容易に密着することになる。本例の血液チヤン
バーを有する第1図に示す如きサツク型血液ポン
プを3回/秒で一年間の加速耐疲労テストを実施
したが少しの損傷も見出されなかつた。なお、本
例における血液チヤンバーの壁厚は、最大の部分
で2.0mm、最小であるの部分で1.3mmであり、稜
線部の最大肉厚tは1.8mmであり、従つてt/
は1.38であつた。また、血液チヤンバー内壁面の
底端部のRは8mmであり、外壁面のrは4mmであ
つた。
次に第10図Bに示す例は、血液チヤンバー内
壁面における稜角が100°と大きい場合の例であつ
て、底面稜線部に至るまで血液チヤンバーの壁厚
は漸次薄くなるようにし、稜線部で厚肉に形成し
た例である。このように壁厚をテーパー化する方
法はすでに本発明者らが特願昭55−186562、特願
昭56−42980、特願昭59−99825等で提案した方法
を使うことが出来る。本発明の稜線部を三角形状
に厚肉にするには、本発明者らがすでに提案した
方法、特願昭55−175257に示したスラツシユ成形
法において、用いる金型の稜線部分を厚肉とし、
この部分の熱容量を大にすることによつて行うこ
とが出来る。
本例の底面の稜線部分は、所望によつて、更に
血液チヤンバーの相対する狭面積側面に底部から
連つて及ぼすことも出来る。このようにすれば、
空気圧によつて血液チヤンバー2が圧縮されたと
き、底部から均一にひしやげて、順次チヤンバー
上方へと圧縮が伝播する容積圧縮パターンを得る
ことができる。
また、本発明において、血液チヤンバー2の底
面部が必ずしも最優先で圧縮される必要はなく、
相対する広面積面の一部でまず接触が生じ、同時
に底面部からも圧縮が生じ、上部へ伝播し、血液
チヤンバー全体がひしやげる如くしたものであつ
てもよい。この場合、広面積面に多少凹部を内側
に向つて設けてもよく、その壁厚を薄くしてもよ
い。この場合であつても稜線の部分が変形し易い
ため全体が容易にひしやげることになる。
いずれにせよ、本発明の特徴は血液チヤンバー
の底部付近から下半分を実質的にひしやげるよう
な機能を与えた点にありしかも耐久性を大巾に改
良し、長期の使用に安全に耐える高耐屈伸性を付
与して、人口心臓としての実用化へ大きい進歩を
なしとげたものである。これにより、長期の使用
にもたえかつ血液チヤンバー底部の血液の滞留を
最少にすることができる。
第11図は上記血液チヤンバー2の圧縮変形状
態を順にモデル的に例示したものであつて、第8
図に示す無負荷状態のものに、ハウジングアウタ
ーケース内にて空気圧を作用させると、まず図
に示すように、両側の支えがない広面積側面2a
の中央部と共に、底端部が変形を始める。さらに
空気圧が作用すると、その変形が進行して図の
状態となり、最後には広面積側面2aの中央部付
近つづいて2つの面2b′,2b′がほぼ密着して
図の状態となる。なお、本図は作図上血液チヤン
バーの壁厚を均厚状としてあるが本発明に係る血
液チヤンバーは底端部に向けて薄肉状として形成
されている。
その結果、従来構造に生じがちな底面部付近及
び底面部両脇の未密着部が極小となり、血液の滞
留が生じがたくなる。
実際に、第7図b〜f間に本発明に従つて三角
形状の厚肉を第8図に示すように形成した血液チ
ヤンバー2を用いたサツク型人口心臓を用いて、
山羊の左心バイパス血液ポンプとしてテストを行
つたところ、226日にわたる使用においてもポン
プは全く異常なく機能した。
なお、血液チヤンバーは、L=68mm、D=60
mm、W=23mmであり、最大壁厚2.1mm、最小壁厚
であるは1.4mmであり、稜線部の厚肉tは1.9mm
で、t/は1.36であつた。また、内壁面のRは
7mm、外壁面のrは5mmで、拍動条件を90回/分
として行つた。
本発明に用いられる血液チヤンバー部2および
血液の導入及び排出管3,4、即ち血液との接触
部は高分子弾性材料で構成することができ、その
素材としては、軟質ポリ塩化ビニル又はポリウレ
タンが特に優れている。この場合、軟質ポリ塩化
ビニルは、ポリ塩化ビニルと可塑剤組成物よりな
る、いわゆるポリ塩化ビニルペーストで成形され
ても良い。
この場合、可塑剤の混合量は、ポリ塩化ビニル
に対して40〜100重量部であるのが好ましく、50
〜80重量部であるのが更に好ましい。
又、このポリ塩化ビニルは、公知の適当な安定
剤、例えば無毒性のカルシウム−亜鉛有機複合体
等を含有していても良い。ポリ塩化ビニルの重合
度は500〜2000のものを用いるのが好ましい。
本実施例の素材として用いられるポリウレタン
には、大別してポリエーテル系ポリウレタンとポ
リエステル系ポリウレタンとがあり、両者とも使
用可能であるが、弾性特性及び耐疲労特性の点か
らポリエーテル系ポリウレタンを用いるのが好ま
しい。
これらのポリウレタンを用いた成形物には、そ
の機械的強度を増強する為に架橋処理を行なつて
も良い。
ポリエステル系のポリウレタンは、弾性率の高
い、引裂強度の大きい、固いエラストマーを生成
するのに適しているので、導管部、フランジを構
成するのに適している。
架橋剤の割合は、全ポリウレタン成分量に対し
て0.01〜5重量%であるのが好ましく、0.1〜3
重量%が更に好ましい。又、熱処理温度の好まし
い範囲は60〜150℃であり、更に好ましくは80〜
120℃、更に一層好ましくは80〜110℃である。
また本発明に用いられる血液チヤンバー部2の
壁厚は、血液チヤンバー部2が可塑剤量が50〜80
重量部の軟質ポリ塩化ビニルで構成された場合に
は、その反発特性と耐疲労性から、最薄肉部分で
0.3〜2.0mmであるのが好ましく、0.6〜1.6mmであ
るのが一層好ましい。また、血液チヤンバー2が
ポリウレタン素材で構成された場合には、0.2〜
1.5mmの壁厚が好ましく、0.5〜1.0mmが一層好まし
い。この厚みが余り大きいと、ハウジングアウタ
ーケース1内を加圧又は減圧した時に、血液チヤ
ンバー2の動作タイミングが遅延したり、その変
形時間が長く伸びたりするので、適当なポンプの
応答特性が得られない。逆に、この壁厚が余り薄
すぎると、血液チヤンバーの変形挙動が過敏にな
るので、そのコントロールが難かしく又、繰返し
疲労強度の低下の原因ともなつてしまう。
本実施例の人口心臓においては、その血液との
接触面を抗血栓性に優れた物質でコーテイングし
て、血液に対する適合性を向上させることができ
る。例えば、ポリエーテル系のセグメントポリウ
レタンによる表面処理、ポリエーテル系ポリウレ
タン−ポリジメチルシロキサンを構成成分とする
抗血栓性物質のコーテイング処理等を行なつて良
い。
本発明を実施するにあたつて用いられる成形方
法としては、公知の成形方法を広く適用すること
が可能である。これらの方法として、たとえば、
射出成形法、注形成形法、ローストワツクス法な
どがある。
本発明をポリ塩化ビニルプラスチゾルを用いて
成形するときは、次のようにしてもよい。まず加
熱した成形金型をプラスチゾルに浸漬するか又は
前記金型の内部にプラスチゾルを入れ、この成形
金型の熱量で金型に接した部分のプラスチゾルを
ゲル化させるのである。ゲル化層の厚さは前記金
型の熱容量で調節することもできるから、稜線部
の肉厚も成形金型の稜線に相当する部分の厚みを
局部的に厚くし、熱容量の加減によつて任意に定
めることができる。又この稜線部分に同じ材質又
は異なる材質の線状物質を接着させて本発明を実
施してもよい。
(発明の効果) 本発明は上述のように、血液チヤンバーの底面
の長手方向に生じた稜線部分の肉厚を断面が実質
的に三角形状に厚く形成して、屈曲抵抗をなくす
とともに屈伸時のストレスを緩和させ、これによ
り底部付近から順次上方へと圧縮による容積減少
を伝播させ、底部の密着をより確実になしたもの
であるから、血液の滞留はほとんどなく、血栓防
止とともに優れた耐久性を発揮する。また構造的
にも底面に所定の肉厚部分を形成するだけである
から加工工程も簡単で基本的形態をそのまま使用
できる利点をも有する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係るサツク型血液ポンプを例示
するもので、第1図は基本的形態を有する血液チ
ヤンバーとハウジングアウターケースとの斜視
図、第2図は血液チヤンバーの正面図、第3図は
その側面図、第4図はその横断平面図であり、第
5図,,は第2図に示す血液チヤンバーの
容積減少変化及び膨脹変化を順に示す側面輪郭
図、第6図は第5図X−X線断面図であり、第7
図以下は本発明の実施例を示すもので、第7図は
血液チヤンバーの正面図、第8図Aは底部を縦断
した側面図、第8図Bは第8図Aにおける底端部
分を拡大した図であり、第9図は第7図−線
断面図、第10図A,Bは稜角の角度と薄肉状態
とを示す血液チヤンバー底部の縦断側面図、第1
1図は血液チヤンバーの変形状態を底部を縦断し
て順に示す側面図である。 図中、符号1はハウジングアウターケース、2
は血液チヤンバーを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 弁を内臓する血液導入管と血液排出管を夫々
    具備し、これらの管に連通して形成された偏平形
    状の血液チヤンバーを有するサツク型の血液ポン
    プにおいて、前記血液チヤンバーの壁厚が底端部
    に向けて薄肉状となるように形成され、かつ該血
    液チヤンバーの底面の少くとも一部が底面の長手
    方向に稜線を形成し、該稜線部分の断面が三角形
    状に厚肉となるように形成され、該厚肉部が血液
    チヤンバー内壁面底端部と血液チヤンバー外壁面
    とに形成される最大厚肉tと最小厚肉との間
    に、1.3<t<5の条件を満し、かつ前記血
    液チヤンバーの内壁面底端部及び相対する外壁面
    底端部とにアールを設け、前記内壁面底端部のア
    ールRが前記外壁面底端部のアールrより大とし
    て、Rが2〜25mm、rが1〜20mmの範囲で形成さ
    れることを特徴とするサツク型血液ポンプ。
JP59165386A 1984-08-07 1984-08-07 サツク型血液ポンプ Granted JPS6145769A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59165386A JPS6145769A (ja) 1984-08-07 1984-08-07 サツク型血液ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59165386A JPS6145769A (ja) 1984-08-07 1984-08-07 サツク型血液ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6145769A JPS6145769A (ja) 1986-03-05
JPH0567302B2 true JPH0567302B2 (ja) 1993-09-24

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