JPH056671Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、原稿を等倍で読み取る密着型イメー
ジセンサに関する。

（従来の技術） レンズアレイを用いないで、原稿を等倍で読み
取る密着型イメージセンサは、例えば、特開昭59
−48954号公報で開示されている。

そこでは、透明基板上に遮光層、下部電極（個
別電極）、受光層、上部電極（共通電極）として
の透明導電層及び透明絶縁層を順次積層した層構
造とし、遮光層に画素対応で多数の導光窓を一列
状に開け、そこから光を入射し、原稿を透明絶縁
層に密着させ、原稿からの反射光を、透明導電層
と受光層とによるシヨツトキ障壁で読み取る。

（解決しようとする問題点） しかし、このような密着型イメージセンサで
は、導光窓上に位置する透明絶縁層表面が局部的
凹状になつているため、原稿のインクや芥などが
蓄積し、センサ機能を劣化させる。

従つて、この考案の目的は、導光窓上に位置す
る透明絶縁層表面の局部的凹状部へのインクや芥
などの蓄積を低減する構造とした密着型イメージ
センサを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は、透明基
板上に、読取画素に対応してアレイ状に配設され
た複数の導光窓を有する遮光層と、当該遮光層上
に前記各導光窓に対応してアレイ状に配設された
複数の受光部と、当該各受光部上を覆う透明絶縁
層とを備え、且つ前記各受光部が下部電極、受光
層、透明導電層から成る上部電極を積層して構成
されたものであつて、前記透明基板側から入射さ
せた光を前記各導光窓を通して前記透明絶縁層上
に載置された原稿の表面に照射し、その反射光を
前記各導光窓に対応した前記各受光部で読み取る
密着型イメージセンサにおいて、各々の前記受光
部を構成する各部の内の少なくとも前記受光層及
び前記上部電極が、当該受光部に対応する前記導
光窓上の位置を含んで原稿送り方向に沿う辺を長
辺とした略長方形状の開口部を有し且つ当該開口
部中に原稿送り元側に片寄せられて位置する当該
導光窓の周囲の四方を囲むように配設されると共
に、前記透明絶縁層が、前記開口部に対応して略
長方形状の凹部をその表面に有することを特徴と
する。

（作 用） 本考案の密着型イメージセンサの構成によれ
ば、受光層及び上部電極に設けた略長方形状の開
口部に対応して密着型イメージセンサ表面（すな
わち、透明絶縁層表面）に導光窓の位置から原稿
送り先側に向けて略長方形状の平面形状を有する
凹部が形成される。このため、導光窓上に位置す
る透明絶縁層表面に付着したインクや芥などは、
原稿の送りに伴つて原稿送り先側に排出され、導
光窓上に位置する透明絶縁層表面におけるインク
や芥などの蓄積が低減される。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示す平面図であ
り、透明絶縁層を除いて示している。

第２図は第１図のＡ−Ａ方向に対応した断面図
である。

第１図及び第２図を参照するに、この密着型イ
メージセンサは、透明基板１を有し、その上に
Cr材質の遮光層２を設け、その上にアモルフア
スシリコン材質の受光層３を設け、その上にシヨ
ツトキ障壁を形成する材質の透明導電層４を設
け、その上に透明絶縁層５を設けている。

受光層３は読取画素対応で一列状に設けた多数
の略長方形状の開口部６を有する帯状の連続パタ
ーンとなつている。遮光層２は、共通電極として
用いるために帯状パターンにしてあり、各開口部
６の内側で且つ原稿送り方向Ｂに関して送り元側
に片寄らせて設けた導光窓７を有する。

受光層３上に設けられた透明導電層４は、個別
電極として用いるために読取画素対応に多数に分
離してあり、各々は受光層３と同様に略長方形状
の開口部を有する。

上記受光層３及び透明導電層４に開口部を設け
たことにより、受光層３及び透明導電層４は開口
部中に位置する導光窓７の周囲の四方を囲むパタ
ーン形状となつている。

本実施例では、上述の透明導電層４から成る個
別電極（上部電極）と、この個別電極に対応して
位置する受光層部分と、遮光層２を兼ねた共通電
極（下部電極）とで読取画素に対応した各受光部
が構成される。

上記各受光部上は透明絶縁層５で覆われるが、
受光層３及び透明導電層４は上述のように略長方
形状の開口部を有するパターン形状となつている
ため、このパターン形状に対応して透明絶縁層５
の表面（すなわち、密着型イメージセンサ表面）
に導光窓の位置から原稿送り先側に向けて略長方
形状の平面形状を有する凹部が略一様に形成され
る。

上述の如く構成された本実施例の密着型イメー
ジセンサでは、透明基板側からの入射光Ｃ（第２
図参照）を各導光窓を通して透明絶縁層上に載置
された原稿（図示せず）の表面に照射し、その反
射光を各導光窓に対応した各受光部で読み取りを
行う。

（効 果） 以上詳細に説明したように、本考案に係る密着
型イメージセンサは、各々の受光部を構成する各
部の内の少なくとも受光層及びその上に設けた上
部電極の開口部を略長方形状とし且つこの開口部
中に位置する導光窓を原稿送り元側に片寄らせて
配置させ、これにより受光層及び上部電極に設け
た略長方形状の開口部に対応して密着型イメージ
センサ表面（すなわち、透明絶縁層表面）に導光
窓の位置から原稿送り先側に向けて略長方形状の
平面形状を有する凹部を略一様に形成しているた
め、導光窓上に位置する透明絶縁層表面に溜つた
インクや芥などは、原稿の送りに伴なつて原稿送
り先側に排出され、導光窓上に位置する透明絶縁
層表面におけるインクや芥などの蓄積を低減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ線対応の断面図である。 １……透明基板、２……遮光層、３……受光
層、４……透明導電層、５……透明導電層、６…
…開口部、７……導光窓、８……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 透明基板上に、読取画素に対応してアレイ状
   に配設された複数の導光窓を有する遮光層と、
   当該遮光層上に前記各導光窓に対応してアレイ
   状に配設された複数の受光部と、当該各受光部
   上を覆う透明絶縁層とを備え、且つ前記各受光
   部が下部電極、受光層、透明導電層から成る上
   部電極を積層して構成されたものであつて、前
   記透明基板側から入射させた光を前記各導光窓
   を通して前記透明絶縁層上に載置された原稿の
   表面に照射し、その反射光を前記各導光窓に対
   応した前記各受光部で読み取る密着型イメージ
   センサにおいて、 各々の前記受光部を構成する各部の内の少な
   くとも前記受光層及び前記上部電極が、当該受
   光部に対応する前記導光窓上の位置を含んで原
   稿送り方向に沿う辺を長辺とした略長方形状の
   開口部を有し且つ当該開口部中に原稿送り元側
   に片寄せられて位置する当該導光窓の周囲の四
   方を囲むように配設されると共に、 前記透明絶縁層が、前記開口部に対応して略
   長方形状の凹部をその表面に有することを特徴
   とする密着型イメージセンサ。 (2) 前記受光層が各受光部間にわたつて連続して
   形成されたものであることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の密着型イメージ
   センサ。 (3) 前記遮光層が前記下部電極を兼ねるものであ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項に記載の密着型イメージセン
   サ。 (4) 前記下部電極が共通電極であり、前記上部電
   極が個別電極であることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項〜第３項のいずれか１項
   に記載の密着型イメージセンサ。