JPH0566317U - パネル用クリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 保管に便利であり、且つ、インシュレータ等
のパネルに片側からだけで先付けでき、取り外しも簡単
にできるクリップを提供する。 【構成】 パネル用クリップ１は、フランジ２とこのフ
ランジから下方に延びた軸部３を有する本体４と、本体
下方にあって、本体軸部を包囲する大きさの筒状に形成
された筒状体５と、一端が本体にヒンジ６で連結され、
他端が筒状体５にヒンジ７で連結され、更に中間にもヒ
ンジ８が形成されて、筒状体が本体軸部を包囲する状態
に押込まれるとその中間ヒンジ８が半径方向外方に張出
して折り曲げられ、フランジ２と協働して第１パネルを
支持する第２のフランジを形成する一対のアーム９とを
備えている。本体軸部３の側面には、半径方向外方へ張
出す弾性係止爪１４、１４が形成されており、筒状体５
が本体軸部３を包囲する状態に押込まれると、係止爪１
４、１４は筒状体に形成された開口１７から突出し、か
つ開口１７と協動して第２パネルを係止する。筒状体５
がフランジ２の側に引き出されると係止爪１４が半径方
向内方に撓められて係止を解除できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インシュレータ等の第１パネルに取付けられて車体等の別のパネル に第２パネルを固定するためのパネル用クリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

インシュレータ等のパネルに取付けられて車体等に該パネルを固定するための パネル用クリップは、登録第７０２５５４号の類似１の意匠に見られるように公 知である。このクリップは、大径のフランジに形成された頭部と、この頭部から 下方に延びて外周に係止爪を形成した軸部とを備えている。このクリップを用い て、インシュレータを車体の適所に取付ける場合、インシュレータ穴をパネル穴 に位置決めし、その穴にクリップ軸部を挿入することによって、インシュレータ がパネルに取付けられる。この取付け作業は比較的簡単である。

【０００３】 かかる公知のクリップは取付け作業そのものは簡単であるが、インシュレータ を車体にあてがった状態で一方の手で保持して、他方の手でクリップを挿入する という手間がかかる。インシュレータにクリップが先に取付けられていれば、か かる作業は片手だけの更に簡単な作業となり、取付けも正確にできる。また、公 知のクリップでは、インシュレータを車体に取付けた後、その取付けを取り外す にはクリップを破壊せねばならなかった。

【０００４】 上記クリップとは別に、カーペット等のシート材を車体等に固定するクリップ の例として、登録第５９５３２０号意匠が挙げられる。この公知のクリップは、 頭部と本体とが、中間のヒンジ部分を半径方向外方に折り曲げることによってフ ランジを形成する一対のアームによって連結されている。このクリップは、使用 前はフランジ形成用のアームがほぼ真っ直ぐに延びていて細くなっているので、 釘等の保管と同じように狭い空間で取扱える。また、使用の際には、頭部をアー ムとともにカーペットの穴に挿入して本体側に形成されたフランジをカーペット に接面させ、頭部を押せばアームの折り曲げによってフランジができてカーペッ トに保持できる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記したヒンジアーム付きクリップは、保管に便利であり、また、クリップの 取付けも簡単である。しかし、クリップの取付けはカーペット裏面側からの作業 にならざるを得ず、また、クリップをカーペット穴に挿入した後、カーペットの 表側からクリップ頭部を押圧する作業も必要とする。更に、車体等への係止が錨 脚であるので、一旦車体に取付けた後はその取り外しが極めて困難になる。

【０００６】 従って、本考案の目的は、保管に便利であり、且つ、インシュレータ等のパネ ルに片側からだけで先付けでき、取り外しも簡単にできるクリップを提供するこ とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するため、本考案によれば、インシュレータ等の第１パネル に取付けられて車体等の第２パネルに第１パネルを固定するためのパネル用クリ ップであって、フランジとこのフランジから下方に延びた軸部を有する本体と、 本体下方にあって、本体軸部を包囲する大きさの筒状に形成された筒状体と、一 端が本体にヒンジ連結され且つ他端が筒状体にヒンジ連結され、更に中間にもヒ ンジが形成されて、筒状体が本体軸部を包囲する状態に押込まれるとその中間ヒ ンジ部分が半径方向外方に張出して折り曲げられ、前記フランジと協働して第１ パネルを支持する第２のフランジを形成する一対のアームとを備え、本体軸部側 面には第２パネルに係止する、半径方向外方へ張出す弾性係止爪が形成されてお り、筒状体が本体軸部を包囲する状態に押込まれても係止爪は筒状体に形成され た開口から出ており、筒状体がフランジの側に引き出されると前記係止爪が半径 方向内方に撓められて第２パネルとの係合を解除できることを特徴とするパネル 用クリップが提供される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係る実施例について、図面を参照しながら説明する。図１〜図 ５には、インシュレータ等の第１パネルを車体等の第２のパネルに固定するため の、本考案に係るパネル用クリップ１の詳細が示され、図６にはクリップ１の使 用状態が示されている。

【０００９】 図１〜図５において、フランジ２とこのフランジ２から下方に延びた軸部３を 有する本体４と、本体４の下方にあって、本体軸部３を包囲する大きさの筒状に 形成された筒状体５と、一端６が本体４にヒンジ連結され且つ他端７が筒状体５ にヒンジ連結され、更に中間にもヒンジ８が形成されて、筒状体が本体軸部を包 囲する状態に押込まれるとその中間ヒンジ８が半径方向外方に張出して折り曲げ られ、フランジ２と協働して第１パネルを支持する第２のフランジを形成する、 細長い板形状の一対のアーム９、９とを備えている。

【００１０】 本体４において、フランジ２及び軸部３の中心には穴１１が形成され、この中 に例えばねじ等の部材を挿入することができるようになっている。この穴１１は 本考案にとって必須ではないが、他の部材をフランジ２に取付けることができる 利点がある。穴１１の壁面には、ねじ部材のねじ山または谷に係合する爪１３が 形成されている。軸部３には、その側面に車体等の第２パネルに係止する係止爪 １４、１４が一対形成されており、各係止爪には、半径方向外方へ張出す弾性が 与えられている。なお、この係止爪１４が形成された軸部側面の係止爪以外の部 分は開口しており、係止爪の弾性を維持し且つ材料の節約を図っている。また、 フランジ２と軸部３との連結部分にはリブ１５が形成されて連結の強度を高くし ている。

【００１１】 筒状体５は、軸部３を包囲する大きさの筒状に形成されており、図１や図２の 上方に筒状体５を押上げる（本体４を押下げてもよい）と、そのまま筒状体５が 軸部３を包囲する。この包囲状態でロックされるように、筒状体５の係止爪１４ に相当する位置には、該係止爪１４に係止してしかもその先端を筒状体５の外側 に出す開口１７が形成されている。また、軸部３に筒状体５が適正な姿勢でスラ イドできるように、筒状体５の上部には軸部３に向けて延びるガイド１８が形成 されている。他方、軸部３の側面にも、ガイド１８の両側を適正に案内する一対 の縦リブ２０が形成されている。ガイド１８は、この縦リブ２０によって適正な 姿勢に規制されて軸部３の側面をスライドして筒状体５が軸部３を包囲する位置 に移動され、これによって、開口１７に係止爪１４が係止しつつその先端が筒状 体５の外側に出る。

【００１２】 フランジ２には、筒状体５のガイド１８の先端が貫通できる穴２１が形成され ている。また、ガイド１８の先端には、ドライバの先端等が係止できる穴２２が 形成されている。従って、筒状体５が軸部３を包囲する状態にあるとき、ガイド １８の穴２２にフランジ穴２１から差し込んだドライバ先端を係止させて、ガイ ド１８（ひいては筒状体５）をフランジ２の側に引き出すことができる、この引 き出しにより、筒状体５が係止爪１４を半径方向内方に撓めるように移動して係 止爪の機能を無効にする。なお、この引き出しは、縦リブ２０の下端が筒状体５ の上部端面に当接することによって規制されている。

【００１３】 かかる構成で成るパネル用クリップ１を、第１パネル２３に取付け、クリップ 付きのパネル２３を第２パネル２４に取付けた様子を図６に示す。先ず、パネル ２３の取付け穴２５に対し、パネル２３の表側からクリップ１の筒状体５の先端 をあてがって、フランジ２がパネル２３に接面するまで挿入する。その状態で、 筒状体５を軸部３側へ押圧すると、一対のアーム９がヒンジ８を中心に半径方向 外方に折り曲げられ、このアーム９によってパネル２３の裏面側を支える第２の フランジ２６が作られ、クリップ１が第１パネル２３に取付けられる。なお、軸 部３を挿入した状態で、筒状体５を車体や他の部材に押し当てて押込んでも、ア ーム９がヒンジ８を中心に半径方向外方に折り曲げられて第２フランジ２６を形 成し、クリップ１を第１パネル２３に取付けることができる。この場合、カーペ ットの表側からだけで取付け作業ができる。この取付けにおいて、軸部３の係止 爪１４は筒状体５の開口１７から出ている。

【００１４】 クリップ１を第１パネル２３に取付けた後、車体等の第２パネル２４に第１パ ネル２３を連結するには、第１パネル２３の裏面に延びる筒状体５を第２パネル ２４の取付穴に押込めばよく、この押込みによって、係止爪１４、１４が第２パ ネル２４の裏面に係止し、第１パネル２３が第２パネル２４に連結される。取り 外しにおいては、フランジ２の穴２１を通して筒状体５のガイド１８に形成され た係止穴２２にマイナスドライバ等の工具をあてがってフランジ２の側に引き出 すことができる、この引き出しにより、筒状体５が係止爪１４を半径方向内方に 撓められ、係止爪１４、１４の機能が無効にされて、第１パネル２３を第２パネ ル２４から取り外すことができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案のパネル用クリップによれば、取付けがインシュレータ等のパネルの表 側からでき、その取付けの固定を表側からの押圧作業だけでもでき、車体等への 取付け後の取り外しも簡単にできる。そして、筒状体を軸部に向けて押すだけで 簡単にインシュレータ等のパネルに先付けでき、また、筒状体をフランジの側に 引き出すだけの簡単な作業で第２パネルへの連結を解除できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパネル用クリップの半断面正面図
である。

【図２】本考案に係るパネル用クリップの半断面側面図
である。

【図３】本考案に係るパネル用クリップの底面図であ
る。

【図４】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図５】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】本考案に係るクリップを用いて２つのパネルを
連結した様子を示す断面図である。

【符号の説明】

１ パネル用クリップ ２ フランジ ３ 軸部 ４ 本体 ５ 筒状体 ６、７、８ ヒンジ １１ 軸部穴 １４ 係止爪 １７ 開口 １８ ガイド ２０ 縦リブ ２１ 穴 ２３ 第１パネル ２４ 第２パネル ２５ 取付穴 ２６ 第２フランジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インシュレータ等の第１パネルに取付け
   られて車体等の第２パネルに第１パネルを固定するため
   のパネル用クリップにおいて、 フランジとこのフランジから下方に延びた軸部を有する
   本体と、該本体下方にあって、本体軸部を包囲する大き
   さの筒状に形成された筒状体と、一端が本体にヒンジ連
   結され且つ他端が筒状体にヒンジ連結され、更に中間に
   もヒンジが形成されて、筒状体が本体軸部を包囲する状
   態に押込まれると前記中間ヒンジ部分が半径方向外方に
   張出して折り曲げられ、前記フランジと協働して第１パ
   ネルを支持する第２のフランジを形成する一対のアーム
   とを備え、本体軸部側面には第２パネルに係止する、半
   径方向外方へ張出す弾性係止爪が形成されており、筒状
   体が本体軸部を包囲する状態に押込まれても係止爪は筒
   状体に形成された開口から出ており、筒状体がフランジ
   の側に引き出されると前記係止爪が半径方向内方に撓め
   られて第２パネルとの係合を解除できることを特徴とす
   るパネル用クリップ。