JPH0566295A - 放射性物質除去法 - Google Patents
放射性物質除去法Info
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- JPH0566295A JPH0566295A JP22902691A JP22902691A JPH0566295A JP H0566295 A JPH0566295 A JP H0566295A JP 22902691 A JP22902691 A JP 22902691A JP 22902691 A JP22902691 A JP 22902691A JP H0566295 A JPH0566295 A JP H0566295A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液中に混在している放射性物質特に放射性ス
トロンチウムを有効適切に除去することを目的とする。 【構成】 キチン質の物質に液体を通過させるか又は該
液体に該キチン質の物質を浸漬せしめて、該液体中に混
在している放射性物質を該キチン質の物質にて吸着せし
めて除去するようにしたことを特徴とする放射性物質除
去法、及び上記キチン質の物質に代え、ハイドロキシア
パタイト又はキチン質の物質とハイドロキシアパタイト
との複合体を用いて液中に混在する放射性物質を吸着せ
しめて除去する。
トロンチウムを有効適切に除去することを目的とする。 【構成】 キチン質の物質に液体を通過させるか又は該
液体に該キチン質の物質を浸漬せしめて、該液体中に混
在している放射性物質を該キチン質の物質にて吸着せし
めて除去するようにしたことを特徴とする放射性物質除
去法、及び上記キチン質の物質に代え、ハイドロキシア
パタイト又はキチン質の物質とハイドロキシアパタイト
との複合体を用いて液中に混在する放射性物質を吸着せ
しめて除去する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体中に混在している放
射性物質特に放射性ストロンチウムを除去する方法に関
するものである。
射性物質特に放射性ストロンチウムを除去する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
半減期が長く人体にとって有害な放射性物質である放射
性セシウムや放射性ストロンチウムを除去する方法とし
て次の二つの方法が知られている。 (1)食品を製造するときに使用する水や飲料水などを
プルシアンブルー(鉄のフェロシアン化物)にて濾過す
ることによりほぼ定量的に放射性セシウムが吸着除去さ
れる。 (2)アルギン酸を人体に投与することにより、放射性
ストロンチウムの排泄が促進される。
半減期が長く人体にとって有害な放射性物質である放射
性セシウムや放射性ストロンチウムを除去する方法とし
て次の二つの方法が知られている。 (1)食品を製造するときに使用する水や飲料水などを
プルシアンブルー(鉄のフェロシアン化物)にて濾過す
ることによりほぼ定量的に放射性セシウムが吸着除去さ
れる。 (2)アルギン酸を人体に投与することにより、放射性
ストロンチウムの排泄が促進される。
【0003】而して、飲料水などをプルシアンブルーで
濾過すれば、相当量の放射性セシウムを除去できるの
で、上記(1)の方法はよく実際に使用されている。し
かし、放射性ストロンチウムを除去する有効な方法は未
だ提案されていない。
濾過すれば、相当量の放射性セシウムを除去できるの
で、上記(1)の方法はよく実際に使用されている。し
かし、放射性ストロンチウムを除去する有効な方法は未
だ提案されていない。
【0004】一方、一旦、特に放射性ストロンチウムが
体内に入り込んだ場合も、これらを体外排除できる有効
適切な方法も提案せられていない。但し、ウオッカ等の
酒を飲用すれば、該酒による新陳代謝の活発化によって
放射性物質が排除できると云う説もあるが、之も有効適
切な方法とは考えられない。又、アルギン酸を人体に投
与することが、生体の消化管内に存在している放射性ス
トロンチウム等の体外排除に有効であると言われてお
り、国際原子力機関(IAEA)は緊急時においては、
一日あたり10g程度のアルギン酸を摂取するよう勧告
している。しかし、IAEA勧告、換算量を動物投与し
た実験では必ずしも顕著な放射性ストロンチウム排泄効
果が認められていない。
体内に入り込んだ場合も、これらを体外排除できる有効
適切な方法も提案せられていない。但し、ウオッカ等の
酒を飲用すれば、該酒による新陳代謝の活発化によって
放射性物質が排除できると云う説もあるが、之も有効適
切な方法とは考えられない。又、アルギン酸を人体に投
与することが、生体の消化管内に存在している放射性ス
トロンチウム等の体外排除に有効であると言われてお
り、国際原子力機関(IAEA)は緊急時においては、
一日あたり10g程度のアルギン酸を摂取するよう勧告
している。しかし、IAEA勧告、換算量を動物投与し
た実験では必ずしも顕著な放射性ストロンチウム排泄効
果が認められていない。
【0005】この様に、現在、地球上には多くの原子力
施設があり、チェルノブイリ原発の様な大事故が発生し
たにもかかわらず、これらが撒き散らした放射性物質を
環境からも生体内からも除去しうる有効な方法がないの
である。そこで、液中に混在している上記放射性物質、
特に放射性ストロンチウムを有効適切に除去するために
解決せらるべき技術的課題が生じてくるのであり、本発
明は該課題を解決することを目的とする。
施設があり、チェルノブイリ原発の様な大事故が発生し
たにもかかわらず、これらが撒き散らした放射性物質を
環境からも生体内からも除去しうる有効な方法がないの
である。そこで、液中に混在している上記放射性物質、
特に放射性ストロンチウムを有効適切に除去するために
解決せらるべき技術的課題が生じてくるのであり、本発
明は該課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案せられたものであり、キチン質の物質に
液体を通過させるか又は該液体に該キチン質の物質を浸
漬せしめて、該液体中に混在している放射性物質を該キ
チン質の物質にて吸着せしめて除去するようにしたこと
を特徴とする放射性物質除去法、及び上記キチン質の物
質に代え、ハイドロキシアパタイト又はキチン質の物質
とハイドロキシアパタイトとの複合体を用いて液中に混
在する放射性物質を吸着せしめて除去する方法を提供せ
んとするものである。
するために提案せられたものであり、キチン質の物質に
液体を通過させるか又は該液体に該キチン質の物質を浸
漬せしめて、該液体中に混在している放射性物質を該キ
チン質の物質にて吸着せしめて除去するようにしたこと
を特徴とする放射性物質除去法、及び上記キチン質の物
質に代え、ハイドロキシアパタイト又はキチン質の物質
とハイドロキシアパタイトとの複合体を用いて液中に混
在する放射性物質を吸着せしめて除去する方法を提供せ
んとするものである。
【0007】
【作用】液中に混在している放射性ストロンチウムは、
キチン質の物質又はハイドロキシアパタイト或いは之等
双方の物質の複合体に接触して吸着される。従って、放
射性ストロンチウムを吸着した混合体は該液より容易に
除去される。
キチン質の物質又はハイドロキシアパタイト或いは之等
双方の物質の複合体に接触して吸着される。従って、放
射性ストロンチウムを吸着した混合体は該液より容易に
除去される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。 1.原材料 放射性ストロンチウムを吸着して除去するための物質は
次の如くである。 * 甲殻類由来のキチンおよびその誘導体であるキトサ
ンおよびその溶液。 * 魚又は動物の骨由来のハイドロキシアパタイト、又
は化学合成によって得られるハイドロキシアパタイト。 * 上記双方の複合体。
次の如くである。 * 甲殻類由来のキチンおよびその誘導体であるキトサ
ンおよびその溶液。 * 魚又は動物の骨由来のハイドロキシアパタイト、又
は化学合成によって得られるハイドロキシアパタイト。 * 上記双方の複合体。
【0009】而して、キチン及びキトサンを合わせてキ
チン質といい、キチン質はカニ、エビなど甲殻類の殻や
昆虫、菌類などに含有している。キチンはN−アセチル
グルコサミンとよばれる基が多数結合した多糖類で、キ
トサンはその脱アセチル化物である。キチンは酸、アル
カリに不溶であるが、キトサンは酢酸、乳酸、クエン
酸、安息香酸などの有機酸に溶解する。又、キチン質は
多糖類であるが、これを分解してオリゴ糖にすれば水溶
性となる。
チン質といい、キチン質はカニ、エビなど甲殻類の殻や
昆虫、菌類などに含有している。キチンはN−アセチル
グルコサミンとよばれる基が多数結合した多糖類で、キ
トサンはその脱アセチル化物である。キチンは酸、アル
カリに不溶であるが、キトサンは酢酸、乳酸、クエン
酸、安息香酸などの有機酸に溶解する。又、キチン質は
多糖類であるが、これを分解してオリゴ糖にすれば水溶
性となる。
【0010】一方、ハイドロキシアパタイトは人、動
物、魚など生物の骨や歯を構成している無機成分で、化
学式はCa10(PO4 )6(OH)2 で表されるリン酸カ
ルシウムの一種である。これらは生体の骨や甲殻類の殻
から得ることが可能で、スケソウダラ等の魚の骨から得
られるハイドロキシアパタイトは生体適合材料や人工象
牙の原料に応用されている。又、ハイドロキシアパタイ
トは化学合成によって得ることも可能である。 2.形状、使用法 こうして得られたキトサンやハイドロキシアパタイト
は、未だ除去法が確立されていない放射性ストロンチウ
ムをきわめて有効に吸着除去するのである。而して、キ
トサンは人間の消化酵素では消化されない物質であるた
め、例えばキトサンを摂取すると、キトサンは消化管中
に混在している放射性ストロンチウムを吸着し、これを
体外に排除することが可能である。そして、このときキ
トサンは溶液となった方がより有効にはたらく。従っ
て、キトサンを有機酸溶液として摂取するか、オリゴ糖
や水溶性の塩として摂取した方が望ましい。しかし、キ
トサンのままでも胃酸によって溶解するので一応の効果
は得られる。キチンはキトサンに比べると効果はかなり
落ちる。
物、魚など生物の骨や歯を構成している無機成分で、化
学式はCa10(PO4 )6(OH)2 で表されるリン酸カ
ルシウムの一種である。これらは生体の骨や甲殻類の殻
から得ることが可能で、スケソウダラ等の魚の骨から得
られるハイドロキシアパタイトは生体適合材料や人工象
牙の原料に応用されている。又、ハイドロキシアパタイ
トは化学合成によって得ることも可能である。 2.形状、使用法 こうして得られたキトサンやハイドロキシアパタイト
は、未だ除去法が確立されていない放射性ストロンチウ
ムをきわめて有効に吸着除去するのである。而して、キ
トサンは人間の消化酵素では消化されない物質であるた
め、例えばキトサンを摂取すると、キトサンは消化管中
に混在している放射性ストロンチウムを吸着し、これを
体外に排除することが可能である。そして、このときキ
トサンは溶液となった方がより有効にはたらく。従っ
て、キトサンを有機酸溶液として摂取するか、オリゴ糖
や水溶性の塩として摂取した方が望ましい。しかし、キ
トサンのままでも胃酸によって溶解するので一応の効果
は得られる。キチンはキトサンに比べると効果はかなり
落ちる。
【0011】一方、ハイドロキシアパタイトは放射性ス
トロンチウムに対し、キトサン以上に強い吸着力がある
が、該ハイドロキシアパタイトはこれを摂取すると胃内
において胃酸に溶解し、本来の吸着能を失ってしまう。
しかも、リン酸カルシウムは元来、人間が消化吸収可能
な物質であるので、吸着した放射性ストロンチウムがカ
ルシウムと共に一部吸収されてしまう事にもなる。従っ
て、ハイドロキシアパタイトは生体外においての放射性
ストロンチウム吸着剤として用いるのが望ましい。即
ち、ハイドロキシアパタイトの場合は、飲料水や食品を
製造するときに用いる水などに直接作用させて、それら
の液体中から放射性ストロンチウムを除去させるのであ
る。ハイドロキシアパタイトはセラミックスの一種でも
あるので、形状の加工も容易である。
トロンチウムに対し、キトサン以上に強い吸着力がある
が、該ハイドロキシアパタイトはこれを摂取すると胃内
において胃酸に溶解し、本来の吸着能を失ってしまう。
しかも、リン酸カルシウムは元来、人間が消化吸収可能
な物質であるので、吸着した放射性ストロンチウムがカ
ルシウムと共に一部吸収されてしまう事にもなる。従っ
て、ハイドロキシアパタイトは生体外においての放射性
ストロンチウム吸着剤として用いるのが望ましい。即
ち、ハイドロキシアパタイトの場合は、飲料水や食品を
製造するときに用いる水などに直接作用させて、それら
の液体中から放射性ストロンチウムを除去させるのであ
る。ハイドロキシアパタイトはセラミックスの一種でも
あるので、形状の加工も容易である。
【0012】一般には次の様にして使用すれば効果的で
ある。 * 粉末のまま、布、紙、合成樹脂等に含浸させ、フィ
ルター状にし、液体を通過させる。 * 造粒してカラムやカートリッジに充填し、液体を通
過させる。 * タブレット状にしてマドラーの先端に取り付け、
水、茶、ミルク、コーヒー、酒などの飲料中に浸すか、
或いはこれをかき混ぜる。 * 袋などに充填し、ティーバック状にして液体中に浸
漬させる。 * 網目構造の物質にハイドロキシアパタイトを担時さ
せたフィルター状にし、ここを液体を通過させる。
ある。 * 粉末のまま、布、紙、合成樹脂等に含浸させ、フィ
ルター状にし、液体を通過させる。 * 造粒してカラムやカートリッジに充填し、液体を通
過させる。 * タブレット状にしてマドラーの先端に取り付け、
水、茶、ミルク、コーヒー、酒などの飲料中に浸すか、
或いはこれをかき混ぜる。 * 袋などに充填し、ティーバック状にして液体中に浸
漬させる。 * 網目構造の物質にハイドロキシアパタイトを担時さ
せたフィルター状にし、ここを液体を通過させる。
【0013】尚、本発明は、上記一実施例に限定せられ
ることなく、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改
変を為すことができる。例えば、キトサン或はハイドロ
キシアパタイトを食品に添加することによっても目的を
達成できるのであるが、本発明は、このように改変され
たものにも及ぶことは当然である。
ることなく、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改
変を為すことができる。例えば、キトサン或はハイドロ
キシアパタイトを食品に添加することによっても目的を
達成できるのであるが、本発明は、このように改変され
たものにも及ぶことは当然である。
【0014】
【発明の効果】本発明の効果を実験の結果に基いて説明
する。 イ.キトサン摂取の効果 動物実験(雄ラット、8週齢)結果 ラットにストロンチウム85−塩化物とアルギン酸或は
キトサンを同時に経口投与し、14日間、放射性ストロ
ンチウムの体内残留率を測定した。又、水溶性キトサン
を一定期間投与して該放射性ストロンチウムの体内残留
率を測定した。(放射線医学総合研究所内にて) A.放射性ストロンチウムを単独に経口投与(対照群) B.3%のアルギン酸を経口投与 C.3%のキトサン(分子量約3万、脱アセチル化度約
90%)を経口投与 D.3%の水溶性キトサンを連続経口投与 以上4種を、それぞれラットに投与し、放射性ストロン
チウムの体内残留率の比較を行ったところ図1のグラフ
に示す如き結果を得た。同図に示す如く、アルギン酸の
同時投与では全く効果が見られない。キトサンの同時摂
取では明らかに放射性ストロンチウムの体外排除に効果
を示した。又、水溶性キトサンの連続投与では放射性ス
トロンチウムの排泄促進効果が上まわっていた。而し
て、水溶性キトサンは、キトサンに安息香酸を付加して
水溶性にしたものである。キトサンは天然物であり、安
全性は極めて高く、且つ、安息香酸は食品添加物として
認められているので安全性は保障される。
する。 イ.キトサン摂取の効果 動物実験(雄ラット、8週齢)結果 ラットにストロンチウム85−塩化物とアルギン酸或は
キトサンを同時に経口投与し、14日間、放射性ストロ
ンチウムの体内残留率を測定した。又、水溶性キトサン
を一定期間投与して該放射性ストロンチウムの体内残留
率を測定した。(放射線医学総合研究所内にて) A.放射性ストロンチウムを単独に経口投与(対照群) B.3%のアルギン酸を経口投与 C.3%のキトサン(分子量約3万、脱アセチル化度約
90%)を経口投与 D.3%の水溶性キトサンを連続経口投与 以上4種を、それぞれラットに投与し、放射性ストロン
チウムの体内残留率の比較を行ったところ図1のグラフ
に示す如き結果を得た。同図に示す如く、アルギン酸の
同時投与では全く効果が見られない。キトサンの同時摂
取では明らかに放射性ストロンチウムの体外排除に効果
を示した。又、水溶性キトサンの連続投与では放射性ス
トロンチウムの排泄促進効果が上まわっていた。而し
て、水溶性キトサンは、キトサンに安息香酸を付加して
水溶性にしたものである。キトサンは天然物であり、安
全性は極めて高く、且つ、安息香酸は食品添加物として
認められているので安全性は保障される。
【0015】ロ.ハイドロキシアパタイトによる効果 試験管にストロンチウム−85塩化物の水溶液10ml
を入れ、これに以下の試料を各0.1gずつ加えて振と
うし、1時間後および20時間後の各試料へのストロン
チウム吸着率を調べた。
を入れ、これに以下の試料を各0.1gずつ加えて振と
うし、1時間後および20時間後の各試料へのストロン
チウム吸着率を調べた。
【0016】
【表1】
【0017】カルシウムキチンはキチン質にハイドロキ
シアパタイトや炭酸カルシウムが沈着したもので、成分
的にはキチンとハイドロキシアパタイトの複合体であ
る。この実験結果から、ハイドロキシアパタイトが放射
性ストロンチウムを極めて良く吸着することがわかる。
この吸着能を利用して、放射性ストロンチウムで汚染さ
れた様々の液体から、放射性ストロンチウムを吸着除去
することが可能である。カルシウムキチンでも同程度の
効果がある。しかし、これはキチンに吸着能がほとんど
ないことから、成分中のハイドロキシアパタイトがほと
んど作用していることは明白である。そして、ハイドロ
キシアパタイトによって液体中から放射性ストロンチウ
ムによって汚染された液体から、ハイドロキシアパタイ
トによって放射性ストロンチウムを除去する具体的な方
法としては、ハイドロキシアパタイトをフィルターに含
浸させるか、或はカラムに充填させて、ここを、汚染さ
れた液体を通過させることが望ましい。
シアパタイトや炭酸カルシウムが沈着したもので、成分
的にはキチンとハイドロキシアパタイトの複合体であ
る。この実験結果から、ハイドロキシアパタイトが放射
性ストロンチウムを極めて良く吸着することがわかる。
この吸着能を利用して、放射性ストロンチウムで汚染さ
れた様々の液体から、放射性ストロンチウムを吸着除去
することが可能である。カルシウムキチンでも同程度の
効果がある。しかし、これはキチンに吸着能がほとんど
ないことから、成分中のハイドロキシアパタイトがほと
んど作用していることは明白である。そして、ハイドロ
キシアパタイトによって液体中から放射性ストロンチウ
ムによって汚染された液体から、ハイドロキシアパタイ
トによって放射性ストロンチウムを除去する具体的な方
法としては、ハイドロキシアパタイトをフィルターに含
浸させるか、或はカラムに充填させて、ここを、汚染さ
れた液体を通過させることが望ましい。
【0018】又、緊急時に於ては公的な機関がこのよう
な設備を行って、一般家庭に供給される水道水やその他
の飲料から放射性ストロンチウムを除去していることが
最善であるが、あらゆる地方で必ずしもそれを期待する
ことはできない。さらに、放射性ストロンチウムの測定
法は極めて難しく、特殊な設備を必要とするため、例え
ば、今から飲もうとするコップの中の水が放射性ストロ
ンチウムを含んでいない事を確認してから飲むというこ
とは現実には不可能なことである。
な設備を行って、一般家庭に供給される水道水やその他
の飲料から放射性ストロンチウムを除去していることが
最善であるが、あらゆる地方で必ずしもそれを期待する
ことはできない。さらに、放射性ストロンチウムの測定
法は極めて難しく、特殊な設備を必要とするため、例え
ば、今から飲もうとするコップの中の水が放射性ストロ
ンチウムを含んでいない事を確認してから飲むというこ
とは現実には不可能なことである。
【0019】従って、その場合には次の様な方法をとれ
ば良い。 * 水道の蛇口に、ハイドロキシアパタイトの粒を入れ
た簡易的な浄水器を取付ける。 * ハイドロキシアパタイトの粒を小袋に入れ、ティー
バック状にして、これを飲料を入れた容器の中に入れ
る。湯、ミルク、コーヒー等を入れたケトルの中などが
ふさわしい。 * ハイドロキシアパタイトを例えばタブレット状に
し、これをマドラーの先端に取り付け、カップやグラス
の中の飲料を攪拌する。
ば良い。 * 水道の蛇口に、ハイドロキシアパタイトの粒を入れ
た簡易的な浄水器を取付ける。 * ハイドロキシアパタイトの粒を小袋に入れ、ティー
バック状にして、これを飲料を入れた容器の中に入れ
る。湯、ミルク、コーヒー等を入れたケトルの中などが
ふさわしい。 * ハイドロキシアパタイトを例えばタブレット状に
し、これをマドラーの先端に取り付け、カップやグラス
の中の飲料を攪拌する。
【0020】上表に示した如く、ハイドロキシアパタイ
トは放射性ストロンチウムの吸着に極めて優れているの
で、これらの操作により種々の飲料中から相当量の放射
性ストロンチウムを除去することが可能である。そし
て、ハイドロキシアパタイト自体は人畜に対し全く安全
な物質であり、特に天然のハイドロキシアパタイトは、
これ自体を摂取しても何ら問題のない物質である。
トは放射性ストロンチウムの吸着に極めて優れているの
で、これらの操作により種々の飲料中から相当量の放射
性ストロンチウムを除去することが可能である。そし
て、ハイドロキシアパタイト自体は人畜に対し全く安全
な物質であり、特に天然のハイドロキシアパタイトは、
これ自体を摂取しても何ら問題のない物質である。
【図1】放射性ストロンチウム投与後の体内残留率の経
時変化を示すグラフである。
時変化を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 キチン質の物質に液体を通過させるか又
は該液体に該キチン質の物質を浸漬せしめて、該液体中
に混在している放射性物質を該キチン質の物質にて吸着
せしめて除去するようにしたことを特徴とする放射性物
質除去法。 - 【請求項2】 ハイドロキシアパタイトに液体を通過さ
せるか又は該液体に該ハイドロキシアパタイトを浸漬せ
しめて、該液体中に混在している放射性物質を該ハイド
ロキシアパタイトにて吸着せしめて除去するようにした
ことを特徴とする放射性物質除去法。 - 【請求項3】 キチン質の物質とハイドロキシアパタイ
トとの複合体に液体を通過せしめるか又は該液体に前記
複合体を浸漬せしめて、該液体中に混在している放射性
物質を該複合体にて吸着せしめて除去するようにしたこ
とを特徴とする放射性物質除去法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22902691A JPH0566295A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 放射性物質除去法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22902691A JPH0566295A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 放射性物質除去法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0566295A true JPH0566295A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=16885588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22902691A Pending JPH0566295A (ja) | 1991-09-09 | 1991-09-09 | 放射性物質除去法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0566295A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2013002865A (ja) * | 2011-06-14 | 2013-01-07 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 吸着剤組成物、放射性セシウム吸着剤及びそれを用いた放射性セシウムの分離方法 |
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