JPH0566041B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、全体的にいえば、マイクロ波RFフ
イルタに関するものである。より詳細にいえば、
本発明はバラクタ同調を行なうことができるセラ
ミツクTEM共振器帯域フイルタに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

近年、セラミツク・フイルタがますます用いら
れてきている。セラミツク横波電磁界（TEM）
共振器帯域フイルタは、マイクロ波RF産業の分
野において、広く用いられている。たくさんある
応用例の中から１つを挙けると、低損失プリセレ
クタ帯域フイルタがある。このような応用例にお
いて、広帯域のアンテナから典型的なマイクロ波
受信器の狭帯域の装置へ接続する時、一定の周波
数領域、通常それは狭い帯域であるが、この狭い
周波数領域だけを透過することが要求され、一方
同時に、この帯域内での信号強度の損失が極めて
小さいということが要求されることが多い。

セラミツクTEM共振器フイルタを製造する１
つの方法は、セラミツク誘電体ブロツク体にそれ
を貫通する一連の穴をあけ、それから、このセラ
ミツク・ブロツク体の上表面だけを除き、穴の内
側面を含めたセラミツク・ブロツク体の全表面を
金属被覆体で被覆する。この上表面に、TEM共
振器穴のおのおのに対しメタライゼーシヨン行程
により、集中したコンデンサが作成される。この
集中コンデンサにより、TEM共振器フイルタの
各共振器に典型的に付随する静電容量がえられ
る。ある応用例では、各共振器の共振周波数を急
速に変えるために、そしてそれによりフイルタの
帯域周波数を急速に変えるために、これらのコン
デンサの静電容量値を急速に変えることができる
ことが要望される。１つの製造方法では、これら
の集中コンデンサがバラクタ・ダイオードで置き
替えられる。このバラクタ・ダイオードは、セラ
ミツク・ブロツク体の上表面上に同じようにして
作成される。

けれども、これらの製造法には欠点がいくつか
ある。主な欠点は、セラミツク・ブロツク体の上
表面上にバラクタが配置されると、共振器間の結
合が乱されることである。バラクタはセラミツク
製造体の中のEM電磁界を乱し、したがつて、こ
のフイルタが要求された周波数に同調するさいに
種々の問題点を生ずる。

したがつて、バラクタ同調セラミツクTEM共
振器帯域フイルタを改良して、バラクタによりセ
ラミツクの中のEM電界が乱され、それにより共
振器間の結合に影響を与える効果を少なくするこ
とが要請されている。

〔発明の目的と要約〕

本発明の１つの目的は、改良された共振器間結
合特性を有するバラクタ同調セラミツクTEM共
振器帯域フイルタを得ることである。

本発明の１つの特徴は、共振器穴の中に配置さ
れたバラクタ・ダイオードを有することである。

本発明の１つの利点は、共振器間の結合に妨害
を与えるバラクタにより生ずるEM電磁界の乱れ
が小さくなることである。

本発明により、前記要請を満たし、かつ、前記
目的は達成され、かつ、前記特徴と利点がえられ
る、バラクタ同調TEM共振器セラミツク帯域フ
イルタが得られる。本発明により、共振器間結合
に妨害を与えるバラクタにより生ずるEM電磁界
の乱れがないように製造された、バラクタで同調
をとることができるセラミツクTEM共振器帯域
フイルタが得られる。

したがつて、本発明は、TEM共振器穴の中に
配置されるが、共振器穴の中の金属被覆体のなお
上に配置されたバラクタを有する、バラクタ同調
TEM共振器セラミツク帯域フイルタに関するも
のである。

〔実施例〕

第１図は、１００で全体的に示された、セラミ
ツク・バラクタ同調帯域フイルタ・ブロツク体１
０２の図面である。ブロツク体１０２は第１共振
器穴１０４と、第２共振器穴１０６と、第３共振
器穴１０８とを有する。これらの共振器穴は、
TEM共振器に典型的に付随する共振器を得るた
めに部分的に使用され、そしてその内部に下記で
説明される保持器管が配置される。おのおのの共
振穴は共振器穴１０４と同じ構造を有する。これ
らの共振器穴は、セラミツク・ブロツク体１０２
の中に、その上表面１１０からその下表面１１２
まで貫通して、穴をあけることによつて作成され
る。導電被覆体１１４が、穴１０４，１０６およ
び１０８の内側面を含めて、セラミツク・ブロツ
ク体１０２のすべての表面を被覆する。ただし、
穴の内側面を被覆する導電被覆体は、下表面１１
２から上表面１１０までに完全には達していな
い。この導電被覆体１１４は銅の厚い膜であるこ
とが好ましい。図面では、被覆体１１４の厚さが
誇張されて示されている。実際には、被覆体１１
４の厚さはフイルタの他の寸法に比べて極めて小
さい。その厚さは、表皮効果による侵入深さの数
倍であることが好ましい。共振器穴の中の被覆体
で被覆されていない領域に、バラクタ１１８，１
２０および１２２が配置される。バラクタ１１８
がこの領域１１６の中で垂直に配置される時、バ
ラクタ・ダイオードは共振器間結合EM電磁界を
乱すことが最も少ない。この設計は、その全長が
被覆された共振器を有する典型的なセラミツク・
フイルタの上表面上にバラクタを単に直接に配置
するのに比べて、好ましいものである。それは、
そのように設計すると、バラクタはセラミツクス
体により接近しかつセラミツクス体と同じ面内に
あり、したがつて、共振器間結合を大幅に乱すか
らである。典型的な回路基板１２４がフイルタ１
０２に取り付けられる。フイルタ１０２は金属ケ
ース１２６の中に収納される。バラクタ１１８，
１２０および１２２は、それぞれ、バラクタ・ダ
イオード保持管１２８，１３０および１３２に取
り付けられる。これらの管により、バラクタを容
易にかつ確実に配置することができる。これらの
管は下記でさらに説明される。

第２図は代表的な共振器構造体の拡大分解図で
ある。この共振器構造体はバラクタ１１８を有す
る。バラクタ１１８の形式、形状は、フイルタに
要求される特性に応じて、変えることができる。
ただし、そこで選定されたバラクタは、柱状体１
３４の上部に挿入できるものでなければならな
い。この柱状体の上端部１３８はそこにバラク
タ・ダイオードが入るねじ１３６を有する。柱状
体１３４は外側にねじ１４０を有する事実上の棒
であるが、その上端に円錐形上端部部１３８を有
し、この円錐形上端部の内側は空洞１３６になつ
ている。柱状体１３４は適当な導電材料で作成す
ることができるが、その好ましい材料は銀メツキ
されたベリリウム・銅である。柱状体の外側ねじ
１４０はバラクタ・ダイオード保持管１２８の内
側ねじと噛み合う。バラクタ・ダイオード保持管
１２８は柱状体１３４と同じ材料で作成される。
管１２８は事実上円筒であつて、その内側表面に
ねじ１４２を有し、その外側表面１４４は比較的
滑らかである。管１２８の外側の直径は共振器穴
１０４の直径によつて定まり、一方、内側の直径
１４６は柱状体１３６の直径によつて定まる。管
１２８の高さは穴１０４の中の金属被覆体１１４
の高さに等しいことが好ましい。管１２８は穴１
０４の中の金属被覆体１１４に接合される。この
接合は、管１２８と金属被覆体１１４との間に電
気的接続が得られるものであれば適当な方法で行
つてよい。この接合によつて、管１２８と共振器
穴１０４とが機械的に取り付けられる。好ましい
接合法は、ハンダ接合または銀エポキシによる接
合である。管１２８が金属被覆体１１４に機械的
に取り付けられた時、機械的な取り付けと電気的
な接続を完全に得るために、必要ならば、柱状体
１３４とそれに取り付けられたバラクタ１１８が
上方または下方に操作される。

第３図は本発明のフイルタとその周辺の典型的
な回路の平面概要図である。第３図において、３
００で全体的に示された多重共振器フイルタのう
ちの２個の共振器３０２および３０４が示されて
いる。共振器３０４はダイオード保持管３０８の
上部にバラクタ３０６を有する。ダイオード保持
管３０８は共振器３０４に挿入され、そして金属
被覆体３０と接触する。バラクタ３０６の１つの
端子は導電体３１２に電気的に接続される。導電
体３１２は、典型的には、フイルタ３００に使用
される回路基板の上に作成される。共振器３０２
は共振器３０４と同じに構成される。導電体３１
２は、コンデンサ３１４を通してRF短絡するこ
とにより、基準電圧３１３に接続される。導電体
３１２は、RFチヨーク３１６を通して、可変電
圧源にさらに接続される。RFチヨーク３１６は
また印刷された1/4波長伝送線路にあることがで
きる。本発明は、本発明の等価回路概要図を見る
ことによつて、さたに明確に理解することができ
る。

第４図は本発明のフイルタの等価回路とその周
辺の回路との概要図である。４００で全体的に示
された３個のTEM共振器フイルタが示されてい
る。このTEM共振器フイルタは第1TEM共振器
４０２と、第2TEM共振器４０４と、第３TEM
共振器４０６とを有する。共振器４０２，４０４
および４０６は共通の基準電圧４０７を有する。
信号入力４０８と入力ランチング・コンデンサ４
１０が示されている。コンデンサ４１０により、
第1TEM共振器４０２に対する必要な静電容量に
よる結合がえられる。出力ランチング・コンデン
サ４１２がまた示されている。コンデンサ４１２
により、信号出力４１４と第3TEM共振器４０６
との間の必要な静電容量結合がえられる。共振器
４０２，４０４および４０６のおのおのには、そ
れぞれ、バラクタ・ダイオード４１６，４１８お
よび４２０が接続される。バラクタ４１６，４１
８および４２０の制御電圧は、可変電圧源４２２
かた平等に供給される。バラクタ制御電圧源４２
２を不必要なRF信号から分離するために、バラ
クタ４１６，４１８および４２０は、RF信号を
通さないインダクタ４３０，４３２および４３４
をそれぞれ通して、可変電圧源４２２に接続され
る。共振器４０２，４０４および４０７のRFア
ースは、それぞれ、コンデンサ４２４，４２６お
よび４２８によつて得られる。

動作のさいには、信号は信号入力４０８を通し
て入力し、そしてランチング・コンデンサ４１０
によつて、バラクタ同調セラミツク帯域フイルタ
４００に静電容量によつて結合される。フイルタ
４００の帯域周波数は、バラクタ４１６，４１８
および４２０に供給されるバラクタ制御可変電圧
源４２２からの電圧によつて、変えることができ
る。バラクタに供給される電圧によつてバラクタ
の静電容量が変わり、それにより各共振器の共振
周波数が変わる。フイルタ作用を受けた信号は、
出力ランチング・コンデンサ４１２と信号出力４
１４とを通して、静電容量による結合によつて外
部回路に送られる。要約をすると、入力４０８か
ら入つてフイルタ４００を通過し出力４１４から
出ていく周波数は、電源４２２を調節することに
よつて制御することができる。

本発明のフイルタとそれが持つ多くの利点は前
記説明により理解されるであろう。本発明の範囲
内で、本発明の利点を損うことなく、形式、構成
および部品の配置を種々に変更しうることは明ら
かである。本発明の前記実施例は好ましい実施例
を単に例示したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の３個共振器セラミツク帯域フ
イルタの横断面図であつて、各共振器はバラク
タ・ダイオードを有し、第２図は本発明のダイオ
ード、柱状体およびダイオード保持管の拡大分解
立体図、第３図は本発明のフイルタとそれが取り
付けられている回路基板との概要平面図、第４図
は本発明の好ましい実施例の概要等価回路図。 符号の説明、１０２……セラミツク・ブロツク
体、１１８，１２０，１２２，３０６，４１６，
４１８，４２０……バラクタ・ダイオード、１２
８，１３０，３０８……ダイオード保持管、１３
４……外ねじ付棒、柱状体、１２８……内ねじ付
スリーブ、保持管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上側面と下側面と、前記上側面から前記下側
   面までを貫通している複数個の穴とを有し、か
   つ、前記上側面近傍の前記穴の内側面を除き前記
   下側面のところの前記穴の内側面を含めたすべて
   の表面が導電材料で完全に被覆されている、セラ
   ミツク・ブロツク体と、 複数個の前記穴のおのおのの中に配置された複
   数個のバラクタ・ダイオードと、 前記バラクタ・ダイオードを前記穴の中に保持
   する装置と、 前記バラクタ・ダイオードを前記下側面のとこ
   ろの前記穴の中の導電被覆体とを電気的に接続す
   る装置とを有し、 前記穴の中に前記バラクタを保持する前記装置
   が前記穴の中に挿入されかつ前記穴の中の前記導
   電被覆体と前記下側面のところで電気的に接触す
   る円筒形バラクタ保持管を有し、かつ、前記保持
   管が上端部と下端部を有し、かつ、前記バラクタ
   が前記保持管の前記上端部に保持されることを特
   徴とするフイルタ装置。 ２ ダイオードを共振器管の中に保持する装置で
   あつて、上端部と、下端部とを有し、外側にねじ
   が切つてある棒を有し、前記上端部は前記ダイオ
   ードがその内部に入る内側にねじが切つてある空
   洞を有し、さらに、上端部と、下端部とを有し、
   内側にねじが切つてあるスリーブを有し、前記ス
   リーブの前記上端部の前記内側ねじが前記棒の前
   記外側ねじと噛み合うことができることを特徴と
   するダイオードを共振器管の中に保持する装置。 ３ 特許請求の範囲第２項において、前記ダイオ
   ードが前記内側ねじ付空洞と噛み合うねじ付部分
   をそなえたバラクタ・ダイオードでさらに構成さ
   れている、前記ダイオードを共振器管の中に保持
   する装置。