JPH0565620A - チタンまたはチタン合金の表面硬化方法 - Google Patents

チタンまたはチタン合金の表面硬化方法

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Publication number
JPH0565620A
JPH0565620A JP25476791A JP25476791A JPH0565620A JP H0565620 A JPH0565620 A JP H0565620A JP 25476791 A JP25476791 A JP 25476791A JP 25476791 A JP25476791 A JP 25476791A JP H0565620 A JPH0565620 A JP H0565620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
titanium alloy
base material
heating
hardness
Prior art date
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Pending
Application number
JP25476791A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Kamata
正彦 鎌田
Yoshiyuki Oki
善幸 大木
Yasuo Tsuchiya
安夫 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NDK Inc
Original Assignee
Nihon Denshi Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Nihon Denshi Kogyo KK filed Critical Nihon Denshi Kogyo KK
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Publication of JPH0565620A publication Critical patent/JPH0565620A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チタンまたはチタン合金の表面を短時間に比
較的深く硬化を行うことができるチタンまたはチタン合
金の表面硬化方法を提供する。 【構成】 材料1を大気中(窒素雰囲気中)に配置し、
操作盤5を操作し、高周波発振機3の制御を行って発振
機3からマッチングトランス4を介して所定の高周波を
加熱コイル2に供給し、材料1の高周波誘導加熱を行っ
たところ、チタン材料1の加熱部分の表面が急速にへこ
み、内部が溶融したことが確認された。この高周波誘導
加熱を行った後、チタン材料1を冷却し、硬度分布を測
定したところ、材料1の表面の硬度は、ビッカース硬さ
1,000HV以上と極めて硬くなっており、また、表面か
らかなり深い部分( 200μm)でもビッカース硬さ 400
HV以上の硬化層が確認できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンまたはチタン合
金の表面を短時間に比較的深く硬化を行うことができる
チタンまたはチタン合金の表面硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンは、その比重は鉄の約1/2で、
高比強度,高耐蝕性が特徴であり、工業的に利用価値が
高い材料である。通常、金属材料を工業的に利用するた
めに、表面を硬化する必要があり、チタンの場合も使用
に当たっては加熱炉中で熱処理を行ったり、ガス窒化,
イオン窒化などの表面硬化処理が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱炉
を使用し、チタンまたはチタン合金の加熱処理を行う
と、被加熱物の表面全体が一定温度に加熱され、必要な
部分以外の表面部分の性質が変化したり、その部分を劣
化させたりする。また、被加熱物を長時間加熱炉に入れ
高温加熱を行うと母材全体が均一に加熱されてしまい、
母材の中心部まで性質が変化する欠点がある。更に、炉
中加熱であるために、硬化処理による製品の製造を短時
間に連続的に行うことができない。一方、低温加熱での
表面硬化処理では、硬化深さが1〜数十μmと非常に浅
く、このような深さに硬化処理された母材を工業的に用
いるには、用途に甚だしい制約を受けることになる。こ
のように、チタンあるいはチタン合金には未だ適切な表
面硬化方法がなく、チタンの広範囲の利用に大きな障害
となっている。
【0004】本発明は、上述した点に鑑みて成されたも
ので、チタンまたはチタン合金の表面を短時間に比較的
深く硬化を行うことができるチタンまたはチタン合金の
表面硬化方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に基づくチタンま
たはチタン合金の表面硬化方法は、チタンまたはチタン
合金より成る母材を特定雰囲気中で高周波誘導加熱し、
該母材を溶融点以上に加熱し、該母材表面の硬化を行う
ようにしたを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明に基づくチタンまたはチタン合金の表面
硬化方法は、チタンまたはチタン合金より成る母材を特
定雰囲気中で高周波誘導加熱し、該母材を溶融点以上に
加熱する。例えば、チタンを酸素や窒素雰囲気中で高周
波加熱し、母材をチタンの溶融点である1670℃以上に加
熱する。固体金属であるチタンを加熱すると、温度上昇
につれて固体から液体へと相変態を起こす。この固体,
液体状態のチタンにおいて、チタンに特定元素を添加す
ると、チタン内に添加された元素の拡散速度は、固体内
では温度上昇につれて大きくなり、また、液体ではその
速度は更に大きくなる。一方、チタンに酸素や窒素など
の元素が添加されると、チタン溶融温度が上昇する。更
には、チタンやチタン合金に酸素や窒素が添加される
と、その硬度が増すことが知られている。このようなこ
とから、母材を加熱するにつれ、最初は母材表面の温度
が急速に上昇し、雰囲気元素である酸素あるいは窒素が
表面から母材内部に添加される。そのため、母材の表面
部分の溶融温度は上昇し、加熱温度がチタンの溶融温度
を越えても表面部分は溶融しない。この状態で表面に接
近した母材内部の温度はチタンの溶融温度以上になり、
その部分は溶融され液体状態となる。液体状態部分での
チタンにおいては、前述したように添加元素の拡散速度
が大きく、表面の固体相から急速に元素が内部に拡散す
る。そして加熱を停止し、母材の冷却を行えば、短時間
に表面から深い部分にまで元素が拡散した材料が得ら
れ、結果として深い硬化層が得られる。
【0007】
【実施例】図1は本発明を実施するための高周波加熱装
置の一例を示したもので、1は棒状のチタン合金材料
(Ti−6Al−4V)である。2は加熱コイルであ
り、チタン材料1の硬化される部分に巻回されている。
加熱コイル2には、高周波発振機3からマッチングトラ
ンス4を介して所望の周波数の高周波が印加される。5
は操作盤である。
【0008】さて、このような装置において、材料1を
大気中に配置し、操作盤5を操作し、高周波発振機3の
制御を行って発振機3からマッチングトランス4を介し
て所定の高周波を加熱コイル2に供給し、材料1の高周
波誘導加熱を行った。なお、この時の各条件は次の通り
であった。
【0009】使用発振機 50KW 周波数 200KHz 電圧 12.5KV 電流 3.2A 加熱時間 1.8sec 上記条件で加熱を行ったところ、チタン材料1の加熱部
分の表面が急速にへこみ、内部が溶融したことが確認さ
れた。この現象は、母材としてのチタン材料1を加熱す
るにつれ、最初は母材表面の温度が急速に上昇し、雰囲
気元素である例えば酸素が母材表面から母材内部に添加
されたこと、そして、そのため、母材の表面部分の溶融
温度は上昇し、加熱温度がチタンの溶融温度を越えても
表面部分は溶融せず、この状態で表面に接近した母材内
部の温度はチタンの溶融温度以上になり、その部分は溶
融され液体状態になったために生じたものと考えられ
る。この高周波誘導加熱を行った後、チタン材料1を冷
却し、硬度分布を測定したところ、図2のグラフの実線
で示す分布が得られた。図において縦軸はビッカース硬
さ(HV)であり、横軸は材料1の表面からの距離であ
る。この図から明らかなように、チタン材料1の表面の
硬度は、ビッカース硬さ 1,000HV以上と極めて硬くな
っており、また、表面からかなり深い部分( 200μm)
でもビッカース硬さ 400HV以上の硬化層が確認でき
た。このことは、液体状態部分でのチタンにおいては、
前述したように添加元素の拡散速度が大きく、表面の固
体相から急速に元素が内部に拡散したため、短時間に表
面から深い部分にまで元素が拡散した材料が得られ、結
果として深い硬化層が得られたものと推測される。
【0010】上記図2の実線の分布は、材料1に対して
1回の高周波誘導加熱によって得られたものであるが、
同じ材料に対し、1.8sec の加熱とその後の空冷とを
5回繰り返したところ、図2の点線で示す硬度分布が得
られた。この図から明らかなように、チタン材料の表面
硬度はビッカース硬さ1,200 HV以上と更に硬くなると
共に、ビッカース硬さ 400HV以上の硬化層が材料1の
中心部にまで及んでいることが確認された。また、表面
からの距離が25μmから200μmまでの間は、ビッ
カース硬さ500〜700HVの比較的一定の硬さが得
られた。
【0011】なお、上記実施例は、チタン合金材料を例
に説明したが、チタンでも同様な結果が得られた。ま
た、大気中ではなく、酸素や窒素雰囲気でも同様の結果
が得られた。
【0012】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、チタ
ンまたはチタン合金より成る母材を特定雰囲気中で高周
波誘導加熱し、該母材を溶融点以上に加熱するようにし
たので、短時間に表面からかなりの深さまで硬化処理を
行うことができる。また、加熱時間や繰り返し加熱の回
数を制御することにより、比較的表面部分のみの硬化処
理から、表面から深い部分までの硬化処理を選択的に行
うことができる。また、加熱炉による加熱処理ではな
く、高周波誘導加熱であるため、材料の局所部分のみの
加熱硬化処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための高周波加熱システムの
一例を示す図である。
【図2】チタン材料の表面からの深さに応じた硬度分布
を示す図である。
【符号の説明】
1…チタン材料 2…加熱コイル 3…高
周波発振機 4…マッチングトランス 5…操作盤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンまたはチタン合金より成る母材を特
    定雰囲気中で高周波誘導加熱し、該母材を溶融点以上に
    加熱し、該母材表面の硬化を行うようにしたチタンまた
    はチタン合金の表面硬化方法。
JP25476791A 1991-09-05 1991-09-05 チタンまたはチタン合金の表面硬化方法 Pending JPH0565620A (ja)

Priority Applications (1)

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JP25476791A JPH0565620A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 チタンまたはチタン合金の表面硬化方法

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JP25476791A JPH0565620A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 チタンまたはチタン合金の表面硬化方法

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JPH0565620A true JPH0565620A (ja) 1993-03-19

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ID=17269602

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JP25476791A Pending JPH0565620A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 チタンまたはチタン合金の表面硬化方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997037049A1 (fr) * 1996-03-29 1997-10-09 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Alliage de titane a haute resistance, produits issus de cet alliage et procede de fabrication
RU2623979C2 (ru) * 2015-10-08 2017-06-29 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Саратовский государственный технический университет имени Гагарина Ю.А." (СГТУ имени Гагарина Ю.А.) Способ химико-термической индукционной обработки малогабаритных изделий из альфа-титановых сплавов

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WO1997037049A1 (fr) * 1996-03-29 1997-10-09 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Alliage de titane a haute resistance, produits issus de cet alliage et procede de fabrication
RU2623979C2 (ru) * 2015-10-08 2017-06-29 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Саратовский государственный технический университет имени Гагарина Ю.А." (СГТУ имени Гагарина Ю.А.) Способ химико-термической индукционной обработки малогабаритных изделий из альфа-титановых сплавов

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