JPH056543U - 遮水遮蔽複合テープ及びこれを用いた遮水型電力ケーブル - Google Patents

遮水遮蔽複合テープ及びこれを用いた遮水型電力ケーブル

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JPH056543U JP5202391U JP5202391U JPH056543U JP H056543 U JPH056543 U JP H056543U JP 5202391 U JP5202391 U JP 5202391U JP 5202391 U JP5202391 U JP 5202391U JP H056543 U JPH056543 U JP H056543U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】15μm厚の鉛箔12、及び20μm厚の銅メ
ッシュ箔13を、50μm厚のポリエステルフィルム1
4を介して、ポリエステル系ホットメルト接着剤により
積層一体化してなる厚さ100μmの金属積層体11の
鉛箔12側に導電性・熱可塑性プラスチックフィルム3
1を積層した遮水遮蔽複合テープを、導体42の周面上
に、内部半導電層43、絶縁体層44及び外部半導電層
45を順次配置してなるケーブルコア部41の周面上
に、隣り合う遮水遮蔽複合テープの一部が重なり合うよ
うにして立て添えし、この重ね合せ部を熱圧着して、遮
水遮蔽複合層46が設けられている。さらに、遮水遮蔽
複合層46の周面上に、PVCを押出被覆してなる保護
シース層47が形成されている。 【効果】金属遮水層及び金属遮蔽層を同一製造工程で容
易に設けられると共に、金属遮水層及び金属遮蔽層を互
いに接触して破損するのを略完全に防止できる

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、遮水遮蔽複合テープと、この遮水遮蔽複合テープからなる遮水遮蔽 複合層を有する遮水型電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、使用電圧が6.6kVにも達する高電圧用のゴムまたはプラスチック 絶縁電力ケーブルは、図5に例示するように、導体51上に、内部半導電層52 、絶縁体層53、外部半導電層54、銅テープからなる金属遮蔽層55、及び軟 質塩化ビニル樹脂組成物等からなる保護シース層56が順次設けられた基本構成 を有している。通常、このうち、導体51、内部半導電層52、絶縁体層53及 び外部半導電層54をケーブルコア部と呼んでいる。
【0003】 かかる構成の電力ケーブル50では、保護シース層55が必ずしもケーブル内 部への水浸透を完全に遮断できるとは限らない。ケーブル50の内部に水分が浸 透するとケーブルコア部に到達し、外部半導電層54または絶縁体層53に拡散 する。これにより、絶縁体層53中で、所謂、水トリーなどの欠陥を発生させる 。この結果、電力ケーブル50の絶縁性能等の電気特性を低下させる重大な原因 になっていた。
【0004】 このような水分浸入による電力ケーブルの電気特性の低下を有効に防止するた めに、本考案者らは、先に、電力ケーブルのケーブルコア部の上に、具体的には 絶縁体層または外部半導電層の直上に、遮水層として金属−プラスチックラミネ ートテープを縦添え包被した後、半導電布テープを巻回し、さらに、半導電布テ ープの上に、従来通り、銅テープ、保護シースを設けたコア上遮水ケーブルを提 案している(実公昭63−36890号公報参照)。
【0005】 また、これとは別に、金属テープの少なくとも片面にプラスチックテープをラ ミネートしてなる遮水層を、ケーブルコア部の外側のシース直下に縦添え包被し てシースと一体化させた構成からなる金属ラミネートシースケーブル、すなわち シース下遮水ケーブルも提案している(実公平3−3934号公報参照)。この 場合には、ケーブルコア部の外側に銅テープの金属遮蔽層を設けた後、必要に応 じて押えテープ巻回層を介して、遮水層、保護シース層を設けている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明したコア上遮水ケーブル及びシース下遮水ケーブルは 、いずれも金属遮水層と金属遮蔽層が別々になっている。このため、製造工程が 多くなるので、ケーブルの製造に手間がかかると共に、コストが高くなる問題が あった。
【0007】 このような問題を解決するために、まず、金属遮蔽層として使用している銅テ ープの上に、絶縁性又は導電性のプラスチックフィルムと、金属遮水層として用 いられる銅テープとを順次積層した銅ラミネートテープを、ケーブルコア部上に 縦添えすることが考えられる。次いで、銅ラミネートテープの重ね合せ部を熱融 着した後、銅ラミネートテープの上に保護シースを押出被覆する。この場合には 、遮水層と金属遮蔽層が同一材料で構成される。しかし、このようなケーブルで は、製造時には特に問題ないが、例えば布設時等にケーブルが繰返して曲げられ ると、銅テープに皺が発生したり、重ね合せ部が離間したりする。また、銅テー プの縁部が隣り合う銅テープに接触したり、金属遮蔽層を構成する銅テープの縁 部が、金属遮水層を構成する銅テープの縁部と接触して、銅テープが破れてしま う。このような銅テープの不良のため、容易に遮水性,遮蔽性を喪失し、実用に 耐え得るものではなかった。
【0008】 本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、金属遮水層及び金属遮蔽層 を、同一製造工程で容易に製造することができると共に、金属遮水層及び金属遮 蔽層が互いに接触して破損するのを略完全に防止できる遮水遮蔽複合テープ及び これを用いた遮水型電力ケーブルを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、遮水用金属と遮蔽用金属とを耐熱性樹脂層を介して一体化してなる 金属積層体の少なくとも片面にプラスチック層を設けたことを特徴とする遮水遮 蔽複合テープを提供する。
【0010】 また、本考案は、導体上に、内部半導電層、絶縁体層、及び必要に応じて外部 半導電層を順次配置してなるケーブルコア部の外側に配置した請求項1記載の遮 水遮蔽複合テープからなる遮水遮蔽複合層と、該遮水遮蔽複合層の外側に配置し た保護シース層とを具備することを特徴とする遮水型電力ケーブルを提供する。 以下、本考案をさらに詳細に説明する。
【0011】 本考案の遮水遮蔽複合テープにおいて、遮水用金属とは、ケーブルコア部への 水の浸透を阻止することができる金属である。遮水用金属は、例えば、鉛箔、銅 箔等の水に対して耐腐食性を有する金属箔を用いることができる。金属箔として は、例えば、10〜50μmの薄い箔を用いることができる。遮水用金属を接地 する場合には、ケーブル端で遮蔽用金属と接続すればよい。
【0012】 また、遮蔽用金属としては、例えば、銅メッシュ条、銅メッシュ箔またはこれ らに錫、鉛等をメッキしてなる金属のメッシュ条またはメッシュ箔を用いること が好ましい。なぜならば、金属メッシュ条及び金属メッシュ箔を金属遮蔽層とし て用いた場合には、電力ケーブルの可撓性及び耐折性を著しく向上することがで きる。また、負荷応力が分散するため、銅テープを金属遮蔽層に用いた場合に見 られる、銅テープの縁部により金属遮水層を傷つけたり、銅テープ切れによるケ ーブルコア部への損傷や異常過熱が起こらないからである。
【0013】 ここで、銅メッシュ条は、例えば、0.05〜0.80mmの銅線または錫メ ッキ線を編組したものである。また、銅メッシュ箔は、例えば、0.05〜0. 50mm厚の銅箔を電解液中でメッシュ加工処理したものである。
【0014】 このような遮水用金属及び遮蔽用金属を密着一体化して積層する耐熱性樹脂層 としては、例えば、ポリエステル,ポリアミド,ポリアミドイミドまたはポリイ ミドフィルムのような耐熱性樹脂が好ましい。これらの樹脂の融点は150℃以 上であるため、保護シース層を押出被覆した場合も、熱で軟化することがない。 また、機械的強度に優れているので、ケーブルに繰返し曲げを加えても破れ難い 。耐熱性樹脂層の厚さは、10〜80μmの範囲で適宜選択できる。
【0015】 このような遮水用金属、耐熱性樹脂層及び遮蔽用金属を、例えば、ポリエステ ル系ホットメルト接着剤またはポリウレタン系接着剤等の適当な接着剤で接着す ることにより積層して金属積層体を得ることができる。
【0016】 このような金属積層体の少なくとも片面に設けられるプラスチック層は、必要 に応じて、導電性または絶縁性プラスチックのいずれかを選択することができる 。すなわち、例えば、ケーブルコア部の上に遮水遮蔽複合テープを配置する場合 に、は、導体から遮蔽用金属に至るまでの、内部半導電層、外部半導電層及び遮 蔽用金属の間で電気的導通をとることにより、これらの層での電位が同電位にな り、電気的安定性が向上する。このため、金属積層体とケーブルコア部の外半導 電層との間の電気的導通を確保するために、金属積層体を直接外部半導電層上に 配置するか、金属積層体のケーブルコア部側に向けられる面に、導電性プラスチ ック層を設けることが好ましい。一方、金属積層体の保護シース層に向けられる 面の上に設けられるプラスチック層としては、絶縁性を向上するために絶縁性プ ラスチックを選択するのが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0017】 以上説明した遮水遮蔽複合テープを用いた遮水型電力ケーブルとしては、遮水 用金属および遮蔽用金属の配置順番、並びに選択するプラスチック層の種類に従 って、次のような組合せが考えられる。
【0018】 (I)導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/導電性プラスチック層 /遮水用金属/耐熱性樹脂層/遮蔽用金属/保護シース層 (II)導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/遮水用金属 /耐熱性樹脂層/遮蔽用金属/絶縁性プラスチック層/保護シース層 (III) 導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/導電性プラスチック層 /遮蔽用金属/耐熱性樹脂層/遮水用金属/保護シース層 (IV) 導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/遮蔽用金属 /耐熱性樹脂層/遮水用金属/絶縁性プラスチック層/保護シース層 (V) 導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/導電性プラスチック層 /遮蔽用金属/耐熱性樹脂層/遮水用金属/絶縁性プラスチック層 /保護シース層 (VI) 導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/導電性プラスチック層 /遮水用金属/耐熱性樹脂層/遮蔽用金属/絶縁性プラスチック層 /保護シース層 (VII) 導体/内部半導電層/絶縁体層/外部半導電層/導電性プラスチック層 /遮水用金属/耐熱性樹脂層/遮蔽用金属/導電性プラスチック層 /保護シース層 遮水型電力ケーブルは、例えば、遮水遮蔽複合テープを、ケーブルコア部の周 面上に、隣なり合う遮水遮蔽複合テープの一部が重なり合うように縦ぞえした後 、遮水遮蔽複合テープの重ね合せ部を熱圧着して、遮水遮蔽複合層を形成する。 この後、遮水遮蔽複合層の周面上に、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルな る保護シース層を押出被覆して、遮水型電力ケーブルを得ることができる。
【0019】
【作用】
本考案の遮水遮蔽複合テープは、遮水用金属、耐熱性樹脂層および遮蔽用金属 を既知の積層技術により積層一体化し、この金属積層体の少なくとも片面にプラ スチック層を配置して容易に製造することができる。この遮水遮蔽複合テープを 、ケーブルコア部の外側に配置することにより、金属遮水層および金属蔽遮層を 同一工程で同時に設けることができる。
【0020】 また、本考案の遮水型電力ケーブルでは、耐熱性及び機械的強度に優れた耐熱 性樹脂層により、金属遮水層及び金属遮蔽層が直接接触するのを阻止しているの で、金属遮水層として比較的薄い金属箔を用い、金属遮蔽層として金属メッシュ 条または金属メッシュ箔を用いた場合にも、金属箔が金属メッシュ条または金属 メッシュ箔と接触して傷つくのを防止できる。
【0021】
【実施例】
次に本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0022】 図1は、本考案の遮水遮蔽複合テープを構成する金属積層体を示す説明図であ る。図中11は、遮水用金属として15μm厚の鉛箔12と、遮蔽用金属として 20μm厚の銅メッシュ箔13とを、50μm厚のポリエステルフィルム14を 介して積層一体化した、厚さ100μmの金属積層体である。各層の間は、ポリ エステル系ホットメルト接着剤(商品名PES120E、東亜合成化学工業(株 )製)により接着されている。
【0023】 また、金属積層体の他の例としては、遮蔽用金属として銅メッシュ条を用いた ものでも良い。すなわち、図2に示す如く、遮水用金属として30μm厚の鉛箔 22と、遮蔽用金属として0.08mm径の錫メッキ銅線をメッシュ(網目)状 に編組してなる銅メッシュ条23とを、25μm厚のポリアミドフィルム24を 介して、ポリウレタン系接着剤(商品名タケネート、武田薬品工業(株)製)で 積層一体化した金属積層体21であっても良い。
【0024】 このような構成からなる金属積層体11の少なくとも片面、例えば、図3に示 す如く、金属積層体11の銅メッシュ箔13側に、プラスチック層31を積層す ることにより、遮水遮蔽複合テープ30を得る。プラスチック層31としては、 例えば、ナックエースGA−OO4KB(商品名;日本ユニカー(株)製)等の 導電性カーボンを含有する接着性ポリオレフィン樹脂のような導電性熱可塑性プ ラスチックフィルムを用いることができる。また、例えば、ナックエースGA− 002(商品名;日本ユニカー(株)製)等の導電性カーボンを含まない接着性 ポリオレフィン樹脂のような絶縁性熱可塑性プラスチックフィルムも用いること ができる。
【0025】 以下、上述のような遮水遮蔽複合テープ30を用いた遮水型電力ケーブルにつ いて説明する。
【0026】 図4中41は、導体42の周面上に、例えば、エチレンエチルアクリレート共 重合体からなる内部半導電層43、例えば、架橋ポリエチレンからなる絶縁体層 44、及び、例えば、エチレンエチルアクリレート共重合体からなる外部半導電 層45を順次設けてなるケーブルコア部である。ケーブルコア部41の周面上に 、上述の遮蔽遮蔽複合テープ30を、隣合う遮蔽遮蔽複合テープ30の一部が重 なり合うようにして立て添えし、この重ね合せ部を熱圧着して、遮水遮蔽複合層 46が設けられている。さらに、遮水遮蔽複合層46の周面上には、例えば、ポ リ塩化ビニル樹脂を押出被覆してなる保護シース層47が形成されている。
【0027】 以下、このような構成からなる本考案の遮水型電力ケーブル40の効果を確認 するために行なった試験結果について説明する。
【0028】 実施例1〜6 6.6kVゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルに用いられるケーブルコア部 の外部半導電層上に、表1に示すような構成からなる遮水遮蔽複合テープを、隣 り合う遮水遮蔽複合テープの一部が重り合うように縦添えした後、その重ね合せ 部を熱圧着して遮水遮蔽複合層を形成した。次いで、遮水遮蔽複合層の周面上に 、ポリ塩化ビニル樹脂を押出被覆して保護シース層を形成し、実施例1〜6の6 .6kV遮水型ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルを試作した。ここで、遮水 遮蔽複合テープの各層間の接着には、例えば、タケラック、タケネート(商品名 ;武田薬品(株)製)のようなラミネート用の二液硬化剤接着剤を使用した。
【0029】 このようにして試作した実施例1〜6の6.6kV遮水型ゴム・プラスチック 絶縁電力ケーブルについて、室温(20℃)にて曲げ負荷(ベンド)を加えた場 合と、90℃にて曲げ負荷を加えた場合の金属遮水層及び金属遮蔽層の状態を評 価した。なお、この曲げ負荷試験は、ケーブル仕上り外径の10倍径のベンド板 に試作ケーブルを沿わせ、ベンド板を8往復曲げた後、試作ケーブルを解体し、 遮水用金属及び金属遮蔽層の状況を評価した。この結果を、表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】 比較例1 6.6kVゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルに用いられるケーブルコア 部の外部半導体電層上に、導電性・熱可塑性プラスチックフィルム(100μm 厚、GA−004BK)、鉛箔(50μm厚)及び導電性・熱可塑性プラスチッ クフィルム(100μm厚、GA−004BK)を順次積層してなる遮水テープ を、隣り合う遮水テープの一部が重なり合せるように縦添えし、この重ね合せ部 を熱融着させた。この後、金属遮蔽層として銅テープ(0.1mm厚)を横巻き した。この金属遮蔽層の周面上に、ポリ塩化ビニル樹脂を押出被覆して、比較例 1の6.6kV遮水型ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルを試作した。試作し た比較例1の遮水型ケーブルについて、実施例1〜6と同様に、室温及び90℃ で曲げ負荷を加えた場合の金属遮水層及び金属遮蔽層の状態を評価した。この結 果を表2に併記した。
【0032】 比較例2 6.6kVゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルの製造に用いられるケーブル コア部の外部半導電層上に、金属遮蔽層として銅テープを横巻き後、その上に、 0.15mm厚の不織布テープを巻き回した。次いで、巻き回した不織布テープ の周面上に、遮水用金属30μm厚鉛、50μm厚ポリエステル及びボンドファ ーストVC(50μm厚)からなる遮水テープを、鉛側がケーブルコア部側にな るようにして、隣り合う遮水テープの一部が重なり合うようにして縦添えし、こ の重ね合せ部を熱融着させて金属遮水層を形成した。さらに、金属遮水層上に、 PVC防食層を押出被覆して、比較例2の6.6kV遮水型ゴム・プラスチック 絶縁電力ケーブルを試作した。試作した比較例2の遮水型ケーブルについて、実 施例1〜6と同様に、室温及び90℃で曲げ負荷を加えた場合の金属遮水層及び 金属遮蔽層の状態を評価した。この結果を表2に併記した。
【0033】 比較例3 6.6kVゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルに用いられるケーブルコア 部の外部半導電層上に、導電性・熱可塑性プラスチックフィルム(100μm厚 、商品名ナックエースGA−004BK、日本ユニカー(株)製)、15μm厚 の鉛、50μm厚ポリエチレン及び20μm厚銅メッシュ箔を順次積層してなる 遮水遮蔽複合テープを、隣り合う遮水遮蔽複合テープの一部が重り合うように縦 添えした後、その重ね合せ部を熱圧着して遮水遮蔽複合層を形成した。次いで、 遮水遮蔽複合層の周面上に、ポリ塩化ビニル樹脂を押出被覆して保護シース層を 形成し、比較例3の6.6kV遮水型ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルを試 作した。試作した比較例3の遮水型ケーブルについて、実施例1〜6と同様に、 室温及び90℃で曲げ負荷を加えた場合の金属遮水層及び金属遮蔽層の状態を評 価した。この結果を表2に併記した。
【0034】 比較例4 6.6kVゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルの製造に用いられるケーブル コア部の外部半導電層上に、GA−004BK(100μm厚)、銅テープ(0 .1mm厚)及びボンドファーストVC(100μm厚)を縦沿えした後、PV C防食層を押出被覆して、比較例4の6.6kVゴム・プラスチック絶縁電力ケ ーブルを試作した。試作した比較例4のケーブルについて、実施例1〜6と同様 に、室温及び90℃で曲げ負荷を加えた場合の金属遮水層及び金属遮蔽層の状態 を評価した。この結果を表2に併記した。
【0035】
【表2】
【0036】 表2から明らかな如く、実施例1〜6の遮水型ケーブルでは、室温での曲げ負 荷試験においても、高温での曲げ負荷試験においても、金属遮水層及び金属遮蔽 層に何ら変化は認められなかった。
【0037】 これに対して、比較例1の遮水型ケーブルでは、金属遮水層である鉛箔と金属 遮蔽層である銅テープの間に耐熱層樹脂層が設けらていないため、銅テープの縁 部により鉛箔が損傷を受け、切断されたところも認められた。また、銅テープに 折れが認められた。
【0038】 比較例2のケーブルでは、金属遮蔽層である銅テープと金属遮水層である鉛箔 の間に不織布テープが配置されているが、不織布では機械的強度が低いため、鉛 箔に皴が発生し、銅テープが折れたり、皴が発生したのが認められた。
【0039】 比較例3のケーブルでは、遮水遮蔽複合層を構成する鉛箔及び銅メッシュ箔の 間に配置されたポリエチレンが耐熱性ではないため、室温での曲げ負荷試験では 異常は認められなかったが、高温での曲げ負荷試験では、ポリエチレンからなる 樹脂層が軟化してしまうため、鉛箔と銅メッシュ箔が接触して鉛箔が傷つくこと が確認された。また、銅メッシュ箔に折れが認められた。
【0040】 比較例4のケーブルでは、ケーブルが曲げられると銅テープがずれるため、重 ね合せ部で離間が生じたり、銅テープの縁部により隣り合う銅テープが切れるこ とが確認された。
【0041】
【考案の効果】
以上の説明から明らかな如く、本考案の遮水遮蔽複合テープでは、遮水用金属 および遮蔽用金属が積層一体化されているので、遮水遮蔽複合テープを用いるこ とにより、ケーブルコア部の外側に、金属遮水層および金属遮蔽層を同一工程で 同時に設けることができる。これにより、遮水型電力ケーブルの製造工程が短縮 され、製造コストを低減することができる。また、本考案の遮水型電力ケーブル では、遮水用金属及び遮蔽用金属の間に耐熱性樹脂層が設けられているため、種 々の温度条件下で遮蔽用金属が遮水用金属を切断するのを阻止することができる 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の遮水遮蔽複合テープを構成する金属積
層体の一例を示す説明図。
【図2】同実施例の金属積層体の他の例を示す説明図。
【図3】本考案の遮水遮蔽複合テープの一例を示す説明
図。
【図4】本考案の遮水型電力ケーブルの一例を示す説明
図。
【図5】従来の電力ケーブルを示す説明図。
【符号の説明】
11,21…金属積層体、12…鉛箔、13…銅メッシ
ュ箔、14…ポリエステルフィルム、23…銅メッシュ
条、24…ポリアミドフィルム、30…遮水遮蔽複合テ
ープ、31…プラスチック層、40…遮水型電力ケーブ
ル、41…ケーブルコア部、42…導体、43…内部半
導電層、44…絶縁体層、45…外部半導電層、46…
遮水遮蔽複合層、47…保護シース層。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮水用金属と遮蔽用金属とを耐熱性樹脂
    層を介して一体化してなる金属積層体の少なくとも片面
    にプラスチック層を設けたことを特徴とする遮水遮蔽複
    合テープ。
  2. 【請求項2】 導体上に、内部半導電層、絶縁体層、及
    び必要に応じて外部半導電層を順次配置してなるケーブ
    ルコア部の外側に配置した請求項1記載の遮水遮蔽複合
    テープからなる遮水遮蔽複合層と、該遮水遮蔽複合層の
    外側に配置した保護シース層とを具備することを特徴と
    する遮水型電力ケーブル。
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