JPH056228U

JPH056228U - フレキシブルカツプリング

Info

Publication number: JPH056228U
Application number: JP060641U
Authority: JP
Inventors: 西山　　茂; 豊松野; 敦彦村山; 真幸鳥海; 宏大野
Original assignee: Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Toyo Tire Corp
Priority date: 1991-07-05
Filing date: 1991-07-05
Publication date: 1993-01-29
Anticipated expiration: 2006-07-05
Also published as: JP2552057Y2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】複数の円孔を等間隔に穿設した円盤状ディス
クの各円孔に、内筒と外筒の間にゴム弾性体を介在させ
て一体に固着せしめたゴムブッシュを嵌着してなるフレ
キシブルカップリングにおいて、外筒の絞り率を上げ、
ゴム弾性体、ひいてはカップリング全体の耐久性向上を
図る。【構成】フレキシブルカップリングのブッシュ３の外
筒５をアルミまたはその合金で構成すると共に、該外筒
５に絞り率７％以上の絞り加工を施す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車の駆動軸と従動軸とを可撓的に連結して捩り回転トルクを円滑に伝達するフレキシブルカップリングに関するのものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のエンジン側の駆動軸とアッセンブリユニット側の従動側との連結部に設けられるフレキシブルカップリングは、該駆動軸から従動軸に対し両軸間の撓み、偏心を吸収しながら捩り回転トルクを円滑に伝達する目的から従来より種々な構造のものが工夫され数多く提案され用いられている。

【０００３】これら各種カップリングのうちには、例えば図２に示す如く補強コードのない生産性や強度的に優れたものがあるが、これは中心をくり抜いた該中心孔（２）の周りに複数の円孔を等間隔に穿設した成形容易な鉄製等からなる所要厚さの円盤ディスク（１）の上記各円孔、該円孔への圧入嵌着可能な鋼製外筒（５´）と該外筒（５´）内に所要間隔をあけて同心に配置した鋼製内筒（４´）とをその間に介在させたゴム弾性体（６´）により一体に固着してなるゴムブッシュ（３ ´）…を夫々図の如く嵌着せしめてフレキシブルカップリングとして形成している。

【０００４】そして、このフレキシブルカップリングは、各ゴムブッシュ（３´）…の内筒（４´）が交互に、図３に示すように、一面側は駆動軸（Ｄ₁）に片支持された駆動側ヨーク（Ｙ₁）にボルト等によって固定されると共に、他面側は従動軸（Ｄ₂）に片支持された従動側ヨーク（Ｙ₂）にボルト等によって固定されることによって両者の連結が成されるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来のフレキシブルカップリングにあっては、生産性や強度的に優れる反面、上記ゴムブッシュの外筒を鉄にて構成していることから、該外筒と内筒の間に固着されたゴム弾性体の加硫による残留ひずみを除去する際に、図６に示すように上記外筒（５´）に絞り率６％以下の小さな絞り加工しか施せず、上記ゴム弾性体（６´）の耐久性を完全に向上させるには至らなかった。

【０００６】本考案は叙上の如き実状に対処し、ゴムブッシュの外筒に新規な構成を見出すことにより、該外筒の絞り率を上げゴム弾性体、ひいてはフレキシブルカップリングの耐久性向上を図ることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的に適合する本考案フレキシブルカップリングの特徴は、同心円状に複数の円孔を等間隔に穿設した円盤状ディスクの上記各円孔に、内筒と外筒の間にゴム弾性体を介在させて一体に固着せしめたゴムブッシュを嵌着してなるフレキシブルカップリングにおいて、上記ブッシュの外筒をアルミまたはその合金で構成すると共に、該外筒に絞り率７％以上の絞り加工を施したことにある。

【０００８】

【作用】

しかして、上記構成を有する本考案のフレキシブルカップリングでは、ブッシュ外筒をアルミ化することによって絞り率を７〜１０％程度まで引き上げることが可能であり、これによって上記外筒と内筒間に介在するゴム弾性体に大きな予備圧縮を与え、該ゴム弾性体の耐久性を従来に比し約２倍に向上させることが可能となる。また、上記外筒をアルミ化することにより、ブッシュのディスクの取付時におけるブッシュ外筒のディスク円孔への圧入力の低減やフレキシブルカップリングの軽量化、ならびに防錆力の向上も同時に達成することが可能となる。

【０００９】

【実施例】

以下更に添付図面を参照して、本考案実施例のフレキシブルカップリングを説明する。

【００１０】図１は本考案実施例のフレキシブルカップリングのゴムブッシュの絞り加工を示す断面説明図、図２は上記実施例フレキシブルカップリングの斜視図、図３はフレキシブルカップリングと自動車の駆動・従動側ヨークとの接続状態を示す概要図である。

【００１１】これら図に示すフレキシブルカップリング（１）は、図３に示す自動車エンジン（Ｅ）側の駆動軸（Ｄ₁）に片支持された三叉状の駆動側ヨーク（Ｙ₁）に係着される二重筒構造の３個の駆動側ゴムブッシュ（３）…と、アッセンブリユニット（図示せず）側の従動軸（Ｄ₂）に片支持された三叉状の従動側ヨーク（Ｙ ₂ ）に係着される二重筒構造の３個の従動側ゴムブッシュ（３）…とを同心円周上に等間隔をなし、かつ交互に配列して、全体として図２に示す如き円盤状で中心に中心孔（２）が穿設されてなる孔あき盤体をなしている。

【００１２】前記駆動側ゴムゴッシュ（３）と従動側ゴムブッシュ（３）とは全く同形状であって、所要の間隔をおいて夫々所要長さで同心に配置した内筒（４）と外筒（５）とを、その間に介在させたゴム弾性体（６）を加硫接着せしめて一体に固着形成した二重筒構造を有している。本考案の肝要を示すこれらゴムブッシュ（３）は、外筒（５）がアルミまたはその合金によって構成され、図１左半に示す如く、内筒（４）と外筒（５）の間にゴム弾性体（６）を加硫接着せしめた後、この加硫による残留ひずみを除去すると共にゴム弾性体（６）に予備圧縮を与えるために、図１右半に示す如くダイス等により絞り加工が施される。この場合、本考案においては外筒（５）に変形しやすいアルミを用いているため、絞り加工における絞り率を７〜１０％程度にまで高めて、ゴム弾性体（６）の耐久性を従来の鉄製外筒を有するゴムブッシュに比し倍程度まで向上させている。

【００１３】他方、フレキシブルカップリングの本体をなすディスク（１）はアルミ又はその合金よりなり、図２に示す通り中心を所要の大きさにくり抜いた中心孔（２）の周りの該中心孔（２）とディスク（１）外周との間に、前記各ゴムブッシュ（３）…の中心軸に対応する６等分位置においてそれらのゴムブッシュ（３）のアルミ製外筒（５）の外径よりは僅かに小さな径の６個の円孔を等間隔あけて夫々穿設せしめて、この各円孔に各ゴムブッシュ（３）…のアルミ製外筒（５）を打ち込み等により圧入して図２に示す如く嵌着してなる構造を有する。なお、上記ディスク（１）は、この場合は所要の外径で、かつゴムブッシュ（３）のアルミ製外筒（５）の長さとほぼ同じ厚みを有して前記中心孔（２´）と各円孔（２）…を所定位置に穿設した円盤体としてアルミ鋳造或いはアルミ，アルミ合金によるプレス成形加工等により形成されている。

【００１４】以上の構成を有する本考案実施例のフレキシブルカップリングは、前記したように外筒（５）をアルミ化したことにより、絞り率を７〜１０％程度まで引き上げることが可能であり、これによって外筒（５）と内筒（４）間に存在するゴム弾性体（６）に大きな予備圧縮を与え、該ゴム弾性体（６）、ひいてはフレキシブルカップリングの耐久性を従来に比し約２倍に向上させることが可能となる。また、上記構成によって、図４に示す如くゴムブッシュ（３）をディスク（１）へ圧入する際の該圧入力（７）を、図５に示すように鉄製の外筒を有するゴムブッシュの圧入力（８）に比べ、約半分に抑えることが可能となる。さらに、この実施例ではディスク（１）もアルミ製であるため、上記ブッシュ外筒のアルミ化と相俟って、フレキシブルカップリングを約３０％も軽量化すると共に、異金属間の電蝕も防止して防錆力を向上させるとの実効も奏する。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のフレキシブルカップリングは、円盤状ディスクの複数の円孔に、内筒，外筒及びゴム弾性体からなるゴムブッシュを嵌着してなるカップリングにおいて、上記ブッシュの外筒をアルミまたはその合金で構成すると共に、該外筒に絞り率７％以上の絞り加工を施したものであり、外筒を大きく絞ることにより上記ゴムブッシュのゴム弾性体に大きな予備圧縮を与え、このゴム弾性体、ひいてはフレキシブルカップリングの耐久性を従来に比し約２倍に向上せしめ、さらに上記ブッシュ外筒のディスク円孔への圧入力の低減やフレキシブルカップリングの軽量化、ならびに防錆力の向上も同時に図れるとの顕著な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例フレキシブルカップリングのゴム
ブッシュの絞り加工を示す断面説明図である。

【図２】同実施例フレキシブルカップリングの斜視図で
ある。

【図３】フレキシブルカップリングと自動車の駆動・従
動側ヨークとの接続状態を示す概要図である。

【図４】本考案実施例ゴムブッシュの圧入を示す断面図
である。

【図５】本考案実施例のゴムブッシュと従来のゴムブッ
シュの圧入力を示すグラフである。

【図６】従来例フレキシブルカップリングのゴムブッシ
ュの絞り状態を示す断面説明図である。

【符号の説明】

（１）ディスク（２）中心孔（３）ゴムブッシュ（４）内筒（５）外筒（６）ゴム弾性体

フロントページの続き (72)考案者鳥海真幸愛知県西加茂郡三好町大字打越字生賀山３番地東洋ゴム工業株式会社自動車部品技術センター内 (72)考案者大野宏愛知県西加茂郡三好町大字打越字生賀山３番地東洋ゴム工業株式会社自動車部品技術センター内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】【請求項１】複数の円孔を同心円状に等間隔に穿設し
た円盤状ディスクの上記各円孔に、内筒と外筒の間にゴ
ム弾性体を介在させて一体に固着せしめたゴムブッシュ
を嵌着してなるフレキシブルカップリングにおいて、上
記ブッシュの外筒をアルミまたはその合金で構成すると
共に、該外筒に絞り率７％以上の絞り加工を施したこと
を特徴とするフレキシブルカップリング。