JPH0562279A - 光磁気デイスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板バネの自由たわみ量を吸収するために、磁
気ヘッドをディスク面に接触した状態で、予め、所望の
荷重がかかっているように、予圧保持部材を装備し、磁
気ヘッド退避手段による磁気ヘッドの退避に際して、浮
上スライダ−の動作ストロ−クを実質的に少なくし、デ
ィスクの厚さ方向の装置の大きさを可及的に縮減できる
ようにした光磁気ディスク装置を提供する。 【構成】 光磁気ディスク装置において、磁気ヘッド
（１１）を板バネ（１０）を介してヘッドキャリッジ
（１０３もしくは２１０）に保持する浮上スライダー
は、上記磁気ヘッド（１１）を退避した状態で、上記板
バネ（１０）を上記退避方向に規定量予圧して保持する
ように、上記ヘッドキャリッジ（１０３もしくは２１
０）に予圧保持部材（１）を設けていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスクに対し
て情報の消去、書換可能な光磁気ディスク装置に関し、
特に、磁界変調によるオーバライト可能な光磁気ディス
ク装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的な磁界変調型の光磁気ディ
スク装置は、図２あるいは図５に示すような、光ピック
アップ１００および磁気ヘッド１１と、その磁気ヘッド
の退避機構とを具備している。すなわち、上記光磁気デ
ィスク装置では、透明板上に光磁気媒体膜および保護膜
を積層することで構成された光磁気ディスク１０５が、
ディスクカ−トリッジ１０６に格納された状態で、タ−
ンテ−ブル（図示せず）上に装填されるようになってお
り、その下側、すなわち、透明板側には、上記光ピック
アップ１００が光磁気ヘッドキャリッジ１０３に搭載さ
れた状態で配置されており、また、その上側、すなわ
ち、保護膜側には、上記ディスクカ−トリッジ１０６の
シャッタ−開放部に位置して、上記光ピックアップ１０
０の対物レンズに対向した状態で上記磁気ヘッド１１が
配置されている。

【０００３】上記ヘッドキャッリッジ１０３は、ベアリ
ング１０１などの手段により、上記光磁気ディスク１０
５の半径方向に延びるスライドガイド（図示せず）に沿
って移動可能に支持されており、リニアモ−タ１０２の
働きで、上記光磁気ディスク１０５のトラック方向にス
レッド移動するようになっている。

【０００４】一方、上記磁気ヘッド１１を保持する浮上
スライダーは、中継部材１２（１２’）に対してロ−ド
ビ−ムとしての板バネ１０を取付け、また、上記板バネ
１０の先端に上記磁気ヘッド１１を取付けた構造になっ
ており、上記中継部材１２は、支軸１３で光磁気ヘッド
キャリッジ１０３に枢支され（図２参照）、あるいは、
上記光磁気ヘッドキャリッジ１０３とは独立してスレッ
ド移動される磁気ヘッドキャリッジ２１０に上下移動可
能に保持されており（図５参照）、適当な退避手段、例
えば、図２の例では、上記中継部材１２に設けたガイド
ロ−ル１５をソレノイド機構などで上下動させることに
より、上記ディスクカ−トリッジ１０６の出入れに際し
て、上記磁気ヘッド１１を上方に退避させている。

【０００５】

【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、光
ピックアップ１００と磁気ヘッド１１とを互いに一体的
に連動する構造とした、図２に示す光磁気ディスク装置
の磁気ヘッド退避手段は、以下のような欠点を有してい
る。すなわち、ディスクカートリッジ１０６を光磁気デ
ィスク装置に装填・離脱する際には、既に述べたよう
に、磁気ヘッド１１をディスクカートリッジ１０６に対
して待避させる必要があるが、一方、磁気ヘッド１１を
ディスク１０５に向けて弾性的に付勢するための板バネ
１０は、ディスクの面振れなどによる付勢力の変動を抑
えるためにバネ定数低くしなければならないから、所望
の付勢力を発生させるための変形量が、実用上、大略２
〜４ｍｍ程度に大きくする必要があり、従って、自由状
態（ディスク面から離れた状態）では付勢方向に２〜４
ｍｍ程度の押し込み量を経てから規定荷重に達するた
め、上述のように、磁気ヘッド１１をディスクカートリ
ッジ１０６に対して待避する場合に、支軸１３を中心と
して、中継部材１２を回動する角度θｂ’が大きくな
る。このため、退避距離ｈを確保するために、ガイドロ
−ル１５をソレノイドなどで移動させるストロ−ク量ｂ
が大きくなり、上記ソレノイドを含む一連の機構が大型
化する欠点がある。

【０００６】また、光ピックアップ１００と磁気ヘッド
１１とを別々のヘッドキャリッジ１０３、２１０に装備
して、個別にシーク動作する、図５に示す光磁気ディス
ク装置の磁気ヘッド退避手段は、図２の従来例と同様
に、中継部材１２’を上昇させて磁気ヘッド１１を待避
させるため、板バネ１０の自由たわみ量Δｈを含めたス
トロ−ク量で上記中継部材１２’を移動する必要があ
り、従って、上記中継部材１２’を上記自由たわみ量の
分だけ余計に移動する空間を、磁気ヘッドキャリッジ２
１０の下部に設ける必要があり、装置全体が、その高さ
方向に大きくなるという欠点がある。

【０００７】

【発明の目的】本発明は上記事情に基いて成されたもの
で、板バネの自由たわみ量を吸収するために、磁気ヘッ
ドをディスク面に接触した状態で、予め、所望の荷重が
かかっているように、予圧保持部材を装備し、磁気ヘッ
ド退避手段による磁気ヘッドの退避に際して、浮上スラ
イダ−の動作ストロ−クを実質的に少なくし、ディスク
の厚さ方向の装置の大きさを可及的に縮減できるように
した光磁気ディスク装置を提供しようとするものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
透明板上に光磁気媒体膜および保護膜を積層することで
構成されたディスクを回転駆動し、その時、上記透明板
側で上記光磁気媒体膜にレーザ光を照射して光磁気信号
を書き込み、読み出しする光ピックアップ、および、上
記光ピックアップに対向して上記保護膜側に位置され上
記ディスクの回転駆動で生じた上記ディスク表面の空気
流で浮上される磁気バイアス用の浮上式磁気ヘッドを具
備し、上記光ピックアップと磁気ヘッドとを一体または
個々に運動して上記ディスクのトラック方向にスレッド
移動するようにした光磁気ディスク装置において、上記
磁気ヘッドを板バネを介してヘッドキャリッジに保持す
る浮上スライダーは、上記磁気ヘッドを退避した状態
で、上記板バネを上記退避方向に規定量予圧して保持す
るように、上記ヘッドキャリッジに予圧保持部材を設け
ている。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図１および図３、４を参照し
て、具体的に説明する。図１の実施例では、磁界変調用
の磁気ヘッド１１が光ピックアップ１００と結合されて
シーク動作する場合を示している。ここでは、従来例
（図２参照）で示した同じ構成部分に同じ符号を付し
て、その説明を省略する。特に、本発明では、中継部材
１２に予圧保持部材１が装着されており、上記予圧保持
部材１は、その一端が板バネ１０の先端に向けて延長さ
れ、上記磁気ヘッド１１がディスク１０５の上面に当接
した状態で、上記板バネ１０を一定の荷重で上向きに支
えるように、保持している。

【００１０】このため、光磁気ディスク１０５の回転に
ともなって、浮上スライダ−に空気流が働き、これを浮
上する時、上記ディスク面に対して上記磁気ヘッド１１
が略一定のクリアランスｃを保持するが、上記クリアラ
ンスが最小の状態（すなわち、板バネ１０が上記予圧保
持部材から離れる状態）で、既に予圧分の抵抗（下向き
圧力）が働く。従って、その後の板バネ１０のたわみ量
を小さく設定できる。換言すれば、低いバネ定数でも、
少ないたわみ量で、上記空気流の動圧に抗して磁気ヘッ
ド１１に規定荷重を確保でき、浮上スライダ−を安定し
た飛翔状態に保つことができる。しかも、ディスクカ−
トリッジ１０６の装填・離脱の場合、上記磁気ヘッド１
１を上方に退避するが（退避距離ｈ）、この時の支軸１
３まわりにおける中継部材１２の回動角θａ’が（θ
ａ’＜θｂ’）のように、少なくて済み、ストロ−ク量
ａを（ａ＜ｂ）のように、小さくできる。

【００１１】なお、本発明における予圧保持部材１は、
上記板バネ１０に対してスペ−サ２を介して取付けるこ
とで（図３の（ａ）参照）、最小クリアランスを調整
し、あるいは、長手方向に長孔２ａを穿ち、長手方向の
位置調節ができるように、ネジ２ｂを上記長孔２ａに挿
入して締め付けることで、上記板バネ１０に対して取付
けることにより（図３の（ｂ）参照）、上記板バネ１０
に対してその先端が接触する位置を変え、最小クリアラ
ンスを調整し、初期の予圧量を調節できるようにしても
よい。

【００１２】このようにして、本発明の構成をとれば、
磁気ヘッド１１の退避手段におけるソレノイド機構など
の構成を小型化できる。

【００１３】図４の（ａ）ないし（ｃ）は、本発明の別
の実施例を、平面図および側面図で示したもので、ここ
では、光ピックアップ１００と磁気ヘッド１１とを、個
別のヘッドキャリッジ１０３および２１０に装備する
が、しかし、同期してシーク動作させる構成が採用され
ている。特に、この実施例では、上記中継部材１２’は
予圧保持部材１と一体的に構成され、ト−ションバネ１
３’の働きで、退避手段のリフトア−ム１５’に弾接さ
れており、また、上記板バネ１０と連係されている。こ
のため、磁気ヘッド１１を退避している状態（図４の
（ｃ）参照）または、ディスクが停止している状態で
は、上記予圧保持部材１のフック部１’が板バネ１０を
押しあげるように予圧している。従って、ディスクが回
転する使用状態（磁気ヘッドを空気流に浮上させる状
態）では、上記ト−ションバネ１３’の反力で、上記板
バネ１０に所要の初期予圧量をかけているので、必要ク
リアランスを小さくできる（図４の（ｂ）参照）。この
ようにして、上記中継部材１２’は、退避手段としての
リフトアームなどのストロ−ク量を少なくするのであ
る。

【００１４】なお、上記実施例における予圧部材１’
は、上記板バネ１０に対してスペ−サ２を介して連結す
ることで（図６の（ａ）参照）、最小クリアランスを調
整し、あるいは、長手方向に長孔２ａを穿ち、長手方向
の位置調節ができるように、ネジ２ｂを上記長孔２ａに
挿入して締め付けることで、上記板バネ１に対して連結
することにより（図６の（ｂ）参照）、最小クリアラン
スを調整し、初期の予圧量を調節できるようにしてもよ
い。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、以上述べたように、磁気ヘッ
ドを搭載した浮上スライダ−に予圧保持部材を設けるこ
とで、上記磁気ヘッドを弾持する板バネを介して、上記
磁気ヘッドをディスクカ−トリッジに対して退避動作さ
せる際、その退避手段の動作ストロ−クを可及的に小さ
くでき、装置全体の薄型化、小型化を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す要部の側面図である。

【図２】本発明に対応する従来例の要部の側面図であ
る。

【図３】本発明における予圧量調整のための各実施例
（ａ）および（ｂ）の平面および側面図である。

【図４】本発明の別の実施例を（ａ）ないし（ｃ）に分
けて示す平面および側面図である。

【図５】上記実施例に対応する従来例の側面図である。

【図６】上記実施例における予圧量調整のための各実施
例（ａ）および（ｂ）の平面および側面図である。

【符号の説明】

１ 予圧保持部材 １０ 板バネ １１ 磁気ヘッド １２ 中継部材 １３ 支軸 １３’ ト−ションバネ １５ ガイドロ−ラ １００ 光ピックアップ １０３ 光磁気ヘッドキャリッジ ２１０ 磁気ヘッドキャリッジ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明板上に光磁気媒体膜および保護膜を
   積層することで構成されたディスクを回転駆動し、その
   時、上記透明板側で上記光磁気媒体膜にレーザ光を照射
   して光磁気信号を書き込み、読み出しする光ピックアッ
   プ、および、上記光ピックアップに対向して上記保護膜
   側に位置され上記ディスクの回転駆動で生じた上記ディ
   スク表面の空気流で浮上される磁気バイアス用の浮上式
   磁気ヘッドを具備し、上記光ピックアップと磁気ヘッド
   とを一体または個々に運動して上記ディスクのトラック
   方向にスレッド移動するようにした光磁気ディスク装置
   において、上記磁気ヘッドを板バネを介してヘッドキャ
   リッジに保持する浮上スライダーは、上記磁気ヘッドを
   退避した状態で、上記板バネを上記退避方向に規定量予
   圧して保持するように、上記ヘッドキャリッジに予圧保
   持部材を設けていることを特徴とする光磁気ディスク装
   置。
2. 【請求項２】 上記浮上スライダ−は、上記板バネに対
   する予圧量を調整できるように、上記ヘッドキャリッジ
   に対する予圧保持部材の位置調整を行う機構を具備して
   いることを特徴とした請求項１に記載の光磁気ディスク
   装置。