JPH0562147A - 磁気記録媒体とその製法 - Google Patents
磁気記録媒体とその製法Info
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- JPH0562147A JPH0562147A JP3220721A JP22072191A JPH0562147A JP H0562147 A JPH0562147 A JP H0562147A JP 3220721 A JP3220721 A JP 3220721A JP 22072191 A JP22072191 A JP 22072191A JP H0562147 A JPH0562147 A JP H0562147A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 CoPt系合金より成る磁性薄膜において、
保磁力の増大化をはかり、高密度記録媒体に用いて好適
な磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体上に、磁性薄膜が被着され、こ
の磁性薄膜の組成式がCox Pty Nz で示され、その
組成範囲が、x+y+z=100、12<y≦30、2
≦z≦6(但しx,y,zは原子%)と選定して磁気記
録媒体を構成する。
保磁力の増大化をはかり、高密度記録媒体に用いて好適
な磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体上に、磁性薄膜が被着され、こ
の磁性薄膜の組成式がCox Pty Nz で示され、その
組成範囲が、x+y+z=100、12<y≦30、2
≦z≦6(但しx,y,zは原子%)と選定して磁気記
録媒体を構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高保磁力を有し、高密度
磁気記録媒体に用いて好適な磁気記録媒体とその製法に
係わる。
磁気記録媒体に用いて好適な磁気記録媒体とその製法に
係わる。
【0002】
【従来の技術】近年磁気記録の高密度化に伴い、高い保
磁力をもった薄膜磁性材料が要求されており、CoPt
合金薄膜が注目されている。80kA/m(約1000
Oe)程度以上の高い保磁力を得るには、Pt含有量を
20原子%前後としたCoPt合金を、非磁性支持体上
に直接、又はCr下地層等を介してスパッタリングして
達成できるが、この場合得られる保磁力は高々120k
A/m程度である。
磁力をもった薄膜磁性材料が要求されており、CoPt
合金薄膜が注目されている。80kA/m(約1000
Oe)程度以上の高い保磁力を得るには、Pt含有量を
20原子%前後としたCoPt合金を、非磁性支持体上
に直接、又はCr下地層等を介してスパッタリングして
達成できるが、この場合得られる保磁力は高々120k
A/m程度である。
【0003】しかしながら、磁気ヘッドコア材の高磁束
密度化が急速に進み、2.0T(テスラ)に達するコア
材が見出されたことに対応して、磁気記録媒体において
も更に高い保磁力を得ることが要求されている。
密度化が急速に進み、2.0T(テスラ)に達するコア
材が見出されたことに対応して、磁気記録媒体において
も更に高い保磁力を得ることが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うなCoPt系合金より成る磁性薄膜において、120
kA/m程度以上の高保磁力を得て、高密度記録媒体に
用いて好適な磁気記録媒体を得ることを目的とする。
うなCoPt系合金より成る磁性薄膜において、120
kA/m程度以上の高保磁力を得て、高密度記録媒体に
用いて好適な磁気記録媒体を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に磁性薄膜が被着され、この磁性薄膜の組成式がCo
x Pty Nz で示され、その組成範囲を、x+y+z=
100、12<y≦30、2≦z≦6(但しx、y、z
は原子%)と選定して磁気記録媒体を構成する。
上に磁性薄膜が被着され、この磁性薄膜の組成式がCo
x Pty Nz で示され、その組成範囲を、x+y+z=
100、12<y≦30、2≦z≦6(但しx、y、z
は原子%)と選定して磁気記録媒体を構成する。
【0006】他の本発明は、上述の組成範囲に選定した
磁気記録媒体において、その磁性薄膜のX線回折像の
(002)ピーク強度I(002) 及び(100)ピーク強
度I(100) に対する(101)ピーク強度I(101) の比
を、それぞれI(002) /I(101) <0.6、I(100) /
I(101) <0.2と選定して構成する。
磁気記録媒体において、その磁性薄膜のX線回折像の
(002)ピーク強度I(002) 及び(100)ピーク強
度I(100) に対する(101)ピーク強度I(101) の比
を、それぞれI(002) /I(101) <0.6、I(100) /
I(101) <0.2と選定して構成する。
【0007】また他の本発明製法は、非磁性支持体上
に、CoPt合金より成る磁性薄膜をArとN2 との混
合ガス中でこの非磁性支持体の温度を室温として成膜
し、その後真空中で加熱処理することにより、非磁性支
持体上の磁性薄膜中の窒素を解離させて、上述の組成範
囲に選定した磁気記録媒体を構成する。
に、CoPt合金より成る磁性薄膜をArとN2 との混
合ガス中でこの非磁性支持体の温度を室温として成膜
し、その後真空中で加熱処理することにより、非磁性支
持体上の磁性薄膜中の窒素を解離させて、上述の組成範
囲に選定した磁気記録媒体を構成する。
【0008】
【作用】上述したように本発明磁気記録媒体において
は、非磁性支持体上に、その組成式がCox Pty Nz
で示され、組成範囲がx+y+z=100、12<y≦
30、2≦z≦6(但しx、y、zは原子%)とされた
磁性薄膜が被着されて構成されるものであるが、このよ
うに磁性薄膜の組成範囲を選定することによって、単層
の磁性膜構成を採るにも係わらず、160kA/m以上
程度の高い保磁力を有する磁気記録媒体を得ることがで
きた。
は、非磁性支持体上に、その組成式がCox Pty Nz
で示され、組成範囲がx+y+z=100、12<y≦
30、2≦z≦6(但しx、y、zは原子%)とされた
磁性薄膜が被着されて構成されるものであるが、このよ
うに磁性薄膜の組成範囲を選定することによって、単層
の磁性膜構成を採るにも係わらず、160kA/m以上
程度の高い保磁力を有する磁気記録媒体を得ることがで
きた。
【0009】またこのような磁気記録媒体は、非磁性支
持体上にCoPt合金より成る磁性薄膜をArとN2 と
の混合ガス中でこの非磁性支持体の温度を室温として成
膜し、その後真空中で加熱処理を行って、非磁性支持体
上の磁性薄膜中の窒素を解離させる本発明製法を採るこ
とによって得ることができた。
持体上にCoPt合金より成る磁性薄膜をArとN2 と
の混合ガス中でこの非磁性支持体の温度を室温として成
膜し、その後真空中で加熱処理を行って、非磁性支持体
上の磁性薄膜中の窒素を解離させる本発明製法を採るこ
とによって得ることができた。
【0010】上述の本発明製法によってそのCoPt合
金の組成及び窒素ガス濃度を制御して作製したCoPt
N系磁性薄膜を有する磁気記録媒体の配向性を、X線回
折により調べた結果を図1に示す。また、参考として単
層のCoPt薄膜のX線回折像を図2に示し、またCr
下地層を設けてCoPtを被着し、CoPt/Crの2
層膜構造とした磁性薄膜のX線回折像を図3に示す。こ
の場合、各磁性薄膜の膜厚を60nmとし、Cr下地層
の膜厚は200nm、また成膜時のArガス圧を2.7
Paとして成膜した。またX線回折はCo−Kα線を用
いて測定を行った。
金の組成及び窒素ガス濃度を制御して作製したCoPt
N系磁性薄膜を有する磁気記録媒体の配向性を、X線回
折により調べた結果を図1に示す。また、参考として単
層のCoPt薄膜のX線回折像を図2に示し、またCr
下地層を設けてCoPtを被着し、CoPt/Crの2
層膜構造とした磁性薄膜のX線回折像を図3に示す。こ
の場合、各磁性薄膜の膜厚を60nmとし、Cr下地層
の膜厚は200nm、また成膜時のArガス圧を2.7
Paとして成膜した。またX線回折はCo−Kα線を用
いて測定を行った。
【0011】図1からわかるように、本発明磁気記録媒
体におけるCoPtN系磁性薄膜では(101)ピーク
p101 のみが見られ、図2に示すように、CoPt合金
単層による磁性薄膜では(002)ピークp002 のみが
見られる。また図3からわかるように、CoPt/Cr
二層膜による磁性薄膜では、(100)ピークp001 と
(002)ピークp002 とが見られ、(101)ピーク
p101 はあらわれていない。このように、本発明による
磁気記録媒体においては、そのX線回折像に(101)
ピークp101 のみが特徴的にあらわれ、他の従来の磁気
記録媒体とは異なる結晶性を有することがわかる。
体におけるCoPtN系磁性薄膜では(101)ピーク
p101 のみが見られ、図2に示すように、CoPt合金
単層による磁性薄膜では(002)ピークp002 のみが
見られる。また図3からわかるように、CoPt/Cr
二層膜による磁性薄膜では、(100)ピークp001 と
(002)ピークp002 とが見られ、(101)ピーク
p101 はあらわれていない。このように、本発明による
磁気記録媒体においては、そのX線回折像に(101)
ピークp101 のみが特徴的にあらわれ、他の従来の磁気
記録媒体とは異なる結晶性を有することがわかる。
【0012】一般にX線回折像に(101)ピークの
み、又は(002)ピークのみが見られる場合は共にそ
の結晶構造がhcp(六方最密)構造であることが知ら
れている。しかしながら、(101)ピークがあらわれ
る場合は、そのc軸が磁性薄膜の面内方向にほぼ沿って
いることが予想される。即ち、CoPtN系磁性薄膜で
は、その組成を上述した組成範囲に選定することによっ
て、磁性薄膜の面内方向に磁化容易軸であるc軸を有す
るように構成することができ、これによって高い保磁力
を得ることができるものと思われる。
み、又は(002)ピークのみが見られる場合は共にそ
の結晶構造がhcp(六方最密)構造であることが知ら
れている。しかしながら、(101)ピークがあらわれ
る場合は、そのc軸が磁性薄膜の面内方向にほぼ沿って
いることが予想される。即ち、CoPtN系磁性薄膜で
は、その組成を上述した組成範囲に選定することによっ
て、磁性薄膜の面内方向に磁化容易軸であるc軸を有す
るように構成することができ、これによって高い保磁力
を得ることができるものと思われる。
【0013】これらCoPtN系磁性薄膜、CoPt単
層の磁性薄膜及びCoPt/Cr二層の磁性薄膜の各ピ
ーク強度の相対値を、参考としてCoPtの無配向磁性
薄膜の計算値と共に表1に示す。
層の磁性薄膜及びCoPt/Cr二層の磁性薄膜の各ピ
ーク強度の相対値を、参考としてCoPtの無配向磁性
薄膜の計算値と共に表1に示す。
【表1】
【0014】表1に示すように、磁性薄膜が無配向であ
るときには、そのX線回折像の各(100)ピーク、
(002)ピーク、(101)ピークの積分強度比I(1
00) :I(002) :I(101) が20:60:100となる
ことが知られている。
るときには、そのX線回折像の各(100)ピーク、
(002)ピーク、(101)ピークの積分強度比I(1
00) :I(002) :I(101) が20:60:100となる
ことが知られている。
【0015】これに対し、上述したCoPtN系磁性薄
膜においては、その(101)ピーク強度I(101) が他
の結晶構造の磁性薄膜に比して相対的に強いことがわか
る。即ち上述したようにPt含有量及び窒素含有量を選
定することによってこのように(101)ピーク強度I
(101) を相対的に大とすることができ、面内方向に磁化
容易軸を有し、高い保磁力を得られるようになすことが
できる。
膜においては、その(101)ピーク強度I(101) が他
の結晶構造の磁性薄膜に比して相対的に強いことがわか
る。即ち上述したようにPt含有量及び窒素含有量を選
定することによってこのように(101)ピーク強度I
(101) を相対的に大とすることができ、面内方向に磁化
容易軸を有し、高い保磁力を得られるようになすことが
できる。
【0016】即ち他の本発明においては、磁性薄膜のX
線回折像の(002)ピーク強度I(002) と、(10
0)ピーク強度I(100) とに対する(101)ピーク強
度I(101) の比を、それぞれI(002) /I(101) <0.
6、I(100) /I(101) <0.2と選定して構成するも
のであり、このようにピーク(002)及び(100)
のピーク(101)に対する相対的なピーク強度を、無
配向磁性膜の場合に比して小となるように選定する場合
は、上述した(101)ピークの強度I(101) を相対的
に大とすることとなって、hcp構造で且つ磁性薄膜の
面内方向またはこれにほぼ沿う方向に磁化容易軸を有
し、高保磁力を有する磁気記録媒体を得ることができ
る。
線回折像の(002)ピーク強度I(002) と、(10
0)ピーク強度I(100) とに対する(101)ピーク強
度I(101) の比を、それぞれI(002) /I(101) <0.
6、I(100) /I(101) <0.2と選定して構成するも
のであり、このようにピーク(002)及び(100)
のピーク(101)に対する相対的なピーク強度を、無
配向磁性膜の場合に比して小となるように選定する場合
は、上述した(101)ピークの強度I(101) を相対的
に大とすることとなって、hcp構造で且つ磁性薄膜の
面内方向またはこれにほぼ沿う方向に磁化容易軸を有
し、高保磁力を有する磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0017】
【実施例】以下本発明磁気記録媒体及びその製法を詳細
に説明する。
に説明する。
【0018】以下の実施例1及び2、比較例1において
は、各例共にスライドガラス基板より成る非磁性支持体
を用いて、これの上に高周波マグネトロンスパッタリン
グ装置によって非磁性支持体を室温としてArとN2 と
の混合ガス中で磁性薄膜を成膜し、その後真空中で加熱
処理を行ってこの磁性薄膜中の窒素を解離させて磁気記
録媒体を作製した。
は、各例共にスライドガラス基板より成る非磁性支持体
を用いて、これの上に高周波マグネトロンスパッタリン
グ装置によって非磁性支持体を室温としてArとN2 と
の混合ガス中で磁性薄膜を成膜し、その後真空中で加熱
処理を行ってこの磁性薄膜中の窒素を解離させて磁気記
録媒体を作製した。
【0019】またこのとき、初期真空度を5×10-5P
a、スパッタガス圧を0.8Pa一定とし、投入電力を
300W、膜厚を60nmとした。そしてArガスとN
2 ガスとの総流量を50SCCM一定としてこれらの流
量比を変えて窒素分圧を制御し、更にターゲットはCo
−Pt複合ターゲットを用いた。即ちこの場合Coター
ゲット上のPtセクターの数を変えることでその組成を
制御した。また成膜後の熱処理条件は、真空中で300
℃、6時間とした。
a、スパッタガス圧を0.8Pa一定とし、投入電力を
300W、膜厚を60nmとした。そしてArガスとN
2 ガスとの総流量を50SCCM一定としてこれらの流
量比を変えて窒素分圧を制御し、更にターゲットはCo
−Pt複合ターゲットを用いた。即ちこの場合Coター
ゲット上のPtセクターの数を変えることでその組成を
制御した。また成膜後の熱処理条件は、真空中で300
℃、6時間とした。
【0020】実施例1 この例においては、Co−Pt複合ターゲットの組成比
をCo83Pt17とした。
をCo83Pt17とした。
【0021】実施例2 この例においては、Co−Pt複合ターゲットの組成比
をCo76Pt24とした。
をCo76Pt24とした。
【0022】比較例1 この例においては、Co−Pt複合ターゲットの組成比
をCo68Pt32とした。
をCo68Pt32とした。
【0023】このとき、各例において成膜時の窒素ガス
濃度を20%から40%に変化させ、各磁性薄膜の保磁
力の変化を測定した。この結果を図4に示す。図4にお
いて線a〜cはそれぞれ上述の実施例1、2及び比較例
1の場合を示す。
濃度を20%から40%に変化させ、各磁性薄膜の保磁
力の変化を測定した。この結果を図4に示す。図4にお
いて線a〜cはそれぞれ上述の実施例1、2及び比較例
1の場合を示す。
【0024】図4からわかるように、Pt含有量を12
原子%を越える30原子%以下程度とする場合は、その
成膜時の窒素分圧を制御することによって、80kA/
m以上の例えば160kA/m程度の高い保磁力を得る
ことができることがわかる。
原子%を越える30原子%以下程度とする場合は、その
成膜時の窒素分圧を制御することによって、80kA/
m以上の例えば160kA/m程度の高い保磁力を得る
ことができることがわかる。
【0025】この場合、成膜時の磁性薄膜中には20〜
30原子%の窒素が含まれ、窒化物の微結晶またはアモ
ルファスからなる非磁性薄膜となるが、これを真空中で
300℃以上の熱処理を行うことによって窒素が解離し
て大きな保磁力をもつ磁気記録媒体となる。
30原子%の窒素が含まれ、窒化物の微結晶またはアモ
ルファスからなる非磁性薄膜となるが、これを真空中で
300℃以上の熱処理を行うことによって窒素が解離し
て大きな保磁力をもつ磁気記録媒体となる。
【0026】これに対し、Pt含有量を30原子%を越
えて成膜した磁気記録媒体は、その窒素含有量にかかわ
らず、格段に低い保磁力しか得られていない。
えて成膜した磁気記録媒体は、その窒素含有量にかかわ
らず、格段に低い保磁力しか得られていない。
【0027】次に、上述の作製条件と同一の製造方法を
もって、そのCoPtターゲットの組成と窒素ガス流量
を制御して、Cox Pty Nz 磁性薄膜の各含有量x、
y、z(但しx,y,zは原子%)をそれぞれ次のよう
に選定して作製した。
もって、そのCoPtターゲットの組成と窒素ガス流量
を制御して、Cox Pty Nz 磁性薄膜の各含有量x、
y、z(但しx,y,zは原子%)をそれぞれ次のよう
に選定して作製した。
【0028】実施例3 この例においては、x=73とし、yを12<y≦30
の例えばy=22とし、zを2≦z≦6の例えばz=5
とした。
の例えばy=22とし、zを2≦z≦6の例えばz=5
とした。
【0029】比較例2 この例においては、x=76、y=23、z=1とし
た。
た。
【0030】比較例3 この例においては、x=69、y=21、z=10とし
た。
た。
【0031】比較例4 この例においては、x=85、y=10、z=5とし
た。
た。
【0032】比較例5 この例においては、x=64、y=31、z=5とし
た。
た。
【0033】比較例6 この例においては、CoPt合金のみによる磁性層を成
膜時のArガス圧を2.7Paとして作製した。この場
合その組成はCox Pty で示される組成式においてx
=79、y=21として構成した。
膜時のArガス圧を2.7Paとして作製した。この場
合その組成はCox Pty で示される組成式においてx
=79、y=21として構成した。
【0034】比較例7 この例においては、Cr下地層を膜厚200nmとして
被着した後CoPt合金のみによる磁性層を成膜時のA
rガス圧を2.7Paとして被着した。Cox Pty の
組成はx=79、y=21として構成した。
被着した後CoPt合金のみによる磁性層を成膜時のA
rガス圧を2.7Paとして被着した。Cox Pty の
組成はx=79、y=21として構成した。
【0035】これら実施例3及び比較例2〜7における
各磁性薄膜について、それぞれその組成、保磁力及び角
型比を測定した結果を表2に示す。
各磁性薄膜について、それぞれその組成、保磁力及び角
型比を測定した結果を表2に示す。
【表2】
【0036】表2からわかるように、Cox Pty Nz
磁性薄膜の組成を、x+y+z=100、12<y≦3
0、2≦z≦6(但しx,y,zは原子%)の範囲に選
定した実施例3においては、165kA/mという従来
にない高い保磁力が得られ、且つ角型比も0.78と高
い値を得ることができている。
磁性薄膜の組成を、x+y+z=100、12<y≦3
0、2≦z≦6(但しx,y,zは原子%)の範囲に選
定した実施例3においては、165kA/mという従来
にない高い保磁力が得られ、且つ角型比も0.78と高
い値を得ることができている。
【0037】これに対して窒素含有量zを2原子%未満
の例えば1原子%とした比較例2においては、その保磁
力が30kA/mと低く、また窒素含有量zが6原子%
を越える例えば10原子%とされた比較例3において
は、105kA/mと比較的高い保磁力を得るも、その
角型比が0.50と小さくなってしまう。
の例えば1原子%とした比較例2においては、その保磁
力が30kA/mと低く、また窒素含有量zが6原子%
を越える例えば10原子%とされた比較例3において
は、105kA/mと比較的高い保磁力を得るも、その
角型比が0.50と小さくなってしまう。
【0038】また、Pt含有量yを12原子%以下の例
えば10原子%とした比較例4においては、その保磁力
が70kA/mと比較的小さく、同様にPt含有量yを
30原子%を越える例えば31原子%とした比較例5に
おいても、その保磁力が30kA/mと格段に小となっ
ている。
えば10原子%とした比較例4においては、その保磁力
が70kA/mと比較的小さく、同様にPt含有量yを
30原子%を越える例えば31原子%とした比較例5に
おいても、その保磁力が30kA/mと格段に小となっ
ている。
【0039】これらのことから、上述したように、各含
有量y,zをそれぞれ12<y≦30、2≦z≦6と選
定することによって、高い保磁力及び高い角型比を得る
ことができることがわかる。
有量y,zをそれぞれ12<y≦30、2≦z≦6と選
定することによって、高い保磁力及び高い角型比を得る
ことができることがわかる。
【0040】即ちCoPtN系磁性薄膜において、その
Pt含有量が12原子%以下であると80kA/m程度
以上の保磁力が得られず、また30原子%を越える場合
には保磁力が急激に減少する。これはその結晶構造がf
cc(面心立方格子)構造に変化するためと思われる。
従って、本発明においてはこのPt含有量yを12<y
≦30(但しyは原子%)に選定するものである。
Pt含有量が12原子%以下であると80kA/m程度
以上の保磁力が得られず、また30原子%を越える場合
には保磁力が急激に減少する。これはその結晶構造がf
cc(面心立方格子)構造に変化するためと思われる。
従って、本発明においてはこのPt含有量yを12<y
≦30(但しyは原子%)に選定するものである。
【0041】また同様に、窒素含有量が2原子%未満の
ときには充分な保磁力が得られず、6原子%を越える場
合には角型比が小となるため、本発明においてはこの窒
素含有量zを2≦z≦6(但しzは原子%)に選定する
ものである。
ときには充分な保磁力が得られず、6原子%を越える場
合には角型比が小となるため、本発明においてはこの窒
素含有量zを2≦z≦6(但しzは原子%)に選定する
ものである。
【0042】このような磁性薄膜中の窒素濃度は、成膜
時の窒素ガス濃度を変えることで制御できるものである
が、この場合N2 雰囲気中で成膜することによって、膜
中に一旦20〜30原子%の窒素を含ませて非磁性化さ
せるので、これを熱処理して膜中の窒素を解離させる必
要がある。熱処理が不十分な場合は、残留窒素濃度が高
すぎて充分な磁化及び保磁力が得られず、また成膜時の
窒素分圧が低過ぎる場合は、非磁性化していない状態つ
まり残留窒素が少なくなりすぎて、充分な保磁力が得ら
れない。
時の窒素ガス濃度を変えることで制御できるものである
が、この場合N2 雰囲気中で成膜することによって、膜
中に一旦20〜30原子%の窒素を含ませて非磁性化さ
せるので、これを熱処理して膜中の窒素を解離させる必
要がある。熱処理が不十分な場合は、残留窒素濃度が高
すぎて充分な磁化及び保磁力が得られず、また成膜時の
窒素分圧が低過ぎる場合は、非磁性化していない状態つ
まり残留窒素が少なくなりすぎて、充分な保磁力が得ら
れない。
【0043】また表2からわかるように、比較例6の窒
素を含有しないCoPt合金磁性薄膜では得られる角型
比が小さく、また比較例7のCr下地層上にCoPt合
金磁性薄膜を設ける場合は125kA/m程度の比較的
高い保磁力を得るものの、実施例1における165kA
/mの保磁力には及ばないことがわかる。
素を含有しないCoPt合金磁性薄膜では得られる角型
比が小さく、また比較例7のCr下地層上にCoPt合
金磁性薄膜を設ける場合は125kA/m程度の比較的
高い保磁力を得るものの、実施例1における165kA
/mの保磁力には及ばないことがわかる。
【0044】また、上述の実施例2における磁性薄膜の
X線回折像は、図1において説明した例と同様に、ピー
ク(101)のみが見られ、ピーク(002)及びピー
ク(100)は殆ど見られず、このピークの強度I(10
1) に対する他のピーク(002)、(100)ピーク
の強度I(002) 及びI(100) の比は、I(002) /I(10
1) =0と0.6より小となり、またI(100) /I(101)
=0となって0.2より小であった。
X線回折像は、図1において説明した例と同様に、ピー
ク(101)のみが見られ、ピーク(002)及びピー
ク(100)は殆ど見られず、このピークの強度I(10
1) に対する他のピーク(002)、(100)ピーク
の強度I(002) 及びI(100) の比は、I(002) /I(10
1) =0と0.6より小となり、またI(100) /I(101)
=0となって0.2より小であった。
【0045】これに対し、上述の比較例6及び7におけ
るX線回折像はそれぞれ図2及び図3において説明した
ように、それぞれピーク強度比がI(002)/I(101) ≧
0.6、I(100) /I(101) ≧0.2となり、面内方向
またはこれにほぼ沿う方向にc軸を有するhcp構造が
得られず、即ち高い面内保磁力が得られない。
るX線回折像はそれぞれ図2及び図3において説明した
ように、それぞれピーク強度比がI(002)/I(101) ≧
0.6、I(100) /I(101) ≧0.2となり、面内方向
またはこれにほぼ沿う方向にc軸を有するhcp構造が
得られず、即ち高い面内保磁力が得られない。
【0046】即ち上述したようにピーク強度比をI(00
2) /I(101) <0.6、I(100) /I(101) <0.2
と選定することによって、高保磁力の磁気記録媒体を得
ることができる。
2) /I(101) <0.6、I(100) /I(101) <0.2
と選定することによって、高保磁力の磁気記録媒体を得
ることができる。
【0047】また上述したように本発明構成によればC
oPtN系の磁性薄膜を用いることによって、単層の磁
性薄膜であるにもかかわらず、160kA/m程度の高
い保磁力を得られた。従って、前述したように高磁束密
度がはかられた2.0T程度の磁気ヘッドコア材に対応
し得る磁気記録媒体を得ることができる。
oPtN系の磁性薄膜を用いることによって、単層の磁
性薄膜であるにもかかわらず、160kA/m程度の高
い保磁力を得られた。従って、前述したように高磁束密
度がはかられた2.0T程度の磁気ヘッドコア材に対応
し得る磁気記録媒体を得ることができる。
【0048】更に本発明においては下地層を設けないた
め、簡単な成膜装置によって作製することができる。
め、簡単な成膜装置によって作製することができる。
【0049】更にまた本発明製法によって上述したよう
な磁性薄膜を作製する場合、窒素をガスとしてCoPt
合金の成膜時に導入しているため、CoPtターゲット
の合金組成に多少のばらつきがあっても、窒素分圧を変
えることで容易に磁気特性の制御を行うことができる。
な磁性薄膜を作製する場合、窒素をガスとしてCoPt
合金の成膜時に導入しているため、CoPtターゲット
の合金組成に多少のばらつきがあっても、窒素分圧を変
えることで容易に磁気特性の制御を行うことができる。
【0050】尚、本発明磁気記録媒体は、上述の各実施
例に示した構成の他、本発明構成を逸脱しない範囲で種
々の組成及び積分強度比等を採ることができ、またその
製法においても、上述の成膜条件の他種々の装置、成膜
方法及び加熱方法を採ることができる。
例に示した構成の他、本発明構成を逸脱しない範囲で種
々の組成及び積分強度比等を採ることができ、またその
製法においても、上述の成膜条件の他種々の装置、成膜
方法及び加熱方法を採ることができる。
【0051】
【発明の効果】上述したように、本発明磁気記録媒体に
よれば、単層膜であっても160kA/mを越える充分
高い保磁力を得ることができて、高磁束密度の磁気ヘッ
ドコア材に対応し得る磁気記録媒体を得ることができ
る。
よれば、単層膜であっても160kA/mを越える充分
高い保磁力を得ることができて、高磁束密度の磁気ヘッ
ドコア材に対応し得る磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0052】また下地層を設けないため、成膜時の簡単
化、製造工程の低減化をはかることができる。
化、製造工程の低減化をはかることができる。
【0053】更にまた他の本発明は、磁性薄膜の面内方
向またはこれにほぼ沿う方向に磁化容易軸を有するhc
p構造とすることができて、高い面内保磁力を得ること
ができる。
向またはこれにほぼ沿う方向に磁化容易軸を有するhc
p構造とすることができて、高い面内保磁力を得ること
ができる。
【0054】また他の本発明製法によれば、上述の組成
比を有する磁気記録媒体を得ることができ、かつ窒素を
ガスとして成膜中に磁性薄膜中に導入することから、C
oPt合金の組成に多少ばらつきがあっても、この窒素
分圧を変えることによって容易に磁気特性を制御するこ
とができる。
比を有する磁気記録媒体を得ることができ、かつ窒素を
ガスとして成膜中に磁性薄膜中に導入することから、C
oPt合金の組成に多少ばらつきがあっても、この窒素
分圧を変えることによって容易に磁気特性を制御するこ
とができる。
【図1】本発明磁気記録媒体の一例のX線回折像を示す
図である。
図である。
【図2】比較磁気記録媒体のX線回折像を示す図であ
る。
る。
【図3】比較磁気記録媒体のX線回折像を示す図であ
る。
る。
【図4】磁気記録媒体の成膜時の窒素ガス濃度に対する
保磁力の変化を示す図である。
保磁力の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/18 7371−5E
Claims (3)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性薄膜が被着され、 該磁性薄膜の組成式がCox Pty Nz で示され、その
組成範囲が、 x+y+z=100 12<y≦30 2≦z≦6 (但しx、y、zは原子%) と選定されて成ることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 上記請求項1に記載の磁気記録媒体にお
いて、 上記磁性薄膜のX線回折像の(002)ピーク強度I(0
02) 及び(100)ピーク強度I(100) に対する(10
1)ピーク強度I(101) の比が、それぞれ I(002) /I(101) <0.6 I(100) /I(101) <0.2 と選定されたことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項3】 非磁性支持体上に、CoPt合金より成
る磁性薄膜をArとN2 との混合ガス中で上記非磁性支
持体の温度を室温として成膜し、 その後真空中で加熱処理することにより、上記非磁性支
持体上の上記磁性薄膜中の窒素を解離させて上記請求項
1に記載の磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記
録媒体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3220721A JPH0562147A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 磁気記録媒体とその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3220721A JPH0562147A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 磁気記録媒体とその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0562147A true JPH0562147A (ja) | 1993-03-12 |
Family
ID=16755480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3220721A Pending JPH0562147A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 磁気記録媒体とその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0562147A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6075092A (en) * | 1996-04-17 | 2000-06-13 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Rubber composition |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3220721A patent/JPH0562147A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6075092A (en) * | 1996-04-17 | 2000-06-13 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Rubber composition |
US6255446B1 (en) | 1996-04-17 | 2001-07-03 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Rubber composition |
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