JPH0561703U - Ｙ分岐光導波路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】低損失で光を分岐できる、かつ小型化し得るＹ
分岐光導波路を提出すること。 【構成】Ｙ分岐光導波路のテーパ部導波路を、側面を曲
線状テーパとした曲線テーパ導波路部と、内側と外側の
曲線状側面の曲率が異なった分岐した出力導波路を有す
る接続用曲線テーパ導波路部を接合した構成とするこ
と。好ましくは、上記接続用曲線テーパ導波路部の導波
路が２路に分岐する部分にその中心線上に適当な幅のキ
ザミを設けること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は導波路、特にＹ分岐光導波路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のＹ分岐光導波路の構造を図２に示した。図２を用いてその構造を説明す ると、入力導波路部４が直線的に拡がるテーパ導波路部１の狭い端末部と接合し 、拡がった端末部に２本の入力導波路と同じ幅の出力導波路をＹ字形に接続して 出力導波路部３とする構造となっている。

【０００３】 また、テーパ導波路部１の２本の出力導波路をＹ字形に接続した部分からテー パ部導波路の中心線上をその内部に向かって適当な幅のキザミ２が切り込まれて いることが多い。

【０００４】 しかしながら、上記従来のＹ分岐光導波路では、導波路を進む光はＹ分岐光導 波路で分岐された場合Ｙ分岐光導波路での光の方向の転換が円滑でなく、テーパ 部導波路部および出力導波路部での損失が大きい。また、テーパ部導波路部の寸 法が長く、Ｙ分岐光導波路の寸法が大きくなるなどの欠点を有していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、上記従来のＹ分岐光導波路の欠点を解消し 、低損失で光を分岐し、かつより小型にできる、新規なＹ分岐光導波路を提供す ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題は、１）１本の入力導波路とテーパ部導波路と２本の入力導波路と同 じ幅の出力導波路とから構成されたＹ分岐光導波路において、該テーパ部導波路 が、入力導波路の幅を２倍より広くなるまで幅を拡げる曲線テーパ導波路部と、 上記拡がった導波路が２路に分岐し、分岐した両導波路がともに外側と内側で導 波路の側面の曲率が異なり、それぞれの導波路の出力側末端の幅は入力導波路の 幅に等しい導波路となる接続用曲線テーパ導波路部とから構成されていることを 特徴とするＹ分岐光導波路によって達成される。

【０００７】 また、２）テーパ部導波路の接続用曲線テーパ導波路部において導波路が２路 に分岐する部分から該テーパ部導波路の中心線上を曲線テーパ導波路部に向かっ て該曲線テーパ導波路の内部にまで適当な幅のキザミを設けることを特徴とする 上記１）に記載のＹ分岐光導波路によってより好ましく達成される。

【０００８】 本考案の要旨は、テーパ部導波路を曲線テーパ導波路部と接続用曲線テーパ導 波路部の２部の構成とし、曲線テーパ導波路部および接続用曲線テーパ導波路部 はともにそれらの側面を曲線構成とし、接続用曲線テーパ導波路部では導波路が その末端が２本の出力導波路につながる導波路に分岐し、その分岐導波路はとも に外側と内側で曲率が異なった曲線の側面を持った導波路としたことである。曲 線テーパ導波路部の幅は、入力導波路の２倍より広くする必要があるが、４倍を 超えると損失が急激に増加するので４倍以下とするのが好ましい。

【０００９】 この本考案のテーパ部導波路を用いてＹ分岐光導波路を構成することで、低損 失で光を分岐できる小型のＹ分岐光導波路が作製できる。

【００１０】 ここで、本考案の明細書の添付の図面で直線あるいは曲線で描かれる導波路の 左右の輪郭は導波路の平面或いは曲面の断面を表し、これを側面と呼ぶこととす る。

【００１１】 また、上記テーパ部導波路の中心線とはテーパ部導波路の平面図における中心 線を意味する。そして、上記導波路が２路に分岐する部分から該テーパ部導波路 の中心線上に設けられた適当な幅のキザミとは、導波路の中心線上に沿って非常 に細長い矩形状の切り込みを設けることを意味するが、入力分岐導波路の出射端 面に及ばない長さであり、幅が入力分岐導波路の幅以下であれば何でもよい。

【００１２】 この節の説明は添付された図１および図２を参照すれば容易に理解されるであ ろう。

【００１３】

【実施例】

図１に本考案のＹ分岐光導波路の一実施例を示す。しかし、本考案はこの実施 例によって制限されるものではない。

【００１４】 図１を用いて本考案を説明する。

【００１５】 入力導波路２４に曲線状に左右に導波路を拡げる曲線テーパ部導波路２１を接 続して、その拡がった導波路の端面に導波路が２路に分岐した部分を有しそれ以 降の分岐導波路はともに外側と内側で曲率が異なった曲線状の側面を持った導波 路となり、それぞれの導波路の出力側末端の幅は入力導波路の幅に等しい導波路 となる接続用曲線テーパ導波路部２３を接続し、分岐した接続用曲線テーパ導波 路部２３の出力側末端にそれぞれ出力導波路２５を接続してＹ分岐光導波路が構 成されている。

【００１６】 また、図１では接続用曲線テーパ導波路部２３の２路に分岐する部分からテー パ部導波路２３の中心線上を曲線テーパ導波路部２１に向かって曲線テーパ導波 路の内部にまで適当な幅のキザミが設けてある。

【００１７】 上記曲線テーパ部導波路２１と接続用曲線テーパ導波路部２３を接合して構成 した新規なテーパ部導波路を組み込んだＹ分岐光導波路で光の左右の波面の伝搬 方向を変えることにより、低損失で光を分岐できる。

【００１８】

【考案の効果】

Ｙ分岐光導波路のテーパ部導波路の側面を曲線状テーパとし、分岐した出力導 波路の内側と外側の曲線状側面の曲率を変えることにより、小型のＹ分岐光導波 路を用いてかつ低損失で光を分岐できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＹ分岐光導波路の平面図。

【図２】従来のＹ分岐光導波路の平面図。

【符号の説明】

１１ 直線テーパ部導波路 １２ キザミ １３ 出力分岐導波路部 １４ 入力分岐導波路部 ２１ 本考案の曲線テーパ導波路 ２２ キザミ ２３ 本考案の接続用曲線テーパ導波路部 ２４ 入力分岐導波路部 ２５ 出力分岐導波路部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】１本の入力導波路とテーパ部導波路と２本
   の入力導波路と同じ幅の出力導波路とから構成されたＹ
   分岐光導波路において、該テーパ部導波路が、入力導波
   路の幅を２倍より広くなるまで幅を拡げる曲線テーパ導
   波路部と、上記拡がった導波路が２路に分岐し、分岐し
   た両導波路がともに外側と内側で導波路の側面の曲率が
   異なり、それぞれの導波路の出力側末端の幅は入力導波
   路の幅に等しい導波路となる接続用線曲線テープ導波路
   部とから構成されていることを特徴とするＹ分岐光導波
   路。
2. 【請求項２】テーパ部導波路の接続用曲線テーパ導波路
   部において導波路が２路に分岐する部分から該テーパ部
   導波路の中心線上を曲線テーパ導波路部に向かって該曲
   線テーパ導波路の内部にまで適当な幅のキザミを設ける
   ことを特徴とする請求項１に記載のＹ分岐光導波路。