JPH0561050A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0561050A
JPH0561050A JP3224336A JP22433691A JPH0561050A JP H0561050 A JPH0561050 A JP H0561050A JP 3224336 A JP3224336 A JP 3224336A JP 22433691 A JP22433691 A JP 22433691A JP H0561050 A JPH0561050 A JP H0561050A
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JP
Japan
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liquid crystal
ferroelectric liquid
orientation
crystal display
display device
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JP3224336A
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English (en)
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Tsunako Taniguchi
維子 谷口
Tokihiko Shinomiya
時彦 四宮
Tomoaki Kuratate
知明 倉立
Mitsuhiro Kouden
充浩 向殿
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】1/3バイアス駆動法において高コントラスト比
の表示を安定にかつ広い温度範囲で実現できる強誘電性
液晶表示装置を提供する。 【構成】配向処理された配向膜4a,4bを有する一対
の透光性基板1a,1bを、配向膜の配向処理方向が略
平行となるように対向配置させ、基板間にカイラルスメ
クチックC相を呈する強誘電性液晶層7を介在せしめ、
配向膜が、配向処理によるプレチルト角が8〜30°の
有機配向膜で構成され、かつ強誘電性液晶層が下式
(I)で表される化合を含有するシェブロン構造の強誘
電性液晶組成物からなる液晶表示装置。 (RはC〜C16のアルキル基又はアルコキシ基、m
は1〜5の整数、nは1〜10の整数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関するも
のであり、さらに詳しくはコントラストの高いマトリッ
クス型の大容量表示の強誘電性液晶表示装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子は、時計、電卓はも
とより、ワープロ、パソコンなどのOA機器、ポケット
テレビなど幅広い分野において用いられているが、一般
に広く用いられているのはネマチック相を利用したもの
である。しかしながらツイステッドネマティック型液晶
表示装置では、走査線数の増加に伴い急速に駆動マージ
ンが狭くなり、十分なコントラストが得られなくなると
いう欠点が存在するために大容量表示素子、ことに20
00×2000ラインなどの高解像度の表示素子を作る
事が困難である。
【0003】その一方、より高解像度の表示装置に対す
る要求は、ますます高まっている。特にWYSIWYG
(What you see is what you
get)−即ち、プリントアウトされるものと同一の
ものを表示装置に表示させること−の求められるDTP
(Desk Top Publishing)の分野や
GUI(Graphical User Interf
ace)に基づくWINDOWS環境−複数の独立した
作業各々の画面とその操作に必要な様々な情報を一つの
表示素子の画面の中に表示する環境−の要求されるEW
S(Engineering Work Statio
n),BWS(Business Work Stat
ion)などの分野では表示素子に対して大表示容量化
や高速な応答性が求められている。そこで、有望視され
ているのがクラーク(N.A.Clark)とラガバル
(Lagerwall)により提案されている強誘電性
液晶表示素子(Appl.Phys.Lett.,
,899(1980);特開昭56−107216号
公報;米国特許第4367924号)である。この液晶
表示素子は、液晶分子の誘電異方性を利用する電界効果
型の前記ネマチック液晶表示装置とは異なり、強誘電性
液晶の自発分極の極性と電界の極性とが整合するように
分子がスイッチングする液晶表示素子である。
【0004】この表示方法はカイラルスメクチックC
相、カイラルスメクチックI相,カイラルスメクチック
F相などの強誘電性液晶相を利用するものである。この
強誘電性液晶素子においては、強誘電性液晶をセルギャ
ップの薄いセルに注入すると、界面の影響を受けて強誘
電性液晶のカイラルスメクチック相の螺旋構造がほど
け、液晶分子がスメクチック層法線にたいして傾き角θ
だけ傾いて安定する領域と、逆方向に−θだけ傾いて安
定する領域とが混在する双安定性を示す。この状態にあ
る強誘電性液晶素子に電圧を印加すると、液晶分子は、
液晶分子自体の自発分極の向きを電界方向に揃えること
ができる。それ故に、印加する電圧の極性を切り替える
ことによって液晶分子の配向をある一定の状態からもう
一方の状態へと切り替えるスイッチングが可能となる。
このスイッチングに伴い、液晶分子の配向方向と共に偏
光軸が変化する。セル内の強誘電性液晶では、複屈折光
が変化するので2つの偏光子間に上記強誘電性液晶素子
を挟むことによって、透過光を制御することができる。
さらに、電圧の印加を停止しても液晶分子の配向は、界
面の配向規制力によって電圧印加停止前の状態に維持さ
れるので、メモリ効果も得ることができる。また、スイ
ッチング駆動に必要な時間は、液晶の自発分極と電界強
度が直接作用するためにツイステッドネマティック型液
晶表示装置の1/1000以下という高速応答性が可能
であり、高解像度の表示素子の実現化の点で大いに有望
視されている。
【0005】しかしながら、かかる強誘電性液晶表示装
置において、実際に高速応答性を実現するためには種々
の問題がある。例えば、1000×1000ライン以上
の走査線でフリッカのない高コントラスト表示を行なう
ためには、例えば8.4μsecという極めて高速の応
答性が要求される。このため、低粘性のノンカイラル液
晶組成物に大きな自発分極を有するカイラル化合物を添
加したり、ピリミジン系液晶のごとき低粘度のノンカイ
ラル液晶を用いる提案(例えば、第16回液晶討論会、
1K101,1K102,1K111,1K112,1
K114,1K115,1K116,1K117,1K
119,3K106,第16回液晶討論会予稿集(19
90);大西,他,National Technic
al Report,33,35(1987).)がな
されている。
【0006】さらに上記した液晶材料の開発のみなら
ず、高速応答性を実現するための新しい液晶駆動方式の
開発もなされている。中でも、有効な手法として、部分
書き換えと呼ばれる手法(神辺,電子情報通信学会専門
講習会講演論文集「オプトエレクトロニクス」−液晶表
示と関連材料−,1990年1月,p18〜26)が知
られている。この手法は画面を書き換える必要のあると
ころだけアクセスする手法である。これにより、グラフ
ィックスを表示する上で高速性を要求されるマウスの移
動などに追随できる表示素子が可能となる。
【0007】そして、この部分書き換え法を用いてフリ
ッカのない表示を得ようとする場合の具体的な駆動法と
して、いわゆる1/3バイアス駆動法が提案されている
(特開昭64−59389号公報)。この駆動法の波形
パターンを図1に例示した。
【0008】しかしながら、かかる1/3バイアス駆動
法による部分書き換え法を適用した場合には、高速応答
がある程度実現できるが、書き換えを行なわない画素に
も書き換え電圧の1/3のバイアス電圧が印加されるた
め、液晶分子の揺らぎが生じてコントラストが低いとい
う問題があった(神辺,電子情報通信学会専門講習会講
演論文集「オプトエレクトロニクス」−液晶表示と関連
材料−,1990年1月,p18〜26)。
【0009】そして、このような表示の低コントラスト
化は、主として、用いられる強誘電性液晶の層構造に密
接に関連していると考えられている。すなわち、このよ
うな強誘電性液晶素子においては、強誘電性液晶層にお
ける層構造は、一般的には、理想的なブックシェルフ構
造ではなく『く』の字におれまがったシェブロン構造を
していることが知られている。そして、この層の折れ曲
がる方向は図4に示すように、二通りの方向(17,1
8)に発生し、これに伴って二つの異なった配向状態が
生じる。そのとき層と層の折れ曲がりの方向が異なった
場所には、ジグザグ欠陥と呼ばれる配向欠陥が生じてく
る。図4に示すように、ジグザグ欠陥には層の折れ曲が
る方向で<<>>と>><<の2種類の欠陥が発生し、その形状
から前者15がライトニング欠陥、後者16をヘアピン
欠陥と名付けられており、この形状を観察することで層
の折れ曲がり方向が規定できる。[Jpn.J.App
l.Phys.,28,p.50(1988)]。
【0010】このような2つの配向はラビング方向との
関係からC1配向(シェブロン1)、C2配向(シェブ
ロン2)と呼ばれている(神辺,電子情報通信学会専門
講習会講演論文集「オプトエレクトロニクス」−液晶表
示と関連材料−,1990年1月,p18〜26,及び
特開平1−158415)。
【0011】図5はこれら2つの配向を説明するための
図である。図5に記されている円錐状の図形は、スイッ
チングの際に、液晶分子が動きうる軌道で、層法線25
に対して液晶のティルト角26だけ傾いた軌道である。
この関係に関しては、ラビング軸と層の折れ曲がり方向
が逆である23の場合がC1配向(シェブロン1)、同
じである24の場合がC2配向(シェブロン2)であ
る。
【0012】そして、C1配向及びC2配向のいずれに
おいても、シェブロンの一層における液晶分子の傾斜角
がねじれて明確な消光位を示さない配向と、傾斜角が均
一で明確な消光位を示す配向とに分類でき、前者がC1
T配向及びC2T配向(Tはツイストの意)、後者がC
1U配向及びC2U配向(Uはユニフォームの意)と呼
ばれている(福田,竹添,「強誘電性液晶の構造と物
性」,コロナ社,1990年,p−327)。
【0013】そして、上記した消光位を示すC1U及び
C2U配向が得られにくいこと、ジグザグ欠陥とライト
ニング欠陥並びにC1U及びC1TやC2U及びC2T
配向が混在していることが表示の低コントラスト化の原
因になっていると考えられる。
【0014】この点に関し、液晶基板に形成される配向
膜として、SiO2斜蒸着膜を適用することにより、コ
ントラストの改善を図る提案がなされている(上村,
他,National Technical Repo
rt,33(1),51(1987).)。これは斜蒸
着膜によって比較的高いプレチルトを基板界面に付与す
ることで、液晶層の折れ曲がりを防ぎ、斜めに傾斜した
層構造を達成するというものである。また、折れ曲がり
構造をもつセルに高い電圧の交番電界を印加することに
より、層構造をブックシェルフ構造の変える方法も提案
されている(佐藤ら,第12回液晶討論会(名古屋),
1F16(1986).)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この1
/3バイアス駆動法を用いた場合の問題は、書換えを行
わない画素にも1/3バイアス電圧が印加され、このバ
イアス電圧のため書換えを行わない画素の分子の揺らぎ
を生じ、メモリ状態が損なわれたり、分子の揺らぎによ
るコントラストの低下がおこったりする。
【0016】さらに、上記SiO2 斜蒸着膜による方法
においては、蒸着角度を均一に制御することが困難であ
って表示面積に制限を生じると共に、真空プロセスを有
するために製造装置をコストアップを招くなど、生産面
で大きな問題がある。 また後述の電界を印加する方法
は、均一に層構造を変化させるのが難しく、長期の時間
の経過とともに序々に元のシェブロン構造に変化するも
のも多く、未だ実用化には至っていない。
【0017】このような従来の手法では、広い温度範囲
で高コントラスト比の表示を行なうことが未だ実現され
ていない。本発明は、かかる状況下なされたものであ
り、ことに、1/3バイアス駆動法において高コントラ
スト比の表示を安定にかつ広い温度範囲で実現できる強
誘電性液晶表示装置を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、一対の透光性基板の対向しあう表面にそれぞれ透明
電極を形成し、それぞれの透明電極を被覆する配向膜を
形成し、一対の透光性基板間に液晶を充填してなる液晶
表示装置において、配向処理された配向膜を有する一対
の基板を、該配向膜の配向処理方向が略平行となるよう
に対向配置させ、この基板間にカイラルスメクチックC
相を呈する強誘電性液晶層を介在せしめてなり、上記配
向膜が、配向処理によるプレチルト角が8〜30°の有
機配向膜で構成され、かつ上記強誘電性液晶層が下式
(I)で表される
【化2】 化合物を含有するシェブロン構造の強誘電性液晶組成物
からなる液晶表示装置が提供される。
【0019】本発明は、上記特定の配向膜と特定の液晶
組成物とを組合せて強誘電性液晶表示装置を構成した際
に、均一なC1U配向のシェブロン構造の液晶層が広い
温度範囲に亘って得られ、その結果、欠陥や配向の不均
一性を生じることなく高コントラスト比の安定な表示が
可能となるという事実の発見に基づくものである。
【0020】上記化合物(I)の定義中、Rのアルキル
基には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブ
チル、i−ブチル、ペンチル、1−又は2−メチルブチ
ル、ヘキシル、1−又は3−メチルペンチル、ヘプチ
ル、1−又は4−メチルヘキシル、オクチル、1−メチ
ルヘプチル、ノニル、1−又は6−メチルオクチル、デ
シル、1−メチルノニル、ウンデシル、1−メチルデシ
ル、ドデシル、1−メチルウンデシルなどの直鎖又は分
岐のアルキル基が含まれる。またアルコキシ基には、上
記アルキル基にエーテル基が結合したものが含まれる。
【0021】かかる化合物(I)は、複数種用いられて
もよい。本発明の強誘電性液晶組成物は、上記化合物
(I)を、公知の強誘電性液晶や組成物と混合して調製
することができる。とくに相系列がINACとなるよう
に、調製するのが適している。
【0022】通常、化合物(I)の含有量は、全体で5
0wt%以上、上記化合物(I)群に含まれる単品1成
分あたりでは0.005〜20wt%とするのが好まし
い。化合物の含有量が0.005%未満であるとCIU
発現効果が不充分であり20%を超えると、液晶組成物
中に均一に混入させることができない。
【0023】かかる本発明の強誘電性液晶組成物には、
本発明の意図する効果が阻害されない限り、種々の添加
剤が配合されていてもよい。
【0024】次にその好ましい一例として、一対の基板
の一軸配向処理の方向が平行であり、駆動される液晶相
がキラルスメクチックC相であり、該キラルスメクチッ
クC相においてスメクチック層構造が『く』の字に折れ
曲がったシェブロン構造をとっており、かつその配向状
態が均一なC1配向(C1U配向)であることを特徴と
する液晶素子について述べる。
【0025】一般に、キラルスメクチックC層における
層構造は、一般的には、図4(a)に示すような『く』
の字に折れたシェブロン構造を有していると言われてい
る。層の折れ曲がる方向には図に示すように、二通りの
方向がある。このとき層の折れ曲がりの方向が変化する
所には、ジグザグ欠陥と呼ばれる配向欠陥が生じる。図
4(b)はジグザグ欠陥を偏向顕微鏡で観察したときの
模式図であるが、ジグザグ欠陥はライトニング欠陥と呼
ばれる欠陥と、ヘアピン欠陥と呼ばれる欠陥とに分類す
ることができる。これまでの研究の結果、層構造が<<>>
となている部分がライトニング欠陥に対応しており、層
構造が>><<となっている部分がヘアピン欠陥に対応して
いることが明らかとなっている(N.Hiji et
al.,Jpn.J.Appl.Phys.,27,L
1(1988).)。ラビング方向とプレチルト角θP
の関係は図4に示すとおりであり、上記の2つの配向は
ラビング方向との関係からC1配向、C2配向と呼ばれ
ている(神辺,電子情報通信学会専門講習会講演論文集
「オプトエレクトロニクス」−液晶表示と関連材料−,
1990年1月,p18〜26)。ラビング軸と層の折
れ曲がり方向が逆である場合をC1配向(シェブロン
1)、同じである場合をC2配向(シェブロン2)と定
義されている。
【0026】さて、プレチルト角θP を大きくすると、
C1配向とC2配向での液晶分子の配向状態の差が顕著
になってゆき、8°以上という大きな値(通常、8〜3
0°)を示す配向膜を用いると、高温側のC1配向にお
いては、明確な消光位置を示す領域と消光する位置を示
さない領域とが観察され、低温側のC2配向では、明確
な消光位置を示す領域のみが観察される。ユニフォーム
配向とツイスト配向とを消光位の有無によって区別する
ことが一般に認められているので(福田,竹添,「強誘
電性液晶の構造と物性」,コロナ社,1990年,p−
327)、今ここで、C1配向で消光位を示すものをC
1U(C1ユニフォーム)配向、C1配向で消光位を示
さないものをC1T(C1ツイスト)配向と呼ぶことに
する。C2配向については一種類の配向しか得られなか
ったので、C2配向とのみ標記することにする。図1に
示すような電圧波形を印加したとき、C1U配向では良
好なコントラストが得られるのに対し、C2配向では電
圧無印加時には消光位置をしめていたにもかかわらずコ
ントラストが著しく低下し、CIT配向においてはさら
に低いコントラストしか得られない。コントラストには
次のような傾向があることを本発明の研究者らは見いだ
しており、C1U配向はコントラストの点で特に好まし
いものである。 C1U>C2>>C1T
【0027】かかる本発明の強誘電性液晶表示装置の具
体例を図2及び図3に示す。ガラス基板1a上に透明電
極2a,絶縁膜3a,配向膜4aの順に各層が形成され
たものが、基板9である。ここで、透明電極2aは複数
本の透明電極が互いに平行となるようにストライプ状に
配列して形成され、配向膜4aにはラビングによる一軸
配向処理がほどこされた構造になっている。一方、もう
片側のガラス基板1b上にも同様の条件で透明電極2
b,絶縁膜3b,配向膜4bの順に各層が形成されたも
のが、基板10である。透明電極2b,配向膜4bは基
板9と同様、透明電極2bは複数本の透明電極が互いに
平行となるようにストライプ状に配列して形成され、配
向膜4bにはラビングによる一軸配向処理がほどこされ
た構造になっている。
【0028】ついで、この基板9と基板10は、互いに
配向膜4a,4bが対向しあい、かつ、互いの透明電極
2a,2bが直交し、かつ、基板9と10でラビング方
向がほぼ一致するようにし、1.5〜3μm程度、好ま
しくは1.2〜1.8μmの間隔を隔ててシール部材6
で貼り合わせる。
【0029】これらの基板9,10間には強誘電性液晶
組成物7を介在させて液晶セル11が作成される。更
に、このセルの上下に偏光軸をほぼ直交させた偏光板1
2a,12bを配置させ、偏光板の一方の偏光軸をセル
の液晶のどちらか一方の光軸にほぼ一致させて液晶表示
装置とする。
【0030】
【実施例】
【0031】実施例1 化3に構造式で示している化合物LC1〜LC24を表
1に示す割合で混合しBLC1〜5を作製し、さらに前
記混合物に表2に示す添加物を加えFLC1〜10を作
製した。これらすべての化合物を、一度、各成分が等方
性液体状態になるまで加熱し、十分に攪拌した後、室温
まで放冷することにより強誘電性液晶組成物を作製し
た。
【化3】
【化4】
【化5】
【表1】
【表2】 これらの液晶組成物はいずれもカイラルスメクチックC
相を有した。これらの強誘電性液晶組成物の転移温度を
表3に示す。
【表3】
【0032】実施例2 本発明に適用した配向膜について磁場容量法を用いてプ
レチルト角を求めた。その測定結果を表4に示す。な
お、測定用のセルは以下のようにして作製した。 1.ガラス基板上におよそ1000Åの厚さのITO膜
を蒸着もしくはスパッタにより形成した。 2.1の基板上に膜厚およそ500Åの絶縁膜を形成し
た。この絶縁膜は、SiO2 の場合、蒸着により形成
し、東京応化製のOCD(OCD P−59310)の
場合、スピンコートにより形成した。 3.2の基板に表4に示す配向膜をスピンコート等の方
法を用いて膜厚およそ400Åで形成した。 4.3の処理の後、レーヨン系の布を用いたラビング法
により一軸配向処理を行った。 5.4でラビング処理を施した基板を上下基板とし、上
下の基板でラビング処理を施した面が向かい合い、かつ
ラビング方向が反平行となり、かつ上下基板間のギャッ
プが20μmになるようにフィルム状のスペーサーを挟
み、貼り合わせた。 6.5で作製されセルにメルク社製のネマチック液晶材
料E−8を注入し液晶セルを作製した。
【表4】
【0033】実施例3 図2及び図3は、本発明の液晶表示装置の構成を示した
ものである。液晶パネルは以下の手順により作成した。 1.ガラス基板1a,1bのそれぞれの上に300〜5
000Å、好ましくは1000〜3000Å(この実施
例では1000Å)の厚さの複数本の透明電極(2a、
2b)が互いに平行になるようストライプ状に電極のパ
ターンを配列して形成する。 2.1の基板上に、絶縁膜3a,3bを300〜500
0Å、好ましくは400〜2000Å(この実施例では
450Å)の膜厚で形成する。電極保護膜には、SiO
2 もしくは、東京応化製のOCD(OCD P−593
10)を使用した。電極保護膜は、SiO2 の場合、ス
パッタにより形成し、OCDの場合は、スピンナーによ
り基板に塗布後、焼成する事より形成した。 3.2の基板上に配向膜を200〜1000Åの膜厚で
形成する(この実施例では400Å)。配向膜材料とし
ては日産化学製のRN−715やチッソ石油化学社製の
PSI−X−A−2001(ポリイミド)をスピンコー
ターにて塗布し、焼成する事により形成した。 4.3で作成された基板にレーヨン系の布を用いてラビ
ング法による一軸配向処理を施す。このときのラビング
の方向は、基板9,10を電極パターンが直交するよう
に貼り合わせたときにラビング方向が同じになるように
行なう。 5.1〜4の工程を経た上下の基板の間に直径1.5μ
mのシリカビーズを分散させエポキシ樹脂製のシール部
材で貼り合わせる。 6.1〜5の工程を経て作成したパネルに前述の本発明
による強誘電性液晶組成物を真空注入法により注入し
た。注入後はアクリル系UV硬化型の樹脂により注入口
を封止した。
【0034】実施例4 実施例3のセル構成のセルにフルオロアルキル化合物を
添加した液晶組成物を注入し、室温近傍でC1U/C1
T/C2のいずれの配向状態をとるかについて観察し、
配向がC1Uでスイッチングする温度の幅を調べた。結
果を表5に示す。なお、液晶の駆動は、1/3バイアス
駆動で行ない、その印加電圧波形は図6に示した。
【表5】 比較例1 実施例4でフルオロアルキル化合物を添加した液晶組成
物を注入する代わりに、フルオロアルキル化合物を添加
しない液晶組成物を注入して室温近傍でC1U/C1T
/C2のいずれの配向状態をとるかについて観察し、配
向がC1Uでスイッチングする温度の幅を調べた。結果
を表6に示す。
【表6】
【発明の効果】本発明によれば、 AC転移温度から室温近傍の幅広い温度域に於てC1
U配向が得られる。 1/3バイアス駆動時にC1Uスイッチングできる温
度範囲が広い。 という特徴を持つ強誘電性液晶表示素子が得られる。従
って、本発明により、高コントラスト比の表示を安定に
かつ広い温度範囲で実現できる強誘電性液晶表示装置が
得られる。そして、もちろん、1/3バイアス駆動法以
外の駆動法適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1/3バイアス駆動法を説明するための図で、
(1)から(11)は、マトックス電極に印加される波
形とそのときの各電極の交差する部位で液晶に印加れる
波形を表している。
【図2】本発明の強誘電性液晶表示装置のマトリックス
電極の配置図である。
【図3】本発明の強誘電性液晶表示装置の構成説明図で
ある。
【図4】スメクチックC相のシェブロン構造及びジグザ
グ欠陥について説明するための図である。
【図5】カイラルスメクチックC相における分子の配向
状態について説明するための図である。
【図6】実施例で用いた印加電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板 2a,2b 透明電極 3a,3b 絶縁膜 4a,4b 配向膜 6 シール部材 7 強誘電性液晶組成物 9,10 基板 11 液晶セル 12a,12b 偏光板 15 ライトニング欠陥 16 ヘアピン欠陥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向殿 充浩 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シヤープ 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の透光性基板の対向しあう表面にそ
    れぞれ透明電極を形成し、それぞれの透明電極を被覆す
    る配向膜を形成し、一対の透光性基板間に液晶を充填し
    てなる液晶表示装置において、 配向処理された配向膜を有する一対の基板を、該配向膜
    の配向処理方向が略平行となるように対向配置させ、こ
    の基板間にカイラルスメクチックC相を呈する強誘電性
    液晶層を介在せしめてなり、 上記配向膜が、配向処理によるプレチルト角が8〜30
    °の有機配向膜で構成され、かつ上記強誘電性液晶層が
    下式(I)で表される 【化1】 化合物を含有するシェブロン構造の強誘電性液晶組成物
    からなる液晶表示装置。
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