JPH0560728A - 細溝型電気泳動装置 - Google Patents

細溝型電気泳動装置

Info

Publication number
JPH0560728A
JPH0560728A JP3225647A JP22564791A JPH0560728A JP H0560728 A JPH0560728 A JP H0560728A JP 3225647 A JP3225647 A JP 3225647A JP 22564791 A JP22564791 A JP 22564791A JP H0560728 A JPH0560728 A JP H0560728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophoretic
migration
plate
migration path
path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3225647A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Nishikawa
哲夫 西川
Hideki Kanbara
秀記 神原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP3225647A priority Critical patent/JPH0560728A/ja
Publication of JPH0560728A publication Critical patent/JPH0560728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】一枚の泳動板上に泳動支持平板長以上の長さの
泳動路を有する高分離能の電気泳動装置を提供する。 【構成】一方の泳動支持平板1の表面に直線状の部分と
曲線状の部分から成る微細な溝を形成し、他方の泳動支
持平板2を密着して微細な管を泳動路として用い、泳動
支持平板の長辺の寸法よりも長い泳動路3をもつ電気泳
動板1aを形成する。泳動路3に直交してレーザビーム
6を照射する溝5を設け、泳動する試料からの蛍光を検
出する。 【効果】一枚の泳動板上に泳動板の一辺の寸法以上の長
さを持った泳動路を複数本形成でき、1000塩基長と
1001塩基長のDNAの分離が可能になる。この結果、
ヒト遺伝子に代表される大量DNAの配列決定等におい
て、処理速度を大幅に向上することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蛍光標識したDNA等の生
物試料を電気泳動により分離検出する装置、例えばDNA
シーケンサーもしくは遺伝子診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】DNAの塩基配列を決定する方法として、
蛍光体で標識したDNAからの蛍光を電気泳動中に実時間
検出する方法が最近用いられている(Bio/Technology 6、
816(1988))。ヒト遺伝子DNAなどの長大なDNAの塩基配列
決定を行うために、一回の測定で決定可能な塩基長をで
きるだけ大きくすることが要求される。一回の測定で決
定可能な塩基長には限界があり、この限界はゲル電気泳
動におけるDNA断片の分離限界塩基長によって決定され
る。すなわち、ゲル電気泳動においては、1塩基長異な
るDNA断片どうしのピーク分離が塩基長が大きくなると
共に困難になり、ある塩基長以上になると分離検出がで
きなくなる。この分離限界塩基長は泳動距離を大きくす
ることによって大となることが知られている。従来法で
は、泳動ゲルの支持体として2枚の平板ガラスが使用さ
れ、直線状の泳動路が構成されているので、構成可能な
泳動路長は最大で電気泳動板の長さ以下になる。通常、
使用可能な電気泳動板の長さは40cm〜50cmであるか
ら、泳動路長は30cm〜40cm程度になる。これ以上の
長さではゲル作製時の手間の増大と装置サイズの制約か
ら現実的ではなくなる。このときの分離限界塩基長は4
00〜500塩基(ポリアクリルアミドゲルを使用する
場合)であり、この値が従来法での分離限界塩基長であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の平板ゲルでは試
料導入部位から検出部位までの距離が電気泳動板の大き
さで制限され、そのため通常使用可能な40cm程度の長
さの電気泳動板を用いた場合、核酸断片は最大で500
塩基長と501塩基長の分離しか得られなかった。本発
明の目的は、一枚の電気泳動板上に電気泳動板の長辺の
寸法以上の長さを持った泳動路を形成し、分離能をより
高めることを可能にするゲル電気泳動装置を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、一方の泳動支持平板の表面に泳動支持平板の長辺の
寸法よりも長い微細な溝を形成し、該泳動支持平板にも
う一方の泳動支持平板を密着してできる微細な管を泳動
路として用いることにより、泳動支持平板の長辺の寸法
よりも長い泳動路を形成する。泳動支持平板の長辺の寸
法よりも長い微細な溝を形成するために、溝を試料の泳
動方向で見た形状が直線状の部分と曲線状の部分から成
るように構成する。また、泳動支持平板の長辺の寸法よ
りも長い微細な溝を形成するために、溝の形状を螺旋状
に構成する。
【0005】
【作用】上記手段を用いることによって以下のことが可
能になる。1m以上の泳動路を持つ電気泳動板を30cm
程度以下の辺を持つ電気泳動板上に形成することが可能
である。これによって、従来法における分離限界である
500塩基長と501塩基長の分離に対して、1000
塩基長と1001塩基長の分離DNAの分離が可能にな
る。このことは、塩基配列決定の決定効率を数倍高め、
ヒト遺伝子DNAなどの長大なDNAの塩基配列決定に非常に
有効となる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1。実施例1を図1、図2、図3、及び図4を用
いて説明する。図1は電気泳動路が曲線部分と直線部分
からなる電気泳動板の正面図である。図2は電気泳動板
1aを用いた蛍光標識DNAの分離検出装置である。図3
及び図4は電気泳動路が曲線部分と直線部分からなる電
気泳動板の正面図である。電気泳動板1aは、図1に示
すように、その片面の第1の泳動支持板1には、幅0.
2mm、深さ0.2mm程度の溝3が1mmあるいはそれ以下
の間隔で数本刻まれ、各溝3は曲線部分と直線部分から
なる。上記第1の泳動支持平板1と、溝が形成されてい
ない第2の泳動支持平板2とが密着して電気泳動板1a
が形成される。溝の上端4は泳動開始点となる試料注入
部である。板の下端から約5cmの位置に直線部の泳動路
と直角にレーザー照射用の溝5が設けられている。図2
に示すようにこの細溝付きの第1の泳動支持平板1と溝
のない第2の泳動支持平板2とを密着しキャピラリー様
の細い泳動路を構成する。これらの泳動路中にポリアク
リルアミドゲルを形成する。ゲル電気泳動板の上端と下
端はそれぞれバッファー槽7及びバッファー槽8に浸さ
れ、電源9によってゲル電気泳動板の上端にマイナス、
ゲル電気泳動板の下端にプラスの電圧を印加される。シ
ーケンシング反応によって生成した蛍光標識DNA断片を
ゲル電気泳動板上端の試料導入部4に導入する。蛍光標
識体として単一の蛍光体(例えばフルオレセインイソチ
オシアネート)を使用した場合、1試料にA、C、G、
Tの4反応が必要であり4泳動路が必要となる。DNAは
マイナスの電荷を持つので各泳動路に沿って下方に泳動
する。レーザービーム光6(例えばアルゴンレーザー)
をゲル電気泳動板の側面からレーザービーム照射用ゲル
路の部分に図2に示す方向から入射させる。蛍光標識DN
A断片はレーザビーム照射部位を通過するときに蛍光を
発光する。それぞれの泳動路からの蛍光はフィルター1
0を通してレンズ11で集光され、ラインセンサー12
によってまとめて検出される。得られた信号は信号処理
部13に送られ、解析処理され塩基配列が決定される。
【0007】一回の測定で決定可能な塩基長には限界が
あり、この限界はゲル電気泳動におけるDNA断片の分離
限界塩基長によって決定される。すなわち、ゲル電気泳
動においては、1塩基長異なるDNA断片どうしのピーク
分離が塩基長が大きくなると共に困難になり、ある塩基
長以上になると分離検出ができなくなる。この分離限界
塩基長は泳動距離を大きくすることによって大きくなる
ことが知られている。従来法では、直線状の泳動路が構
成されるので、構成可能な泳動路長は最大でゲル泳動板
の長さ以下になる。通常、使用可能なゲル泳動板の長さ
は40cm〜50cmであるから、泳動路長は30cm〜40
cm程度になる。これ以上の長さではゲル作製時の手間の
増大と装置サイズの制約から現実的ではなくなる。この
ときの1塩基分離可能な限界塩基長は400〜500塩
基であり、この値が従来法での分離限界塩基長であっ
た。
【0008】これに対して、本実施例では、第1の泳動
支持平板1の表面に曲線部分と直線部分からなる微細な
溝を形成し、該第1の泳動支平持板1に溝のない第2の
泳動支持平板2を密着してできる微細な管を泳動路とし
て用いることにより、泳動支持平板の長辺の寸法よりも
長い泳動路を形成している。本実施例では、曲線部分を
2箇所設けることにより、泳動支持平板の長辺の寸法の
約3倍の長さの泳動路を形成しており、1mの泳動路を
持つ電気泳動板を30cm〜40cm程度の辺を持つ泳動支
持平板面上に形成することが可能である。これによっ
て、従来法における分離限界である400〜500塩基
長の1塩基の分離に対して、800〜1000塩基長の
1塩基の分離が可能になる。このことは、塩基配列決定
の決定効率を数倍高め、ヒト遺伝子DNAなどの長大なDNA
の塩基配列決定に非常に有効となる。曲線部分の数を増
やすことによって、さらに長い泳動路を形成することも
可能である。例えば、曲線部分の数を10にすれば、4
0cmの泳動板に3m以上の泳動路を形成することが可能
である。溝幅を0.2mm、溝間隔を1mmにとれば、曲線
部分の数が2の場合、12cm幅の板上に33本の溝を作
成することが可能であり、曲線部分の数が10の場合に
は、12cm幅の板上に8本の溝を作成することが可能で
ある。泳動路の幅は、泳動路の曲がり部分における泳動
速度のばらつきを少なくするためにできるだけ小さいほ
うがよく、1mm以下であることが望ましい。
【0009】図3、及び図4に図1の電気泳動板の変形
例を示す。図3は、レーザービーム照射路14を電気泳
動板15の側端に達するように形成している。これによ
って、泳動距離は図1の場合よりも短くなるが、照射路
の末端でのレーザービームの散乱光の影響をより小さく
することができる。図4はレーザービーム照射路16を
三つの部分で構成し、各部分を一本のレーザービームで
同時に照射できるようにした電気泳動板17を示してい
る。レーザービーム照射位置に面してラインセンサを設
置することによって、泳動路上で泳動距離の異なる三つ
の部分で、同時にレーザービームを照射し、試料を検出
することが可能になる。これによって、同一のDNA断片
を泳動距離を変えて3回検出することができるようにな
り、検出精度を向上させることができる。また、泳動距
離の短い部分での検出結果から、DNAの全長にわたる配
列の概要を短時間でモニターでき、DNA断片生成反応の
正否や反応の伸び方、あるいは泳動の状態を短時間で知
ることができる。また、目的DNAの長さに応じた能率的
な測定も可能になる。即ち、高分離検出が必要でない短
いDNAの測定には短い泳動距離の部分を使用することに
よって高速な測定を行い、長いDNAの測定には長い泳動
距離の部分を使用することによって高分離検出を行うこ
とが可能になる。泳動路の曲線部の数を増やせばレーザ
ービーム照射路の数をそれに応じて増やすことができ
る。泳動路の曲線部の数がn(nは自然数)の場合は、
最大n+1個のレーザービーム照射路を形成することが
可能である。また、レーザービーム照射路16と同様の
照射路をレーザービーム照射路16と平行に複数本形成
し、複数本のレーザービームをそれぞれの照射路に導入
すれば、同一のDNA断片の測定数をさらに増やすことが
出きる。
【0010】実施例2。本実施例においては、泳動路の
長さを泳動支持平板の一辺の長さよりも長くするため
に、泳動路の形状を螺旋状に構成している。図5に螺旋
状泳動路を持つ電気泳動板18の正面図を示す。10cm
×10cm程度の大きさの電気泳動板18の一方の泳動支
持平板表面上に螺旋状の細溝19を実施例1と同様に作
成し、泳動路を形成する。図5では、4本の平行な螺旋
状泳動路を示した。試料注入側のバッファー槽20を螺
旋の内側に形成し、その中にバッファー液21を満たし
細溝の末端が浸るようにする。螺旋の外側の泳動路端は
電気泳動板18の端まで達するように形成し、バッファ
ー槽22中に満たされた泳動バッファー液23中にひた
される。泳動路端が電気泳動板18の端に達する手前の
直線の泳動路の部分に、図に示すように泳動路と直交す
るように直線状のレーザービーム照射路24を形成す
る。試料注入部25は、泳動距離を4本の泳動路間で同
一にするために、図5に示すように一定間隔をおき、電
気泳動板18を構成するいずれか一方の泳動支持平板に
すり鉢状の穴を開けて形成する。バッファー槽20とバ
ッファー槽22中には白金電極を設け泳動路の両端に電
圧をかけて試料を泳動させる。試料の検出は、レーザー
ビームをレーザービーム照射路24中に照射して、レー
ザービーム照射路中に泳動してくる試料からの蛍光を検
出する。このようにレーザービーム照射路24を形成す
ることによって、実施例1と同様の検出系を使用するこ
とが可能である。
【0011】泳動路が螺旋状であることの利点は、泳動
路の曲率をあまり大きくすることなしに泳動支持平板の
広い範囲を泳動路でうめることができることである。泳
動路上で大きい曲率の部位では、泳動が均一でなくなり
試料バンドのブロードニングを生じる可能性が出てく
る。従って、螺旋状泳動路を用いることによって、試料
バンドのブロードニングが生じにくい長い泳動路を、小
さな泳動支持平板上に形成することが可能である。泳動
路の幅を0.5mm、泳動路の間隔を1mm、螺旋の外径を
10cm、各泳動路の回転数を4にすれば、各泳動路の試
料注入部からレーザービーム照射路までの泳動距離を1
00cmにすることができる。これによって、800〜1
000塩基長のDNA断片の1塩基長分離が可能になる。
泳動路の数を1にすれば同じ条件で泳動距離400cmの
泳動路を形成することが可能である。
【0012】複数の泳動路を形成した場合における各泳
動路の泳動路長の違いの影響は、DNA試料が単一種の蛍
光体で標識されており1試料の配列決定に4泳動路必要
な場合に問題になる。この解決法として、上述のように
泳動路長を同一に調節してもよいし、あるいは試料注入
部の位置は各泳動路で共通の位置にしておき、検出時間
の各泳動路による違いをソフト的に補正してもよい。こ
の場合には、さまざまな塩基長における泳動路による検
出時間の違いをあらかじめ測定しておき、塩基長毎に補
正を行えばよい。DNA試料が4色の蛍光体種で標識され
ており1試料の配列決定に1泳動路しか必要でない場合
には、各泳動路の泳動路長の違いの影響は問題にならな
い。
【0013】電気泳動板の面積をできるだけ小さくし
て、かつ多数の試料の測定を行いたい場合には、図6に
示すように、螺旋状泳動路26が1本形成された電気泳
動板27を多数製作して泳動路の位置を一致させ積層す
る方法が有効である。螺旋状泳動路26を1本だけ形成
することによって、泳動路幅0.5mm、泳動路間隔1m
m、螺旋の回転数14という条件で、外径6cmの螺旋中
に泳動距離100cmの泳動路を形成することが可能であ
る。この電気泳動板27を図6に示すように、電気泳動
板の外辺近傍にある泳動路の直線部分の位置を一致させ
多数枚積層して、多数の試料の100cmの同時泳動が可
能になる。レーザービーム6の照射は図6に示すよう
に、電気泳動板の外辺近傍にある泳動路の直線部分のい
ずれかの位置で、電気泳動板27に垂直の方向から入射
させ、多数枚の電気泳動板を透過させ行う。一つの電気
泳動板の厚みを4mmにし、検出幅を10cmにすれば、2
5枚の電気泳動板が積層可能であり、25の試料の同時
検出が可能である。レーザービーム6は、電気泳動板の
外辺近傍にある泳動路の直線部分のいずれかの位置で照
射され、上記泳動路の直線部分に平行な位置に検出器2
8を設置して、積層された電気泳動板のゲル側面からの
蛍光検出によって試料を検出する。泳動支持平板の材質
に関しては、レーザービーム及びゲルからの蛍光が透過
できるように、少なくともレーザービーム照射位置及び
検出器に面した部分を透明な材質で形成する。
【0014】実施例3。以上の実施例において、泳動路
の曲がりに沿って電界をかけるためには、溝と溝の間に
ゲルがもれないようにすることが必要である。このよう
にするための実施例を図7、図8を用いて説明する。図
7は泳動支持平板にガラス板を用い、ガラス板上に溝を
掘る、細溝泳動路の第1の形成方法を示す。泳動支持平
板の材質としては、ガラスの他に表面を絶縁体でコート
した金属でもよい。溝は機械的な加工によって掘ること
もできるが、フォトマスクを用いたエッチング法を用い
れば、微細な溝の曲線部分も容易に作製することができ
る。図7(a)はゲルが溝からはみ出さないようにする
ために、樹脂平板29をパッキンに用いた例である。樹
脂平板29を泳動支持平板2の表面に接着しておき、溝
3に未重合のゲル30を充填した泳動支持平板1に重ね
合わせ、圧力をかけて密着させる。ゲルには重合開始剤
をいれておき、泳動支持平板の密着後重合させる。ある
いは、泳動支持平板の密着後、重合開始剤をいれたゲル
を泳動路の一端から注入してもよい。樹脂の弾力性によ
って、樹脂とガラス板の間の隙間がなくなりゲルの溝か
らのもれを防ぐことができる。樹脂の材料としては、絶
縁性で適当な弾力性を持つものならばいずれでもよい
(例えば、ポリウレタン、シリコンゴム、テフロン(登
録商標)等)。ゲルの重合をさらによくしたい場合に
は、図7(b)に示した例が有効である。すなわち、泳
動支持平板2の表面に溝31を掘り、溝中に樹脂32を
埋込んで接着する。泳動支持平板2上の樹脂部分の幅は
泳動支持平板1上の溝間部分の幅に合わせ、泳動支持平
板2上の樹脂間部分の幅は泳動支持平板1上の溝の幅に
合わせる。泳動支持平板1と泳動支持平板2の密着の
際、泳動支持平板1の溝の上に泳動支持平板2の樹脂間
のガラス部分がくるようにし、泳動支持平板1の溝間の
ガラスの上に泳動支持平板2の樹脂部分がくるようにす
る。こうすることによって、泳動路の内面をすべてガラ
スで構成し、かつ、泳動路間を樹脂によってパッキンす
ることが可能である。即ち、ゲル重合阻害を引き起こす
ことなく、泳動路に沿った電界を形成可能な泳動路を構
成することができる。
【0015】さらに、泳動支持平板1、2の密着をよく
するためには、図7(a)、(b)において、樹脂とガ
ラスの密着部分にシリコングリスを塗布することが有効
である。あるいは、重合型のシリコンゴムやダイエル
(商標登録)を塗布し、泳動支持平板1、2を密着後重
合固化させることが有効である。これらによって、樹脂
とガラスの密着部分の空気層を除外することができ、泳
動路間のパッキンはより完全となる。キャピラリー電気
泳動と同程度の高電圧(200V/cm以上)を用いる場合
には、泳動路間の放電を防ぐために、図7(c)に示す
ように泳動支持平板1、2を無機系の接着剤33等によ
って接着し泳動路間を完全に遮断してしまうのが有効で
ある。この場合には、繰り返し使用によるゲルの劣化を
考慮しても少なくとも10回以上の泳動が可能である。
さらに繰り返し使用回数を増したい場合には、非重合性
の分離担体(例えばSDSバッファー)を用いるとよい。
泳動路の一端から担体を出し入れすることにより電気泳
動板の半永久的な使用が可能になる。
【0016】図8は泳動路間の部分を樹脂によって形成
する、細溝泳動路の第2の形成方法を示す。図8(a)
は樹脂平板34を泳動支持平板1に接着した後、フォト
マスクを用いたエッチング法によって樹脂平板34に穴
を開け溝を形成した例である。樹脂平板34として、光
感受性樹脂例えばフォテック(登録商標)などが使用で
きる。図7の場合と同様にゲルを溝に充填後泳動支持平
板2を重ね合わせ圧力をかけて密着させる。樹脂平板3
4の材質としては、アクリル、硬質ポリウレタン、AB
S樹脂、サーモエラストマ等がよい。あらかじめ短冊状
に切断した樹脂を泳動支持平板1に接着しても同様の効
果が得られる。図8(b)はゲルが溝からはみ出さない
ようにするために、図7(a)と同様に、樹脂平板35
をパッキンに用いた例である。図8(c)は機械的加工
あるいはフォトマスクを用いたエッチング法によって樹
脂平板36に溝を形成し、樹脂平板35によってパッキ
ンした例である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、一枚の電気泳動板上に
電気泳動板の一辺の寸法以上の長さを持った泳動路を、
溝間の電界のもれがない状態で複数本形成可能である。
1m以上の泳動路を持つ電気泳動板を30cm程度以下の
辺を持つでんき泳動板状に形成することが可能である。
これによって、従来法における分離限界である500塩
基長と501塩基長の分離に対して、1000塩基長と
1001塩基長のDNAの分離が可能になる。この結果、
ヒト遺伝子に代表される大量のDNAの配列決定等におい
て、処理速度を大幅に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における、曲線部分と直線部
分からなる細溝泳動路を有するゲル電気泳動板の正面
図。
【図2】本発明の実施例1における、曲線部分と直線部
分からなる細溝泳動路を有するゲル電気泳動板を用いる
蛍光標識DNAの分離検出装置を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例1の第1の変形例である、曲線
部分と直線部分からなる細溝泳動路を有するゲル電気泳
動板の正面図。
【図4】本発明の実施例1の第2の変形例である、曲線
部分と直線部分からなる細溝泳動路を有するゲル電気泳
動板の正面図。
【図5】本発明の実施例2における、螺旋状細溝泳動路
を有するゲル電気泳動板の正面図。
【図6】本発明の実施例2における、螺旋状細溝泳動路
を有する積層型ゲル電気泳動板の正面図。
【図7】本発明の実施例3における、細溝泳動路の第1
の形成法を示す断面図。
【図8】本発明の実施例3における、細溝泳動路の第2
の形成法を示す断面図。
【符号の説明】
1、2…泳動支持平板、1a、15、17…電気泳動
板、3…細溝泳動路、4、25…試料導入部、5、1
4、16、24…レーザービーム照射路、6…レーザー
ビーム光、7、8、20、22…バッファー槽、9…電
源、10…フィルター、11…レンズ、12…ラインセ
ンサー、13…信号処理部、18…螺旋状泳動路を持つ
電気泳動板、19…螺旋状細溝、21、23…バッファ
ー液、26…螺旋状泳動路、27…1本の螺旋状泳動路
を持つ電気泳動板、28…検出器、29、34、35、
36…樹脂平板、30…ゲル、31…泳動支持平板2上
の溝、32…泳動支持平板2上の溝に充填した樹脂、3
3…無機系の接着剤。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に細溝が設けられた第1の泳動支持平
    板と、該第1の泳動支持平板に密着する第2の泳動支持
    平板で形成される微細な管を泳動路とする細溝型電気泳
    動装置において、上記泳動支持平板の長辺よりも長い泳
    動路を形成したことを特徴とする細溝型電気泳動装置。
  2. 【請求項2】上記泳動路が直線部分と曲線部分から構成
    されることを特徴とする請求項1に記載の細溝型電気泳
    動装置。
  3. 【請求項3】上記泳動路の上記曲線部分が螺旋状である
    ことを特徴とする請求項2に記載の細溝型電気泳動装
    置。
  4. 【請求項4】上記泳動路上で泳動開始点から一定の距離
    だけ隔てた位置に、上記泳動路と垂直な方向に溝を設
    け、試料を検出するためのレーザビームを該溝に通して
    上記泳動路を照射することを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれかに記載の細溝型電気泳動装置。
  5. 【請求項5】上記レーザビームを通す上記溝を、上記泳
    動路上で上記泳動開始点から一定の距離だけ隔て、該距
    離を変えて複数本設けたことを特徴とする請求項4に記
    載の細溝型電気泳動装置。
  6. 【請求項6】上記細溝を有する電気泳動板が積層され、
    該電気泳動板に垂直の方向から上記泳動路に上記レーザ
    ビームを照射し、該電気泳動板の側面から試料を検出す
    ることを特徴とする請求項3に記載の細溝型電気泳動装
    置。
  7. 【請求項7】上記泳動路にはゲルが充填されていること
    を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    細溝型電気泳動装置。
  8. 【請求項8】上記第1、第2の泳動支持平板の少なくと
    も一方はガラス材で形成されることを特徴とする請求項
    1から請求項7のいずれかに記載の細溝型電気泳動装
    置。
  9. 【請求項9】上記第1、第2の泳動支持平板の少なくと
    も一方は絶縁物でコーティングした金属板であることを
    特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の細
    溝型電気泳動装置。
  10. 【請求項10】上記第1の泳動支持平板表面に光感受性
    樹脂を接着し、エッチングによって該光感受性樹脂に細
    溝を形成し、該細溝と上記第2の泳動支持平板の面とで
    形成される微細な管によって上記泳動路を形成したこと
    を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の
    細溝型電気泳動装置。
  11. 【請求項11】上記第1の泳動支持平板の表面上にエッ
    チングあるいは機械的操作によって細溝を形成し、該細
    溝と上記第2の泳動支持平板の面とで形成される微細な
    管によって上記泳動路を形成したことを特徴とする請求
    項1から請求項9のいずれかに記載の細溝型電気泳動装
    置。
JP3225647A 1991-09-05 1991-09-05 細溝型電気泳動装置 Pending JPH0560728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3225647A JPH0560728A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 細溝型電気泳動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3225647A JPH0560728A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 細溝型電気泳動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0560728A true JPH0560728A (ja) 1993-03-12

Family

ID=16832579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3225647A Pending JPH0560728A (ja) 1991-09-05 1991-09-05 細溝型電気泳動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0560728A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05203622A (ja) * 1991-09-30 1993-08-10 Bio Rad Lab Inc 毛管電気泳動及び毛管クロマトグラフィーのための複数点検出方法
JP2006030160A (ja) * 2004-04-14 2006-02-02 Hitachi Maxell Ltd 反応容器
JP2008145164A (ja) * 2006-12-07 2008-06-26 Fuji Electric Water Environmental Systems Co Ltd トリハロメタン分析装置の反応部構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05203622A (ja) * 1991-09-30 1993-08-10 Bio Rad Lab Inc 毛管電気泳動及び毛管クロマトグラフィーのための複数点検出方法
JP2006030160A (ja) * 2004-04-14 2006-02-02 Hitachi Maxell Ltd 反応容器
JP2008145164A (ja) * 2006-12-07 2008-06-26 Fuji Electric Water Environmental Systems Co Ltd トリハロメタン分析装置の反応部構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3928073B2 (ja) 分子画像化
US7122104B2 (en) Electrophoresis apparatus for simultaneous loading of multiple samples
EP0376611A2 (en) Electrophoretic system
US20110120867A1 (en) Micro-channel chip for electrophoresis and method for electrophoresis
KR20140006322A (ko) 핵산의 염기 서열을 결정하는 방법
JPH0560728A (ja) 細溝型電気泳動装置
JP3456070B2 (ja) キャピラリーアレイ電気泳動装置
KR20180109647A (ko) 단일 지점 검출 방식 미소유체 등전점 전기영동 및 미소유체 칩
JP2974537B2 (ja) キャピラリーアレー、電気泳動方法及び電気泳動装置
EP0735365B1 (en) DNA base sequencer
JP3967814B2 (ja) キャピラリーカセット
JP2000258392A (ja) 電気泳動装置
JP2003262616A (ja) キャピラリーアレイ電気泳動装置
JP3938032B2 (ja) 電気泳動方法および電気泳動装置
US11802871B2 (en) System and method for depositing antisera in immunofixation electrophoresis
JP3186269B2 (ja) Dna分離検出装置
US20080257737A1 (en) Electrophoresis method, electrophoresis module and electrophoresis apparatus
Kosobokova et al. Electrokinetic injection of DNA from gel micropads: Basis for coupling polony technology with CE separation
JP6361358B2 (ja) 電気泳動装置
JP2002296234A (ja) Dnaチップ及びdna断片分取装置
JPH10132785A (ja) 電気泳動装置
JPS6256852A (ja) 速度局所可変型電気泳動装置
JP2006038535A (ja) 物質の検出方法および物質の分離装置
JPS61294363A (ja) ラジオクロマトグラフ解析方法およびラジオクロマトグラフ解析装置
JPS63124953A (ja) 電気泳動法