JPH0560647U - 連続鋳造タンディツシュ用耐火物内張りスタット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】連続鋳造タンディツシュ用内張り耐火物の膨
張、収縮による拘束を防止するとともに、補修時の衝撃
緩衝を図り、タンディツシュ不定型耐火物の長寿命化を
可能にする。 【構成】連続鋳造タンディツシュの鉄皮に固設される鉄
製シリンダーと一端が該鉄製シリンダー内に遊動自在に
嵌挿されたＬ字棒と該Ｌ字棒の他端にＹ字突起を設けた
キップを遊動自在に嵌着するとともに、Ｌ字棒とＹ字突
起を設けたキップを弾性体、又は加熱時に消失する弾性
体で接続してあり、膨張、収縮、衝撃緩衝効果が優れて
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は連続鋳造用タンディツシュの内張り耐火物を保持するスタットに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

一般に耐火物を内張りした連続鋳造用タンディツシュは焼結収縮の小さいもの 、及び残存膨張の小さい容積安定性の優れた不定型耐火物を用いている。しかし 、連続鋳造用タンディツシュは使用時と補修時における熱負荷が極めて大きく、 且つ補修時の耐火物に対する衝撃等過酷な条件下で使用されているため耐火物の 剥離、脱落、亀裂等を生じる。

【０００３】 そこで、この耐火物の剥離、脱落、亀裂を防止するために例えば特開昭５１− １６２０３号公報のように鉄皮にブラケットを固設し、該ブラケットにアンカー 部材をピン固設するか、実開昭６２−７２５９７号公報のように鉄製シリンダー に遊動自在に嵌挿されたＬ字棒と該Ｌ字棒の他端にＹ字突起を有するスタットが 提案され、その一部は実用化されかなりの効果が得られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これ等のスタットは以下の問題点がある。 まず、特開昭５１−１６２０３号公報のように鉄皮にブラケットを固設し、該 ブラケットにアンカー部材をピン固設する場合は鉄皮にブラケットとスタットが 固設されているために耐火物の膨張率と鉄の膨張率との差により耐火物に亀裂が 生じ、剥離、脱落等を招く。

【０００５】 また、実開昭６２−７２５９７号公報のように鉄製シリンダーに遊動自在に嵌 挿されたＬ字棒と該Ｌ字棒の他端にＹ字突起を有するスタットは耐火物の三次元 的な膨張に容易に追従し緩衝性の良い耐火物保持を可能としたが、Ｌ字棒と先端 のＹ字突起が固定されているために耐火物膨張あるいは鉄皮の変形又は膨張に追 従緩衝できずスタットが破断する。当然、耐火物に亀裂や剥離、脱落等を生じタ ンディツシュ寿命の大幅低下となる等の欠点を有している。

【０００６】 本考案はこれら従来の連続鋳造用タンディツシュのスタットの欠点である極め て大きな熱負荷による膨張、収縮に追従緩衝性が良く、かつ補修時の耐火物に対 する衝撃等過酷な条件下で使用されても耐火物の剥離、脱落、亀裂等を防止でき るタンディツシュ用スタットの提供にある。

【０００７】

【考案を解決するための手段】

本考案による連続鋳造用タンディツシュのスタットを図に基づき詳述する。 図１は本考案のタンディツシュ用スタッットの全体斜視図を示し、図２は図１ のイ−イ断面図、図３は本考案のスタットを用いたタンディツシュ鉄皮の展開図 を示し、図４は本考案のスタットを用いたタンディツシュの縦断面略図を示す。

【０００８】 図において、１はタンディツシュ鉄皮であり、この鉄皮１に鉄製シリンダー２ が溶接により固設されている。鉄製シリンダー２にはＬ字棒３の一端が該鉄製シ リンダー２内に遊動自在に嵌挿されており、該Ｌ字棒３の他端にＹ字突起４を設 けたキップ５が遊動自在に嵌着されている。このＬ字棒３とキップ５は弾性体、 又は加熱時消失する弾性体６で接続されている。このＬ字棒３とキップ５を接続 する弾性体又は加熱時消失する弾性体６はゴム、ビニールテープ、有機接着剤等 で施工時の脱落を防止でき、施工後に耐火物の膨張、収縮を拘束しない弾性を具 備するか、あるいは施工後の受熱後消失し耐火物の膨張、収縮を拘束しないもの であれば良い。

【０００９】 また、このスタットは図３に示すように連続鋳造用タンディツシュの鉄皮に設 けてある。１はタンディツシュ鉄皮であり、この鉄皮１に本考案のスタットＡが タンディツシュの長手方向の鉄皮１ａと１ｂに複数設けてある。図４は不定型耐 火物７を施工した状態のスタットＡを示すがタンディツシュの上端鉄皮はＹ字突 起４を垂下状にし、タンディツシュの側部鉄皮は不定型耐火物７の厚み方向にＹ 字突起４を指向している。

【００１０】

【作用】

このように構成されたスタットＡはＬ字棒３の一端が該鉄製シリンダー２内に 遊動自在に嵌挿されているために鉄皮１および不定型耐火物７の膨張、収縮に対 し三次元的な動きをして緩衝効果が得られる。また不定型耐火物７の厚み方向の 膨張、収縮を緩衝し、且つ補修時の衝撃にも耐えるには更にＬ字棒３の先にキッ プ５を遊動自在に嵌着し、このキップ５にＹ字突起４を設けて、この部分も三次 元的な動きをせしめて不定型耐火物７の膨張、収縮と補修時の衝撃緩衝を図る。

【００１１】 このように不定型耐火物７の膨張、収縮と補修時の衝撃緩衝を図るにはスタッ トＡの取付け部である鉄皮１近傍を三次元的緩衝保持するとともに、不定型耐火 物７の厚み内部の所定位置でも三次元的緩衝保持することにより初めてタンディ ツシュ全体の長寿命化が発現できる。

【００１２】 また、Ｌ字棒３とキップ５を接続する弾性体又は加熱時消失する弾性体６をゴ ム、ビニールテープ、有機接着剤等で行うことで施工時の脱落を防止するととも に、施工後にＬ字棒３とキップ５が自由に遊嵌状態を維持し耐火物の膨張、収縮 を拘束しないためにスタットＡの二部位に三次元的緩衝を可能とし、長寿命化を 達成した。

【００１３】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の連続鋳造タンディツシュ用耐火物内張りスタットを 用いることにより、耐火物の膨張、収縮による拘束を防止するとともに、補修時 の衝撃緩衝を図り、タンディツシュ不定型耐火物の長寿命化を可能とした。

【図面の簡単な説明】 図１は本考案のタンディツシュ用スタットの全体斜視
図、図２は図１のイ−イ断面矢視図、図３は本考案のス
タットを用いたタンディツシュ鉄皮の展開図、図４は本
考案のスタットを用いたタンディツシュの断面略図、で
ある。

【符号の説明】

１：タンディツシュ鉄皮、 ２：鉄製シリンダー、
３：Ｌ字棒、 ４：Ｙ字突起、 ５：キップ、 ６：弾
性体、 ８：Ｌ字棒の抜け防止金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】連続鋳造タンディツシュの鉄皮に固設され
   る鉄製シリンダーと一端が該鉄製シリンダー内に遊動自
   在に嵌挿されたＬ字棒と該Ｌ字棒の他端にＹ字突起を設
   けたキップを遊動自在に嵌着するとともに、Ｌ字棒とＹ
   字突起を設けたキップを弾性体、又は加熱時消失する弾
   性体で接続したことを特徴とする連続鋳造タンディツシ
   ュ用耐火物内張りスタット。