JPH0559918A - 内燃機関用バルブシート構造 - Google Patents

内燃機関用バルブシート構造

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JPH0559918A
JPH0559918A JP21760591A JP21760591A JPH0559918A JP H0559918 A JPH0559918 A JP H0559918A JP 21760591 A JP21760591 A JP 21760591A JP 21760591 A JP21760591 A JP 21760591A JP H0559918 A JPH0559918 A JP H0559918A
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JP
Japan
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valve seat
base material
temperature
conductive material
infiltrated
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Application number
JP21760591A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Ito
与志彦 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各部位で肉厚を変えることなく座面の温度分布
を均一に保ち、座面の偏心や歪な変形を防止する。 【構成】バルブシート1を均一な肉厚をもって円環状に
焼結された金属製の基材4から構成する。装着状態での
バルブシート1の温度分布TDに対応して、基材4に高
熱伝導材(銅)10を溶浸させ、その溶浸量を基材4の
低温となる部位よりも高温となる部位で多くなるように
設定する。即ち、最高温度となる区間aではその全域に
渡って高熱伝導材10を完全に溶浸させ、最低温度とな
る区間c,eでは高熱伝導材10を全く溶浸させない。
その他の区間b,d,fでは、温度分布TDの程度に応
じて溶浸量を決定する。これにより、高熱伝導材10の
溶浸量の違いによって、基材4の低温となる部位と高温
となる部位で熱伝導率が調整され、各部位で座面9の温
度分布が均一に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の動弁系に
て吸排気ポートの開口部に装着されて使用されるバルブ
シートの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、例えば実開
昭57−156002号公報においては、図6に示すよ
うに、バルブシート21の高温となる部位22を他の部
位よりも薄肉に形成することが開示されている。これ
は、燃焼室側の温度分布が均一でないことから、その吸
排気ポートに装着されるバルブシート21の温度分布が
不均一となることに対処するためであった。即ち、バル
ブシート21の高温となる部位22を薄肉に形成するこ
とにより、その部位22の冷却性を高めて局部的に軟化
することを防止し、バルブシート21に偏摩耗を生じる
ことを防止するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術においては、バルブシート21の座面23の温度分布
は均一になるものの、肉厚の違いから座面23の部位で
熱膨張量が異なることになった。そのため、座面23が
偏心したり歪に変形したりして、バルブシート21の偏
摩耗を完全に防止することができなかった。
【0004】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、各部位で肉厚を変えること
なく座面の温度分布を均一に保ち、座面の偏心や歪な変
形を防止することの可能な内燃機関用バルブシート構造
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明においては、内燃機関の動弁系にて吸排気
ポートの開口部に装着され、均一な肉厚をもって円環状
に焼結された金属製の基材よりなるバルブシート構造に
おいて、基材に高熱伝導材を溶浸させると共に、その高
熱伝導材の溶浸量を基材の低温となる部位よりも高温と
なる部位で多くしている。
【0006】
【作用】上記の構成にれば、高熱伝導材の溶浸量の違い
によって基材の熱伝導がその低温となる部位よりも高温
となる部位で良くなり、基材全体での温度分布の均一化
を図ることが可能となる。
【0007】
【実施例】以下、この発明の内燃機関用バルブシート構
造を具体化した一実施例を図1〜図4に基づいて詳細に
説明する。
【0008】図1はこの実施例におけるバルブシート1
を示す平面図であり、図2はその装着状態を示す縦断面
図である。このバルブシート1は内燃機関の動弁系に
て、シリンダヘッド2に設けられた吸気ポート3に装着
されている。このバルブシート1は均一な肉厚をもって
円環状に焼結された金属(Fe−Co−Ni系)製の基
材4から構成され、その上面5側が吸気ポート3の凹部
6に嵌め込まれ、反対の下面側、即ち燃焼室7側が吸気
バルブ8の座面9となっている。
【0009】このバルブシート1が吸気ポート3に装着
された状態では、燃焼室7に面する座面9側の温度分布
が均一とならないことから、図1に2点鎖線で示すよう
に、バルブシート1の温度分布TDは周方向の各部位で
異なっている。即ち、円周方向の区間aで最も高い最高
温度Tmaxとなり、区間c,eで最も低い最低温度T
minとなる。又、それ以外の区間b,d,fでは、最
高温度Tmaxと最低温度Tminとの間の温度にな
る。
【0010】そして、この実施例では、図1に破線で示
すような量の違いの分布をもって、基材4に、例えば銅
よりなる高熱伝導材10が溶浸されると共に、その高熱
伝導材10の溶浸量が基材4の低温となる部位よりも高
温となる部位で多くなるように設定されている。即ち、
温度分布TDの区間aでは、基材4の肉厚(半径)方向
の全域と高さ方向の全域に渡って高熱伝導材10を完全
に溶浸させ、区間c,eでは高熱伝導材10を全く溶浸
させていない。又、それ以外の区間b,d,fでは、以
下の計算式に従って決定される溶浸量A(T)(単位は
g/mm)の高熱伝導材10を溶浸させている。
【0011】 A(T)={(T−Tmin)/(Tmax−Tmin)}*A ここで、「T」は円周方向の温度(℃)であり、「A」
は基材4の高さ方向全域を完全に溶浸させる溶浸量(単
位はg/mm)である。
【0012】上記のようなバルブシート1を製造するに
は、図3に示すように黒鉛よりなるトレイ11上に、焼
結により形成された円環状の基材4をその座面9が下に
なるように載置する。この状態で、基材4の上面5に、
上記ような温度分布TDに応じて各区間a〜fで異なる
溶浸量の高熱伝動材10を配置する。そして、アルゴン
(Ar)ガスの雰囲気中にて、高熱伝動材10を溶融温
度まで加熱して基材4に溶浸させる。
【0013】次に、上記のように構成したバルブシート
1の作用を説明する。このバルブシート1では、温度分
布TDで最高温度Tmaxとなる区間aでは、その部位
全域に渡って銅よりなる高熱伝導材10を溶浸させてい
ることから、熱伝導率は「33〜48(W/m℃)」と
なる。一方、温度分布TDで最低温度Tminとなる区
間c,eでは、高熱伝導材10を溶浸させていないこと
から、熱伝導率は「15〜22(W/m℃)」となる。
又、その他の区間b,d,fでは、熱伝導率が区間aの
それと区間c,eのそれの中間程度となる。
【0014】従って、バルブシート1では、最高温度T
maxとなる区間aの部位ほど高熱伝導材10の溶浸量
が多くて熱伝導率が高く、バルブシート1からシリンダ
ヘッド2への熱の逃げ量が多くなる。その他の区間b〜
fでは、それらの部位での熱伝導率に応じてシリンダヘ
ッド2への熱の逃げ少なくなる。そのため、バルブシー
ト1の円周方向における温度分布TDを均一にすること
が可能となり、バルブシート1の円周方向に渡って熱膨
張量を均一に保つことができる。そして、その熱膨張量
が均一であり、バルブシート1の肉厚が均一であること
から、、座面9の偏心や歪な変形を防止することがで
き、もってバルブシート1の偏摩耗をほぼ完全に防止す
ることができる。
【0015】図4はバルブシート1の各区間a〜fにつ
いて、内燃機関の運転前と運転中における温度変化に関
する実験結果を示すグラフである。このグラフからも明
らかなように、実線で示す本実施例では、各区間a〜f
で運転前と運転中の間の温度変化が殆ど同じであり、温
度分布がほぼ均一になっていることが分かる。又、最高
温度Tmaxとなる区間aにおいて、実線で示す本実施
例では、従来例よりも「約100℃」の温度低下が得ら
れていることが分かる。但し、上記の実験では、高熱伝
導材10の溶浸量の違いによる熱膨張率の違いは認めら
れず、問題にはならなかった。
【0016】以上のように、この実施例のバルブシート
1の遍摩耗をほぼ完全に防止できることから、吸気ポー
ト3でのガスシール性を長期間に渡って確保することが
できると共に、凹部6からのバルブシート1の脱落を未
然に防止することもできる。又、吸気バルブ8の着座時
にバルブシート1との間で発生する衝突音を抑えること
もできる。
【0017】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、バルブシート1を一層タイプの
基材4により形成して高熱伝導材10を溶浸させたが、
図5に示すように、バルブシート12を上層基材13と
座面14を有する下層基材15との二層タイプの基材に
より形成し、下層基材15には前記実施例と同様に温度
分布に応じた量で高熱伝導材を溶浸させると共に、上層
基材13にはその全周に渡って完全に高熱伝導材を溶浸
させたものとする。
【0018】この場合、下層基材15における高熱伝導
材による温度分布の均一化を、上層基材13により更に
最適なものに補うことができ、バルブシート1としてよ
り確実な温度分布の均一化を図ることができる。
【0019】(2)前記実施例では、高熱伝導材10と
して銅を使用したが、銅以外に鉛や銅合金或いは所定の
有機化合物を高熱伝導材として使用することもできる。 (3)前記実施例では、バルブシート1を吸気ポート3
に装着した場合に具体化したが、バルブシートを排気ポ
ートに装着した場合に具体化してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、均一な肉厚をもって円環状に焼結された金属製の基
材よりなるバルブシート構造において、基材に高熱伝導
材を溶浸させると共に、その高熱伝導材の溶浸量を基材
の低温となる部位よりも高温となる部位で多くしたの
で、高熱伝導材の溶浸量の違いによって基材の低温とな
る部位と高温となる部位とで熱伝導率が調整され、各部
位で肉厚を変えることなく座面の温度分布を均一に保こ
とができ、座面の偏心や歪な変形を未然に防止すること
ができ、もってバルブシートの偏摩耗を防止することが
できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例におけるバルブシ
ートを示す平面図である。
【図2】一実施例においてバルブシートのシリンダヘッ
ドに対する装着状態を示す断面図である。
【図3】一実施例においてバルブシートの製造工程を説
明する断面図である。
【図4】一実施例において内燃機関の運転前と運転中と
の間のバルブシートの各部位での温度変化の違いを説明
するグラフである。
【図5】本発明を具体化した別の実施例におけるバルブ
シートを示す断面図である。
【図6】従来例におけるバルブシートを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
3…吸気ポート、4…基材、10…高熱伝導材、13…
上層基材、15…下層基材、TD…温度分布。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の動弁系にて吸排気ポートの開
    口部に装着され、均一な肉厚をもって円環状に焼結され
    た金属製の基材よりなるバルブシート構造において、 前記基材に高熱伝導材を溶浸させると共に、その高熱伝
    導材の溶浸量を前記基材の低温となる部位よりも高温と
    なる部位で多くしたことを特徴とする内燃機関用バルブ
    シート構造。
JP21760591A 1991-08-28 1991-08-28 内燃機関用バルブシート構造 Pending JPH0559918A (ja)

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JP21760591A JPH0559918A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 内燃機関用バルブシート構造

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JPH0559918A true JPH0559918A (ja) 1993-03-09

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61194096A (ja) * 1985-02-22 1986-08-28 シエーリング・アクチエンゲゼルシヤフト 11β‐アリール‐エストラジエン、その製法及びこれを含有する抗ゲスターゲン及び抗糖質コルチコイド製剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61194096A (ja) * 1985-02-22 1986-08-28 シエーリング・アクチエンゲゼルシヤフト 11β‐アリール‐エストラジエン、その製法及びこれを含有する抗ゲスターゲン及び抗糖質コルチコイド製剤

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