JPH0559253U - 電磁平衡式秤量装置 - Google Patents

電磁平衡式秤量装置

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JPH0559253U JP657592U JP657592U JPH0559253U JP H0559253 U JPH0559253 U JP H0559253U JP 657592 U JP657592 U JP 657592U JP 657592 U JP657592 U JP 657592U JP H0559253 U JPH0559253 U JP H0559253U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷重伝達機構に歪みが発生するのを防止しか
つ電子部品の温度補償を正確に行う。 【構成】上下の副桿9、11と浮枠5から成るロバーバ
ル機構と、このロバーバル機構に案内されるビーム2か
ら成る荷重伝達機構、および電磁部12がフレーム1に
配置固定され、このフレーム1は取付部材18を介して
秤量装置床面19に対して略肩持ちに固定される。また
取付部材18は電磁部12と熱的に一体化され、かつ取
付部材18内の空間には温度ドリフトの大きい電子部品
21と温度センサ22が配置され、電磁部の熱を測定す
ることにより同電子部品21は正確に温度補償される。
またフレーム1は取付部材18を介して床面19に固定
され、フレーム1と床面19との間に温度差があっても
フレーム1には温度差に基づく複雑な応力は発生せず機
構的にも高い測定精度を保証する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は荷重伝達機構の支持および電子部品の温度補償に好適な電磁平衡式秤 量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子天秤と称される電磁平衡式秤量装置は、秤量皿、ビームおよびこれらの作 動を案内するロバーバル機構等から成る荷重伝達機構と、この荷重伝達機構を介 して伝達された秤量物の荷重と平衡する電磁力を発生させる電磁部とをその主要 な構成要素としている。これらの構成要素はフレームに組み込まれ、かつこのフ レームは秤量装置の床面に対して多点で固定された構造となっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
近年電子天秤はより微量な測定を高精度に行うことが要求されており、荷重伝 達機構等の機械的部材はより繊細、精密なものとなり、また電子部品もその高性 能化に対応して外部環境の影響を受け易いものとなっている。
【0004】 まず、前記フレームはは上述の如く装置本体の床面に対し、ボルト等の固定手 段をもって多点で固定される構造となっているが、外気温の変化やマグネット部 からの発熱等に起因するフレームと装置本体床面との温度差によりフレームには 複雑な応力が発生する。このためフレームに支持されている荷重伝達機構に微妙 な歪みが生じ、この結果秤量物の荷重の伝達が正確に行われない虞が生じる。こ の応力は、温度差の程度やフレームの取り付け位置等によって相違し、極めて複 雑に発生するのでその測定、解析は非常に困難である。従って例えばこの歪みを 電気的に検出して測定荷重を補正する等の方法を採用することは事実上不可能で ある。
【0005】 また、電子部品の温度補償に関する問題の解決も大きな課題となっている。電 子天秤ではA/D変換用回路、機構制御回路、理論回路等にIC、抵抗、コンデ ンサ等の電子部品や電気部品(以下両者を纏めて「電子部品」と言う)が用いら れている。これらの電子部品の中には温度変化にかなり敏感で、温度変化によっ て秤の性能に影響を与える部品が含まれている。例えばフォースコイルに基準電 圧を供給する電子品であるツェナダイオードは周囲の温度と自身の温度ドリフト によって特性が変化し、この結果荷重検出値が異なり測定誤差を招く要因となっ ている。
【0006】 この問題の解決手段としては、(1)電子天秤内の温度を一定にする構成、( 2)電子天秤内の多点で温度を測定し各点に於ける測定温度に基づいて電子部品 の特性を補正する構成、(3)安定した熱を出力する加熱装置を設置して温度特 性変化の大きい電子部品を一定温度環境下に配置する構成等が考えられている。 このうち加熱源を特別の装置に求めず、電磁平衡用の電磁部を利用することによ り、温度特性変化の大きな電子部品の特性を安定させる構成が実開昭59−31 028号として提案されている。
【0007】 図5はこの構成を示す。ボビンに対してコイルが巻き廻されている電磁石部5 1を収納するように構成された永久磁石装置50の鉄心に対して空洞54が穿設 され、この空洞54内には温度特性変化の大きな電子部品52、例えばツェナダ イオードと、電子部品配置部の温度を測定する温度センサ53が配置されている 。永久磁石装置50および電磁石部51等から成る電磁平衡部は発熱量が比較的 大きく、永久磁石装置50内に収納されている電子部品52はこの電磁平衡部の 温度に支配される。このため電子部品52の配置されている部分の温度を温度セ ンサ53で測定し、測定温度に基づいて電子部品52の温度特性を補正するよう に構成されている。
【0008】 以上の構成とすることより温度特性変化の大きな電子部品の特性の補正(以下 補正により電子部品の性能を安定化させることを「温度補償」という)を安価に かつかなり正確に実施することが可能となる。しかしこの構成では次のような問 題がある。即ち、最近では秤全体が薄型、小型化される傾向にあり、このため電 磁部の構成もコンパクトに薄型、小型化されてきている。このため図5に示す如 く永久磁石装置の一部であるヨークに対して空洞を穿設する構成では電子部品や 温度センサを収納する十分な空間を確保することが困難になってきており、今後 電磁部のより一層の小型化を考えると収納空間の確保はより一層困難になること が予想される。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は上述の問題点に鑑み構成したものであり、荷重伝達機構が取り付けら れかつ電磁部が収納されたフレームは1個の支持部材を介して装置床面に固定さ れ、またこの支持部材に対しては電子部品や温度センサを収納する空間が形成さ れ、かつ同支持部材は前記電磁部と熱的に一体化される構成とした電磁平衡式秤 量装置である。
【0010】
【作用】
フレームは一の支持部材により装置本体床面に固定されることにより、フレー ムと秤量装置本体床面との間に温度差が生じた場合の伸び差はこの支持部材部分 により吸収されてフレームには伸び差による応力は生じない。また支持部材はフ レームの電磁部と熱的に一体化されており、支持部材内に収納された電子部品に は適性な温度補償が行われて性能が安定化される。
【0011】
【実施例】
以下本考案の実施例を図面を参考に具体的に説明する。
【0012】 図1において、符号1はフレームであって例えばアルミダイキャストにより一 体的に構成され、このフレーム1に対して荷重伝達機構およびこの荷重伝達機構 により伝達された秤量物の荷重に対応する電磁力を発生する電磁部等が取り付け られている。
【0013】 先ず荷重伝達機構の構成から説明すると、2は支点3を中心として揺動可能に フレーム1に設けられたビームであって、一端は接続部材たる吊りバンド4を介 して浮枠5に接続し、他端にはビーム2の変位を検知する位置センサ6が設けら れている。浮枠5には軸7が設けられ、さらにこの軸7には秤量物を載置する秤 量皿8が取り付けられる。9は上部副桿であって、一端は板ばね10aを介して 前記浮枠5と接続し、他端は板ばね10bを介してフレーム1に接続している。 11はフレーム1を介して上部副桿と平行に配置された下部副桿であって、一端 は板ばね10cを介して浮枠5に、他端は板ばね10dを介してフレーム1に接 続している。このように上下の副桿9、11が配置されることにより、上下の副 桿9、11および浮枠5、フレーム1によってロバーバル機構が構成され、荷重 を直接電磁部に伝達する秤量皿8、浮枠5、ビーム2等の部材の外、案内機構た るロバーバル機構も含めてフレーム1に対して荷重伝達機構が同フレームと一体 化するよう構成配置される。
【0014】 次に矢印12は電磁部であって、この電磁部もフレーム1に取り付けられた構 成となっている。13はヨークであってフレーム1に形成された収納空間に対し て収納固定されており、同ヨーク13内には永久磁石14およびポールピース1 5が配置固定され、これらヨーク13、永久磁石14、ポールピース15により マグネットユニットが形成される。
【0015】 一方ボビン16とこのボビン16に形成されたフォースコイル17によって電 磁石ユニットが構成され、この電磁石ユニットは前記ビーム2に取り付けられる と共に、マグネットユニットのうちポールピース15とヨーク13との間に形成 された空間部に配置される。
【0016】 以上のように荷重伝達機構と電磁部とが取り付けられることにより全体が一体 的な荷重測定用のユニットとして形成されたフレーム1は取付部材18を介して これ機構部を収納するケースである秤量装置本体の床面19に固定される。次に この取付部材の構成およびフレーム1の取付構造を図2も含めて説明する。
【0017】 先ず取付部材18は図2に示す如く円板状に形成されている。但し取付部材1 8をこの形状に限定するものではなく、秤量装置内での他の部品の配置状態等に よりその形状を決定すればよく、要するにフレーム1を装置本体床面に固定する ことが可能な板状に形成されていればよい。
【0018】 図示の構成の円板状の取付部材18にあっては、その径は取付対象であるヨー ク13の外径よりも大きく形成されている。次に取付部材18は熱伝導率の高い 材料、例えば真鍮により形成されている。18aはこの取付部材18の半径方向 に穿設された空隙である。
【0019】 取り付けに当たっては最初にヨーク13の底部に対して取付部材18がボルト 20を以て取付られる。この場合取付部材18の方がヨーク13よりも大径であ るため取付部材18の周縁部はフランジ状にヨーク13の底部周縁から突出位置 することになる。また取付用のボルト20の頭はボルト挿通孔18bの入口部が 凹設される(図示せず)ことより完全に取付部材18の下面部分に埋設され、ボ ルト20の頭が取付部材18の下面部に突出しないよう構成されている。
【0020】 一方取付部材18に対してはその空隙18に電子部品(例えばツェナダイオー ド)21および温度センサ22が収納される。なお、この空隙18に収納される 電子部品21および温度センサ22を含め同空隙18に収納される部品類を総称 して電子部品類とする。この作業は取付部材18をヨーク13に取り付けるのに 先立って、または取付部材18の取り付け後の何れかの時点で行われる。電子部 品類たる電子部品21および温度センサ22が収納されたならば空隙18aには 熱伝導性の高い樹脂が充填され、これら電子部品21および温度センサ22は空 隙18a内に固定される。
【0021】 次に取付部材18がヨーク13に取り付けられることによって取付部材18は ヨーク13と密着係合し、ヨーク13と熱的に一体化される。取付部材18が取 り付けられたヨーク13はフレーム1のヨーク挿入用開口部1aに対して下部か ら挿入配置されることにより取付部材18の周縁部はフレーム1の下部面に密着 係合し、これらヨーク13および取付部材18は図1に示すようにフレーム1に 配置固定される。フレーム1に形成されたヨーク収納用開口1aはヨーク13の 外径と同じ大きさおよび形状に形成されているため、ヨーク13がフレーム1に 配置されるだけで同ヨーク13はフレームに対して十分な強度で固定されるが、 より強固に固定する場合にはフレーム1とヨーク13の接触面に接着剤を介在配 置する等の方法を用いてもよい。
【0022】 続いて取付部材18の下面を電子天秤本体の床面19の所定の位置に配置し、 同床面19に形成されたボルト挿通孔19aを介して床面19の裏面からボルト 23を挿通し、取付部材18に形成された雌ねじ部たるボルト孔18cと螺合さ せる。これにより荷重伝達機構および電磁部を有するフレーム1全体はこの取付 部材18を介して本体床面19に対し、図1に示すように略片持ちで配置固定さ れる。
【0023】 以上の構成において、フレーム1は同フレーム1の投影面積に比較して遙に小 さい投影面積しか持たない取付部材18を介して床面19に固定されるため、フ レーム1と床面19との間に温度差があってもフレーム1には別段応力は生ぜず 、この結果フレーム1に設けられている荷重伝達機構の機械的構成や電磁部との 位置関係において応力発生に伴う悪影響が生じることを有効に防止することがで きる。
【0024】 また取付部材18は電磁部12、直接的には電磁部12の一部を成すヨーク1 3と熱的に一体化されているため取付部材18内に収納配置された電子部品21 は温度センサ22の温度信号に基づいて効果的に温度補償が行われることになり 、常時正確な計量が可能となる。なおこの場合、床面19と取付部材18との間 に断熱性を有する材料を介在配置することにより、取付部材18に対する床面1 9側の温度の影響をより少なくするよう構成することももとより可能である。
【0025】 図3および図4は本考案の別の実施例を示す。これらの構成は何れも取付部材 18に対する電子部品等の収納空間を溝とすることにより空間の形成を容易にし 、かつその空間の形状の選択もより自由に行えるようにしている。
【0026】 先ず図3の構成では取付部材18の半径方向に対して溝18dが形成され、こ の溝18dに対して電子部品や温度センサが収納されるようになっている。この 構成ではバイト等の切削工具を用いることにより容易に溝18dの形成を行うこ とができる。なお、取付部材18の取り付けに当たってはこの溝形成面がヨーク 13の底面に密着するように配置される。この際溝18dには熱伝導性の高い樹 脂が充填されるが、溝とすることにより収納される電子部品等はヨーク13に対 して略密着する状態となるので電磁部12に対する熱的一体性はより高まること が期待される。
【0027】 図4は上記図3に示す構成の変形例である。この例では取付部材18の中心部 分に電子部品収納用の円形溝18eが形成され、この円形溝18eに連接して取 付部材18の半径方向にコード収納溝18fが形成されている。以上の構成とす ることにより円形溝18eに対しては多数の電子部品を配置することが可能とな る。またこれら電子部品に接続するコードの配置には大きな空間は必要ないので コード配置溝18bは樋状の細長い溝であれば十分である。その他取り付け方法 等は前記図3に示す構成の場合と同様である。
【0028】
【考案の効果】
本考案は以上にその構成を具体的に説明した如く、荷重伝達機構が取り付けら れかつ電磁部が収納されたフレームは1個の取付部材を介して装置床面に固定さ れているので、フレームとフレームの取り付け対象である秤量装置床面との間に 温度差があってもフレームには別段応力は生ぜず、この結果フレームに設けられ ている荷重伝達機構や電磁部の位置関係や機構に応力発生に伴う悪影響は生じな い。この結果の機構的な構成において正確な重量測定が保証される。
【0029】 またフレームはその取り付け構成上、一種片持ち梁となるため、荷重の付加に よる変形モードは単純で、荷重と四隅誤差との間で直線性が確保され、この点か らも正確な重量測定が可能となる。
【0030】 さらにこの取付部材は熱伝導性の高い材料により形成されかつ電磁部と一体的 に形成されることにより取付部材は電磁部と熱的に一体化され、かつ電子部品等 を収納する空間が形成されているので、同取付部材に収納配置された電子部品の 温度補償は正確に行われ、電子的な構成においても正確な重量測定が保証される 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す電子天秤の縦断面図であ
る。
【図2】取付部材とヨークおよび装置本体床面との接合
状態を示す斜視図である。
【図3】本考案の第2の実施例を示す取付部材の斜視図
である。
【図4】第2の実施例の変形例を示す取付部材の斜視図
である。
【図5】温度補償を行う電子部品の従来型配置構造を示
す電磁部の断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 ビーム 5 浮枠 8 秤量皿 12 電磁部 13 ヨーク 14 永久磁石 16 ボビン 17 フォースコイル 18 取付部材 18a (部品類収納空間としての)空隙 18d (部品類収納空間としての)溝 18e (部品類収納空間としての)円形溝 18f コード収納溝 21 電子部品 22 温度センサ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 秤量物の荷重を電磁部に伝達する荷重伝
    達機構と、荷重伝達機構を介して負荷された秤量物の荷
    重に対応する電磁力を発生する電磁部とがフレームに設
    けられた電磁平衡式秤量装置において、前記電磁部の底
    部には熱伝導性の高い材料から成る取付部材が同電磁部
    と熱的に一体化して固定され、前記フレームはこの取付
    部材を介して秤量装置本体に固定されると共に取付部材
    には電子部品類を収納する空間部が形成されていること
    を特徴とする電磁平衡式秤量装置。
  2. 【請求項2】 取付部材のうち電磁部と密着係合する面
    に対して溝が形成され、この溝を前記電子部品類を収納
    する空間部としたことを特徴とする請求項1記載の電磁
    平衡式秤量装置。
JP657592U 1992-01-23 1992-01-23 電磁平衡式秤量装置 Expired - Fee Related JPH0755467Y2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008216244A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Mettler-Toledo Ag 力計のためのコイル及びその製造方法
JP2024066077A (ja) * 2022-11-01 2024-05-15 株式会社エー・アンド・デイ 電子天びん

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JP2008216244A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Mettler-Toledo Ag 力計のためのコイル及びその製造方法
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