JPH0559132B2 - - Google Patents

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JPH0559132B2
JPH0559132B2 JP33198390A JP33198390A JPH0559132B2 JP H0559132 B2 JPH0559132 B2 JP H0559132B2 JP 33198390 A JP33198390 A JP 33198390A JP 33198390 A JP33198390 A JP 33198390A JP H0559132 B2 JPH0559132 B2 JP H0559132B2
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discharge
electrode
corona discharge
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discharge electrode
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Katsuhide Manabe
Yasuhiko Ogisu
Kazuaki Goto
Hisao Totani
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は樹脂成形品の表面をコロナ放電処理に
よつて改質す方法及びその方法に使用するコロナ
放電処理装置に係り、詳しくはコーナ部を有する
三次元樹脂成形品のコロナ放電処理方法及びその
装置に関するものである。
(従来の技術) ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂は極
性が少ないので、その表面に塗料、接着剤、印刷
剤等が付着しにくいという特性がある。そこで、
該樹脂の表面に塗装、接着、印刷等を行う場合に
は、その前処理として表面に改質処理を施し、前
記付着性を向上させる必要がある。
このポリオレフイン樹脂よりなる三次元樹脂成
形品の改質処理として、従来においてはフレーム
処理(火炎処理)やクロム酸溶液等を用いる酸性
溶液処理等が行われていたが、最近ではプラズマ
処理にも行われるようになつた。
該プラズマ処理は樹脂成形品のほぼ全表面を一
度に活性化することができるので、自動車用バン
パー、モール等の塗装・接着前処理に大きい成果
を上げている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記プラズマ処理では減圧され
たプラズマガス雰囲気が必要なので、真空槽、真
空ポンプ、バルブ機構、キヤリヤガス等の大掛か
りで高価な設備を要する上、同真空槽内を減圧す
るのに時間がかかるという問題があつた。また、
工程はどうしてもバツチ処理を取らざるをえない
ので、工程の自動化は困難であり、工程毎に真空
が切れて次の減圧に時間がかかるという問題もあ
つた。
発明の構成 (問題点を解決するための手段) 前記問題点を解決するために、 本第1発明は、コーナ部を有する三次元樹脂成
形品をコロナ放電処理する方法であつて、コロナ
放電用の電極を放電先端部が球状である第1の放
電電極とし、該第1な放電電極を前記成形品の形
状に沿つて相対的に移動させる工程と、コロナ放
電用の電極を放電部が棒状又は面状である第2の
放電電極とし、該第2の放電電極を前記成形品の
近傍でコロナ放電させる工程との組合せからなる
方法を採用している。
第2発明は、コーナ部を有する三次元樹脂成形
品をコロナ放電処理する装置であつて、該成形品
を固定する治具と、該治具に設けられた対抗電極
と、放電先端部が球状である第1の放電電極と、
該第1の放電電極及び/又は治具を三次元的に移
動させるための第1の移動機構とを備えていると
ともに、放電部が棒状又は面状である第2の放電
電極と該第2の放電電極及び/又は前記治具を三
次元的に移動させるための第2の移動機構とを備
えている装置をその要旨とするものである。
(作用) 本第1発明においては、コーナ部を有する三次
元樹脂成形品の近傍において、放電先端部が球状
である第1の放電電極から大気中でコロナ放電が
発生する。樹脂成形品の表面は該コロナ放電処理
によつて活性化・改質され、塗料、接着剤、印刷
剤等の付着性が向上する。
また、放電先端部が球状であるために、該コロ
ナ放電はコーナ部における電位分布の変化や、放
電芳香に対する被処理面の角度等の影響を受けに
くく、同コーナ部にも有効に作用する。従つて、
成形品の平面部のみならず、コーナ部も確実にコ
ロナ放電処理される。
さらに、第1の放電電極の放電先端部が球状で
あるために、該コロナ放電は放電先端部から極め
て均一な放電パターンをも広がる。従つて、成形
品の処理範囲は広くなり、処理効率が高くなる。
さらに、コーナ部を有する三次元樹脂成形品の
近傍において、放電部が棒状又は面状である第2
の放電電極からコロナ放電が広範囲に発生するの
で、一度に広範囲の被処理面がコロナ放電処理さ
れる。従つて、該放電電極による処理を組合わせ
ることにより、さらに処理効率が高まる。
本第2発明では治具が三次元樹脂成形品を固定
し、移動機構は放電先端部が球状である第1の
放電電極と治具のうち、いずれか一方又は両者
を三次元的に移動させる。従つて、該放電電極は
成形品のいずれの表面にも移動可能であり、該表
面のコロナ放電処理を行う。
移動機構が放電部が棒状または面状である放
電電極と治具のうち、いずれか一方又は両者を
移動させて、該放電電極と治具を近傍させる。従
つて、該放電電極は成形品の表面に接近され、コ
ロナ放電処理を行う。
(実施例) 以下、本発明を具体化した実施例を図面に従つ
て説明する。
本発明でいう三次元樹脂成形品とは、樹脂シー
ト、樹脂平板等の平面的な面状体を除く樹脂成形
品であつて、三次元的な凹凸を有するものをい
う。本実施例によつてコロナ放電処理する三次元
樹脂成形品は、第1〜4図に示すようにPP樹脂
にて成形された自動車用インストルメントパネル
パツド(以下インパネパツドと略称する。)1で
あつて、その表面にポリ塩化ビニル樹脂(PVC)
製の表皮シートが接着されることによつて、イン
ストルメントパネルが構成されるようになつてい
る。
同インパネパツド1はその上面2と前面3との
境界、上面2と側面4との境界等に凸状のコーナ
部5を有しており、各コーナ部5のアールは約6
mmである。
また、インパネパツド上面2の左右両側には2
つの浅い皿部6,7が設けられている。従つて、
第2図に示すように皿部6,7の上縁には凸状の
コーナ部が各々存在し、各コーナ部8,9のアー
ルは約6mmである。また、前記上面2の左端部に
はサイドデフロスタ用エアの吹出口10が、同じ
く前面3の左右両側には2つの換気・空調用エア
の吹出口11,12が各々形成されている。各吹
出口10,11,12は略四角形状をなし、縁及
び四隅にアールの6〜15mmのコーナ部13を有す
る。
前記の通り、インパネパツド1は三次元成形品
であるとともに、多くのコーナ部5,8,9,1
3を有する点に特徴を有するものである。
さて、次に前記インパネバツド1をコロナ放電
処理するための装置を説明する。
本コロナ放電処理装置は、インパネパツド1を
固定するための治具部材A(該治具部材Aの移動
機構及び対向電極を含む)と、放電部が棒状であ
る放電電極によつてインパネバツド1をコロナ放
電処理する第1処理装置B(第1図において左側
に配設されている)と、放電先端部が球状である
放電電極によつてインパネパツド1をコロナ放電
処理する第2処理装置C(第1図において右側に
配置されている)とから、その主要部が構成され
ている。
以下、前記各部A〜Cの詳細を順に説明する。
[治具部材A] 軸部材Aは基台21を有しており、該基台21
は床に設けられたスライド手段(レールとローラ
等の通常の手段が採用できる)によつて床上を前
後左右に任意に移動されるとともに、基台21の
下方に設けられた油圧シリンダ27によつて任意
に上下動されるようになつている。
第2,3図に示すように、基第21の上部には
エポキシ樹脂によつてインパネパツド1の内部形
状に形成された治具本体22が取着され、インパ
ネパツド1をその内側から支持するようになつて
いる。該治具本体22はインパネパツド1の内側
にエポキシ樹脂を流し込んで反応硬化させること
により、殻状のものを容易に形成することができ
る。
該治具22間表面にはコロナ放電処理用の対向
電極23(カウンター電極)が金属メツキ、真空
蒸着、スパツタリング、導電塗料塗布、アルミ箔
貼付等の方法によつて被覆形成されており、該対
向電極23の表面はインパネパツド1の内面には
ほぼ当接するようになつている。
なお、治具本体22のうちインパネパツド1の
エアコン用吹出口10,11,12に対応する箇
所には深さ約6mmの凹部24が形成され、該凹部
24の表面に前記対向電極23が形成されるとと
もに、該凹部24内にハイパロンゴム、エポキシ
樹脂等の誘電体によつて形成された厚さ約6mmの
緩衝板25が嵌入されており、コロナ放電を均一
に発生させるようになつている。すなわち、吹出
口10,11,12は貫通孔なので、治具本体2
2の対応箇所に対向電極23を直接形成すると、
対向電極23が後述する放電電極に対して露出
し、コロナが放電スパーク状となり乱れるためで
ある。
[第1処理装置B] 第1処理装置Bは、放電部が棒状である放電電
極31と、該配電電極31を移動させてインパネ
パツド1に近傍させ、さらにインパネパツド1の
各面に沿つて移動させるための移動機構32と、
前記対向電極23と放電電極31に高周波を印加
してコロナ放電を発生させるための高周波印加手
段33とにより構成されている。
大気中に配設される該放電電極31は直径14mm
のステンレス鋼棒によつてコ字状に折曲げ形成さ
れており、基端から順に、移動機構32に把持さ
れる被把持部34、インパネパツド1に対してほ
ぼ平行に対応する棒状の放電部35、放電部35
先端へのコロナ放電の集中を防ぎ、放電部35全
体均一なコロナ放電を起こさせるための末端部3
6、の3つの部位を互いに直交するよう構成して
いる。
なお、該放電電極31の半径は7mmであるか
ら、前記インパネパツド1の主要なコーナ部5,
8,9のアール(6mm)より大きい。
また、移動機構32にはコンピユータ制御され
たロボツトが使用され、市販の各種産業用ロボツ
トが運用可能である(例えば、(株)日立製作所の多
目的作業用ロボツト、型式PW−10等)。
本実施例の移動機構32は多関節形であつて、
次のように構成されている。すなわち、基台37
の上部には支持ベース38が回動可能に取着さ
れ、該支持ベース38の上部には第1アーム39
及び第2アーム40が独立して回動しうるよう軸
着されている。
両アーム39,40の各上部には第3アーム4
1がその基端部において回動可能に軸着され、該
第3アーム41の先端には円柱状の作用部42が
回動可能に軸着されている。該作用部42はそれ
自身の回りにも回転可能に形成されており、その
先端には前記放電電極31の被把持部34を把持
する把持部材43が取着されている。
なお、支持ベース38の回動、各アーム39〜
41の運動、作用部42の回動等は全て図示しな
いコンピユータによつて制御されており、これら
がコンピユータのプログラム通りに作動されるこ
とによつて、放電電極31はインパネパツド1の
上面2、前面3及び側面4に対して約10mmの間隔
まで接近するとともに、これらの各面に沿つて移
動するようになつている。
前記治具部材Aの対向電極23と棒状の放電電
極31には、高周波発振器45と高圧トランス4
6とよりなる高周波印加手段33が接続されてお
り、対向電極23はアースされている。また、高
周波ノイズ対策のため、高周波発振器45からも
直接アースがとられている。
高周波発振器45には20〜30kHz、最大出力
350Wの高周波を発生するタンテツク社の製品
(商品HV05−2)が使用されている。高圧トラ
ンス46は高周波発振器45の高周波出力を昇圧
して電極23,31に高電圧を印加するためのも
のであつて、同じくタンテツク社の製品(商品名
スーパーC)が使用されている。
なお、前記高周波印加手段33と移動機構32
のコンピユータ制御機構とは相当の距離を隔てて
設置されており、電源は別々に独立してとられて
いる。高周波印加手段33から漏洩する高周波ノ
イズによつてコンピユータが誤動作するのを防ぐ
ためである。また、同理由から高周波発振器4
5、高圧トランス46及び放電電極31を接続す
るコードは確実にシールドする必要がある。
第2処理装置Cは、放電先端部の形状を球であ
る放電電極51と、該放電電極51を移動させて
インパネパツド1に接近させ、さらにインパネパ
ツド1の形状に沿つて三次元的に移動させるため
の移動機構52と、前記対向電極23と放電電極
51に高周波を印加してコロナ放電を発生させる
ための高周波印加手段53とにより構成されてい
る。
該放電電極51はステンレス鋼にて形成され移
動機構52に把持される直径2mmの棒状の被把持
部54と、同じくステンレス鋼よりなり、該被把
持部54の先端に取着されてインパネパツド1に
対してほぼ垂直に対応する球状の放電部55とよ
りなり、大気中に配設される。
該放電部55の球の半径は2.5mmであり、前記
インパネパツド1の各コーナ部5,8,9,13
のアール(6〜15mm)より小さい点に特徴があ
る。
なお、第6図に示すように、前記放電電極51
の周囲にはステンレス鋼等で形成されたメツシユ
状のシールド筒60を設けることが望ましい。該
シールド筒60によつてコロナ放電時における高
周波ノイズの輻写を防止することができるからで
ある。
また、移動機構52は前記第1処理装置Bの移
動機構32と同一のものが使用されている。
従つて、支持ベース38の回動、各アーム39
〜41の運動、作用部42の回動等が図示しない
コンピユータのプログラム通りに作動されること
によつて、放電電極51の放電部55はインパネ
パツド1のコーナー部58,5,9,13及び吹
出口10,11,12の切口面に対してほぼ垂直
に約10mmの間隔まで接近するとともに、これらの
各形状に沿つて三次元的に移動するようになつて
いる。
前記治具部材Aの対向電極23と放電先端部球
状の放電電極51には、高周波発振器56と高圧
トランス57とよりなる高周波印加手段53が接
続されている。これらの高周波発振器56及び高
圧トランス57には前記第1処理装置Bのものと
同一のものが使用されている。
さて、以上のように構成されたコロナ放電処理
装置を使用してインパネパツド1をコロナ放電処
理する方法について説明する。
まず、成形されたインパネパツド1に離型剤や
手作業に起因する汚れ等が付着している場合に
は、これらをトリクロルエタン等で清浄する前処
理を行うことが望ましい。確実にコロナ放電処理
を行うためである。しかし、離型剤や汚れがない
場合ないし軽微な場合には該前処理を行う必要は
ない。
次に、第2、第3図に示すように治具部材Aの
治具本体22にインパネパツド1を嵌合させ、対
向電極23の表目面にインパネパツド1の内面を
当接させる。このとき、インパネパツド1の製造
誤差により部分的には当接しない箇所も生ずる
が、2〜3mm程度の離隔であればコロナ放電への
影響は少ない。なお、治具部材Aはスライド手段
26によつて第1処理装置Bの前方位置まで移動
される。
次に、第1処理装置Bによつてインパネパツド
1の主要部分をコロナ放電処理する。すなわち、
移動機構32を作動させると、第2図に示すよう
に棒状放電電極31の放電部35はインパネパツ
ド1の上面32に対して前後方向に延びるように
配置されるとともに、第2図に示すように、該上
面2の左端部上方に約10mmの間隔をおいて位置さ
れる。
このとき、高周波印加手段33の高周波発振器
45が作動されて、その高周波出力は高圧トラン
ス46で昇圧され、対向電極23と棒状放電電極
31の間に28kVの高周波が印加される。すると、
放電部35のうち上面2に対向している部分とそ
の上面2との間の大気中にコロナ放電が発生し、
上面2のコロナ放電処理が開始されて、接着剤等
の付着性が向上する。本実施例のコロナ放電処理
によるぬれ性の向上は、従来のフレーム処理(火
炎処理)と同程度である。
該コロナ放電処理の減少は、放電によつて生ず
る多量の電子の流れが合成樹脂(本実施例では
P)に衝突して、その衝突エネルギが炭素と水素
の結合を部分的に破壊し、合成樹脂表面を酸化・
イオン化させて活性化させるためであると考えら
れる。
棒状放電電極31は前記コロナ放電を発生させ
ながら、移動機構32によつて上面2の右側へ
徐々に移動させる。この移動速度は前記放電条件
下では1〜250mm/secの範囲において任意な設定
することができるが、本実施例では十分な処理結
果と処理所要時間の短絡とを考え併せて、150
mm/secとした。
上記放電電極31の移動によつて上面2の大部
分はコロナ放電処理されていくが、上面2のコー
ナ部5、吹出口10の切口面及びコーナ部13、
皿部6,7のコーナ部8,9等部位は処理されに
くい。これらの部位で電位分布が変化し、放電方
向に対して被処理面が垂直でなくなる等の理由に
より、コロナ放電がこれらの部位以外で表面に引
張られてしまい、該コロナ放電が有効に作用しな
いためと考えられる。
ところで、放電電極31が吹出口10の上方を
通過する際、仮に放電電極23とが直接対向した
とすると、激しい放電が発生して製品不良が生ず
る結果となる。しかしながら、本実施例では前述
の通り、誘電体よりなる緩衝板25を介装させて
いるので、放電は緩和され均一化される。なお、
それ以外の上面2の部位では、インパネパツド1
自身が誘電体であつて緩衝部材として作用するた
め、均一な放電が発生するのである。
いま、インパネパツド1の内側全体に、誘電体
よりなる緩衝部材を設けたとすると、コロナ放電
は均一になるがインパネパツド1の表面全体にわ
たつて弱くなるため、処理効率が低下する。本実
施例ではこの効率低下をきたさないよう、貫通孔
である吹出口10〜12の内側だけに緩衝板25
を設けているのである。
以上のようにして上面2のコロナ放電処理が終
了した後、放電電極31は移動機構32によつて
自動的に移動され、第3図に示すようにインパネ
パツド1の前面3に対して上下方向に延びるよう
に配置される。続いて、該放電電極31は前記コ
ロナ放電を持続させながら前面3の左端部前方
(上面2の場合と同じく約10mmの間隔である)か
ら右端部前方まで移動されて、該前面3のコロナ
放電処理が行われる。
なお、吹出口11,12の切口面及びコーナ部
13が処理されにくい点や、放電電極31が吹出
口11,12の前方を通過する際に、緩衝板25
の作用によつてコロナ放電が均一に維持される点
は、前記吹出口10の場合と同様である。
前面3のコロナ放電処理が終了した後、放電電
極31は移動機構32によつて自動的に移動さ
れ、第2図に示すようにインパネパツド1の側面
4に対して上下方向に延びるように配置される。
続いて、該放電電極31は側面4の後端部側方か
ら前端部側方まで水同され、該側面4のコロナ放
電処理が行われる。
以上の第1処理装置Bによる上面2、前面3及
び両側面4の全コロナ放電処理に要する時間は約
25秒である。
なお、上記処理では移動機構32のみによつて
放電電極31をインパネパツド1に対し相対移動
させたが、前記スライド手段26と油圧シリンダ
27によつてインパネパツド1の方を移動させて
もよいし、放電電極31とインパネパツド1の両
者を移動させてもよい。
このように、第1処理装置Bによれば、従来の
プラズマ処理における真空槽、真空ポンプ、バル
ブ機構、キヤリヤガスなどの大掛りな設備や真空
槽の減圧に要する準備時間等が不要になり、棒状
の放電電極31などにより大気中でコロナ放電を
発生させてこれを移動させるだけで、PP樹脂製
インパネパツド1の表面改質を行うことができ
る。従つて、設備費や設備スペースを大幅に節減
できるばかりでなく、処理時間も短縮することが
できる。
さらに、棒状の放電電極31をインパネパツド
1の表面に沿つて移動させるので、一度に被処理
面を処理することができ、処理効率が極めて高
い。
第1処理装置Bによるコロナ放電処理が終了す
ると、高周波発振器45の作動が停止されて、前
記コロナ放電が終止されるとともに、治具部材A
及びインパネパツド1はスライド手段26によつ
て第2処理装置Cの前方に移動される。
続いて、前記第1処理装置Bによつては充分に
コロナ放電処理されなかつたコーナ部4,8,
9,13等の処理を第2処理装置Cによつて行
う。すなわち、移動機構52が作動され、第4図
に示すように放電電極51の球状の放電部55は
インパネパツド1のコーナ部5に対して約10mmの
間隔をおいて位置される。
このとき、高周波印加手段53の高周波発振器
56が作動され、対向電極51の間に28kVの高
周波が印加されて放電部55とコーナ部5との間
にコロナ放電が発生する。
該コロナ放電は第4図に示すように放電部55
から極めて均一な放電パターンをもつて広がるの
でその時ごとのインパネパツド1表面の処理範囲
はかなり広く、直径10〜15mmの円内は充分に処理
される。これは、放電部55が球状であり、従つ
て放電先端部が曲面形状であるため、コロナ放電
が一転(とがつた部分や角等)に集中することな
く均一に分散するからである。
また、放電先端部が曲面形状であるために、コ
ーナ部5における電位分布の変化や、放電方向に
対する被処理面の角度等の影響を受けにくく、該
コロナ放電はコーナ部5にも有効に作用する。特
に、本実施例の放電電極51の放電部55の半径
はコーナ部5,8,9,13のアールより小さい
ので、前記影響はほとんど受けない。従つて、前
記第1処理装置Bによつては充分にコロナ放電処
理されなかつたコーナ部5も、ここで完全に処理
される。
放電電極51はコロナ放電を発生させながら、
移動機構52によつて全てのコーナ部5上に三次
元的に移動されるため、全周のコーナ部5が完全
に処理される。この移動速度は前記放電条件下で
は1〜250mm/secの範囲内において任意に設定す
ることができるが、本実施例では充分な処理結果
と処理所要時間の短縮とを考え併せ、150mm/sec
とした。
前記コーナ部5の処理が終了した後、放電電極
51は移動機構52によつて第4図に示すように
皿部6,7の角コーナ部8,9上に自動的に移動
され、該コーナ部8,9を三次元的に移動処理す
る。特に、凹部のコーナ部9は、前記棒状放電電
極31によつては対向電極23との距離の関係で
はとんど処理されないので、この球状の放電電極
51による処理が有効である。該コーナ部8,9
の処理後、放電電極51は同様に角吹出口10,
11,12に順に移動され、それらの切口面とコ
ーナ13とを処理する。
以上、第2処理装置Cによるコーナ部等の全コ
ロナ放電処理に要する時間は約30秒であり、処理
終了後はコロナ放電が終止する。
なお、上記処理では移動機構52にのみよつて
放電電極51をインパネパツド1に対し相対移動
させたが、前記スライド手段26と油圧シリンダ
27によつてインパネパツド11の方を移動させ
てもよいし、放電電極51とインパネパツド1を
両者を移動させてもよい。インパネパツド1を移
動させる場合は、インパネパツド1を傾動可能に
構成すれば、放電電極51と被処理面との角度を
調節できるので望ましい。
このように、第2処理装置Cによれば第1処理
装置Bと同様、放電電極51等により大気中でコ
ロナ放電を発生させてこれを移動させるだけで、
インパネパツド1の表面改質を行うことができ
る。従つて、設備費、設備スペース、処理時間の
節減・短縮が可能となる。
さらに、少なくとも放電先端部が曲面形状であ
る放電電極51をインパネパツド1の表面に沿つ
て移動させるので、前記棒状放電電極31では処
理しにくいコーナ部5,8,9,13も確実に処
理することができる。
以上のように、本実施例は第1処理装置Bによ
るインパネパツド1の主要部分の短時間処理と、
第2処理装置Cによるインパネパツド1のコーナ
部5,8,9,13の処理とを組合せたので、全
体として処理効率が極めて高くなつており、処理
時間を著しく短縮することができる。
なお、本発明は、前記実施例の構成に限定され
るものではなく、例えば以下のように発明の趣旨
から逸脱しない範囲で任意に変更して具体化する
こともできる。
(1) 一般にコロナ放電を発生させるためには、前
記実施例におけるように、2つの近接する電極
(対向電極23及び放電電極31,51)間に
高周波電圧又は高電圧を印加するのが通常であ
る。
しかしながら、大気中放電を利用することに
よつて、対向電極を用いることなく放電電極だ
けでコロナ放電を発生させることが可能であ
る。特に、前述した先端の放電部55が球状で
ある放電電極51の場合には、コロナ放電がそ
の球に集中するため、対向電極23を用いなく
ても比較的強く均一なコロナ放電を発生させる
ことができる。
従つて、第2処理装置Cにおいては対向電極
23を用いない処理方法も可能である。ただ
し、対向電極23を用いた方が強力な放電が得
られ、放電範囲が広くなる。
(2) 第1処理装置Bによる処理方法と第2処理装
置Cによる処理方法は、前記実施例と逆の順序
で行うとか、いずれか又は両方の処理方法を2
回以上繰返すとか、任意に組合せて行うことが
できる。
(3) コロナ放電は周囲の温度や湿度の影響を受け
るので、恒温恒湿の室内に前記治具部材Aや装
置B,Cを設置することが望ましい。
(4) 第1処理装置Bの高周波印加手段33と、第
2処理装置Cの高周波印加手段53とを、いず
れか一方の印加手段で同時に供用することもで
きる。
この場合、設備費はさらに節減されるが、各
放電電極31,51におけるコロナ放電の条件
を独立した自由に設定することはできなくな
る。
(5) 棒状放電電極31に変えて面状の放電電極を
使用し、該面状の放電電極を移動機構32によ
つてインパネパツド1に接近させるようにして
もよい。
(6) 本発明は前記インパネパツド1以外に、自動
車用バンパー、自動車用モール等の、成形後に
塗装、接着、印刷等が必要なコーナ部を有する
全ての三次元樹脂成形品をコロナ放電処理の対
象物とすることができる。
発明の効果 以上詳述したように、本第1発明はコーナ部を
有する三次元樹脂成形品の表面をコロナ放電処理
して塗料、接着剤、印刷剤等の付着性を向上させ
ることができるばかりでなく、該処理方法に要す
る設備費、設備スペースを節減し、処理時間を短
縮することができる。また、コロナ放電処理が困
難なコーナ部も確実に処理することができ、処理
効率を向上させるという効果を発揮する。
さらに、本第2発明は従来のプラズマ処理装置
に比べて設備や設備スペースを大幅に節減するこ
とができるばかりでなく、コーナ部を有する三次
元樹脂成形品の全表面を確実にコロナ放電処理す
ることができ、コロナ放電処理の効率向上に寄与
するという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を具体化した実施例の斜視図、
第2図はインパネパツドを長手方向に切断して示
す断面図、第3図は棒状の放電電極によるコロナ
放電処理工程とともに示すインパネパツドの横断
面図、第4図は球状の放電電極によるコロナ放電
処理工程とともに示すインパネパツドの横断面
図、第5図は棒状の放電電極と高周波印加手段と
の接続を示す概略図、第6図は球状の放電電極と
高周波印加手段との接続を示す概略図である。 インパネパツド……1、コーナ部……5,8,
9,13、対向電極……23、スライド手段……
26、油圧シリンダ……27、放電電極……3
1,51、移動機構……32,52。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コーナ部5,8,9,13を有する三次元樹
    脂成形品1をコロナ放電処理する方法であつて、
    コロナ放電用の電極を放電先端部が球状である第
    1の放電電極51とし、該第1の放電電極51を
    前記成形品1の形状に沿つて相対的に移動させる
    工程と、コロナ放電用の電極を放電部が棒状又は
    面状である第2の放電電極31とし、該第2の放
    電電極31を前記成形品1の近傍でコロナ放電さ
    せる工程との組合せからなることを特徴とする樹
    脂成形品のコロナ放電処理方法。 2 コーナ部5,8,9,13を有する三次元樹
    脂成形品1をコロナ放電処理する装置であつて、
    該成形品1を固定する治具22と、該治具22に
    設けられた対向電極23と、放電先端部が球状で
    ある第1の放電電極51と、該第1の放電電極5
    1及び/又は治具22を三次元的に移動させるた
    めの第1の移動機構26,27,52とを備えて
    いるとともに、放電部が棒状又は面状である第2
    の放電電極31と該第2の放電電極31及び/又
    は前記治具22を三次元的に移動させるための第
    2の移動機構26,27,32とを備えているこ
    とを特徴とする樹脂成形品のコロナ放電処理装
    置。 3 第1の移動機構と第2の移動機構とは共通の
    移動機構を含むことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の樹脂成形品のコロナ放電処理装置。
JP2331983A 1985-09-05 1990-11-28 樹脂成形品のコロナ放電処理方法及びコロナ放電処理装置 Granted JPH03188136A (ja)

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