JPH055806B2 - - Google Patents

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JPH055806B2
JPH055806B2 JP61243658A JP24365886A JPH055806B2 JP H055806 B2 JPH055806 B2 JP H055806B2 JP 61243658 A JP61243658 A JP 61243658A JP 24365886 A JP24365886 A JP 24365886A JP H055806 B2 JPH055806 B2 JP H055806B2
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
「技術分野」 本発明は、外科手術時の外科医師および介添者
の手腕および患者の手術野ならびに器機設備に対
する消毒殺菌を行ない、手術後における外因性、
内因性感染症の発生を防止する消毒水に関するも
のである。 「従来技術およびその問題点」 消毒薬とは、一般的には、病原微生物を死滅さ
せ、病原体の感染を防止する化学物質をさす。ま
た消毒薬は、化学療法剤とは異なり、器械、器
具、衣服、寝具、室内、食品、汚物、排泄物など
に加え、健康な皮膚面、さらには粘膜、創傷面、
化膿面、手術創などの生体組織にも適用される。 さらに消毒薬の対象となる病原菌の種類として
は、細菌、藍藻などの原核生物、真菌、粘菌、藻
類、原虫などの真核生物とに分類される広範なも
のが含まれ、また例えば細菌の形態には、グラム
陽性球菌群、グラム陰性球菌群、グラム陽性桿菌
群、グラム陰性桿菌群、偏性嫌気性菌、マイコバ
クテリア、スピロヘーター、クラジミア、リケツ
チアなどがある。 しかし、これらの共通点は、すべてに細胞形質
膜があり、細胞壁があることである。そこで今日
までの消毒薬は、次の4つの作用機序を目的とし
て合成された化学薬剤に分類される。すなわち、
細胞壁合成阻害、細胞形質膜の阻害、タン
パク質合成の阻害あるいは核酸およびDNA合
成の阻害である。このように今日ある消毒薬は、
生体に対する阻害効果によるものである。しかし
ながら、例えば病菌の共通点である細胞形質膜の
組成は、これらの病原菌のみでなく動物の細胞膜
とも共通しているというように、今日ある消毒薬
は、抗生物質や化学療法剤とは異なり、非選択的
であり、動物細菌にも障害を与え得ることが重要
な問題である。 現在は、フエノール類、アルデヒト類、アルコ
ール類、酸類、ハロゲン化合物、色素類、重金属
化合物、界面活性剤等が消毒薬として使用されて
いるが、それぞれに長所と欠点があり、対象によ
り用いる薬物やその濃度はおのずと制限され、あ
らゆる感染源の病原菌に対処することが不可能で
あつた。 そこで一般に消毒薬に要求される諸条件を整理
すると、強い殺菌効果、広い抗菌スペクトラ
ム、速い殺菌効果出現、強い浸透性、血
液、痰、尿等のタンパク質の混在する条件におい
ても有効、消毒対象物に悪影響を与えない、
化学的に安定で保存、運搬に問題がない、安価
である等が挙げられ、これらの要件に合致した消
毒薬の開発が望まれている。 さて、このような消毒薬による消毒殺菌が十分
に行なわれなかつた結果生じる問題として、外科
手術後の感染症の発生が第1に挙げられる。最近
1年間のデータの中にも、外科手術を受けた患者
において感染症の発生率は、40才未満220例中8
%、50〜59才301例中14%、70才以上122例中25%
であることをみても本問題は重要である(データ
「基礎外科学」、林四郎著、朝倉書店、P.167、“抗
菌薬の選択”による)。手術創感染には患者をと
りまく環境に存在する細菌に由来する外因性汚染
と、患者自身が有する細菌に由来する内因性汚染
とがある。外因性汚染としては、手術器具、材
料、手術室の空中細菌、さらには医療従事者から
の汚染があげられる。手術室の無菌化、バイオク
リーンルームの活用、エチレンオキサイド滅菌、
高圧蒸気滅菌等の確立により手術器具、材料等の
滅菌はほぼ解決されているが、外科医師、介添者
からの細菌感染が問題である。すなわち、外科医
師、介添者を含めて手腕の皮膚毛嚢、皮脂線、感
染内に生着している細菌が、発汗に伴なつて皮膚
表面に出現し、手袋のピンホールなどから手術野
に到達し、感染する危険性がある。現在行なわれ
ているこれらの医療従事者の手腕の消毒法は、主
として皮膚表面に付着している細菌叢に対するも
のであり、毛嚢、皮脂線、汗腺内などに潜んでい
る細菌叢に対しては全く無力であつた。さらに内
因性汚染としては、患者の手術野の部位により消
毒対応が厳しい場合がある。すなわち、手術前に
おいて患者の皮膚消毒は当然ながら行なわれる
が、一方口腔、直腸など粘膜部にも細菌叢が豊富
に存在しており、しかも分泌液が流出し、湿潤と
なり粘液層でおおわれた患部においては、消毒剤
の効果は上らず、抵抗力も弱いために皮膚と同様
の強力な消毒剤も使用できないことであつた。 感染を絶対に防止したい、例えば頭蓋内手術、
人工弁置換あるいは人工血管、人工骨頭置換など
の合成材料を使用する手術などでは、手術環境の
清浄化と共に手術野の消毒に万全を要求される。
このように手術の部位または目的によつて消毒剤
の選択は、非常に難しいものであり、現段階にお
いては、これらを満足する薬剤と防止法が見当た
らないのが現状である。 「発明の目的」 従つて本発明は、新規な消毒水を提供すること
を目的とする。本発明はさらに、外科手術時の外
科医師および介添者の手腕および患者の手術野、
ならびに器機設備に対する消毒殺毒を行ない、手
術後における外因性、内因性感染症の発生を防止
する消毒水を提供することを目的とする。本発明
はさらに、皮膚および粘膜の防御機構を考慮した
消毒水を提供することを目的とする。さらに本発
明は、抗菌スペクトラムが広く、薬剤の効果の発
現が早く、しかも長時間持続され、かつ無刺激、
無毒、無臭、無色な消毒剤を提供することを目的
とする。 「発明の構成」 上記諸目的は、PH5以下、Ag+イオン濃度0.5
〜10ppmのAg+イオン水からなることを特徴とす
る本発明の消毒水によつて達成される。 また、本発明の好ましい実施態様においては、
消毒水の電気伝導度が350〜2000μ/cm2である。 本発明の消毒水は、従来の消毒水とは全く異な
る機序に基くものである。すなわち、従来の消毒
薬は、上記したように、細菌壁合成阻害、細
胞質膜の阻害、タンパク質合成阻害あるいは
核酸およびDNA合成阻害といつた生体への阻害
効果により薬効を示すものであり、自然の生体系
における機序の中にその効果を期待したものはな
かつた。とくに細胞質膜の阻害に至つては動物細
胞と共通しているところが多いため、副作用が現
われやすくその使用が極めて限定される。そこで
本発明者らは、生体における細胞の消長を分析す
ることにより初めて自然の生体系の中に人為的な
静菌細菌の機序を発見したものである。 即ち体を作る細胞の中には一度完成すると寿命
のつづく限り生きつづける細胞もあれば新生と崩
壊を繰り返すものまでで多様であるが、細胞が死
滅するときの形態をみると、まず核に現われるこ
とが多い。核に現われる変化とは染色体の濃縮で
あり、それとは対照的に細胞質に外部の水分と流
入により拡散が起こる。細胞は細胞膜が物質の出
入を制御し積極的に機能しているときが生であ
り、その機能が失われたときが死であるといえ
る。水の細胞質への流入の結果膜の構造物は空胞
化しやがては破裂して形を失つてしまい、小器官
も放り出されて死に至る。しかしながら、細胞質
に多少の傷害が加わつても核が十分に機能すれば
修復が可能である。これらの機序を分析すると、
細胞膜の機能を人為的に一時期失活する、すなわ
ち細胞の形質膜を形成している組成に対して特殊
な触媒機能をもつて失活させれば目的は達せられ
るが、反面動物に与える影響のないことが前提と
なる。これまで多くの実験の実証の結果、我々
は、Agイオンの持つ
【式】にのみ働く 機能を利用し、形質膜を構成するリン脂質の不飽
和脂肪酸に触媒してエチレン化することにより、
対象菌を失活させることに成功した。しかもAg+
イオン濃度によつて対象の菌を静菌化させてもま
た自由に複活させることに成功した。当然タンパ
ク質の混在において病原菌の体内にAg+イオンを
送り込むためには、途中タンパク質の錯体結合に
よつてAg+イオン作用が低下してしまうことを防
ぐ必要がある。そのために、錯体結合の起こらな
いPH5以下の条件をつくると共に電気化学的にポ
テンシヤルを与え、たとえ菌体が芽胞の形態をと
ろうともそのポテンシヤル勾配差を利用して侵行
せしめた。さらにヒト正常細胞への影響をみる
LD50/ED50ができるだけ高いことが望まれる
が、実験と実証によつて得たAg+イオン水の安全
価が50ppmであり、細菌を死滅させるのに要する
本発明の消毒薬における濃度が0.5〜10ppmであ
ることから、人体に対してはほとんど無害に近く
過去の化学薬剤においては到底見られないもので
ある。 本発明のより具体的な作用を次に説明する。 動物細胞から病原菌である細菌、真菌、ウイル
ス、原虫等に至るまで、すべての細胞は細胞膜に
よつて取りかこまれており、これらの膜と生体と
の関係は不可欠で膜構造のないところに生命は存
在せず、膜が境界をつくり、生体物質の流出、有
害物質の侵入を防いでいる。 細胞膜の物質構成を分析してみると、極性脂質
が25〜60%程度含まれ、脂質二重層と膜タンパク
質の基本構造をつくりあげている。この中のリン
脂質物は酸化されやすい多価の不飽和脂肪酸に富
んでいる。極性脂質分子の内、親水部分は直接水
相と接し、電気抵抗値は102〜105/cm2と低い。
一方疎水部分は脂肪酸など−CH2−が多く疎水結
合によつて互いに平行に並び二重構造となつてい
る。なお動物細胞等の真核細胞に比べ原核細胞と
呼ばれる細菌などでは生体膜の機能の多くは形質
膜に集中するがその組成は変わらない。ここで細
胞の失活は、細胞膜が関与している実体から自然
環境の中でも、細胞膜そのものが失活する様とみ
てみると、ペリフエリールイオン型物質または・
OHが膜のそばにできると、多価不飽和脂肪酸の
ラジカルが生じ、ビラジカルの酸素と結合して脂
肪酸ペルオキシラジカルを生じ、次々と加水分解
を起して膜は破裂する。この機序を人為的に生起
させ対象菌を失活させるためには、これらの化学
反応を起させる触媒が必要であり、この機能を有
する物質としては、銀以外は見当たらず、エチレ
ンの酸化反応において部分酸化生成物として
C2H4Oにする銀の触媒作用は他金属で代替でき
ない選択作用である。しかして本発明の消毒水
は、このような作用を有する銀をAg+イオンとし
て0.5〜10ppm、さらに望ましくは2〜7ppm、も
つとも望ましくは4〜6ppm含有するものである。
このようにLD50/ED50安全度である50ppmより
はるかに低い0.5〜10ppmにおいて、Ag+イオン
は、後述するごとく本発明の消毒水の対象となる
菌体のすべてに対して作用し、一方、正常な組織
細胞に対しては何ら悪影響を及ぼすことなく、皮
膚に比して抵抗力の弱い粘膜部においても何ら問
題のないものであつた。 また本発明の消毒水において、そのPH値は、5
以下であるが、さらに望ましくは4以下、もつと
も望ましくは3以下である。このように治療水の
PH値を5以下とすることで、Ag+イオンのタンパ
ク質への吸着を防止でき、タンパク質の共存条件
下においてもAg+イオンの触媒作用の低下を防止
し、Ag+イオンが対象菌体の形質膜を自由に透過
することを可能とする。 さらに、本発明の消毒水においては電気伝導度
が350〜2000μ/cm2、さらに望ましくは1000μ
/cm3以上であることが好ましい。このように電
気伝導度を350〜2000μ/cm3とすることにより、
Ag+イオンの細胞透過性はより良好なものにな
り、Ag+イオンの作用を十分に発現させることで
きるものとなる。 本発明の消毒水を銀コロイドを生じることなく
製造するには、例えば本発明者らが先に見出した
ように(昭和61年特許願第123133号参照)、陽極
と陰極とを有し、陽極に銀が設けられた第1電解
室に電圧を印加しつつ源水を通じて銀イオンを溶
出させ、次に陽極と陰極とを有し、両電極の間に
隔膜が形成され、陽極室と陰極室とに区画された
第2電解室の前記陽極室に、前記銀イオンを溶出
させた源水を通すことにより好適に行ない得る。 以下、本発明の消毒水を実施態様に基づきより
詳細に説明する。 まず本発明者らは、人体に常在する細菌を調査
し、これらに対する本発明の治療水の効果を調べ
た。ヒトの皮膚、口腔内、消化管、外陰部のよう
に外部と直接または間接的に接するところには、
一定の微生物が定着している。これらには、定住
細菌叢と一過性細菌叢があり前者は直接ヒトの感
染菌となることが少ないが、抗生物質の投与であ
る種の細菌が過剰に増殖して抵抗力の弱い患者で
は感染、いわゆる菌交代症、日和見感染症と呼ば
れるものである。後者は一時的に増殖した静菌叢
環境やほかの体内部位から侵入した菌種からなり
感染症となる頻度が高いものである。さて、本発
明の消毒水は、α、γ−レンサ球菌、β−レンサ
球菌、肺炎球菌、腸球菌、黄色ブドウ球菌、コア
フラーゼ陰性ブドウ球菌、ペプトコツカス、ペプ
トストレプトコツカスなどのグラム陽性球菌;ジ
フテリア菌、バシラス、プロピオニバクテリウ
ム、乳酸桿菌、コウバクテリウム、アクチノマイ
セスなどのグラム陽性桿;ヘモフイルス、大腸
菌、緑濃菌、バクテロイデス、フラギリス、フソ
バクテリウム、嫌気性ビブリオなどのグラム陰性
桿菌;クロストリジウム;抗酸菌群;マイコプラ
ズマ;ならびにスピロヘーターなどのすべての常
在細菌を失活せしめることが可能であつた。 次に環境の細菌叢に対する本発明の消毒薬の効
果を調べた。環境の細菌叢としては、土中、水
中、空中のそれぞれの細菌叢があるが、とくに近
代の手術室における感染は考えにくい。しかし、
病院内の細菌叢は、流し台、水道の蛇口、汚物処
理場、蓄尿瓶置場、その他の湿つた場所に生息
し、多剤に対して耐性菌で、緑濃菌、シユードモ
ナス・セパシア、アクロモバクターなどの腸内細
菌;ブドウ球菌などの病院内感染を起こしてい
る。本発明の消毒水は、これらの薬剤耐性細菌群
に対しても、静菌殺菌の機序が、従来の薬剤と全
く異なるためか劇的な効果をもたらした。 さらに本発明の消毒水は、真菌、ウイルス、原
虫などの細菌の病原体に対する効果をも調べられ
たが、すべての病原体に対して効果的に作用して
失活させることがわかり、広い抗菌スペクトラ
ム、強い殺菌効果および速い殺菌効果出現を有す
ることが判明した。 次に本発明者らは、本発明の治療水の浸透性に
対する検討を行なつた。 健康な皮膚の細菌感染に対する防御機構として
は角質層とその表面の皮脂膜、および角質下の表
皮防御膜があけられる。角質層の厚さは体の部位
によつて違うが手掌や足底では10〜20μmの厚さ
であるが腹壁は5μmと薄い。また皮脂膜は皮脂
線の分泌物と上皮の産物から構成されその主成分
は低分子脂肪酸である。皮膚表面のPHは、平均5
〜6であり皮膚が弱酸、弱アルカリにさらされて
も皮脂の分泌によつて、一定時間後にはPHが正常
に戻る。このような皮脂膜の特性により表皮表面
の細菌の寄生をゆるしても繁殖を防いでいる。角
質下の表皮防御膜は外部から侵入しようとする水
分電解質などを防いでいる。この表皮防護膜はか
なり強力な防御機構をもつているようだが、それ
と同時に、表皮、真皮を貫通する皮膚の付属器、
すなわち毛嚢、皮脂、汗線などの微細管腔が無数
に存在しており、これらが手術における手指腕の
手術野皮膚の消毒に対して重要な意義を有してい
る。皮膚には多数の細菌が存在しているが皮膚表
面に付着している細胞叢毛嚢、皮脂、汗線などに
潜んでいる細菌叢とに区別され、従来の消毒技術
においては、皮膚表面に付着している細菌叢を減
らすのが主であり、後者の細菌叢にたいしては無
力であつた。 ところが、本発明の消毒水を用いて、医師およ
び介添者の毛腕の毛襄、皮脂、汗線内の細菌叢に
対して実験を行なつたところ、本発明のAg+イオ
ン水は、脂線開口部から終末分泌部にまで電気化
学的ポテンシヤルの勾配によつて万遍なく浸透
し、内部に生息していた菌類をことごとく死滅さ
せ、手術時間が長時間に及ぶ手術において発汗作
用と共に放出された菌は大半が失活し、滅菌状態
が見られ、高い浸透性を有することが実証され
た。 さらに本発明者らは、従来の消毒薬のもう一つ
の問題点であつた粘膜部の消毒に関する検討を行
なつた。 口腔内手術あるいは直腸などの消化器官に関連
する部位における手術においては、その手術野に
ある粘膜に存在する細菌叢が問題となる。このよ
うな粘膜には豊富な細菌叢が存在するが、抵抗力
の弱い粘膜部には、従来の皮膚殺菌に用いる強力
な消毒薬は使用できず、さらに分泌物がたえず流
出して湿潤でありかつ粘膜層におおわれいて消毒
剤の効果を期待しにくい状態にある。しかしなが
ら本発明の消毒水を適用する場合、上述のように
LD50/ED50の安全価が50ppmであるのに対して
本発明の消毒水に含まれるAg+イオン濃度は0.5
〜10ppmと極めて低い粘膜部においても何ら刺激
あるいは細胞損傷などの悪影響を及ぼすことな
く、かつ高い浸透性を有して粘膜層下に存在する
細菌叢をことごとく失活させることができた。 従つて本発明の消毒水は、器械、器具、衣服、
寝具、室内、食器、汚物、排泄物などに加え、健
康な皮膚面のみならず粘膜、創傷面、機能創、手
術創などの生体組織のいずれの対象にも極めて優
れた静菌滅菌効果を有して使用できるものである
ことが判明した。 「発明の実施例」 実施例 1 手術に先立ち、下記の各種方法で手を洗浄し、
手術を行なつた後、手術用手袋内での発汗に伴な
つて誘出された菌数を測定した。 (1) 比較例;逆性石鹸を使用して手を洗い、その
後ドライヤー乾燥して手袋を着用した。 (2) 実施例;左右の手をよくこすり合せてから
Ag+イオン水に2分間浸漬後、ドライヤー乾燥
して手袋を着用した。 なお、右手をPH4、左手をPH3のAg+イオン水
に浸漬した。また、各Ag+イオン水は、0.5ppm、
2ppm、4ppmの3種類の濃度のものを用意した。 こうして得られた結果を第1表ないし第7表に
示す。これらの結果より、Ag+イオン水に浸漬す
ることにより、逆性石鹸を用いた場合よりも顕著
な滅菌効果が得られることがわかる。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 2 糞便1gに約5mlの滅菌生理食塩水を加えてよ
く混合し、さらに各種Ag+イオン水を添加し、所
定時間培養した後、その中に含まれる陽球菌の数
を測定した。 なお、Ag+イオン水は、PH5、PH4、PH3、PH
3以下の4種について、それぞれ1ppmおよび
4ppmの濃度のものを用意した。 この結果を第8表および第9表に示す。このよ
うに、Ag+イオン水を用いれば、糞便中の細菌を
大幅に減少させ、衛生状態を良好に保つことがで
きる。
【表】
【表】
【表】 「発明の効果」 以上述べたように、本発明は、PH5以下、Ag+
イオン濃度0.5〜10ppmのAg+イオン水からなる
ことを特徴とする消毒水であるから、抗菌スペク
トラルが広く、薬剤の効果発現が速く、しかも長
時間持続され、かつ無刺激、無臭、無色な消毒剤
であり、器械、器具、衣服、寝具、室内、食器、
汚物、排泄物などに加え、健康な皮膚面のみなら
ず粘膜、創傷面、化膿創、手術層などの生体組織
等を含む広い対象の消毒に効果的に用いられるこ
とができ、特に外科手術時の外科医師および介添
者の手腕および患者の手術野、ならびに器械設備
に対する消毒殺菌に適用され、手術後における外
因性、内因性感染症の発生を防止することができ
るものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 PH5以下、Ag+イオン濃度0.5〜10ppmの
    Ag+イオン水からなることを特徴とする消毒水。 2 電気伝導度が350〜2000μ/cm2である特許
    請求の範囲第1項に記載の消毒水。
JP61243658A 1986-06-13 1986-10-14 消毒水 Granted JPS6396104A (ja)

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