JPH0557901A - インクジエツト記録ヘツド - Google Patents

インクジエツト記録ヘツド

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JPH0557901A
JPH0557901A JP22686291A JP22686291A JPH0557901A JP H0557901 A JPH0557901 A JP H0557901A JP 22686291 A JP22686291 A JP 22686291A JP 22686291 A JP22686291 A JP 22686291A JP H0557901 A JPH0557901 A JP H0557901A
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JP
Japan
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ink
container
recording head
ink container
ejection port
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Application number
JP22686291A
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English (en)
Inventor
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
Hideki Otsuki
英樹 大槻
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0557901A publication Critical patent/JPH0557901A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録作業の終了間際にインクが無くなった場
合、少量のインクを供給することによって記録作業を続
行可能とし、新たなインクジェット記録ヘッドに交換す
ることなくその記録作業を終了させる。 【構成】 インク吐出口8と、このインク吐出口8に連
通されるとともにインクを含浸させた吸収体6を収納し
た第一インク容器1と、前記インク吐出口8と前記第一
インク容器1との間に配設されるとともに前記インクに
対して吐出エネルギーを作用させるエネルギー作用部と
を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記イン
ク吐出口8の上流側に配設されるとともにインクを収納
して密封された第二インク容器14と、前記第二インク
容器14の密封状態を解除する密封解除手段15とを設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッド部とこの記
録ヘッド部に対して供給するインクを貯蔵するインク容
器とを連結してカートリッジ化したインクジェット記録
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットプリンタにおいて
は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッド部
と、その記録ヘッド部に対して供給するインクを貯蔵す
るインクタンクとを隔離した位置に別体に設け、それら
の間を供給管を含むインク供給系を介して結合したもの
である。しかしながら、このようなインクジェットプリ
ンタでは一般に長い供給管を必要とするので、配管時に
煩雑さを伴い、また、装置全体が大型化している。
【0003】これに対して、特公昭63−17621号
公報においては、熱を利用してインク飛翔を行ういわゆ
るサーマルインクジェットプリンタの記録ヘッド部とイ
ンクタンクとを一体的に連結してカートリッジ化したイ
ンクジェット記録ヘッドを用いるインクジェットプリン
タが開示されている。
【0004】また、特開昭61−22952号公報に記
載されたインクジェットプリンタにおいては、キャリッ
ジに搭載されたインクタンクの底面に多孔質体を接着
し、キャリッジの往復運動によるインクの揺動を抑え、
キャリッジを高速で移動させた場合でもインク吐出口に
おけるインクの圧力変動を少なくするということが行な
われている。
【0005】ここで、上述したように、記録ヘッド部と
インクタンクとを一体的に連結してカートリッジ化した
インクジェット記録ヘッドを用い、かつ、インクタンク
内に多孔質体を設けたインクジェットプリンタとして
は、米国・ヒューレットバッカード社よって、ペイント
ジェット,デスクジェットという名称の商品が開発さ
れ、市場に広く普及しはじめている。そして、これらの
インクジェットプリンタにおいて使用されているインク
ジェット記録ヘッドは、いわゆるディスポーザブルタイ
プであり、インクタンク内のインクを消費した後はイン
クジェット記録ヘッドの全体を新しいインクジェット記
録ヘッドと交換する必要があり、従って、インクジェッ
トプリンタの使用者は、交換用の新しいインクジェット
記録ヘッドを常に準備しておく必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】交換用のインクジェッ
ト記録ヘッドを準備していない状態においてインクタン
ク内のインクが無くなった場合には、記録を続行させる
ことができない。そして、あと2〜3枚の記録を行なえ
れば記録作業が終了するが、交換用のインクジェット記
録ヘッドが無いために記録作業を中途な状態で一旦停止
しなければならないという事態が発生する場合がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、インク吐出口と、このインク吐出口に連通されると
ともにインクを含浸させた吸収体を収納した第一インク
容器と、前記インク吐出口と前記第一インク容器との間
に配設されるとともに前記インクに対して吐出エネルギ
ーを作用させるエネルギー作用部とを有するインクジェ
ット記録ヘッドにおいて、前記インク吐出口の上流側に
配設されるとともにインクを収納して密封された第二イ
ンク容器と、前記第二インク容器の密封状態を解除する
密封解除手段とを設けた。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第一インク容器内のインクの有無を検出
する検出手段を設けた。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、第二インク容器に突き刺すことに
よってこの第二インク容器に穴をあける針状部材を密封
解除手段として設けた。
【0010】請求項4記載の発明では、インク吐出口
と、このインク吐出口に連通されるとともにインクを含
浸させた吸収体を収納した第一インク容器と、前記イン
ク吐出口と前記第一インク容器との間に配設されるとと
もに前記インクに対して吐出エネルギーを作用させるエ
ネルギー作用部とを有するインクジェット記録ヘッドに
おいて、小径の開口が形成された仕切部材によって仕切
られるとともにインクを収納する小部屋を前記インク吐
出口と前記吸収体との間に設けた。
【0011】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明において、第一インク容器内のインクの有無を検出
する検出手段を設けた。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、第一インク容器内の
インクが無くなった場合には、密封解除手段によって第
二インク容器の密封状態を解除すると、第二インク容器
内に収納されていたインクがエネルギー作用部の周囲へ
供給され、このインクがエネルギー作用部からの吐出エ
ネルギーの作用を受けてインク吐出口から吐出され、第
一インク容器内のインクが無くなった後においても第二
インク容器内に収納されたインクの分だけは継続して記
録を行なえる。
【0013】請求項2記載の発明では、第一インク容器
内にインクが無くなったことを検出した検出手段からの
検出結果に基づいて密封解除手段による第二インク容器
の密封状態の解除を行なうことにより、第一インク容器
内のインクが無くなった後においてそのまま記録作業を
続行したためにプリントにかすれを生ずるという事態の
発生が防止され、かすれを生じたプリントについて再度
記録を行なうという無駄が省ける。
【0014】請求項3記載の発明では、針状部材という
非常に簡単な構造の密封解除手段によって第二インク容
器の密封解除を行なえる。
【0015】請求項4記載の発明では、第一インク容器
内のインクが無くなった場合には、インクジェット記録
ヘッドに振動を与えたり振ったりすることにより、小部
屋内に収納されたインクが開口からエネルギー作用部の
周囲へ供給され、密封解除手段を設ける必要がなくな
る。
【0016】請求項5記載の発明では、第一インク容器
内にインクが無くなったことを検出手段が検出するた
め、第一インク容器内のインクが無くなったためにプリ
ントにかすれが発生する前に小部屋からのインクの供給
を行なえる。
【0017】
【実施例】請求項1及び3記載の発明の第一の実施例を
図1乃至図4に基づいて説明する。まず、第一インク容
器1が設けられており、この第一インク容器1に記録ヘ
ッド部2を一体的に連結することによってカートリッジ
化したインクジェット記録ヘッドが設けられている。な
お、前記第一インク容器1は、容器本体部3とこの容器
本体部3の上端部を覆う天板4とインクを後述するイン
ク吐出口へ向けて導くインク供給口5とによって形成さ
れており、前記容器本体部3内にはインクを含浸させた
吸収体6が収納され、前記インク供給口5における前記
吸収体6に近接した端部にはフィルター7が取付けられ
ている。
【0018】前記記録ヘッド部2は、インク吐出口8を
有するオリフィスプレート9と記録ヘッド基板10とか
らなり、この記録ヘッド基板10には、外部から入力さ
れる画像情報信号を受け取る電極部11と、画像情報信
号に応じてインクに対して吐出エネルギーを作用させる
エネルギー作用部12と、前記インク供給口5に連通さ
れたインク供給口13とが形成されている。ここで、前
記オリフィスプレート9は、フォトエレクトロフォーミ
ングによって形成したニッケルプレート上に金メッキを
施すことにより形成されている。また、前記記録ヘッド
基板10は、シリコンウエハ上に薄膜形成技術、フォト
リソ技術、及び、エッチング技術等のいわゆる半導体プ
ロセス技術を用いて前記エネルギー作用部12等を形成
したものである。
【0019】つぎに、前記インク供給口5内の天井部に
は、前記記録ヘッド部2と前記フィルター7との間に位
置して第二インク容器14が設けられており、この第二
インク容器14内にはインクが密封状態で収納されてい
る。なお、前記第二インク容器14は後述する針状部材
を突き刺すことによって容易に密封状態を解除すること
ができる材質、例えば、ポリエチレンのような樹脂によ
って形成されており、前記第一インク容器1における前
記第二インク容器14に対向する位置には、第二インク
容器14の密封状態を解除する密封解除手段である針状
部材15を挿入するための穴16が形成されている。
【0020】このような構成において、カートリッジ化
したインクジェット記録ヘッドをインクジェットプリン
タへセットして記録動作を開始させると、吸収体6に含
浸されたインクがインク供給口5,13を通ってエネル
ギー作用部12の周囲へ至り、エネルギー作用部12か
らの吐出エネルギーの作用を受けてインク吐出口8から
インク滴として吐出され、被記録体へ付着することによ
って記録が行なわれる。
【0021】つぎに、第一インク容器1内のインクが無
くなった場合には記録動作が行なえなくなり、カートリ
ッジ化されたインクジェット記録ヘッドの全体を新しい
ものに交換する必要がある。しかし、図4に示すように
針状部材15を穴16から挿入して第二インク容器14
に突き刺し、第二インク容器14の密封状態を解除する
ことによって第二インク容器14内に収納されていたイ
ンクがインク供給口5,13及びエネルギー作用部12
の周囲へ供給され、この第二インク容器14内に収納さ
れていたインクを用いた記録を行なえる。従って、記録
作業の終了間際で第一インク容器1内のインクが無くな
った場合には、第二インク容器14内のインクを使用す
ることによって記録作業を続行し、記録作業を終了する
ことができる。このため、記録作業の終了間際において
新しいインクジェット記録ヘッドに交換するという手間
が省け、また、新しいインクジェット記録ヘッドを準備
していなかったために記録作業の終了間際で記録作業を
中断しなければならないという事態の発生が防止され
る。なお、第二インク容器14内に収納しておくインク
量としては、少なくとも被記録体1枚分の記録が可能な
量が必要であり、好ましくは、被記録体10枚程度への
記録が行なえる量である。
【0022】ここで、インクジェットプリンタにおける
インク滴の吐出原理、及び、インク滴の吐出を行なわせ
るための記録ヘッド部の基本的構造について図5乃至図
9に基づいて説明する。まず、図5乃至図8は、EDG
E・SHOOTERタイプの記録ヘッド部の基本的構造
を示したもので、蓋基板17と発熱体基板18とを接合
させることによって記録ヘッド部が形成されている。発
熱体基板18には、個別電極19と共通電極20と発熱
体21(エネルギー作用部)とが形成され、蓋基板17
には、前記発熱体21の上方を覆う流路22とこれらの
流路22の一端が接続されたインク室領域23とこのイ
ンク室領域23に連通されたインク流入口24とが形成
されている。なお、インク流路22の他端にはオリフィ
ス(インク吐出口)25が形成されている。
【0023】つぎに、図9はEDGE・SHOOTER
タイプの記録ヘッド部を用いた場合におけるインク滴の
吐出原理を示したものある。同図(a)は定常状態であ
り、オリフィス面でインクの表面張力と外圧とが平衡状
態に保たれている。同図(b)は発熱体21が過熱され
て発熱体21の表面温度が急上昇し、隣接インク層に沸
騰現象が起こるとともに発熱体21の表面に微小な気泡
26が点在している状態である。同図(c)は発熱体2
1の全面で急激に過熱された隣接インク層が瞬時に気化
して沸騰膜を作り、気泡26が成長した状態である。こ
の時、流路22内の圧力は気泡26の成長した分だけ上
昇し、オリフィス面での外圧とのバランスがくずれ、オ
リフィス25からインク柱が成長し始める。同図(d)
は気泡26が最大に成長した状態であり、オリフィス面
から気泡26の体積に相当する分のインクが押し出され
る。この時、発熱体21には電流が流れていない状態に
あり、発熱体21の表面温度は降下しつつある。なお、
気泡26の体積が最大値となるタイミングは電気パルス
の印加タイミングからやや遅れたものとなる。同図
(e)は気泡26がインク等により冷却されて収縮を開
始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出さ
れた速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡26の収縮
に伴って流路22内の圧力減少によりオリフィス面から
流路22内へインクが逆流してインク柱にくびれが生ず
る。同図(f)はさらに気泡26が収縮し、発熱体21
の上面にインクが接することにより発熱体21の上面が
さらに急激に冷却された状態である。オリフィス面で
は、外圧が流路22内の圧力より高い状態になるために
メニスカスが大きく流路22内に入り込んでいる。一
方、インク柱の先端部はインク滴となり、被記録体(図
示せず)の方向へ5〜10m/sの速度で吐出する。同
図(g)はインク滴の吐出が終了した後に流路22内に
インクが毛管現象によって再び供給され、同図(a)の
状態に戻った状態であり、気泡26は完全に消滅してい
る。
【0024】一方、図10は、SIDE・SHOOTE
Rタイプの記録ヘッド部の基本的構造を示したもので、
流路22がインク流入口24と平行な向きに形成されて
いる。図11は、このSIDE・SHOOTERタイプ
の記録ヘッド部を用いた場合におけるインク滴の吐出原
理を示したものである。図9において説明したものと同
様に、同図(a)の状態から同図(d)の状態に至り、
その後、同図(a)と同じ状態である同図(e)の状態
に戻り、その間に、インク滴を吐出するものである。
【0025】ここで、図1乃至図4に示したインク容器
一体型のインクジェット記録ヘッドの記録ヘッド部2
は、上記のSIDE・SHOOTERタイプのものであ
るが、EDGE・SHOOTERタイプの記録ヘッド部
を用いた場合でもインク容器一体型のインクジェット記
録ヘッドを構成することができる。
【0026】つぎに、気泡発生手段の基本的構造を図1
2に基づいて説明する。図面中、27は発熱抵抗体、2
8は電極、29は保護層、30は電源装置を示す。発熱
抵抗体27を構成する材料として有用なものには、例え
ば、タンタル−SiO2の混合物、窒化タンタル、ニク
ロム、銀−パラジウム合金、シリコン半導体、あるいは
ハフニウム、ランタン、ジルコニウム、チタン、タンタ
ル、タングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、バナ
ジウム等の金属の硼化物があげられる。これらの発熱抵
抗体27を構成する材料の中、殊に金属硼化物が優れた
ものとしてあげることができ、その中でも最も特性の優
れているのが、硼化ハフニウムであり、次いで、硼化ラ
ンタン、硼化バナジウム、硼化ニオブの順となってい
る。
【0027】発熱抵抗体27は、上記の材料を用いて電
子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成す
ることができる。発熱抵抗体27の膜厚は、単位時間当
りの発熱量が所定通りとなるように、その面積、材質及
び熱作用部分の形状及び大きさ更には実際面での消費電
力等に従って決定されるものであるが、通常の場合、
0.001〜5μm、好適には0.01〜1μmとされ
る。
【0028】電極28を構成する材料としては、通常使
用されている電極材料の多くのものが有効に使用され、
具体的には、Al、Ag、Au、Pt、Cu等があげら
れ、これらを使用して蒸着等の手法で所定位置に、所定
の大きさ、形状、厚さで設けられる。
【0029】保護層29に要求される特性は、発熱抵抗
体27で発生した熱をインクに効果的に伝達することを
妨げずに、かつ、インクから発熱抵抗体27を保護する
ということである。保護層29を構成する材料として有
用なものには、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、
酸化ジルコニウム等があげられ、これらは、電子ビーム
蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成することが
できる。保護層29の膜厚は、通常は0.01〜10μ
m、好適には0.1〜5μm、最適には0.1〜3μm
とするのが望ましい。
【0030】ついで、請求項1及び3記載の発明の第二
の実施例を図13に基づいて説明する。なお、図1乃至
図4において説明した部分と同一部分は同一符号で示
し、説明も省略する。本実施例は、容器本体部3内に第
二インク容器14を設けたものであり、容器本体部3に
おける第二インク容器14に対向する位置には、第二イ
ンク容器14の密封状態を解除するための針状部材15
を挿入するための穴31が形成されている。
【0031】従って、第一インク容器1内にインクが無
くなった場合には、穴31から針状部材15を挿入して
第二インク容器14に突き刺し、第二インク容器14の
密封状態を解除することによって第二インク容器14内
に収納されていたインクがインク供給口5,13及びエ
ネルギー作用部12の周囲へ供給され、この第二インク
容器14内に収納されていたインクを用いた記録を行な
える。なお、本実施例の第二インク容器14はフィルタ
ー7の上流側に設けられているため、第二インク容器1
4から供給されたインクもフィルター7による濾過が行
なわれ、インク吐出口8の目詰まり防止に関して有利と
なる。
【0032】ついで、請求項1及び3記載の発明の第三
の実施例を図14に基づいて説明する。本実施例は、図
13において説明した実施例と同様に容器本体部3内に
第二インク容器14を設けるとともに、容器本体部3に
形成されている大気連通孔32を針状部材15を挿入す
る穴として兼用するようにしたものである。
【0033】本実施例においては、大気連通孔32と第
二インク容器14との間隔が大きいために寸法の長い針
状部材15が必要となるが、針状部材15を第二インク
容器14に突き刺した際に第二インク容器14内のイン
クが大気連通孔32から漏れ出すということが防止さ
れ、漏れ出したインクによって作業者が手を汚したりイ
ンクジェット記録ヘッドの周囲を汚したりするというこ
とが防止される。
【0034】ついで、請求項1及び3記載の発明の第四
の実施例を図15に基づいて説明する。硬質の容器本体
33とポリエチレン等のような軟質の樹脂膜34とによ
ってインクを収納した第二インク容器35が形成されて
おり、この第二インク容器35は蛇腹状の伸縮部36を
介してインク供給口5に対向する部分における第一イン
ク容器1の外周部に取付けられている。また、前記イン
ク供給口5の底面部には密封解除手段である針状部材3
7が固定されており、この針状部材37の先端部は、イ
ンク供給口5の上面部に形成された穴38を貫通して前
記伸縮部36に囲まれた空間部内に延出するとともに前
記樹脂膜34に対向している。
【0035】このような構成において、第一インク容器
1内のインクが無くなった場合には、第二インク容器3
5の容器本体33を下向きに押圧することにより伸縮部
36を撓ませ、図15(b)に示すように針状部材37
の先端部を樹脂膜34に突き刺す。これにより、第二イ
ンク容器35内のインクが穴38を通して流れ落ちると
ともにインク供給口5,13及びエネルギー作用部12
の周囲へ供給され、この第二インク容器35内に収納さ
れていたインクを用いた記録を行なえる。
【0036】ついで、請求項2及び3記載の発明の一実
施例を図16に基づいて説明する。本実施例は、図1乃
至図4において説明した実施例に対し、第一インク容器
1内のインクの有無を検出する検出手段であるセンサ3
9をインク供給口5の底面部に設けたものである。
【0037】従って、第一インク容器1内のインクが無
くなったことをセンサ39によって検出することによ
り、第二インク容器14の密封状態を解除すべき時期を
知ることができ、第一インク容器1内のインクが無くな
った後においてもそのまま記録作業を続行したためにプ
リントがかすれを生ずるという事態の発生が防止され、
かすれを生じたプリントについて再度記録を行なうとい
う無駄を省くことができる。
【0038】ここで、上記センサ39によるインクの有
無検出について説明する。まず、インク供給口5の底面
部へ発熱体を設け、この発熱体へ短時間通電することに
よってインク中に気泡を発生させると、その気泡は図9
や図11において説明した場合と同様に、発生,成長,
収縮,消滅という挙動を繰り返す。そして、発熱体の周
囲にインクが充分に存在する場合には、発生及び成長し
た気泡は通電終了とともに周囲のインクによって冷却さ
れ、直ちに収縮及び消滅し、また、発熱体の表面温度も
急激に低下する。一般に、このような膜沸騰気泡が発生
する場合、発熱体の表面温度は300〜400℃になっ
ており、通電が終了して気泡が消滅した際にはその表面
温度は100℃以下となる。一方、発熱体の周囲にイン
クが存在しない場合には、発熱体へ通電した際に発熱体
はいわゆる空だき状態となり、通電終了後に発熱体の表
面温度が低下する時間はインクが存在する場合に比べて
はるかに長くなる。また、通電回数を増大させると、イ
ンクが存在する場合には、気泡の発生,成長,収縮,消
滅のサイクルは略一定条件で繰り返され、発熱体の表面
温度も高温(約400℃)と低温(約100℃)とのサ
イクルを繰り返す。一方、インクが存在しない場合に
は、発熱体の表面はインクによって冷却されないため、
蓄熱によって発熱体の表面温度が次第に上昇する。従っ
て、この発熱体の表面温度を検出することによってイン
クの有無を容易に検出することができる。つぎに、発熱
体の表面温度を検出する手段としては、例えば、熱電対
がある。上述の発熱体は、インク滴を吐出させるための
発熱体基板と同様の技術、つまり、シリコンウエハ上に
スパッタリング、フォトリソ、エッチング技術を駆使し
て形成される。よって、その発熱体上又はその近傍に同
様の技術を用いて熱電対を形成することができる。ここ
で、好適な熱電対としては、例えば、金−ニッケル、あ
るいは、タングステン−ニッケルの熱電対をスパッタリ
ングによって形成したものである。このような熱電対が
発熱体の上に形成される場合には、その介面に例えばS
iO2の絶縁層を約1μmの厚さに形成し、熱電対の上
にはSiO2あるいはSi34等の保護膜を1〜2μm
の厚さに形成する。
【0039】また、発熱体の表面温度を検出する手段と
しては、熱電対のほかに抵抗温度計がある。抵抗温度計
には、金属式と半導体式との二種類があり、金属式のも
のとしてはプラチナをその材料として使用する。半導体
式のものはサーミスタと呼ばれるもので、好適な材料と
しては、SiCを使用するものがあげられる。他に、C
oO−Al23−CaSiO3系も利用できる。いずれ
も熱電対を形成する場合と同様に、スパッタリング、フ
ォトリソ等の技術によって発熱体上あるいはその近傍に
形成される。
【0040】ここで、第一インク容器1内のインクの有
無を検出する実施例について説明する。発熱体の形成方
法は、インク滴の吐出のための発熱体と同様であり、S
iウエハの基板上に1μmの熱酸化膜を形成し、その上
にHfB2を3000Åスパッタリングし、その発熱領
域は100μm×100μmとした。電極は、Alを8
000Åスパッタリングしたものである。このようにし
て形成された発熱体上に絶縁層としてSiO2を900
0Åスパッタリングし、その後、発熱領域に100μm
×100μmの大きさにスパッタリングフォトエッチン
グを行なって金−ニッケルの熱電対を形成し、さらに、
その上に保護膜としてSiO2を1.5μmスパッタリ
ングした。このような発熱体上に形成した熱電対を用
い、発熱体に30V、7μsの印加パルスを2kHzの
周波数で20回入力し、インクがある場合とない場合と
において、最終パルスの印加後の30μs後に温度を検
出したところ、インクがある場合には70℃、インクが
ない場合には420℃となり、インクの有無を熱電対に
よる温度検出、つまり、電気信号として検出することが
できる。
【0041】なお、図16に示した実施例は、センサ3
9を、発熱体と、発熱体の上又は近傍に設けた熱電対と
によって構成したものであるが、センサを以下のような
構成としてもよい。即ち、記録ヘッド部2においてはイ
ンク滴を形成するためのエネルギー作用部(発熱体)1
2が形成されており、このエネルギー作用部12の上又
は近傍に熱電対やサーミスタを形成すれば、温度検出用
の発熱体を別個に形成する必要がなくなり、コンパクト
な構造となる。
【0042】ついで、請求項4記載の発明の一実施例を
図17に基づいて説明する。本実施例は、インク供給口
5における天井部側に仕切部材40によって仕切られた
小部屋41を形成し、この小部屋41内にインクを収納
したものである。なお、前記仕切部材40には小部屋4
1とインク供給口5とを連通する小径の開口42が形成
されている。
【0043】このような構成において、第一インク容器
1内のインクが無くなった状態においては、小部屋41
内のインクは開口42においてメニスカス状態が維持さ
れ、小部屋41内に残留している。そこで、インクジェ
ット記録ヘッドを振ったり僅かな衝撃を加えることによ
って開口42におけるインクのメニスカス状態を破壊
し、小部屋41内のインクを開口42からインク供給口
5,13及びエネルギー作用部12の周囲へ供給し、記
録作業を続行させる。ここで、本実施例においては、小
部屋41内のインクをインク供給口5,13やエネルギ
ー作用部12の周囲へ供給する際に図1乃至図4におい
て説明したような針状部材15を用いる必要がなく、構
造が簡単になるとともに第一インク容器1内のインクが
無くなった場合における小部屋41からのインクの供給
を簡単に行なえる。
【0044】ついで、請求項5記載の発明の一実施例を
図18に基づいて説明する。本実施例は、図17におい
て説明した実施例に対し、図16において説明した検出
手段であるセンサ39を設け、このセンサ39によって
第一インク容器1内のインクの有無を検出するようにし
たものである。
【0045】従って、第一インク容器1内のインクが無
くなったことをセンサ39によって検出することによ
り、小部屋41からのインクの供給を行なうべき時期を
知ることができ、第一インク容器1内のインクが無くな
った後においてもそのまま記録作業を続行したためにプ
リントがかすれを生ずるという事態の発生が防止され、
かすれを生じたプリントについて再度記録を行なうとい
う無駄を省くことができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明のように、インクを
収納して密封された第二インク容器をインク吐出口の上
流側に設け、さらに、この第二インク容器の密封状態を
解除する密封解除手段を設けたことにより、第一インク
容器内のインクが無くなった場合には密封解除手段によ
り第二インク容器の密封状態を解除することによって第
二インク容器内に収納されていたインクをエネルギー作
用部の周囲へ供給することができ、従って、記録作業の
終了直前に第一インク容器内のインクが無くなった場合
においても第二インク容器内のインクを使用することに
よって記録作業を最後まで行なうことができ、さらに、
請求項2記載の発明のように請求項1記載の発明に対し
て第一インク容器内のインクの有無を検出する検出手段
を設けることにより、検出手段からの検出結果に基づい
てプリントにかすれが生ずる前に第二インク容器からの
インクの供給を行なうことができ、従って、かすれが生
じたプリントについて再度記録を行なうという無駄を省
くことができ、また、請求項3記載の発明のように、密
封解除手段として第二インク容器に突き刺す針状部材を
設けたことにより、密封解除手段の構造及び密封解除操
作を簡単化することができ、また、請求項4記載の発明
のように、小径の開口が形成された仕切部材によって仕
切られるとともにインクを収納する小部屋をインク吐出
口と第一インク容器内に収納された吸収体との間に設け
たことにより、インクジェット記録ヘッドに振動を与え
たり振ったりすることによって小部屋内のインクを開口
からエネルギー作用部の周囲へ供給させることができ、
従って、密封解除手段が不要になるために構造が簡単化
されるとともに小部屋内からのインクの供給を簡単な操
作によって行なうことができ、さらに、請求項5記載の
発明のように請求項4記載の発明に対して第一インク容
器内のインクの有無を検出する検出手段を設けることに
より、検出手段からの検出結果に基づいてプリントにか
すれが生ずる前に小部屋からのインクの供給を行なうこ
とができ、従って、かすれが生じたプリントについて再
度記録を行なうという無駄を省くことができる等の効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び3記載の発明の一実施例を示す縦
断正面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】その分解斜視図である。
【図4】針状部材による第二インク容器の密封解除操作
を示すものであり、(a)は密封解除操作の直前の状態
を示す縦断正面図、(b)は密封解除操作の直後の状態
を示す縦断正面図である。
【図5】記録ヘッド部の基本的構造を示す斜視図であ
る。
【図6】その分解斜視図である。
【図7】蓋基板を裏面側からみた状態を示す斜視図であ
る。
【図8】その一部を拡大して断面にした斜視図である。
【図9】インク滴の吐出原理を示す説明図である。
【図10】他の形式の記録ヘッド部の基本的構造を示す
斜視図である。
【図11】他の形式の記録ヘッド部におけるインク滴の
吐出原理を示す説明図である。
【図12】気泡発生手段の基本的構造を示す縦断正面図
である。
【図13】請求項1及び3記載の発明の第二の実施例を
示す縦断正面図である。
【図14】請求項1及び3記載の発明の第三の実施例を
示す縦断正面図である。
【図15】請求項1及び3記載の発明の第四の実施例を
示すものであり、(a)は第二インク容器が密封状態に
維持されている状態を示す縦断正面図、(b)は第二イ
ンク容器の密封状態を解除した状態を示す縦断正面図で
ある。
【図16】請求項2及び3記載の発明の一実施例を示す
縦断正面図である。
【図17】請求項4記載の発明の一実施例を示す縦断正
面図である。
【図18】請求項5記載の発明の一実施例を示す縦断正
面図である。
【符号の説明】
1 第一インク容器 6 吸収体 8 インク吐出口 12 エネルギー作用部 14 第二インク容器 15 密封解除手段 35 第二インク容器 37 密封解除手段 39 検出手段 40 仕切部材 41 小部屋 42 開口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口と、このインク吐出口に連
    通されるとともにインクを含浸させた吸収体を収納した
    第一インク容器と、前記インク吐出口と前記第一インク
    容器との間に配設されるとともに前記インクに対して吐
    出エネルギーを作用させるエネルギー作用部とを有する
    インクジェット記録ヘッドにおいて、前記インク吐出口
    の上流側に配設されるとともにインクを収納して密封さ
    れた第二インク容器と、前記第二インク容器の密封状態
    を解除する密封解除手段とを設けたことを特徴とするイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 第一インク容器内のインクの有無を検出
    する検出手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 第二インク容器に突き刺すことによって
    この第二インク容器に穴をあける針状部材を密封解除手
    段として設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 インク吐出口と、このインク吐出口に連
    通されるとともにインクを含浸させた吸収体を収納した
    第一インク容器と、前記インク吐出口と前記第一インク
    容器との間に配設されるとともに前記インクに対して吐
    出エネルギーを作用させるエネルギー作用部とを有する
    インクジェット記録ヘッドにおいて、小径の開口が形成
    された仕切部材によって仕切られるとともにインクを収
    納する小部屋を前記インク吐出口と前記吸収体との間に
    設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 第一インク容器内のインクの有無を検出
    する検出手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の
    インクジェット記録ヘッド。
JP22686291A 1991-09-06 1991-09-06 インクジエツト記録ヘツド Pending JPH0557901A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9814263B2 (en) 2010-12-24 2017-11-14 Philip Morris Products S.A. Aerosol generating system having means for determining depletion of a liquid substrate

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