JPH055741A - 免疫学的定量分析方法 - Google Patents

免疫学的定量分析方法

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JPH055741A
JPH055741A JP19878491A JP19878491A JPH055741A JP H055741 A JPH055741 A JP H055741A JP 19878491 A JP19878491 A JP 19878491A JP 19878491 A JP19878491 A JP 19878491A JP H055741 A JPH055741 A JP H055741A
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JP
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antibody
antigen
disk
insoluble carrier
disc
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JP19878491A
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English (en)
Inventor
Susumu Osawa
進 大澤
Kazunori Shibata
和典 柴田
Minoru Takase
實 高瀬
Takayuki Kono
孝之 河野
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 免疫学的定量分析方法において、測定濃度領
域の拡大、高感度化、高速度化および全自動化を図る。 【構成】 回転可能なディスク100上の半径方向に沿
って形成した複数の流路100bの少なくとも1つの流
路の一部に抗体を固定しておき(100c)、前記流路
100bの内周部に体液を導入した後、ディスクを回転
して体液をディスク上に展開して、体液中の分析対象物
である抗原を、ディスク上に固定された抗体に、抗原−
抗体反応により補足せしめた後、さらに該抗原に、その
抗原と特異的に反応する抗体を固定してなる不溶性担体
粒子を作用させ、前記抗原により捕捉された不溶性担体
粒子の数をディスクの半径方向に自在に移動可能な光学
読み取り装置を用いて、ディスクを回転させながら計数
することによって分析を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免疫学的定量分析方法に
関し、特に免疫学的検査の測定濃度領域の拡大、高感度
化、高速度化及び全自動化を図ることのできる免疫学的
定量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野においては、病気の早期
発見等を目的として、体液中の微量成分の定量分析が頻
繁に行なわれている。例えば、血液中の微量成分の定量
が行なわれているが、血液中に含まれる体液成分はその
濃度がng(ナノグラム)/ml オーダーと極めて微量なも
のが多く、これらの微量成分を定量的に分析することは
医療分野における重要な課題となっている。
【0003】従来、血液微量成分の測定には、ラジオ免
疫検査法(RIA法)、酵素免疫検査法(EIA法)あ
るいはラテックス凝集反応法(LIA法)などの免疫学
的手法が用いられてきた。ここで、ラジオ免疫検査法
(RIA法)は、放射性同位元素でラベルした抗体を用
いて抗原−抗体反応を行なわせ、放射線量より抗原の濃
度を求める方法である。
【0004】また、酵素免疫検査法(EIA法)は、酵
素でラベルした抗体を用いて抗原−抗体反応を行なわ
せ、酵素反応による発色の程度により抗原の濃度を求め
る方法である。さらに、ラテックス凝集反応(LIA
法)は、1965年にSingerとPlotz らによって開発された
方法であり、抗体を固定してなる不溶性担体粒子(ラテ
ックス)を用いて抗原−抗体反応を行なわせ、ラテック
ス粒子の凝集を生じさせて、濁度から抗原の濃度を求め
る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の血液微量成分の免疫学的定量分析法には、以下
に示す問題がある。すなわち、ラジオ免疫検査法(RI
A法)は、感度がよく精度が高いものの、放射線を使用
するため安全性の面で問題があり、また保守,管理上細
心の注意を払う必要があり、取扱いが非常に面倒であっ
た。
【0006】また、酵素免疫法(EIA法)は、RIA
法と同様に、感度が良く精度が高いものの、酵素を用い
ているため試薬の調製に時間と労力を要し、酵素の保
管,保存の面でも細かい配慮を必要とし、測定時間も45
分〜数時間と長時間を要するという問題がある。さら
に、ラテックス凝集法(LIA法)は、濁度を目視法に
よって判断するものであるため、半定量的であり、感度
及び精度が不十分であるという問題がある。
【0007】なお、LIA法において、濁度を光学的に
測定する方法が提案されている(1)Croatica Chemica Ac
to 42(1970) P457-466 , 2) EuropeanJournal of Bioch
mistry Vol.20 No.4 (1971) P553-560 , 3)Immunochemi
stry Vol.12 P349-851(1975) 参照)。しかし、この方
法は、実験によると精度が悪く、また感度の面でもEI
A法やRIA法に劣るという問題がある。また、LIA
法において、ラテックスの径を種々変えて測定する方法
(特開昭63-65369号)や、あるいは凝集したラテックス
を順々に管内に流し光学的に測定する方法(特開昭60-1
11963 号)が提案されているが、この方法は、感度の向
上を図ろうとすると、それに伴って全体の作業が煩雑化
し、高速度化が図れないという問題がある。
【0008】一方、特開昭56-151357 号には、抗体を固
定化したディスクに被検液を接触させ、次いで抗体を固
定した微粒子を反応させた後、ディスク上に捕捉された
微粒子の数を計数することを特徴とする方法が開示され
ている。そして、ディスク上の異なる領域のそれぞれに
異なる種類の抗体を固定することによって、同時多項目
分析が可能である旨が記載されている。しかしながら、
特開昭56-151357 号には、抗体固定化ディスクとしてス
ライドガラスを用いた例が示されているにすぎず、ディ
スクを用いる技術に関しては何ら開示されていない。ス
ライドガラスを用いた場合には、スライドガラス上への
被検液の滴下、洗浄及び計測を自動的かつ迅速に行なう
ことが困難である。また、被検液はスライドガラス上に
滴下されるだけで薄膜状に展開されないので、反応効率
を高めることが困難である。さらに、抗体固定微粒子の
計測手段として顕微鏡等を用いているため、計測の自動
化及び高速化が著しく困難であるという問題がある。
【0009】また、特開昭64-35373号には、上記特開昭
56-151357 号に記載の方法において微粒子として蛍光ラ
テックスを使用し、さらに計数手段として蛍光顕微鏡,
TVカメラ,画像処理装置を用いることにより、計数の
高感度化を図った技術が開示されている。しかし、これ
らの計数手段は、光ディスク技術を利用した計数手段に
比べ、計数の自動化,高速度化及び高感度化が困難であ
るという問題がある。
【0010】本発明は上述した問題点にかんがみてなさ
れたもので、免疫学的検査の高感度化及び全自動化,高
速度化を図ることのできる免疫学的定量分析方法の提供
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、抗体固定ディス
クとして回転可能なディスクを使用するとともに、抗体
固定微粒子の計数を光ディスク技術を利用して、ディス
クを回転させながら光ヘッドで走査して行なうことによ
って、計数の自動化,高速化及び高感度化が図れること
を見出した。そして、ディスクへの被検液の滴下(分
注)、被検液の展開及び洗浄等の分析に必要な一連の走
査をディスク上で全て行なわせると、分析の完全自動化
及び迅速化が達成できることを見出し本発明を完成させ
るに至った。
【0012】すなわち本発明の免疫学的定量分析方法
は、回転可能なディスク上の半径方向に形成した複数の
流路の少なくとも1つの流路の一部に抗体もしくは抗原
を固定し、前記流路の内周部に体液を導入した後、ディ
スクを回転して体液をディスク上に展開し、体液中の分
析対象物である抗原もしくは抗体を、ディスク上に固定
された抗体もしくは抗原に抗原−抗体反応により捕捉せ
しめた後、さらに該抗原もしくは抗体に、その抗原もし
くは抗体と特異的に反応する抗体もしくは抗原を固定し
てなる不溶性担体粒子を作用させ、前記抗原もしくは抗
体により捕捉された不溶性担体粒子の数を、ディスクの
半径方向に移動可能な光学読み取り装置を用いて、ディ
スクを回転させながら計数するようにしてあり、好まし
くは、光学読み取り装置の光源を収束レーザー光源と
し、さらに好ましくは、不溶性担体粒子の粒子径を使用
光源波長の1/5 〜1倍の大きさ、具体的には不溶性担体
粒子の粒子径を 0.1〜 5μm の大きさとしてある。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面を参照しつつ詳細に説明
する。図1は本発明の免疫学的定量分析方法の手順を示
す説明図である。本発明の免疫学的定量分析方法におい
ては、抗体200を固定したディスク100(以下、抗
体固定ディスクという)を使用する(図1(I))。
【0014】ここで、ディスク100の大きさ,厚さ,
形状等は適宜選択され特に制限されないが、試料の展開
及びレーザー光等による分析に適するように、回転可能
なものであることが必要であり、このような観点からす
ると円板状(ディスク状)であることが好ましい。ま
た、図2に示すように、ディスク100に多数の突条1
00aを放射状に形成して多数の試料展開面100b及
び抗体200を固定した反応部100cを設けると、多
数の試料の分析を同時に行なえる。
【0015】ディスク100の形成材料としては、ポリ
カーボネート,ポリメチルメタクリレート,ポリスチレ
ン,ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリウレタン,
エポキシ樹脂等のプラスチック材料やガラス等の透明材
料が挙げられるが、好ましくは、ポリカーボネート,ポ
リメチルメタクリレート等のプラスチックディスクであ
る。このようにディスクを透明材料で形成するのは、レ
ーザー等による光学的分析を可能とするためである。
【0016】ディスク100に固定される抗体200
は、測定しようとする抗原によって異なるが、例えば、
測定しようとする抗原をある免疫動物(例えば、兎,山
羊,羊など)に投与して産生させたポリクロナール抗体
やモノクローナル抗体等が挙げられる。
【0017】抗体200をディスク100に固定するに
は、例えば、抗体の 0.05M トリス緩衝食塩水(TB
S)溶液(pH8.2 ,濃度0.5 〜10μg/ml)あるいは0.
05M 炭酸・重炭酸緩衝溶液(pH9.6 ,濃度0.5 〜10μ
g/ml) をディスク上に滴下し、4℃の温度下で一昼夜
(あるいは20〜30℃で 2時間)放置して、抗体200を
ディスク100上に物理的に吸着させればよい。この場
合、ディスク表面にスルホン基,アミノ基,カルボキシ
ル基またはその誘導体等の官能基を有するディスクを用
いることにより、抗体をディスク上に化学結合させるこ
ともできる( P.Tijssen著、石川栄治監訳“生化学実験
法11エンザイムノアッセイ”東京化学同人刊、岩崎辰
夫,安東民衛著“単クローン抗体ハイブリドーマとEL
ISA”講談社刊参照)。
【0018】本発明方法においては、まず、上記抗体固
定ディスク100上で、試料中の抗原300を抗原−抗
体反応により捕捉せしめる(図1(II))。ここで、分析
対象とされる試料としては、抗原を含む液体であれば特
に制限されない。例えば、血液,尿等の体液を挙げるこ
とができる。分析対象物である抗原は特に制限されない
が、例えば、C−反応性蛋白質(CRP)、α−フェト
プロティン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)等が挙
げられる。
【0019】ディスク100上で抗原−抗体反応を行な
わせるには、例えば、抗体固定ディスク上に分析対象物
である抗原300を含んだ検体試料を適量(例えば50μ
l 程度)滴下し、ディスク100を回転して、遠心力に
よって検体試料をディスク100上に薄膜状に展開する
ことによって、ディスク100上に固定された抗体20
0と検体試料中の抗原300との間に効率よく抗原−抗
体反応を行なわせることができる。この場合、抗原−抗
体反応に要する時間は 1〜 5分程度の短い時間で済む。
抗原−抗体反応後、捕捉された抗原300以外の残余の
検体試料は、リン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.
4)、あるいはトリス緩衝食塩水(TBS)(0.05M ,
pH8.2 )等を適量(例えば、1ml程度)滴下した後、
ディスク100を回転して洗い流す。次いで、上記抗原
−抗体反応後のディスク100に、抗原300と特異的
に反応する抗体400を固定してなる不溶性担体粒子5
00を作用させる(図1(III) )。
【0020】ここで、抗体400を固定してなる不溶性
担体粒子500とは、不溶性担体粒子(ラテックス)
(例えば、プラスチック粒子、コロイド粒子等)に、分
析対象物である抗原300に対する抗体400を、物理
的あるいは化学的に吸着または結合させて固定したもの
をいう。具体的には、例えば、1.0 %ラテックス水溶液
に抗体を入れ、温室で 2時間放置して、ラテックスに抗
体を物理吸着させる。その後、遠心分離にかけて上清を
捨て、吸着されなかった抗体を除去し、沈殿部にリン酸
緩衝食塩水(PBS)(pH7.4 )を注ぎ、再分散させ
て作成される(特開昭62-267298 号,Applied and Envi
ronmental Microbiology,Oct.1988, P2345-2348参照)
【0021】不溶性担体粒子は、蛍光性を有するもの、
あるいは着色されたものであってもよい。この場合、蛍
光性あるいは着色性を利用した分析が可能となる。な
お、不溶性担体粒子自体が蛍光物質で形成されている場
合の他、蛍光材料でコーティングされている場合や蛍光
物質が不溶性担体粒子に付着している場合も含まれる。
なお、不溶性担体粒子の粒径については後述する。
【0022】上記のように調製された抗体を固定してな
る不溶性相対粒子を含んだ水溶液は、上述した抗原−抗
体反応後のディスク100に適量(例えば、50μl )
滴下され、ディスク100の回転によって展開されて、
ディスク100上に固定された抗体200に捕捉された
抗原300と、再度抗原−抗体反応を起こし、不溶性担
体粒子500に固定された抗体400を介して、不溶性
担体粒子が捕捉される(図1(III) )。ディスク上に捕
捉されなかった不溶性担体粒子は、上述した検体試料と
同様の方法で洗い流される。このようにして、サンプル
ディスクが作製される。
【0023】次に、上記サンプルディスク上の抗原によ
って捕捉された不溶性粒子の数または粒子数に相当する
物理量を測定手段600で測定して、抗原300の数
(抗原の濃度)を求める(図1(IV))。ここで、粒子数
等の測定手段600としては、光学的測定手段が好まし
い。光学的測定手段としては、反射率の変化,特定波長
の光に対する吸収、蛍光強度あるいは偏光した光の変光
面の回転等の測定手段が例示される。
【0024】不溶性担体粒子の数を直接測定する場合に
は、光学的測定手段としてレーザーを用いる。使用され
るレーザー源としては、一般に使用されている半導体レ
ーザー等をそのまま利用でき、不溶性担体粒子の大きさ
に応じて適当なレーザー源が選択される。光学的測定手
段を具備した分析装置としては、例えば、図3に示すよ
うな装置が使用される(特願平1-092367号参照)。
【0025】同図において、100はディスクであり、
回転テーブル2上に装着されている。ディスク100の
下部外周には、ディスク100から落ちる試料を受ける
ための受け皿6が配置され、回収タンク7に回収される
ようになっている。モータ8はディスク100を回転さ
せるためのものであり、駆動制御回路9はモータ8の駆
動を制御するものである。ノズル11は、試料送り装置
12から送られる試料をディスク100上に滴下する。
光学式測定ヘッド14は、ディスク半径方向に延びる送
りねじ軸15に沿って往復移動する。モータ16はヘッ
ド14を駆動するためのものであり、駆動制御回路17
はモーター16の駆動を制御する。光学式測定ヘッド1
4はレーザー光の投光部と受光部を有し、図4(a)に
示すように、投光部からの照射光19はハーフミラー2
0,レンズ21を経て投束光として試料展開面5上の試
料に照射され、試料から反射された反射光22は受光部
で受けられるようになっている。なお、図4(b)に示
すように、ディスクの裏面側から投射光19を照射する
ようにしてもよく、また、反射光でなく、透過光によっ
て分析を行なうようにしてもよい。これらの場合には回
転テーブル2を透明材料で形成するか、あるいは回転テ
ーブル2を取り払う。
【0026】信号処理装置23は、ヘッド14に信号を
送り光源を点灯させる機能と、ヘッド14で受光された
光信号を処理し、分析する機能を有する。ディスプレイ
装置24は分析結果を画面表示し、記録装置25は分析
結果をプリントアウトして出力する。CPU(中央処理
装23は、試料送り装置12、駆動制循回路9及び1
7、信号処理装置23等の制御を行ない、これをプログ
ラム通り作動させる。CPU27は、プログラムの操作
装置28と、プログラムの記憶装置29を有している。
【0027】上記構成からなる分析装置によれば、免疫
学的定量分析の全ての工程をディスク上で行なうことが
でき、また、分析の全自動化を図ることができる。不溶
性担体粒子が蛍光を発するものである場合には、光学的
測定手段としてフォトディテクターを用いる。この場
合、フィルターを介在させることによって、特定波長
(例えば、397nm ,472nm ,577nm など)の蛍光強度を
検出し(図5(a))、その蛍光強度を粒子数に換算す
る(図5(b))。
【0028】なお、光学的測定手段と不溶性担体粒子の
粒径との関係については次のことがいえる。光学的測定
手段としてレーザーを用いる場合には、不溶性担体粒子
の粒径が小さくなるとレーザー光に対する信号が弱くな
りS/N比が悪くなるので好ましくない。一方、蛍光を
発する不溶性担体粒子を用いる場合には、蛍光強度を粒
子数に換算して、抗原濃度を測定しているので、粒径が
小さくてもよい。上記の観点及び抗原−抗体の反応性か
らすると、不溶性担体粒子の粒径は 0.1〜 5μm の範囲
内であることが好ましい。
【0029】計測した不溶性担体粒子の個数から抗原の
濃度を求めるには、抗原濃度既知の試料を用いること以
外は上述の場合と同様にし、抗原濃度と不溶性担体粒子
の数との関係を求めてあらかじめ検量線を作成してお
き、この検量線から抗原濃度を求めればよい。なお、上
述した本発明の免疫学的定量分析方法においては、説明
の都合上、ディスク/抗体/抗原/抗体/不溶性担体粒
子の構成となる場合を示したが、かわりに、ディスク/
抗原/抗体/抗原/不溶性担体粒子の構成とし、抗体濃
度の定量を行なうものとしてもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。 実施例1 C−反応性蛋白質(CRP)抗体のトリス緩衝食塩水
(TBS)溶液(濃度5.06×10-6g/ml)5μl を、半径
6.5cm の回転可能なポリカーボネートディスクの半径 4
cmの地点に滴下し、ディスクを回転させて30.0mm2 の薄
膜状に均一に展開した。温室で 2時間放置した後、TB
S溶液(0.05M ,pH8.2 ) 200μl で 3回洗浄して抗
体固定ディスクを作成した。
【0031】また、粒径 0.2μm の不溶性担体粒子(ポ
リスチレンラテックス)を 1wt%含むリン酸緩衝食塩水
(PBS)(pH7.4 )中に、ヒトCRPを兎に投与し
て得られた抗CRP抗体を入れ、十分攪拌してポリスチ
レンラテックスにCRP抗体を固定(感作)させた。こ
れを遠心分離にかけた後、上清を除き、沈殿したラテッ
クスをPBSに再分散させ、抗体固定不溶性担体粒子
(抗CRPラテックス)を作製した。
【0032】次いで、検量線作成のため、上記抗体固定
ディスクを図3に示す分析装置の回転テーブル上にセッ
トしTBSで調製したCRP濃度既知の標準試料(1.0
×10-12g/ml ,1.0 ×10-11g/ml ,1.0 ×10-9g/ml,1.
0 ×10-7g/ml,1.0 ×10-6g/ml,1.0 ×10-5g/ml)を上
記で作成した抗体固定ディスク上の抗体固定部に10μl
滴下し、30℃で 5分間反応させ、抗体固定ディスク上に
固定された抗体に抗原を捕捉させた。その後、TBS
(0.05M ,pH8.2 ) 200μl で 3回洗浄して残ってい
る試料を除去した。さらに、このディスク上に上記で作
成した抗CRPラテックスのPBS溶液(ラテックス粒
子径 0.2μm , 1wt %)50μl を、ディスク半径 4cmの
地点に滴下し、回転により展開して、30℃で 5分間、イ
ンキュベーションし、その後TBS(0.05M ,pH8.2
) 200μl で 3回洗浄して検量線作成のためのサンプ
ルディスクを作成した。
【0033】その後、1800rpm で回転させながら、ディ
スク上に捕捉されたラテックス粒子の個数を光学ヘッド
14( 830nmの波長の半導体レーザーを光源とする)で
走査しながら計測した。この結果を表1に示す。また、
この結果をもとに抗原濃度とラテックス粒子の個数の関
係をグラフ化し、図6に示すような検量線を得た。
【0034】次に、被検者から採血した血液を常法(遠
心分離)によって血清分離し、CRP濃度未知の試料を
3種類用意し、各試料を本発明方法及び従来法(LIA
法、三菱化成社製免疫学的抗原測定装置LPIA100M使用)
の両方法でCRP濃度の定量を行なった。
【0035】なお、本発明方法の手順は上述した検量線
の作成の場合と同様であり、分析装置に装着した抗体固
定ディスク上に被検試料を滴下し反応させ、さらにその
上に抗CRPラテックスを50μl 滴下し反応させ、ディ
スク上にラテックスを捕捉させたラテックス粒子の個数
を計測し、この計測されたラテックスの個数から、図6
に示す検量線にもとづきCRP濃度を求めた。反応時間
は10分、ラテックス計測時間 5分、合計15分間であっ
た。上記両方法によるCRP濃度の定量結果を表2に示
す。
【0036】実施例2 不溶性担体粒子として、励起波長 560nm,蛍光波長 577
nmを有する赤色蛍光物質を含有した粒径 0.5μm のポリ
スチレンラテックスを用いたこと、TBSで調製したC
RP濃度既知の標準試料の濃度を、1.0 ×10-13g/ml ,
1.0 ×10-12g/ml ,1.0 ×10-9g/ml,1.0 ×10-7g/ml,
1.0 ×10-5g/ml,1.0 ×10-3g/mlとしたこと、及び図3
に示す分析装置における光学的測定ヘッドを 560nm付近
の単色光源及びフォトディテクターとし、図5に示した
ようにして蛍光強度からラテックスの個数を換算して検
量線を作成したこと以外は実施例1と同様にして、上記
CRP濃度未知の検体 100倍稀釈(TBSに稀釈)試料
についてCRP濃度の定量を行なった。反応時間は10
分、ラテックス計測時間は 3分、合計13分間であった。
CRP濃度の比較結果を表3に示す。また、得られた検
量線を図7に示す。
【0037】
【表1】 ─────────────────────── 抗原濃度 (g/ml) ラテックス 数 (個/360μm2) ─────────────────────── 1×10-12 1200 1×10-11 1460 1×10-9 2200 1×10-7 2890 1×10-6 3150 1×10-5 3360 ───────────────────────
【0038】
【表2】 ───────────────────── CRP濃度 (ng/ml) 検体番号 ─────────────── 本発明法 LIA法 ───────────────────── 1 319 320 2 541 540 3 210 210 ─────────────────────
【0039】
【表3】 ───────────────────── CRP濃度 (ng/ml) 検体番号 ─────────────── 本発明法 LIA法 ───────────────────── 4 3.3 測定不能 5 5.4 6 6 2.0 測定不能 ─────────────────────
【0040】
【表4】 ──────────────────────────── 抗原(AFP)濃度 (g/ml) ラテックス 数 (個/1000 μm2) ──────────────────────────── 1.0×10-12 270 1.0×10-10 395 1.0×10-8 630 1.0×10-6 1410 ────────────────────────────
【0041】表2及び表3から明らかなように、本発明
方法は従来法(LIA法)に比べ、0.01〜 0.1 (ng/ml)
のオーダーまで測定でき、感度が高く、したがって1ng
/ml以下の極微量成分の定量が可能となる。また、検査
にかかる所要時間は、従来法(LIA法)が 1〜2 時間
なのに対し、本発明方法は10分〜30分であり、検査の高
速度化を実現しうる。さらに、従来法(LIA法,EI
A法)は出力信号がアナログなのに対し、本発明方法に
おいては出力信号をデジタル化できるため S/N比の
向上、回路の簡便さという利点を有する。
【0042】実施例3 α−フェトプロテイン(AF
P)の定量 (1) ヒトAFPを予め兎に投与して得られたAFP抗体
(IgG)を従来法(石川栄治:酵素免疫測定法 第3
版 医学書院、小山次郎,大沢利昭著:免疫学の基礎
東京化学同人刊 P30〜P34 参照)によりペプシンで消化
し、IgGの不変領域Fc 部を除去し抗原抗体反応形成
部位である(Fab’)2 を得た。(図8参照)。
【0043】(2) 上記実施例と同様にチャンネルを設け
た回転可能なポリカーボネートディスク上のチャンネル
内の半径 3.5cmの部位に地点に(Fab’)2 のTBS
溶液(濃度 2.3×10-4g/ml)20μl を滴下し、30℃の状
態で 2時間静置しディスク上に抗体感作(物理吸着)さ
せた。その後吸着されなかった抗体をTBS200μl で3
回洗浄し除去した。
【0044】(3) BSA(牛血清アルブミン)0.5 %含
有TBS溶液10μl を該抗体固定位置に滴下し、 4℃の
状態で24時間静置し、その後、界面活性剤であるTween-
20を 0.1%含有したTBS溶液(pH 8.2)200 μl で
3回洗浄した。
【0045】(4) 一方、読み取り使用光源である半導体
レーザー(波長 780nm)の1/2.6 倍波長の大きさである
Φ300nm ( 0.3μm )のポリスチレンラテックスに上記
(1) で得た抗体を実施例1の如く抗体感作し、感作ラテ
ックスを作製した(ラテックス濃度: 0.25wt%TBS溶
液)。
【0046】(5) 検量線作成のため濃度既知のAFP抗
原標準溶液(1.0 ×10-12g/ml ,1.0×10-10g/ml ,1.0
×10-8g/ml,1.0 ×10-6g/ml TBSにより稀釈)を2
0μlディスク抗体固定部位に滴下し、30℃の状態で 5分
間静置し抗原抗体反応させ、ディスク固定抗体によりA
FP抗原を捕捉させた。その後、未反応の試料は実施例
1と同様にTween-20含有TBS溶液(Tween-20濃度 0.1
%)200 μl で 3回洗浄した。
【0047】(6) 上記(3) で調整したAFP抗体感作ラ
テックス20μl を該抗原捕捉部位に滴下し、30℃の状態
で 5分間静置し抗原抗体反応させ、該抗原にラテックス
を捕捉させた。捕捉されずに残ったラテックスは、Twee
n-20含有TBS溶液200 μlで3回、さらに蒸留水 500μ
l で洗浄し塩とともに除去し、サンプルディスクを作製
した。
【0048】(7) その後、サンプルディスクを1800rpm
で回転させ波長 780nmの半導体レーザーを光源とした図
3に示した光学ヘッド14を走査させながらディスク上
に捕捉されたラテックスの個数を計測した。計測結果を
表4に示し、これらの個数をAFP抗原と関係をグラフ
化した検量線を図9に示す。
【0049】(8) 被検者から採血した血液を実施例1同
様、従来法で遠心分離し血清を得た。この血清20μl を
上記(4) と同様に本発明法により反応させ、ラテックス
数を計数し検量線から濃度を検出したところ、0.1ng/ml
(1×10-10g/ml )の結果を得た。従来のRIAにより
測定したところほぼ同じ結果が得られた。また、従来の
LIA法の三菱化成LPIA100Mでは上記の被検試料は測定
出来なかった。被検試料滴下からラテックス個数計測ま
でに要した時間は15分であった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の免疫学的定
量分析方法によれば、免疫学的検査の測定濃度領域の拡
大、高感度化及び高速度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免疫学的定量分析方法の手順を示す説
明図である。
【図2】複数試料の同時分析を行なうための複数に区画
されたディスクを示す平面図である。
【図3】分析装置の一例を示す構成図である。
【図4】光学的分析手段による測定の態様を示す図であ
る。
【図5】蛍光強度を粒子数に換算する方法を示すグラフ
である。
【図6】実施例1及び2における検量線を表わすグラフ
である。
【図7】実施例1及び2における検量線を表わすグラフ
である。
【図8】実施例3で用いた抗原抗体反応形成部位(Fa
b’)2 を示す図である。
【図9】実施例3における検量線を表わすグラフであ
る。
【符号の説明】
100:ディスク 200:抗体 300:抗原 400:抗体 500:不溶性担体粒子
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 免疫学的定量分析方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免疫学的定量分析方法に
関し、特に免疫学的検査の測定濃度領域の拡大、高感度
化、高速度化及び全自動化を図ることのできる免疫学的
定量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野においては、病気の早期
発見等を目的として、体液中の微量成分の定量分析が頻
繁に行なわれている。例えば、血液中の微量成分の定量
が行なわれているが、血液中に含まれる体液成分はその
濃度がng(ナノグラム)/ml オーダーと極めて微量なも
のが多く、これらの微量成分を定量的に分析することは
医療分野における重要な課題となっている。
【0003】従来、血液微量成分の測定には、ラジオ免
疫検査法(RIA法)、酵素免疫検査法(EIA法)あ
るいはラテックス凝集反応法(LIA法)などの免疫学
的手法が用いられてきた。ここで、ラジオ免疫検査法
(RIA法)は、放射性同位元素でラベルした抗体を用
いて抗原−抗体反応を行なわせ、放射線量より抗原の濃
度を求める方法である。
【0004】また、酵素免疫検査法(EIA法)は、酵
素でラベルした抗体を用いて抗原−抗体反応を行なわ
せ、酵素反応による発色の程度により抗原の濃度を求め
る方法である。さらに、ラテックス凝集反応(LIA
法)は、1965年にSingerとPlotz らによって開発された
方法であり、抗体を固定してなる不溶性担体粒子(ラテ
ックス)を用いて抗原−抗体反応を行なわせ、ラテック
ス粒子の凝集を生じさせて、濁度から抗原の濃度を求め
る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の血液微量成分の免疫学的定量分析法には、以下
に示す問題がある。すなわち、ラジオ免疫検査法(RI
A法)は、感度がよく精度が高いものの、放射線を使用
するため安全性の面で問題があり、また保守,管理上細
心の注意を払う必要があり、取扱いが非常に面倒であっ
た。
【0006】また、酵素免疫法(EIA法)は、RIA
法と同様に、感度が良く精度が高いものの、酵素を用い
ているため試薬の調製に時間と労力を要し、酵素の保
管,保存の面でも細かい配慮を必要とし、測定時間も45
分〜数時間と長時間を要するという問題がある。さら
に、ラテックス凝集法(LIA法)は、濁度を目視法に
よって判断するものであるため、半定量的であり、感度
及び精度が不十分であるという問題がある。
【0007】なお、LIA法において、濁度を光学的に
測定する方法が提案されている(1)Croatica Chemica Ac
to 42(1970) P457-466 , 2) EuropeanJournal of Bioch
mistry Vol.20 No.4 (1971) P553-560 , 3)Immunochemi
stry Vol.12 P349-851(1975) 参照)。しかし、この方
法は、実験によると精度が悪く、また感度の面でもEI
A法やRIA法に劣るという問題がある。また、LIA
法において、ラテックスの径を種々変えて測定する方法
(特開昭63-65369号)や、あるいは凝集したラテックス
を順々に管内に流し光学的に測定する方法(特開昭60-1
11963 号)が提案されているが、この方法は、感度の向
上を図ろうとすると、それに伴って全体の作業が煩雑化
し、高速度化が図れないという問題がある。
【0008】一方、特開昭56-151357 号には、抗体を固
定化した基板に被検液を接触させ、次いで抗体を固定し
た微粒子を反応させた後、基板上に捕捉された微粒子の
数を計数することを特徴とする方法が開示されている。
そして、基板上の異なる領域のそれぞれに異なる種類の
抗体を固定することによって、同時多項目分析が可能で
ある旨が記載されている。しかしながら、特開昭56-151
357 号には、抗体固定化基板としてスライドガラスを用
いた例が示されているにすぎず、ディスクを用いる技術
に関しては何ら開示されていない。スライドガラスを用
いた場合には、スライドガラス上への被検液の滴下、洗
浄及び計測を自動的かつ迅速に行なうことが困難であ
る。また、被検液はスライドガラス上に滴下されるだけ
で薄膜状に展開されないので、反応効率を高めることが
困難である。さらに、抗体固定微粒子の計測手段として
顕微鏡等を用いているため、計測の自動化及び高速化が
著しく困難であるという問題がある。
【0009】また、特開昭64-35373号には、上記特開昭
56-151357 号に記載の方法において微粒子として蛍光ラ
テックスを使用し、さらに計数手段として蛍光顕微鏡,
TVカメラ,画像処理装置を用いることにより、計数の
高感度化を図った技術が開示されている。しかし、これ
らの計数手段は、光ディスク技術を利用した計数手段に
比べ、計数の自動化,高速度化及び高感度化が困難であ
るという問題がある。
【0010】本発明は上述した問題点にかんがみてなさ
れたもので、免疫学的検査の高感度化及び全自動化,高
速度化を図ることのできる免疫学的定量分析方法の提供
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、抗体固定基板と
して回転可能なディスクを使用するとともに、抗体固定
微粒子の計数を光ディスク技術を利用して、ディスクを
回転させながら光ヘッドで走査して行なうことによっ
て、計数の自動化,高速化及び高感度化が図れることを
見出した。そして、ディスクへの被検液の滴下(分
注)、被検液の展開及び洗浄等の分析に必要な一連の操
作をディスク上で全て行なわせると、分析の完全自動化
及び迅速化が達成できることを見出し本発明を完成させ
るに至った。
【0012】すなわち本発明の免疫学的定量分析方法
は、回転可能なディスク上の半径方向に形成した複数の
流路の少なくとも1つの流路の一部に抗体もしくは抗原
を固定し、前記流路の内周部又は固定部に体液を導入し
た後、ディスクを回転して体液をディスク上に展開し、
体液中の分析対象物である抗原もしくは抗体を、ディス
ク上に固定された抗体もしくは抗原に抗原−抗体反応に
より捕捉せしめた後、さらに該抗原もしくは抗体に、そ
の抗原もしくは抗体と特異的に反応する抗体もしくは抗
原を固定してなる不溶性担体粒子を作用させ、前記抗原
もしくは抗体により捕捉された不溶性担体粒子の数を、
ディスクの半径方向に移動可能な光学読み取り装置を用
いて、ディスクを回転させながら計数するようにしてあ
り、好ましくは、光学読み取り装置の光源を収束レーザ
ー光源とし、さらに好ましくは、不溶性担体粒子の粒子
径を使用光源波長の1/5 〜1倍の大きさ、具体的には不
溶性担体粒子の粒子径を 0.1〜 5μm の大きさとしてあ
る。
【0013】以下、本発明を図面を参照しつつ詳細に説
明する。図1は本発明の免疫学的定量分析方法の手順を
示す説明図である。本発明の免疫学的定量分析方法にお
いては、抗体200を固定したディスク100(以下、
抗体固定ディスクという)を使用する(図1(I))。
【0014】ここで、ディスク100の大きさ,厚さ,
形状等は適宜選択され特に制限されないが、試料の展開
及びレーザー光等による分析に適するように、回転可能
なものであることが必要であり、このような観点からす
ると円板状(ディスク状)であることが好ましい。ま
た、図2に示すように、ディスク100に多数の突条1
00aを放射状に形成して多数の試料展開面100b及
び抗体200を固定した反応部100cを設けると、多
数の試料の分析を同時に行なえる。
【0015】ディスク100の形成材料としては、ポリ
カーボネート,ポリメチルメタクリレート,ポリスチレ
ン,ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリウレタン,
エポキシ樹脂等のプラスチック材料やガラス等の透明材
料が挙げられるが、好ましくは、ポリカーボネート,ポ
リメチルメタクリレート等のプラスチックディスクであ
る。このようにディスクを透明材料で形成するのは、レ
ーザー等による光学的分析を可能とするためである。
【0016】ディスク100に固定される抗体200
は、測定しようとする抗原によって異なるが、例えば、
測定しようとする抗原をある免疫動物(例えば、兎,山
羊,羊など)に投与して産生させたポリクロナール抗体
やモノクローナル抗体等が挙げられる。
【0017】抗体200をディスク100に固定するに
は、例えば、抗体の 0.05M トリス緩衝食塩水(TB
S)溶液(pH8.2 ,濃度0.5 〜10μg/ml)あるいは0.
05M 炭酸・重炭酸緩衝溶液(pH9.6 ,濃度0.5 〜10μ
g/ml) をディスク上に滴下し、4℃の温度下で一昼夜
(あるいは20〜30℃で 2時間)放置して、抗体200を
ディスク100上に物理的に吸着させればよい。この場
合、ディスク表面にスルホン基,アミノ基,カルボキシ
ル基またはその誘導体等の官能基を有するディスクを用
いることにより、抗体をディスク上に化学結合させるこ
ともできる( P.Tijssen著、石川栄治監訳“生化学実験
法11エンザイムノアッセイ”東京化学同人刊、岩崎辰
夫,安東民衛著“単クローン抗体ハイブリドーマとEL
ISA”講談社刊参照)。
【0018】本発明方法においては、まず、上記抗体固
定ディスク100上で、試料中の抗原300を抗原−抗
体反応により捕捉せしめる(図1(II))。ここで、分析
対象とされる試料としては、抗原を含む液体であれば特
に制限されない。例えば、血液,尿等の体液を挙げるこ
とができる。分析対象物である抗原は特に制限されない
が、例えば、C−反応性蛋白質(CRP)、α−フェト
プロティン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)等が挙
げられる。
【0019】ディスク100上で抗原−抗体反応を行な
わせるには、例えば、抗体固定ディスク上に分析対象物
である抗原300を含んだ検体試料を適量(例えば50μ
l 程度)滴下し、ディスク100を回転して、遠心力に
よって検体試料をディスク100上に薄膜状に展開する
ことによって、ディスク100上に固定された抗体20
0と検体試料中の抗原300との間に効率よく抗原−抗
体反応を行なわせることができる。この場合、抗原−抗
体反応に要する時間は 1〜 5分程度の短い時間で済む。
抗原−抗体反応後、捕捉された抗原300以外の残余の
検体試料は、リン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.
4)、あるいはトリス緩衝食塩水(TBS)(0.05M ,
pH8.2 )等を適量(例えば、1ml程度)滴下した後、
ディスク100を回転して洗い流す。次いで、上記抗原
−抗体反応後のディスク100に、抗原300と特異的
に反応する抗体400を固定してなる不溶性担体粒子5
00を作用させる(図1(III) )。
【0020】ここで、抗体400を固定してなる不溶性
担体粒子500とは、不溶性担体粒子(ラテックス)
(例えば、プラスチック粒子、コロイド粒子等)に、分
析対象物である抗原300に対する抗体400を、物理
的あるいは化学的に吸着または結合させて固定したもの
をいう。具体的には、例えば、1.0 %ラテックス水溶液
に抗体を入れ、室温で 2時間放置して、ラテックスに抗
体を物理吸着させる。その後、遠心分離にかけた後、上
清を捨て、吸着されなかった抗体を除去し、沈殿部にリ
ン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.4 )を注ぎ、再分散
させて作成される(特開昭62-267298 号,Applied and
Environmental Microbiology, Oct.1988, P2345-2348参
照) 。
【0021】不溶性担体粒子は、蛍光性を有するもの、
あるいは着色されたものであってもよい。この場合、蛍
光性あるいは着色性を利用した分析が可能となる。な
お、不溶性担体粒子自体が蛍光物質で形成されている場
合の他、蛍光材料でコーティングされている場合や蛍光
物質が不溶性担体粒子に付着している場合も含まれる。
なお、不溶性担体粒子の粒径については後述する。
【0022】上記のように調製された抗体を固定してな
る不溶性担体粒子を含んだ水溶液は、上述した抗原−抗
体反応後のディスク100に適量(例えば、50μl )
滴下され、ディスク100の回転によって展開されて、
ディスク100上に固定された抗体200に捕捉された
抗原300と、再度抗原−抗体反応を起こし、不溶性担
体粒子500に固定された抗体400を介して、不溶性
担体粒子が捕捉される(図1(III) )。ディスク上に捕
捉されなかった不溶性担体粒子は、上述した検体試料と
同様の方法で洗い流される。このようにして、サンプル
ディスクが作製される。
【0023】次に、上記サンプルディスク上の抗原によ
って捕捉された不溶性担体粒子の数または粒子数に相当
する物理量を測定手段600で測定して、抗原300の
数(抗原の濃度)を求める(図1(IV))。ここで、粒子
数等の測定手段600としては、光学的測定手段が好ま
しい。光学的測定手段としては、反射率の変化,特定波
長の光に対する吸収、蛍光強度あるいは偏光した光の変
光面の回転等の測定手段が例示される。
【0024】不溶性担体粒子の数を直接測定する場合に
は、光学的測定手段としてレーザーを用いる。使用され
るレーザー源としては、一般に使用されている半導体レ
ーザー等をそのまま利用でき、不溶性担体粒子の大きさ
に応じて適当なレーザー源が選択される。光学的測定手
段を具備した分析装置としては、例えば、図3に示すよ
うな装置が使用される(特願平1-092367号参照)。
【0025】同図において、100はディスクであり、
回転テーブル2上に装着されている。ディスク100の
下部外周には、ディスク100から落ちる試料を受ける
ための受け皿6が配置され、回収タンク7に回収される
ようになっている。モータ8はディスク100を回転さ
せるためのものであり、駆動制御回路9はモータ8の駆
動を制御するものである。ノズル11は、試料送り装置
12から送られる試料をディスク100上に滴下する。
光学式測定ヘッド14は、ディスク半径方向に延びる送
りねじ軸15に沿って往復移動する。モータ16はヘッ
ド14を駆動するためのものであり、駆動制御回路17
はモーター16の駆動を制御する。光学式測定ヘッド1
4はレーザー光の投光部と受光部を有し、図4(a)に
示すように、投光部からの照射光19はハーフミラー2
0,レンズ21を経て収束光として試料展開面100b
上の試料に照射され、試料から反射された反射光22は
受光部で受けられるようになっている。なお、図4
(b)に示すように、ディスクの裏面側から投射光19
を照射するようにしてもよく、また、反射光でなく、透
過光によって分析を行なうようにしてもよい。これらの
場合には回転テーブル2を透明材料で形成するか、ある
いは回転テーブル2を取り払う。
【0026】信号処理装置23は、ヘッド14に信号を
送り光源を点灯させる機能と、ヘッド14で受光された
光信号を処理し、分析する機能を有する。ディスプレイ
装置24は分析結果を画面表示し、記録装置25は分析
結果をプリントアウトして出力する。CPU(中央処理
装置)27は、試料送り装置12、駆動制御回路9及び
17、信号処理装置23等の制御を行ない、これをプロ
グラム通り作動させる。CPU27は、プログラムの操
作装置28と、プログラムの記憶装置29を有してい
る。
【0027】上記構成からなる分析装置によれば、免疫
学的定量分析の全ての工程をディスク上で行なうことが
でき、また、分析の全自動化を図ることができる。不溶
性担体粒子が蛍光を発するものである場合には、光学的
測定手段としてフォトディテクターを用いる。この場
合、フィルターを介在させることによって、特定波長
(例えば、397nm ,472nm ,577nm など)の蛍光強度を
検出し(図5(a))、その蛍光強度を粒子数に換算す
る(図5(b))。
【0028】なお、光学的測定手段と不溶性担体粒子の
粒径との関係については次のことがいえる。光学的測定
手段としてレーザーを用いる場合には、不溶性担体粒子
の粒径が小さくなるとレーザー光に対する信号が弱くな
りS/N比が悪くなるので好ましくない。一方、蛍光を
発する不溶性担体粒子を用いる場合には、蛍光強度を粒
子数に換算して、抗原濃度を測定しているので、粒径が
小さくてもよい。上記の観点及び抗原−抗体の反応性か
らすると、不溶性担体粒子の粒径は 0.1〜 5μm の範囲
内であることが好ましい。
【0029】計測した不溶性担体粒子の個数から抗原の
濃度を求めるには、抗原濃度既知の試料を用いること以
外は上述の場合と同様にし、抗原濃度と不溶性担体粒子
の数との関係を求めてあらかじめ検量線を作成してお
き、この検量線から抗原濃度を求めればよい。なお、上
述した本発明の免疫学的定量分析方法においては、説明
の都合上、ディスク/抗体/抗原/抗体/不溶性担体粒
子の構成となる場合を示したが、かわりに、ディスク/
抗原/抗体/抗原/不溶性担体粒子の構成とし、抗体濃
度の定量を行なうものとしてもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。実施例1 C−反応性蛋白質(CRP)抗体のトリス緩衝食塩水
(TBS)溶液(濃度5.06×10-6g/ml)5μl を、半径
6.5cm の回転可能なポリカーボネートディスクの半径 4
cmの地点に滴下し、ディスクを回転させて30.0mm2 の薄
膜状に均一に展開した。温室で 2時間放置した後、TB
S溶液(0.05M ,pH8.2) 200μl で 3回洗浄して抗
体固定ディスクを作成した。
【0031】また、粒径 0.2μm の不溶性担体粒子(ポ
リスチレンラテックス)を 1wt%含むリン酸緩衝食塩水
(PBS)(pH7.4 )中に、ヒトCRPを兎に投与し
て得られた抗CRP抗体を入れ、十分攪拌してポリスチ
レンラテックスにCRP抗体を固定(感作)させた。こ
れを遠心分離にかけた後、上清を除き、沈殿したラテッ
クスをPBSに再分散させ、抗体固定不溶性担体粒子
(抗CRPラテックス)を作製した。
【0032】次いで、検量線作成のため、上記抗体固定
ディスクを図3に示す分析装置の回転テーブル上にセッ
トしTBSで調製したCRP濃度既知の標準試料(1.0
×10-12g/ml ,1.0 ×10-11g/ml ,1.0 ×10-9g/ml,1.
0×10-7g/ml,1.0 ×10-6g/ml,1.0 ×10-5g/ml)を上
記で作成した抗体固定ディスク上の抗体固定部に10μl
滴下し、30℃で 5分間反応させ、抗体固定ディスク上に
固定された抗体に抗原を捕捉させた。その後、TBS
(0.05M ,pH8.2 ) 200μl で 3回洗浄して残ってい
る試料を除去した。さらに、このディスク上に上記で作
成した抗CRPラテックスのPBS溶液(ラテックス粒
子径 0.2μm , 1wt %)50μl を、ディスク半径 4cmの
地点に滴下し、回転により展開して、30℃で 5分間、イ
ンキュベーションし、その後TBS(0.05M ,pH8.2
) 200μlで 3回洗浄して検量線作成のためのサンプル
ディスクを作製した。
【0033】その後、1800rpm で回転させながら、ディ
スク上に捕捉されたラテックス粒子の個数を光学ヘッド
14( 830nmの波長の半導体レーザーを光源とする)で
走査しながら計測した。この結果を表1に示す。また、
この結果をもとに抗原濃度とラテックス粒子の個数の関
係をグラフ化し、図6に示すような検量線を得た。
【0034】次に、被検者から採血した血液を常法(遠
心分離)によって血清分離し、CRP濃度未知の試料を
3種類用意し、各試料を本発明方法及び従来法(LIA
法、三菱化成社製免疫検査装置LPIA100M使用)の両方法
でCRP濃度の定量を行なった。
【0035】なお、本発明方法の手順は上述した検量線
の作成の場合と同様であり、分析装置に装着した抗体固
定ディスク上に被検試料を滴下し反応させ、さらにその
上に抗CRPラテックスを50μl 滴下し反応させ、ディ
スク上に捕捉させたラテックス粒子の個数を計測し、こ
の計測されたラテックスの個数から、図6に示す検量線
にもとづきCRP濃度を求めた。反応時間は10分、ラテ
ックス計測時間 5分、合計15分間であった。上記両方法
によるCRP濃度の定量結果を表2に示す。
【0036】実施例2 不溶性担体粒子として、励起波長 560nm,蛍光波長 577
nmを有する赤色蛍光物質を含有した粒径 0.5μm のポリ
スチレンラテックスを用いたこと、TBSで調製したC
RP濃度既知の標準試料の濃度を、1.0 ×10-13g/ml ,
1.0 ×10-12g/ml ,1.0 ×10-9g/ml,1.0 ×10-7g/ml,
1.0 ×10-5g/ml,1.0 ×10-3g/mlとしたこと、及び図3
に示す分析装置における光学的測定ヘッドを 560nm付近
の単色光源及びフォトディテクターとし、図5に示した
ようにして蛍光強度からラテックスの個数を換算して検
量線を作成したこと以外は実施例1と同様にして、上記
CRP濃度未知の検体 100倍稀釈(TBSに稀釈)試料
についてCRP濃度の定量を行なった。反応時間は10
分、ラテックス計測時間は 3分、合計13分間であった。
CRP濃度の比較結果を表3に示す。また、得られた検
量線を図7に示す。
【0037】
【表1】 ─────────────────────── 抗原濃度 (g/ml) ラテックス 数 (個/360μm2) ─────────────────────── 1×10-12 1200 1×10-11 1460 1×10-9 2200 1×10-7 2890 1×10-6 3150 1×10-5 3360 ───────────────────────
【0038】
【表2】 ───────────────────── CRP濃度 (ng/ml) 検体番号 ─────────────── 本発明法 LIA法 ───────────────────── 1 319 320 2 541 540 3 210 210 ─────────────────────
【0039】
【表3】 ───────────────────── CRP濃度 (ng/ml) 検体番号 ─────────────── 本発明法 LIA法 ───────────────────── 4 3.3 測定不能 5 5.4 6 6 2.0 測定不能 ─────────────────────
【0040】
【表4】 ──────────────────────────── 抗原(AFP)濃度 (g/ml) ラテックス 数 (個/1000 μm2) ──────────────────────────── 1.0×10-12 270 1.0×10-10 395 1.0×10-8 630 1.0×10-6 1410 ────────────────────────────
【0041】表2及び表3から明らかなように、本発明
方法は従来法(RIA法,EIA法)に比べ、0.01〜
0.1 (ng/ml)のオーダーまで測定でき、感度が高く、し
たがって1ng/ml 以下の極微量成分の定量が可能とな
る。また、検査にかかる所要時間は、従来法(LIA
法)が 1〜2 時間なのに対し、本発明方法は10分〜30分
であり、検査の高速度化を実現しうる。さらに、従来法
(LIA法,EIA法)は出力信号がアナログなのに対
し、本発明方法においては出力信号をデジタル化できる
ため S/N比の向上、回路の簡便さという利点を有す
る。
【0042】実施例3 α−フェトプロテイン(AF
P)の定量 (1) ヒトAFPを予め兎に投与して得られたAFP抗体
(IgG)を従来法(石川栄治:酵素免疫測定法 第3
版 医学書院、小山次郎,大沢利昭著:免疫学の基礎
東京化学同人刊 P30〜P34 参照)によりペプシンで消化
し、IgGの不変領域Fc 部を除去し抗原抗体反応形成
部位である(Fab’)2 を得た。(図8参照)。
【0043】(2) 上記実施例と同様にチャンネルを設け
た回転可能なポリカーボネートディスク上のチャンネル
内の半径 3.5cmの部位に地点に(Fab’)2 のTBS
溶液(濃度 2.3×10-4g/ml)20μl を滴下し、30℃の状
態で 2時間静置しディスク上に抗体感作(物理吸着)さ
せた。その後吸着されなかった抗体をTBS 200μl で
3回洗浄し除去した。
【0044】(3) BSA(牛血清アルブミン)0.5 %含
有TBS溶液10μl を該抗体固定位置に滴下し、 4℃の
状態で24時間静置し、その後、界面活性剤であるTween-
20を 0.1%含有したTBS溶液(pH 8.2)200 μl で
3回洗浄した。
【0045】(4) 一方、読み取り使用光源である半導体
レーザー(波長 780nm)の1/2.6 倍波長の大きさである
Φ300nm ( 0.3μm )のポリスチレンラテックスに上記
(1) で得た抗体を実施例1の如く抗体感作し、感作ラテ
ックスを作製した(ラテックス濃度: 0.25wt%TBS溶
液)。
【0046】(5) 検量線作成のため濃度既知のAFP抗
原標準溶液(1.0 ×10-12g/ml ,1.0×10-10g/ml ,1.0
×10-8g/ml,1.0 ×10-6g/ml TBSにより稀釈)を2
0μlディスク上抗体固定部位に滴下し、30℃の状態で 5
分間静置し抗原抗体反応させ、ディスク上の固定抗体に
よりAFP抗原を捕捉させた。その後、未反応の試料は
実施例1と同様にTween-20含有TBS溶液(Tween-20濃
度 0.1%)200 μl で3回洗浄した。
【0047】(6) 上記 (4) で調整したAFP抗体感作
ラテックス20μl を該抗原捕捉部位に滴下し、30℃の状
態で 5分間静置し抗原抗体反応させ、該抗原にラテック
スを捕捉させた。捕捉されずに残ったラテックスは、Tw
een-20含有TBS溶液200 μlで 3回、さらに蒸留水 50
0μl で洗浄し塩とともに除去し、サンプルディスクを
作製した。
【0048】(7) その後、サンプルディスクを1800rpm
で回転させ波長 780nmの半導体レーザーを光源とした図
3に示した光学ヘッド14を走査させながらディスク上
に捕捉されたラテックスの個数を計測した。計測結果を
表4に示し、これらの個数をAFP抗原との関係をグラ
フ化した検量線を図9に示す。
【0049】(8) 被検者から採血した血液を実施例1同
様、従来法で遠心分離し血清を得た。この血清20μl を
上記(5) と同様に本発明法により反応させ、ラテックス
数を計数し検量線から濃度を検出したところ、0.1ng/ml
(1×10-10g/ml )の結果を得た。従来のRIAにより
測定したところほぼ同じ結果が得られた。また、従来の
LIA法の三菱化成LPIA100Mでは上記の被検試料は測定
出来なかった。被検試料滴下からラテックス個数計測ま
でに要した時間は15分であった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の免疫学的定
量分析方法によれば、免疫学的検査の測定濃度領域の拡
大、高感度化及び高速度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免疫学的定量分析方法の手順を示す説
明図である。
【図2】複数試料の同時分析を行なうための複数に区画
されたディスクを示す平面図である。
【図3】分析装置の一例を示す構成図である。
【図4】光学的分析手段による測定の態様を示す図であ
る。
【図5】蛍光強度を粒子数に換算する方法を示すグラフ
である。
【図6】実施例1における検量線を表わすグラフであ
る。
【図7】実施例1における検量線を表わすグラフであ
る。
【図8】実施例3で用いた抗原抗体反応形成部位(Fa
b’)2 を示す図である。
【図9】実施例3における検量線を表わすグラフであ
る。
【符号の説明】 100:ディスク 200:抗体 300:抗原 400:抗体 500:不溶性担体粒子
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (72)発明者 河野 孝之 千葉県袖ケ浦市上泉1660番地 出光石油化 学株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 回転可能なディスク上の半径方向に形成
    した複数の流路の少なくとも1つの流路の一部に抗体を
    固定し、前記流路の内周部に体液を導入した後、ディス
    クを回転して体液をディスク上に展開し、体液中の分析
    対象物である抗原を、ディスク上に固定された抗体に抗
    原−抗体反応により捕捉せしめた後、さらに該抗原に、
    その抗原と特異的に反応する抗体を固定してなる不溶性
    担体粒子を作用させ、前記抗原により捕捉された不溶性
    担体粒子の数を、ディスクの半径方向に移動可能な光学
    読み取り装置を用いて、ディスクを回転させながら計数
    することを特徴とした免疫学的定量分析方法。 【請求項2】 回転可能なディスク上の半径方向に形成
    した複数の流路の少なくとも1つの流路の一部に抗原を
    固定し、前記流路の内周部に体液を導入し、体液中の分
    析対象物である抗体を、固定された抗原との抗原−抗体
    反応により捕捉せしめた後、さらに該抗体に、その抗体
    と特異的に反応する抗原を固定してなる不溶性担体粒子
    を作用させ、前記抗体により捕捉された不溶性担体粒子
    の数を、ディスクの半径方向に移動可能な光学読み取り
    装置を用いて、ディスクを回転させながら計数すること
    を特徴とした免疫学的定量分析方法。 【請求項3】 光学読み取り装置の光源が収束レーザー
    光源であることを特徴とする請求項1または2記載の免
    疫学的定量分析方法。 【請求項4】 不溶性担体粒子の粒子径を、使用光源波
    長の1/5 〜1倍の大きさとしたことを特徴とする請求項
    1,2または3記載の免疫学的定量分析方法。 【請求項5】 不溶性担体粒子の粒子径を、 0.1〜 5μ
    m の大きさとしたことを特徴とする請求項1,2または
    3記載の免疫学的定量分析方法。
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