JPH055719B2 - - Google Patents

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JPH055719B2
JPH055719B2 JP59241289A JP24128984A JPH055719B2 JP H055719 B2 JPH055719 B2 JP H055719B2 JP 59241289 A JP59241289 A JP 59241289A JP 24128984 A JP24128984 A JP 24128984A JP H055719 B2 JPH055719 B2 JP H055719B2
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Japan
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signal
hull
estimated
disturbance
wave disturbance
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JP59241289A
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JPS61119493A (ja
Inventor
Takashi Morimoto
Kengo Takeda
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Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
Application filed by Yokogawa Electric Corp filed Critical Yokogawa Electric Corp
Priority to JP59241289A priority Critical patent/JPS61119493A/ja
Publication of JPS61119493A publication Critical patent/JPS61119493A/ja
Publication of JPH055719B2 publication Critical patent/JPH055719B2/ja
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、舶用オートパイロツトに係り、特に
外乱要素である積荷や波浪等を推定演算し、船体
に働くこれら外乱要素を補正することによつて最
適な制御ゲインを得て、常に船体を最適に操舵す
る舶用オートパイロツトに関する。更に述べるな
ら、外乱によるヨーイングを直接制御することに
より、保針性の向上を図り高信頼性を得ると共に
最適レギユレータ理論を利用することによつて省
燃費性の向上を満足させるようにした舶用オート
パイロツトを提供することにある。
<従来技術> 従来の舶用オートパイロツトは、例えば船首方
位信号発生器であるジヤイロコンパスからの船首
方位信号に基づいて自己位置を連続的に推定演算
して、船体を設定コース上にヨー軸周りの姿勢制
御のみで乗せる様な自動制御方法を採用している
のがほとんどであつた。即ち、ヨー軸周りの姿勢
制御のみで船体の設定コースと船首方位の差、変
針時の設定ターンレート(切替スイツチ等を用い
て手動でターンレートを設定し出力していた)と
実測のターンレートの差がゼロになる様に制御ゲ
インを航海士が調整し、比例・積分・微分(以下
「PID」という)制御を行つていた。以下この様
な舶用オートパイロツトを第10図の従来技術で
ある舶用オートパイロツトのブロツク線図を用い
て説明する。
第10図において、1は船体、2は船首方位信
号ψを出力するジヤイロコンパス、3は命令舵角
信号U0を演算し出力する演算部である。この演
算部3は船首方位信号ψと設定針路信号ψm0とか
ら針路偏差信号Δψ0を出力する減算器4と、ター
ンレート信号ψ〓(・は1階微分を表わす。以下同
様)を出力するターンレート演算部5(図では船
首方位信号ψを微分回路を用いて微分している
が、別途ターンレートメータ(図省略)を用いる
場合もある)と、ターンレート信号ψ〓と外部から
機械的に設定された設定ターンレート信号ψ〓m0
の差を取りターンレート偏差信号Δψ〓0を出力する
減算器51と、一次遅れもしくは二次遅れフイル
タ等から成る入力フイルタ部6と、この入力フイ
ルタ部6でフイルタリングされた針路偏差信号
Δψ^0(はフイルタリングを表わし、^は計算さ
れた値を表わす。以下同様)及びターンレート偏
差信号Δψ0をPID演算し命令舵角信号U0を出力
するPID演算回路7とから成る。8は命令舵角信
号U0に基づいて舵9を駆動させる舵取り機であ
る。
この様な構成の舶用オートパイロツトにおける
操舵機能を以下に説明する。
減算器4は、船首方位信号ψと設定針路信号
ψm0とを比較し、針路偏差信号Δψ0を入力フイル
タ部6に出力する。又、減算器51は、ターンレ
ート信号ψ〓と設定ターンレート信号ψ〓m0とを比較
し、ターンレート偏差信号Δψ〓0を入力フイルタ部
6に出力する。針路偏差信号Δψ0とターンレート
偏差信号Δψ〓0は、入力フイルタ部6であらかじめ
手動設定されたフイルタ設定値Mfに基づいてフ
イルタリングされ、針路偏差信号Δψ^0、ターン
レート偏差信号Δψ0としてPID演算回路7に導
かれる。PID演算回路7は、針路偏差信号Δψ^0
とターンレート偏差信号Δψ0を外部から航海士
によつて手動で設定される制御パラメータMg
(例えばPID制御ゲインや時定数)に基づいて
PID演算し、命令舵角信号U0として舵取り機8
に出力し舵9を駆動する。
ところで、この様な構成の舶用オートパイロツ
トには、次の様な問題点があつた。
:PID演算回路7において、回路の最適ゲイン
を決定する制御パラメータMgを外部から航海
士が手動設定しているため、船体1の運動特性
の変化に対して前記制御パラメータMgを適正
な値に調整することが困難である。
:仮に制御パラメータMgを適正な値に調整す
ることができたとしても、これを設定する航海
士にかかる負担は非常に大きなものとなる。
:制御パラメータMgを適正な値に調整できな
いと、望ましい制御特性、即ち高い保針能力
(針路保持)と高い変針能力(針路変更)が得
にくく、従つて輸送の高信頼性が望めず、又パ
イロツトシステムの省燃費化を達成することが
困難である。
:入力フイルタ部6は一次遅れ(又は、二次遅
れ)フイルタで構成されているので十分なフイ
ルタリング効果を期待することができない。
:変針時においては、設定ターンレートと実測
ターンレートとの差を検出しこの差に応じて一
定の設定ターンレート信号を変針終了時点まで
保持するので、船体が慣性の影響を受けて大き
くオーバーシユートをしてしまう。狭水道航行
中にオーバーシユートが大きいと、他船との衝
突や対岸への坐礁等の危険が生じる。
<先行技術> このため、本件出願人は、上述した従来技術の
問題点に鑑みて、特願昭59−91463号(特開昭60
−236894号参照)を出願した。第11図は、この
先行技術に記載された舶用オートパイロツトのブ
ロツク線図である。第11図において第10図と
重複する部分については同一番号を付けてその説
明は省略する。
第11図において、11は船体の動特性を演算
する船体動特性演算部である。この船体動特性演
算部11の主要構成要素は、船体特性推定演算部
12と、船体運動推定演算部15と、最適演算部
16とから構成される。これら各構成の概要は以
下のようになつている。
一般にある角度の舵9を取つた場合、船体1は
徐々に旋回を開始し、一定のターンレートに達し
た所で定常旋回を続ける。船体特性推定演算部1
2は、船首方位信号ψ、ターンレート信号ψ〓、舵
角信号δを入力して船体1の特性を推定演算を行
ない推定船体パラメータα^、β^を出力する。一方、
船首方位信号ψには操舵に有害な外乱(例えば船
体1の積荷等の条件変化等)が含まれる。この外
乱は周期的な動きとなつて船体1に発生する。即
ち、針路偏差信号Δψ0及びターンレート信号ψ〓と
の間には差が生じるので、その差に対してその都
度舵9を取つているとかえつて抵抗の増加とな
り、エネルギーロスとなる。しかし、低周期の外
乱に対しては、ある程度舵9を取つてやらない
と、船体1はとんでもない方向に進んでしまう恐
れがある。そこで船体運動推定演算部15は、船
体1の運動特性を推定演算し本当の船体1の動き
によるものと外乱によるものの内、操舵に有害な
高周波成分を取り除き、低周期の外乱と操舵に必
要な値を取り出して、推定針路方位信号ψ^、推定
ターンレート信号ψを出力する。最適演算部16
は、最適ゲイン演算部Gと、最適操舵量演算部1
9とから構成される。ここで、最適ゲイン演算部
Gは推定船体パラメータα^、β^を入力して最適ゲ
インであるゲイン行列K0を演算する。その構成
は、この船体1に見合つた最適ゲインの調整値を
決定する最適ゲイン調整則決定部17と、この最
適ゲイン調整則決定部17で決定された調整値を
入力し、最適ゲインテーブル(オンラインで定常
解を求めることはほとんど不可能なのであらかじ
め各種クラスの船体について最適な制御ゲインを
求めておき、ゲインテーブルとしてメモリ内に格
納してある)内から最適ゲインを決定する最適ゲ
イン決定部18とから成る。この最適ゲイン決定
部18が接続された最適操舵量演算部19は、推
定針路方位信号ψ^と推定ターンレート信号ψと設
定針路信号ψm0とを入力し、設定針路及び設定タ
ーンレート上に船体1が乗るように舵9を操舵す
る命令舵角Uδ1゜を演算し舵取り機8に出力する。
このような構成とすることで、上述した従来技
術の問題点は解決でき、オンラインでその船体に
最適な制御ゲインが決定できる。即ち、積み荷の
変化やバラストの変化による船体質量等の船体特
性が変化しても制御ゲインは自動的に変化に追従
できるので安定した操舵ができる。又、変針時に
おいてもオーバーシユート無く変針できる。等の
効果が得られる。
<発明が解決しようとする問題点> ところが上述した先行技術は、(1):舵角信号を
入力しているので海象条件の変化に対してもある
程度対応したゲインの調整は期待できるが、明確
に波浪等の外部外乱を識別できないため真の最適
ゲインの調整(即ち、舵角に換算された外乱によ
るヨーイングを小さくすること)はできない。言
替えれば、船体質量の変化のような船体特性に対
しては適応制御を行なうことができるが、大きな
海象変化である波浪外乱等に対しては、望ましい
制御特性や省燃費性は保持されず逆に劣化してし
まうことが判明した。従つて波浪外乱等の海象の
影響を大きく受けるような場合には上述した先行
技術では最良の保針特性の向上や燃費効率の向上
は望めない。従つて、波浪外乱等の海象の影響に
対するゲイン調整は、相変らず航海士が経験によ
り手動で行なつているので航海士にとつては負担
となる。という問題点がある。
<問題点を解決するための手段> (発明の目的) 本発明は上述した問題点に鑑みて成されたもの
であつて、波浪外乱等の海象状態を推定し、その
船体に大きな影響を及ぼす外乱の影響を受けない
ような外乱補正演算をし、最適な舵角信号を出力
する外乱特性演算部を設けて最適な操舵を自動で
行なうことが可能な舶用オートパイロツトを提供
することを目的とする。
(発明の概念) 船体に働く波浪外乱である海象条件の変化は、
変化状態を推定しこの推定値を追跡することで知
ることができる。即ち、波浪外乱によつて発生す
る誤差の補償は、この追跡結果をフイードバツク
することでできる。この結果、波浪外乱を含む船
体に大きな影響を及ぼす外乱に起因する制御特性
や燃費の劣化は防ぐことが可能となる。
ところで波浪外乱を推定するためには、波浪外
乱に関する数式モデルを作成し、この数式モデル
に基づき推定されたターンレート及び船首方位角
と実際の波浪外乱に基づいて測定されたターンレ
ートと船首方位角との差を求め、この差が最少に
なるように時々刻々演算すればよい。
一般に、実際の波浪外乱は、低周波正弦波から
高周波正弦波まで重ね合わされたものにランダム
波が加わつたものと解釈されている。しかしなが
ら全ての周波数の波浪を推定しようとすると全周
波数を数式モデル化し、計算機に組み込んで実時
間処理をしなければならないが、これは不可能で
ある。そこで、実際は船体に影響する波浪外乱の
うち制御可能な周波数帯の内パワーの大きい成分
例えば第1、第2波(他にパワーの大きい成分が
ある場合はその成分までをピツクアツプするよう
にしてもよい)を選択・推定(測定ターンレート
をフーリエ変換して周波数解析する)し、フイー
ドバツク補償する。即ち、船体の応答周波数は、
推定された船体パラメータから演算して求める
(以下に説明する実施例では、推定すべき波浪周
波数は、この応答周波数から低周波数領域におけ
る第1、第2波の波浪周波数とする)。
このような概念から本発明は構成される。
以下にこれ等を具体化した本発明の舶用オート
パイロツトの構成を述べる。
(発明の構成) 本発明の舶用オートパイロツトは、船体動特性
演算部と外乱特性演算部から構成され、船体に働
くあらゆる外乱要素に対応した最適操舵角信号を
舵取り機に出力するような構成とした。ここで、
船体動特性演算部と外乱特性演算部は、以下のよ
うに構成される。
船体動特性演算部においては、船首方位信号、
ターンレート信号、船速信号及び舵角信号から船
体特性の推定値である船体パラメータを船体特性
推定演算部で演算すると共に、船首方位信号、タ
ーンレート信号及び舵角信号から船首方位信号に
含まれる各種外乱要素の内操舵に有害な高周波成
分を船体運動推定演算部で推定演算して取り除い
て船体の動特性を演算して以下に述べる外乱特性
演算部に出力する。
外乱特性演算部は、船体動特性演算部の各出力
が入力すると共に、船首方位信号、ターンレート
信号及び舵角信号が入力して最適舵角信号を出力
するために、波浪外乱推定演算部、整定判定部、
比較判定部、ゲインリセツト指令部、波浪外乱周
波数決定部、海象判定部及び外乱補正演算部で構
成される。尚、これら各部は、次のような構成と
関係にある。
船体に働く波浪外乱は、船首方位信号とターン
レート信号と舵角信号と(以下に詳述する)波浪
外乱周波数決定部からの波浪外乱周波数が入力す
る波浪外乱推定演算部で推定演算される(ゲイン
リセツト指令部からのゲインリセツト指令信号も
入力するが推定演算をする場合は関係ない)。こ
の波浪外乱推定演算部の推定演算経過(結果が整
定状態に達したか否か)は、船首方位信号とター
ンレート信号が同時に入力する整定判定部で判定
される。
一方、波浪外乱推定演算部の推定演算結果は、
船首方位信号とターンレート信号が入力する比較
判定部に導かれて波浪外乱の推定モデルと比較さ
れる。
その船体にとつて制御可能な波浪外乱周波数
は、比較判定結果と船体パラメータとターンレー
ト信号とが接続された波浪外乱周波数決定部で演
算され決定される。この決定された波浪外乱周波
数は、波浪外乱推定演算部にフイードバツクする
と共に海象判定部に出力する。海象判定部では、
波浪外乱周波数とターンレート信号に基づいて波
浪の状態を判定し外乱補正演算部に出力する。
船体動特性推定演算部と整定判定部と海象判定
部が接続される外乱補正演算部は、船体に働く波
浪動特性の外乱及び積荷等の船体自体から発生す
る外乱について補正演算し最適操舵角信号を舵取
り機に出力する。
<発明の実施例> 上述した構成の具体的実施例について、以下図
面を用いて説明する。
第1図は本発明の舶用オートパイロツトのブロ
ツク線図、第2図は第1図のフローシートであ
る。第1図において第10図、第11図と重複す
る部分・機能については同一番号・符号を付けて
その説明は省略する。
第1図において、11Aは船体特性推定演算部
12と船体運動推定演算部15′(第10図で示
す針路偏差はこの回路内で得るものとする)とか
ら構成される船体動特性演算部、20は外乱要素
を演算して最適操舵角信号Uδを出力する外乱特
性演算部である。この外乱特性演算部20は、船
体動特性演算部11Aが接続されると共に船首方
位信号ψとターンレート信号ψ〓と舵角信号δが入
力し、最適操舵角を演算して最適操舵角信号Uδ
を出力するために、波浪外乱推定演算部21と、
整定判定部22と、比較判定部23と、ゲインリ
セツト指令部24と、波浪外乱周波数決定部25
と、海象判定部26と、外乱補正演算部27とか
ら構成される。
以下に、これら各部を第1図及び第2図を基に
更に詳細に説明する。
≪波浪外乱推定演算部21≫ 波浪外乱推定演算部21は、船首方位信号ψ、
ターンレート信号ψ〓、舵角信号δ及び以下に詳述
する波浪外乱周波数決定部25で決定された波浪
外乱周波数を入力して、船体1にとつて制御可能
な周波数の波浪外乱Wdの大きさを推定演算す
る。このことを演算式で表わすと以下のようにな
る。
船体に影響する波浪の内、制御可能な周波数帯
の中のパワーの大きい成分である第1波
(Ad1sin(ω1t+θ1))、第2波(Ad2sin(ω2t+θ2
))
を選択した時の推定すべき波浪外乱Wdのモデル
は、 Wd(t)=Ad1sin(ω1t+θ1) +Ad2sin(ω2t+θ2) …(1) となる。但し、Ad1、Ad2は推定すべき波浪外乱
の振幅、θ1、θ2は推定すべき波浪外乱の位相であ
る。ここで波浪外乱Wdのモデルを微分し、波浪
外乱Wdの動きの速さを求めると、 W〓(t) =Ad1W1cos(ω1t+θ1) +Ad2W2cos(ω2t+θ2) …(2) を得る。この(1)、(2)式に基づいて設定される波浪
外乱推定値(ヨーイングWd(t)、波浪外乱推定値
(外乱による舵角)W^d(t)は、 Wd(t) ={A^d1W1cos(ω1t+θ^1) +A^d2W2cos(ω2t+θ^2) +K51(ψ〓−ψ)+K52(ψ−ψ^ +K51V1+K52V2 W^d(t)=Wd(0)+∫t 0[Wd(t)]dt …(3) で表わされる。但し、A^d1、A^d2は波浪外乱の推
定振幅、θ^1、θ^2は波浪外乱の推定位相、K51、K52
は各推定パラメータ(Wd、Ad1、Ad2、θ1、θ2
に関する推定誤差の分散を最小にするように決定
される推定ゲイン、tは時刻である。
尚、波浪外乱Wdの推定振幅A^d1、A^d2は、 Ad1=K61(ψ〓−ψ)+K62(ψ−ψ^) …(4) Ad2=K71(ψ〓−ψ)+K72(ψ−ψ^) …(5) で表わされている。但し、K61〜K72は振幅Ad1
Ad2に関する推定誤差の分散を最小にするように
決定される推定ゲインである。又、波浪外乱の推
定位相θ^1、ψ^2は、 θ1=K81(ψ〓−ψ)+K82(ψ−ψ^) …(6) θ2=K91(ψ〓−ψ)+K92(ψ−ψ^) …(7) で表わされる。但し、K81〜K02は振幅θ1、θ2に関
する推定誤差の分散を最小にするように決定され
る推定ゲインである。
以上述べたように、波浪外乱推定演算部21に
入力する船首方位信号ψ、ターンレート信号ψ〓、
舵角信号δ及び波浪外乱周波数ω1、ω2は、これ
ら推定式に基づいて船体1にとつて制御可能な周
波数の波浪外乱の大きさを推定演算し、この推定
結果を整定判定部22と比較判定部23に出力す
る。
≪整定判定部22≫ 整定判定部22は、波浪外乱推定演算部21が
接続される一方、船首方位信号ψ及びターンレー
ト信号ψ〓が入力し、波浪外乱の推定が整定状態に
達したか否かを判定する。
整定状態に達したとみなすのは、 :波浪外乱Wd、推定ゲインK51、K52の平均値
の変化率をモニタして、これがあらかじめ各種
クラスの船体や各海象レベル毎に異なる値に設
定された設定値εK51、εK52以下である時、及び、 :ターンレートの変化(ψ〓−ψ)の自乗(以
下「観測残差」と略称する)の平均・平方根
(以下「RMS」(oot ean quare)と
略称する)の相対変化率がある値に設定された
設定値ε〓以下となつた時、 である。以下に演算式を用いて説明する。
については以下のようになる。
現在の時刻TRから過去の時刻TR-NまでのN個
の推定ゲインK51のサンプル平均値51(TR)は、51 (TR) =(1/N)Ri=R-N K51(Ti) …(8) となる。この推定ゲインK51の平均値51(TR
の相対変化率K51′(TR+1)は、 K51′(TR+1)=|{51(TR+1) −51(TR)}/51(TR)| …(9) となる。ここで、K51′(TR+1)は、 K51′(TR+1)≦εK51 …(10) の関係にあればよい。以上の関係を図に表わすと
第3図A,Bの波浪推定ゲイン特性図のようにな
る。同様に現在の時刻TRから過去の時刻TR-N
でのN個の推定ゲインK52のサンプル平均値52
(TR)は、52 (TR) =(1/N)Ri=R-N K52(Ti) …(11) となる。この推定ゲインK52の平均値52(TR
の相対変化率K52′(TR+1)は、 K52′(TR+1)=|{52(TR+1} −52(TR)}/52(TR)| …(12) となる。ここで、K52′(TR+1)は、 K52′(TR+1)≦εK52 …(13) の関係にあればよい。
又、については以下のようになる。
現在の時刻TRから過去の時刻TR-NまでのN個
の観測残差νのRMSであるRMS(TR)は、RMS (TR) =√(1/N)Ri=R-N {ψ〓(T1)−ψ(T1)}2 …(14) となる。この観測残差νのRMSであるRMS(TR
の相対変化率ν′(TR+1)は、 ν′(TR+1)=|{(TR+1) −(TR)}/RMS(TR)| …(15) となる。ここで、ν′(TR+1)は、 ν′(TR+1)≦ε〓 …(16) の関係にあればよい。以上の関係を図に表わす
と、第4図A〜Dの時間に対するターンレートの
変化特性図及び観測残差のRMSの変化率特性図
となる。
これら、となつた時に整定状態に達したと
みなし波浪外乱の推定が完了したことを判定す
る。推定が完了した場合は、(2)、(3)式の波浪外乱
推定値(ヨーイング)信号Wd(t)と波浪外乱推定
値(外乱による舵角)信号W^d(t)を外乱補正演算
部部27に出力する。
≪比較判定部23≫ 比較判定部23は、波浪外乱推定演算部21が
接続される一方、船首方位信号ψ及びターンレー
ト信号ψ〓が入力し、実際の波浪外乱とあらかじめ
設けられた波浪外乱を推定する推定モデルとの比
較結果を出力する。
ところで、(1)〜(16)式により波浪外乱の推定が完
了しても、第4図のTZ以降に示すように、海象
が変化すれば波浪外乱レベルも変化するので、推
定モデルと実際の波浪外乱との間に差が生じる。
又、船体動特性演算部11の演算結果及び(1)〜(7)
式までの各推定ゲインは、一度整定域に達すると
微小な値となり、以後この微小な値を保持するた
め、最早推定能力は失われてしまうという問題が
ある。
そこで比較判定部23では、波浪外乱推定演算
部21の出力と船首方位信号ψ及びターンレート
信号ψ〓とを入力し、実際の波浪外乱と推定モデル
との比較結果(例えばここでは不一致という結
果)を自動的に検出し(即ち、モデルの不一致判
定は(14)式を変形した推定後の観測残査ν*(TM
(=[1/M)Ri=1 {ψ〓(T1)−ψ(T1)}21/2)をモニ
タしておこなう)、上述した微小推定ゲインを正
常な値にリセツト復帰させ、その海象での波浪外
乱を再度推定するような機能を有する。
即ち、推定整定後に船体1が別の海流に突入し
た場合は、推定後の観測残差ν*(TM)が時間と共
に増大し始める(第4図D参照)。従つて、比較
判定部23は、この増大値に上限設定値lを設定
し、この上限設定値lを越えたら、推定モデルが
実際の波浪と大きくずれたと判断し判定信号をゲ
インリセツト指令部24に出力する。
尚、比較判定部23のモデルの不一致判定は、
推定後の観測残差ν*(TM)の自己相関関数を計算
して、この相関関数の値が小さい程(0に近い
程)モデルは実際の波浪と合つているので、推定
後の観測残差ν*(TM)の相関関数を演算してモニ
タし、これが上限設定値lを越えたら推定モデル
不適合と判断するようにしてもよい。
≪ゲインリセツト指令部24≫ ゲインリセツト指令部24は、比較判定部23
の判定信号を入力し、比較結果が不一致となつた
場合、上述した微小推定ゲインを正常な値にリセ
ツト復帰させ(推定船体パラメータα^、β^を除い
た全パラメータの推定ゲイン(例えば(3)〜(7)式の
K51〜K92)を初期値にもどす)、その海象での船
体1の波浪外乱Wdを再度推定するような指令信
号を波浪外乱推定演算部21と船体運動推定演算
部15′にフイードバツクする。
尚、このゲインリセツト24は、最適な推定値
を常時保持するという性質上設置したほうがよい
が、図の破線で示すように省略してもよく、必ず
しも必要な機能ではない。ゲインリセツト24を
省略した場合は比較結果が不一致となつた場合の
信号を波浪外乱推定演算部21と船体運動推定演
算部15′にフイードバツクする。
≪波浪外乱周波数決定部25≫ 海象が変化した時、船体特性推定演算部12か
らの推定船体パラメータα^、β^とターンレート信
号ψ〓と比較判定部23からの判定信号を入力する
波浪外乱周波数決定部25は、その海象における
その船体1が制御可能(又は応答可能)な低周波
数帯の最大値(その船体の保針性に最も影響を及
ぼす値)及び第2の値の周波数から船体1にとつ
て制御可能な波浪外乱を決定する。このことを演
算式で表わすと、以下のようになる。
船体1の不規則雑音(平均値は0)を含んだタ
ーンレートy(t)は、 y(t)=ψ〓(t)+v(t) …(17) となる。この値をフーリエ変換する。即ち、 y(n) =(1/T)・∫T/Z -T/Zy(t)e-Tntdt …(17)′ となる。但し、n=0、±1、±2、…とする。波
浪外乱周波数決定部25は、この(17)′式のy(n)の
操作を比較判定部23からのモデル不一致の信号
を受信した後に必ず実行すれば、ターンレートψ〓
に関する周波数スペクトルが得られ、容易に制御
可能な低周波数帯の最大値及び第2の値の周波数
から波浪外乱が決定できる。以上の関係を図にす
ると第5図の制御可能な波浪外乱周波数帯特性図
のようになる。
尚、第5図において、Fは(17)′式を演算するフ
ーリエ変換部、Wは推定船体パラメータα^を入力
し波浪外乱周波数帯ωc(=α)を演算する波浪外
乱周波数演算部、ωεは制御可能な低周波数帯域
である。
尚、上述したのは第1、第2の周波数成分のみ
についてであれば、これに限定されるものではな
い。即ち、フーリエ変換後、第3周波数成分以降
の周波数を設定して、波浪外乱を推定してもよ
い。このようにすれば、更にフイードバツク制御
特性は良くなる。
≪海象判定部26≫ 海象が変化すれば波浪外乱Wdの状態も変化
し、波浪外乱Wdの大きさの推定も再度実行しな
ければならないし、波浪外乱フイードバツクも変
更しなければならない。海象判定部26はこの再
度の海象レベルの自動判断の決定を実現するため
に設けられたものである。即ち、ターンレート信
号ψ〓と波浪外乱周波数決定部25で決定された波
浪外乱周波数ω1、ω2が入力する海象判定部26
は海象の状態を判定する。即ち、海象判定部26
は(17)′式から下記のパワースペクトル密度S(n)を
演算する。
S(n)=|y(n)|2 …(18) このパワースペクトル密度S(n)の最大値が、あ
らかじめ決めておいた海象での設定値以下か以上
かでその時の海象レベルを判断し決定する(尚、
この海象判定部26は、推定された波浪外乱Wd
をフーリエ変換したデータを用いて行なう構成と
してもよい)。
今、海象の状態を、目視波高が0〜0.1m程
度の鏡のように滑らかな海象(以下「CALM
SEA」という)、目視波高が2.5〜4m程度の波
がやや高い海象(以下「ROUGH SEA」とい
う)、目視波高が4.0〜6m程度の波がかなり高
い海象(以下「VERY ROUGH SEA」とい
う)、目視波高が6m以上の非常に荒れた海象
(以下「HIGH ROUGH SEA」という)に区別
すると、その時の海象レベルの判断は、 :CALM SEAの場合は、 MAX[S(n)]≦Φwd0 …(19) となるので、波浪外乱の推定は原則として行わ
ない。
:ROUGH SEAの場合は、 Φwd0<MAX[S(n)]≦Φwd1 …(20) となるので、波浪外乱の推定を行なう。
:VERY ROUGH SEAの場合は、 Φwd1<MAX[S(n)]≦Φwd2 …(21) となるので、波浪外乱の推定を行なう。
:HIGH ROUGH SEAの場合は、 Φwd2<MAX[S(n)] …(22) となるので、船体の安全性のために波浪外乱の
推定は原則として行なわない。
とし、これら判断結果に基づいて判定波浪外乱周
波数ω10、ω20を外乱補正演算部27に出力する。
≪外乱補正演算部27≫ ところで、船体の運動方程式は、 ψ^(t)=−αψ〓(t)+βUδ1゜(t) …(23) で表わすことができる。但し、α、βは船体自体
のパラメータである。波浪外乱Wd(t)は外乱によ
るヨーイングを等価的な舵角に置き換えたもので
あるから(23)式は、 ψ^(t)=−αψ〓(t)+βUδ1゜(t)+βWd(t) …(24) と表わすことができる。即ち、外乱補正演算部2
7は、命令舵角信号Uδ1゜(t)に波浪外乱Wd(t)に対
する操舵角を加えることにより船体に大きな影響
を及ぼすところの外乱要素によるヨーイングを小
さくすることを可能にした演算を行なう。即ち、
外乱補正演算部27は、船体動特性演算部11A
と整定判定部22と海象判定部26とが接続さ
れ、船体1に働く波浪外乱Wd(t)の影響と船体自
体が積荷等によつて発生する外乱要素によつて受
ける影響を補正演算し最適操舵角信号Uδを舵取
り機8に出力するように構成され、大別して以下
の2つの演算を行なう。
第1は、船体特性推定演算部12から出力され
る推定船体パラメータα^、β^と海象判定部26の
出力値である判定波浪外乱周波数ω10、ω20を入
力し船体の重み行列〓、〓を決定し、この船体の
重み行列〓、〓と推定船体パラメータα^、β^と判
定波浪外乱周波数ω10、ω20からその海象におけ
るその船体の重み列〓、〓に基づく最適の制御ゲ
インK6゜、K7゜がオンラインで演算され、整定判定
部22からの推定された波外乱推定値(ヨーイン
グ)Wd(t)、(外乱による舵角)W^d(t)と掛合わさ
れて船体1に働く波浪外乱Wd(t)の影響を補正す
る演算し、第1の操舵角UδA゜(t)を得る。この第
1の操舵角UδA゜(t)は、 UδA゜(t)=−K6゜Wd(t) −K7゜W^d(t) …(25) となる。
第2は、同じくその海象におけるその船体の重
み行列〓、〓に基づいて最適の制御ゲインK1゜〜
K5゜がオンラインで演算され、この制御ゲインK1
〜K5゜と推定針路方位信号ψ^、推定ターンレート
信号ψ、設定ターンレートψ〓m0、設定針路方位
ψm0とが掛合わされて積荷等によつて発生する外
乱の影響を補正する演算をし第2の操舵角UδB゜(t)
を得る。この第2の操舵角UδB゜(t)は、 UδB゜(t)=−K1°ψ(t)−K2゜ψ^(t)−K3゜ψ〓m0(t) −K4゜ψm0(t)−K5゜∫{ψ(t)−ψm0(t)}dt
…(26) で表わせる。但し、K1゜〜K5゜は最適ゲインであ
る。この第1の操舵角UδA゜(t)と第2の操舵角
B゜(t)を加算して最適舵角信号Uδを操舵角8に
出力する。
以上の最適な制御ゲインを得る技術を、一般的
に公知の最適レギユレータ理論を利用した省エネ
ルギ評価関数と呼ばれる評価関数JEで説明すると
次のようになる。
一般に、評価関数JEは、 JE=λ1Δ0 2+λ2 2 +λ3(′)2+λ4(∫02 …(27) と定義でき、制御ゲインはこの評価関数JEの値が
最小になるようにすることで得ることができる。
但し、0 2は針路偏差の自乗平均、2は操舵角
の自乗平均、(′)2は無次元化ターンレートの自
乗平均、(02は積算針路偏差の自乗平均、
λ1、λ2、λ3、λ4は重み係数をそれぞれ表わす。こ
こで、船体運動システムを状態変数で表わすと、 〓(t)=〓X(t)+〓U(t) 〓(t)=〓X(t) …(28) となる。但し、〓(t)、〓(t)は状態スペクトル、〓
は船体自体のパラメータαから成るシステム行
列、〓は船体自体のパラメータβから成る入力行
列、U(t)は制御ベクトル、〓は出力行列である。
ここで状態ベクトル〓(t)は、 X(t)=ψ(t) ψ(t) ψm0(t) ψm0(t) ∫Δψdt Wd(t) Wd(t) …(29) となる。但し、∫Δψdtは針路偏差の積算値であ
る。
又、状態ベクトル〓(t)は、 〓(t)=ψ(t)−ψm0(t) ψ(t)−ψm0(t) ∫Δψdt Wd(t) Wd(t) …(30) となる。ところで、2次形式評価関数をJ(t)とし
た時、この2次形式評価関数J(t)は、 J(t)=E[〓T(t1)〓゜〓(t1) +∫t1 t2(〓T(t)〓〓(t) +UT(t)〓U(t)}dt] …(31) で表わすことができる。但し、時刻t1>t0の関係
にあり、〓、〓は重み行列である。尚、重み行列
〓、〓はその船体に特有の値(船体自体のパラメ
ータα、βにより決定される。但し、これを別の
方法で設定するようにしてもよい)であつて、判
定波浪外乱周波数ω10、ω20での海象におけるそ
の船体の重み係数と省エネルギ評価関数JEから決
定される。ここでこのシステムの最適制御ゲイン
Zは、この最適レギユレータ理論を利用して計
算される。即ち、最適制御ゲイン〓Zは、 〓Z=−〓−1・〓T・〓゜ …(32) で表わされ(但し、〓゜はリカツテイ方程式の〓
=0とした時の定常解として得られる)、2次形
式評価関数J(t)を最小にするような値となる。
ところで、本システムは外乱要素を舵9に現わ
れた関接的な値で捕えているので、2次形式評価
関数J(t)を最小にするような最適制御ゲイン〓Z
は、重み行列〓、〓をその船体1に最適な値に設
定することにより真の最適ゲイン〓Z゜に近い値と
なる。即ち、最適制御ゲイン〓Zは、 〓Z゜≒〓Z =[K1゜K2゜K3゜K4゜K5゜K6゜K7゜]…(33) と表わすことができる。即ち、得られた最適制御
ゲイン〓Zにより各要素の出力であるUδ1(t)〜Uδ7
(t)演算の為の各最適ゲインK1゜〜K7゜の値が設定さ
れる。尚、最適制御ゲイン〓Zが変化するのは船
体自体のパラメータα、β及び判定波浪外乱周波
数ω10、ω20が変化した時のみであるから、この
時に新しい最適制御ゲイン〓Zを計算すればよい。
以上から、最適操舵角信号Uδ(t)は、 Uδ(t) =−[K1゜ψ(t)+K2゜ψ^(t) +K3゜ψ〓m0(t)+K4゜ψm0(t) +K5゜∫{ψ^(t)−ψm0(t)}dt +K6゜Wd(t)+K7゜W^d(t)] =Uδ1(t)+Uδ2(t)+Uδ3(t) +Uδ4(t)+Uδ5(t)+Uδ6(t) +Uδ7(t) …(34) と表わすことができる。ここで、∫{ψ^(t)−ψm0
(t)}dtは、針路方位から設定針路方位を減算し、
これを積算して針路偏差の積算値を計算すること
を表わす。以上のことを図に表わすと第6図の外
乱補正演算部の具体的ブロツク線図となる。
第6図において、28は推定船体パラメータ
α^、β^と海象判定部26の出力値である判定波浪
外乱周波数ω10、ω20に基づいて重み行列〓、〓
を決定する〓、〓決定演算部、29は〓、〓決定
部28に接続され海象判定部26の出力値である
判定波浪外乱周波数ω10、ω20と重み行列〓、〓
と推定船体パラメータα^、β^からオンラインでそ
の海象における最適の制御ゲインを決定する制御
ゲイン決定部、30〜36は制御ゲイン決定部で
決定された値に基づいてUδ1(t)〜Uδ7(t)を出力す
るK1゜〜K7゜演算部、37は推定針路方位信号ψ^か
ら設定針路信号ψm0を減算し針路偏差Δψ0を出力
する減算部、38は針路偏差Δψ0を積算する積算
部、39はK1゜〜K7゜演算部30〜36で演算され
たUδ1(t)〜Uδ7(t)の全てを加算し最適操舵角信号
Uδを出力する加算部である。尚、〓、〓決定演
算部28と制御ゲイン決定部29は外部に設定し
てもよい。又、設定針路信号ψm0と設定ターンレ
ートψ〓m0は外部から入力してもよいし内部に発信
器等を設けて得るようにしてもよいし、船体動特
性演算部11Aから入力してもよい。
尚、上述した実施例では最適制御ゲインK1゜〜
K7゜までの演算をオンラインで行なう場合で説明
したが、必ずしもこのようにオンラインで行なう
必要はなく、あらかじめ多くの最適制御ゲインを
計算により求めておき、それをフイードバツクゲ
インテーブル(メモリ記憶型式)として記憶さ
せ、推定船体パラメータα^、β^と判定波浪外乱周
波数ω10、ω20により選択する方法をとつてもよ
いことはいうまでもない。
この第6図の構成はマイクロコンピユータで構
成してもよい。このような場合の構成を、第7図
マイクロコンピユータで構成した時の機能構成図
として示す。
第7図において、27Aはマイクロコンピユー
タで構成した外乱補正演算回路、271は演算装
置、272は推定針路方位信号ψ^を入力する推定
針路方位入力インターフエイス(以下「I/F」
と略称する)、273は推定船体パラメータα^、β^
を入力する推定船体パラメータ入力I/F、27
4は設定ターンレート信号ψ〓m0を入力する設定タ
ーンレート入力I/F、275は設定針路信号
ψmoを入力する設定針路入力I/F、276は
推定ターンレート信号ψを入力する推定ターンレ
ート入力I/F、277は判定波浪外乱周波数
ω10、ω20を入力する判定波浪外乱周波数入力
I/F、278はリードオンメモリ(ROM)、
279はランダムアクセスメモリ(RAM)、2
80は演算されたデジタルの最適操舵角信号Uδ
をアナログ信号に変換し出力するデジタルアナロ
グ変換器(DAC)、281は波浪外乱推定値(ヨ
ーイング)Wd(t)、波浪外乱推定値(外乱による
舵角)W^d(t)を入力する波浪外乱推定値入力I/
Fである。
このマイクロコンピユータの処理手順は以下の
とおりである。入力された各信号(α^、β^、ω10
ω20)を前回値と比較し、全く変化が無かつた場
合は外乱要素の演算に基づいて引続き最適操舵角
の演算を行ない、入力信号の内どれか1つでも変
化した場合は新しい重み行列〓、〓を計算して新
しい最適制御ゲイン〓Zを演算し、この新しい最
適制御ゲイン〓Zで外乱要素の演算を行ない、更
に最適操舵角の演算を行なう。以上の処理を繰り
返し行なう。
第8図は、第1の操舵角UδA゜(t)を演算する場
合のフローシートを表わしたものである。
第9図は、操舵角を制限させたい場合の一例を
示したブロツク線図である。第9図において、4
0は舵角リミツタ、41は舵角リミツト値Liを入
力する舵角リミツト値入力I/Fである。尚、舵
角リミツト値Liは固定又は可変としてよい(勿論
この舵角リミツタは付けなくとも何等システムの
性能には影響しない)。
以上は第6図のみをマイクロコンピユータで構
成した場合について述べたが、他の各部も同様に
マイクロコンピユータで構成することは容易であ
る。
尚、本発明に船速信号を用いる構造、即ち、船
速信号を船体特性推定演算部に取り入れて船体特
性を推定するような構成としてもよい。このよう
にすれば船速変化に逐次対応した補正値が得られ
るので、本システムの精度はさらに向上する。
<発明の効果> 以上、実施例及びその他の実施例と共に本発明
を具体的に説明したが、推定船体パラメータα^、
β^と推定針路方位信号ψ^と推定ターンレート信号
ψと、船体に働く波浪外乱を推定演算した波浪外
乱推定値(ヨーイング)Wd(t)、波浪外乱推定値
(外乱による舵角)W^d(t)と判定波浪外乱周波数
ω10、ω20とから船体に最適な操舵角を演算し舵
取り機を操舵する構成の本発明の舶用オートパイ
ロツトによれば、 A:船体特性や波浪を推定する推定機能を設けた
ので、船体の保針性及び燃費性を劣化させる外
乱の時間的変化に対応した制御ができる。特に
従来不可能であつた波浪外乱の直接フイードフ
オワードが可能となつたので、外乱によるヨー
イングを従来以上に押え込むことができ、的確
な舵を切ることができる。加えて、比較判定機
能を付加したので、時間で激しく変化する波浪
外乱の推定が正しく行なわれたか否かを自動的
に判断でき、従つて波浪外乱を直接フイードバ
ツクモードに自動で入れられる。言替えれば、
海象が変化してもこれによるモデルのミスマツ
チを自動的に判断できるので海象変化に対して
人為的判断を必要とせずに海象変化を知ること
が出来る。又、推定ゲインを自動リセツトさせ
ることにより、海象変化後の波浪外乱を自動追
跡、推定できる。
B:本システムは、あらゆるクラスの船体の制御
可能な周波数帯を自動設定できる(制御ゲイン
があらかじめ多くの船体の特性別に計算されて
メモリ内に記憶設定されているので、オンライ
ンでその船体に最適な制御ゲインが決定でき
る)と共に、任意の海域での海象レベル(荒れ
の程度)を自動判断できる(言替えれば任意の
海象下において、制御可能な周波数帯の推定す
べき波浪外乱周波数が自動設定できる)。従つ
て、本システムは、船体の種類や海象条件に対
応して的確に船体応答波浪外乱を推定でき、波
浪外乱に対応した制御量を得ることができる。
故に、従来のように航海士が海の状態を見て制
御ゲインを選定しなくともよいので、航海士へ
の負担が軽くなると共に経験にとんだ航海士が
いなくとも、それと同等以上の操舵を行なうこ
とができる。
C:従来の自動操舵装置に比べ高精度の保針制御
が可能となり、狭水道の航行又は避行がより安
全に行なえる。即ち、どのような情況における
変針時においてもオーバーシユート無く的確に
変針できるので、無駄な操舵をせず高い変針性
を満足しつつ高い安全性、高信頼性を保持しつ
つ燃料消費量を最小にすることができる。
D:第12図は先行技術において「評価関数JE
113」とした時の船体の時間応答特性図であり、
第13図は本願発明において「評価関数JE
48」とした時の船体の時間応答特性図である。
これより明らかなように先行技術に比較して本
願発明の方が針路偏差Δψ0が小さいことが判
る。
等の効果が得られる。即ち、保針性が向上し、そ
の結果として省燃費性の両面を満足させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の舶用オートパイロツトのブロ
ツク線図、第2図は第1図のフローシート、第3
図A,Bは波浪推定ゲイン特性図、第4図A〜D
は時間に対するターンレートの変化特性図及び観
測残差のRMSの変化率特性図、第5図は制御可
能な波浪外乱周波数帯特性図、第6図は外乱補正
演算部の具体的ブロツク線図、第7図は第6図を
マイクロコンピユータで構成した時の機能構成
図、第8図は波浪補正舵角を演算する部分のフロ
ーシート、第9図は操舵角を制限させたい場合の
一例を示したブロツク線図、第10図は従来技術
である舶用オートパイロツトのブロツク線図、第
11図は先行技術に記載された舶用オートパイロ
ツトのブロツク線図、第12図は先行技術におい
て「評価関数JE=113」とした時の船体の時間応
答特性図、第13図は本願発明において「評価関
数JE=48」とした時の船体の時間応答特性図であ
る。 1……船体、12……船体特性推定演算部、1
5……船体運動推定演算部、20……外乱特性演
算部、21……波浪外乱推定演算部、22……整
定判定部、23……比較判定部、24……ゲイン
リセツト指令部、25……波浪外乱周波数決定
部、26……海象判定部、27……外乱補正演算
部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 船首方位信号、ターンレート信号及び舵角信
    号に基づいて制御すべき船体に最適な操舵角信号
    を得る構成の舶用オートパイロツトにおいて、 前記船首方位信号と前記ターンレート信号と前
    記舵角信号とを入力して推定船体パラメータと推
    定針路方位と推定ターンレートを演算し、推定船
    体パラメータと推定針路方位信号と推定ターンレ
    ート信号を出力する船体動特性演算部と、 該船体動特性演算部が接続されると共に前記船
    首方位信号と前記ターンレート信号と前記舵角信
    号が入力し、前記推定船体パラメータと前記船首
    方位信号と前記ターンレート信号及び前記舵角信
    号から前記船体に働く波浪外乱を推定し判定波浪
    外乱周波数と波浪外乱推定値を得、前記船体動特
    性演算部から入力された前記推定船体パラメー
    タ、前記推定針路方位信号、前記推定ターンレー
    ト信号と前記判定波浪外乱周波数、前記波浪外乱
    推定値に基づいて前記船体に大きな影響を及ぼす
    外乱要素の補正演算をし、前記最適な操舵角信号
    を出力する外乱特性演算部と、 を具備したことを特徴とする舶用オートパイロツ
    ト。 2 前記船体動特性演算部は、 前記船首方位信号と前記ターンレート信号と前
    記舵角信号から船体特性の推定値である推定船体
    パラメータを演算し出力する船体特性推定演算部
    と、 前記船首方位信号と前記ターンレート信号と前
    記舵角信号から前記船体の運動を推定演算し前記
    推定針路方位信号と前記推定ターンレート信号を
    出力する船体運動推定演算部と、 で構成したことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の舶用オートパイロツト。 3 前記外乱特性演算部は、 前記船首方位信号と前記ターンレート信号と前
    記舵角信号と波浪外乱周波数信号から前記船体が
    制御可能な周波数の前記船体に働く波浪外乱の大
    きさを推定演算する波浪外乱推定演算部と、 該波浪外乱推定演算部が接続されると共に前記
    船首方位信号と前記ターンレート信号を入力し、
    前記波浪外乱推定演算部の推定が完了したか否か
    を判断し前記波浪外乱推定値を出力する整定判定
    部と、 前記波浪外乱推定演算部が接続されると共に前
    記船首方位信号と前記ターンレート信号を入力
    し、前記船体に働く実際の波浪外乱と波浪外乱推
    定のための推定モデルとの比較結果を出力する比
    較判定部と、 前記ターンレート信号と前記推定船体パラメー
    タと前記比較判定部の比較信号を入力し、波浪外
    乱周波数を決定し前記波浪外乱周波数信号を出力
    する波浪外乱周波数決定部と、 前記ターンレート信号と前記波浪外乱周波数信
    号を入力し、前記波浪外乱の状態から海象状況を
    判定し前記判定波浪外乱周波数を出力する海象判
    定部と、 前記船体動特性演算部と前記整定判定部と前記
    海象判定部が接続され、前記船体に働く外乱要素
    の補正演算をして前記最適な操舵角信号を出力す
    る外乱補正演算部と、 で構成したことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の舶用オートパイロツト。
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