JPH0556942U - 高炉装入用シュート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高炉装入用シュートは、高炉炉内高温雰囲気
で、鉱石、コークス、石灰石等の装入物の衝突摩耗、滑
走摩耗による激しい損摩耗を受ける過酷な環境下にあ
り、保護ライナーが損耗、破孔したり、シュート本体が
曲損、折損したりするため、苛酷な条件の下にも従来よ
り比較的長期の寿命が得られる高炉装入用シュートを提
供する。 【構成】 高炉用炉頂装入装置に用いられ、原料を分配
装入するためのシュートにおいて、シュートの少なくと
も一部にシュート本体鉄皮の内側にゲタを立設し、該ゲ
タに一体に上鉄板を設置し、シュート本体鉄皮の内側に
適宜区間に仕切る空間を設けるとともに、該上鉄板の表
面に保護ライナーを固設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高炉炉内に鉱石、コークス、副原料等を分配装入するシュートに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

高炉炉内に、鉱石、コークス、石灰石等の原料を分配装入するには、その原料 の炉内分布を精度よく制御して高炉操業を安定化させるために、原料分配装入用 旋回シュートが設けてある。この旋回シュートは、高炉炉内高温雰囲気で、該鉱 石、コークス、石灰石等の装入物の衝突摩耗、滑走摩耗による激しい損摩耗を受 ける過酷な環境下にある。従って、寿命が極めて短く、従来から該シュート内面 に耐摩耗用保護ライナーを設ける手段が多く採用されてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記耐摩耗用保護ライナーを設けたシュートにおいて、該保護 ライナーの厚みが小さいとライナーが損耗、破孔し、ライナーの寿命を長く維持 するため厚みを大きくするとシュートに過負荷が生じ、また該鉱石、コークス、 石灰石等の装入物の衝撃力も加わって、シュート本体に高応力が発生し、曲損、 折損したりするという問題があった。

【０００４】 また、一方において、特開昭５８−１８９３１３号公報に記載されているよう に、比較的軽量で耐熱、耐摩耗性のよいセラミックスを敷設することによって耐 用寿命を向上させた旋回シュートも提案されているが、比較的コストが高くなり 、使用中に割れや剥離が生じるため大きな効果が得られていないというのが現状 である。

【０００５】 本考案は、このような問題に鑑み、過酷な条件の下にも従来より比較的長期の 寿命が得られる高炉装入用シュートを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、高炉用炉頂装入装置に用いられ、原料を分配装入するためのシュー トにおいて、シュートの少なくとも一部に、シュート本体鉄皮の内側にゲタを立 設し、該ゲタに一体に上鉄板を設置して、シュート本体鉄皮の内側に適宜区間に 仕切る空間を設けるとともに、該上鉄板の表面に保護ライナーを固設することで 構成されている。

【０００７】

【作用】

本考案は、シュート本体鉄皮の内側にゲタを立設し、その上を上鉄板と保護ラ イナーで覆うことによって適宜区間に仕切られた空間を設けることで、保護ライ ナーと上鉄板が破孔した場合、該空間に原料が堆積し、自主耐摩耗効果を発揮す る。ここで、堆積した原料は、仕切られた空間にのみ存在するので、シュートの 重量の増加は僅かであり、シュート本体の負荷はほとんど増加せず、シュート本 体を損耗させることなく、長期の寿命を得ることができる。

【０００８】 ここで該ゲタの高さは、２０ｍｍ〜５０ｍｍが好ましい。また、該ゲタによっ て形成される仕切られた空間の面積は、シュート内面表面積の１％〜１０％が好 ましい。ゲタの高さが５０ｍｍより大きいとシュート内の原料通過面積が減少し 、あるいはゲタの重量が大きくなり又は堆積原料が増加してシュートへの負荷が 増加し、２０ｍｍより小さいと該空間に原料の堆積ができず、あるいは該空間内 で原料が転動して摩耗の防止ができない。

【０００９】 また、該ゲタによって形成される仕切られた空間の面積がシュート内面表面積 の１％より小さいとゲタの重量が大きくなってシュートへの負荷が増加し、１０ ％より大きいと堆積原料が増加してシュートへの負荷が増加し、あるいは原料が 転動滑走して耐摩耗効果がない。

【００１０】 また、前記の自主耐摩耗効果を有することで、予め保護ライナーの厚みを小さ くすることができ、この時シュート内表面レベルを変化させることがないので、 装入物の通過軌跡が変化しない。これによってライナー重量が低減され、シュー トの負荷が減少する。

【００１１】 尚、ゲタによって適宜区間に仕切られる空間の大きさは、保護ライナーの各位 置での摩耗の大きさを考慮して、位置毎に変化させてもよい。

【００１２】

【実施例】

本考案は実施例について、図を参照しながら、詳細に説明し、本考案の理解に 供する。図３は従来からの高炉装入用旋回シュート４の縦断面図である。図３に 示すようにストーンボックスライナー部５とスムースライナー部６からなってお り、ストーンボックスライナー板８とスムースライナー板９とが接触部７で境を 接して設けられている。３は本体である。

【００１３】 図１は本考案の高炉装入用シュートを示すもので（ａ）は一部分の縦断面図、 （ｂ）は横断面図である。この図に示すように上鉄板（一体のため図示せず）に 貼り合わされたスムースライナー板９と旋回シュート本体３の間にゲタ１を立設 した。図２はゲタの部分の平面図であり、ゲタ１により空間２が形成されている 。この例においては、保護ライナーの摩耗の激しい底面付近では、損耗の少ない 側面よりも密になった空間２を形成した。

【００１４】 ここで、ストーンボックスライナー板８とスムースライナー板９の接触部７は 同一平面となっており、従来のもの（図３）ではこの部分のスムースライナー板 ９は、他の部分より厚みが大きかったが、ゲタ１を立設することで、該接触部７ を同一平面に保持した状態で該接触部７のスムースライナー板９の厚みをゲタ１ の高さ分だけ低減し、他の部分を略同等の厚みとした。

【００１５】 これによって、スムースライナー板９が鉱石、コークス、石灰石等の原料の衝 突摩耗、滑走摩耗による激しい損摩耗を受けて破孔した場合でも、ゲタ１によっ て仕切られた空間２に原料が堆積することで、自主耐摩耗効果を有し、シュート 本体３がほとんど損耗しない。また、ライナー重量が低減されているため、装入 物の通過軌跡が変化することなくシュート本体３の負荷も減少し、全体として従 来のシュート寿命よりも１．２〜２．０倍の長期寿命を得ることができた。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、シュートにゲタを立設し、適宜仕切空間を設けることで、保 護ライナーが破孔した場合、該空間に原料が堆積し、自主耐摩耗効果を発揮する のでシュート本体はほとんど損耗しない。しかも、自主耐摩耗効果を有すること で、予め保護ライナーの厚みを小さくすることができ、この時シュート内表面レ ベルを変化させることがないので、装入物の通過軌跡が変化せず、これによって ライナー重量が低減され、シュートの負荷が減少し、長期の寿命を得ることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の高炉装入用シュートの一部分の縦断面
図（ａ）および横断面図（ｂ）

【図２】ゲタの部分の平面図

【図３】従来の高炉装入用シュートを示す縦断面図

【符号の説明】

１ ゲタ ２ 空間 ３ シュート本体 ４ 高炉装入用旋回シュート ８ ストーンボックスライナー板 ９ スムースライナー板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 栗原 喜一郎 福岡県北九州市戸畑区飛幡町１番１号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高炉用炉頂装入装置に用いられ、原料を
   分配装入するためのシュートにおいて、シュートの少な
   くとも一部にシュート本体鉄皮の内側にゲタを立設し、
   該ゲタに一体に上鉄板を設置し、シュート本体鉄皮の内
   側に適宜区間に仕切る空間を設けるとともに、該上鉄板
   の表面に保護ライナーを固設したことを特徴とする高炉
   装入用シュート。