JPH055680A - 分析用固体標準試料の製造方法 - Google Patents

分析用固体標準試料の製造方法

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JPH055680A
JPH055680A JP15702691A JP15702691A JPH055680A JP H055680 A JPH055680 A JP H055680A JP 15702691 A JP15702691 A JP 15702691A JP 15702691 A JP15702691 A JP 15702691A JP H055680 A JPH055680 A JP H055680A
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JP
Japan
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standard sample
alloy powder
analysis
powder
prepare
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JP15702691A
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English (en)
Inventor
Shigeki Tomiyama
茂樹 冨山
Masanao Narita
正尚 成田
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の偏析がなく金属組織的に均一で、しか
も1つの試料に多くの元素がバランスよく含まれた分析
用固体標準試料の製造方法を提供すること。 【構成】 複数の元素を配合した原料を溶解して溶湯を
製造し、該溶湯を急冷するとともに粉末化して合金粉末
を形成し、該合金粉末に合金粉末より低融点の金属粉末
を加えたものを材料として、高温・高圧で焼結して標準
試料を製造する分析用固体標準試料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光X線分析や発光分
光分析に使用される分析用固体標準試料の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄鋼及び各種金属の化学成分
の分析には、精度が良くしかも検出が迅速なことから、
蛍光X線分析や発光分光分析が広く行われている。そし
て、これらの方法による定量分析では、通常、予め多数
の標準試料で決定した検量線によって、測定値を分析値
に換算する方法が一般的に用いられている。
【0003】ところが、上記分析による測定強度は、設
置環境,装置条件等によって変動するので、常に正しい
分析値を得るためには、この変動を補正する必要があ
る。つまり、基準強度が既知の標準試料を測定すること
により、予め作成してある検量線の修正を行なう必要が
ある。
【0004】上記検量線の修正は校正と呼ばれ、この校
正方法としては、次の2つの方法が知られている。即
ち、検量線の上下2点の試料を測定することによる2点
校正法と、検量線を代表する3〜5点の試料を用いる直
接検量線修正法である。そして、上記いずれの校正の場
合にも、基準とすべき標準試料が必要であり、この標準
試料としては、例えば分析が容易な所定形状(直径φ
32〜40mm,高さ10〜30mm)であること,偏析
がなく#100〜#240の研磨ベルトで研磨可能なこ
と,分析目的の元素を含有しており、その含有量が適
切であること等が要求されている。
【0005】この様な校正用の標準試料としては、通
常、市販試料や自家製のものが用いられており、これら
は、原料を溶解し、その後溶湯を冷却し凝固させた後
に、圧延・鍛伸等の工程を経て製造されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の校正用の標準試料の製造方法では、冷却速度が
試料の場所によって異なるなどの理由により、試料の偏
析が生じ易く、金属組織的に均一なものを製造すること
は非常に困難であるという問題があった。
【0007】また、目的元素を多種類添加すれば、圧延
・鍛伸時に割れが発生し易いという別な問題もあるの
で、1つの試料に添加する元素の数を制限する必要があ
り、そのため校正試料を多くしなければならない。とこ
ろが、校正試料を多くすると、当然校正作業に多くの時
間をとられて、分析作業の能率が低下するという問題が
生じてしまう。
【0008】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れ、試料の偏析がなく金属組織的に均一で、しかも1つ
の試料に多くの元素がバランスよく含まれた分析用固体
標準試料の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの請求項1の発明は、複数の元素を配合した原料を溶
解して溶湯を製造し、該溶湯を急冷するとともに粉末化
して合金粉末を形成し、該合金粉末を材料として高温・
高圧で焼結して標準試料を製造することを特徴とする分
析用固体標準試料の製造方法を要旨とする。
【0010】また、請求項2の発明は、前記合金粉末
に、合金粉末より低融点の金属粉末を加えたことを特徴
とする前記請求項1記載の分析用固体標準試料の製造方
法を要旨とする。ここで、固体標準試料に添加する元素
としては、B,C,N,O,F,Na,Mg,Al,S
i,P,S,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,
Co,Ni,Cu,Zn,Ca,Ge,As,Se,
Y,Zr,Nb,Mo,Pd,Ag,Cd,Sn,S
b,Te,Cs,Ba,La,Ce,Pr,Nd,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Lu,Hf,Ta,W,Pt,Au,Pb,Bi,
Th,U等が採用できる。
【0011】上記溶解を行なう雰囲気としては、例えば
真空中,不活性気体中,大気中が挙げられ、加熱装置と
しては高周波炉等が挙げられる。また、加熱温度として
は、例えば1600℃程度を採用できる。上記合金の粉
末化を行なう方法としては、ガスによって急冷して霧化
するガス噴霧法が好適であるが、それ以外にも、水噴霧
法や遠心噴霧法等を採用できる。尚、粉末化された合金
は、分級されて粒度が一定にされることが望ましいが、
その粒度の範囲は、例えば10〜50μmである。
【0012】更に、合金粉末に加える金属としては、溶
解歩留りの悪い例えばZn等の低融点金属が挙げられ、
その添加される低融点金属の量は、0〜0.5重量%の
範囲が好適である。尚、この低融点金属を加えた混合物
をより均一に混ぜ合わせるために、例えばノルマルヘキ
サン等の有機溶剤を加えることが望ましい。
【0013】焼結の温度としては、試料の種類によって
異なるが、例えば1150〜1200℃程度を採用で
き、真空中(10-4Torr)で、焼結時間は1〜2時間程
度が望ましい。
【0014】
【作用】請求項1の発明では、複数の元素を配合した原
料を溶解し、その溶湯を急冷するとともに粉末化して合
金粉末を形成するので、複数の元素が偏析することなく
各合金粉末にほぼ均一に含まれることになる。そして、
この合金粉末を材料として、高温高圧のもとでいわゆる
HIP法にて焼結するので、一層各元素が均一に分布す
ることになり、偏析が防止されるとともに、金属組織が
均一化される。
【0015】特に、前記合金粉末に、低融点の金属粉末
を加えることができるので、溶解歩留りの悪い金属元素
を所定量含んだ試料を、容易に製造することが可能とな
る。
【0016】
【実施例】次に、本発明を一層明らかにするために、好
適な実施例に基づいて説明する。本実施例の分析用固体
標準試料の製造方法は、図1に示す様に、以下の工程よ
り成り立っている。
【0017】(:原料配合工程)主成分の鉄及びそれ
に添加する元素からなる材料を、所定量配合して原料を
調製する。 (:原料溶解工程)前記の工程にて配合した原料
を、高周波炉に入れて、大気中にて1600〜1650
℃で、1〜1.5時間加熱して溶解し、溶湯を製造す
る。
【0018】(:粉末製造工程)この溶湯を、図2に
示す様なガスアトマイズ装置1に入れ、上部の溶融室2
から落下する溶湯3に窒素ガス4を吹き付けて、冷却す
るとともに粉末化し、合金粉末を製造する。
【0019】(:分級工程)次いで、この合金粉末の
粒度を均一化するために、例えば200メッシュ以下のふる
いを用いて分級を行なう。 (:混合工程)更に、溶解歩留りの悪い、例えば純度
99.999重量%のZnの様な低融点の粉末試薬金属
を、前記合金粉末に所定量添加して混合する。尚、この
際には、混合をより均一に行わせるために、ノルマルヘ
キサン等の有機溶剤を加える。
【0020】(:HIP焼結工程)そして、前記の混
合物を、例えば1100〜1150℃で、圧力1000
気圧にて約1時間加熱して、HIPによる焼結を行な
う。 (:切断工程)最後に、焼結されたものを、所定寸法
に切断して、本実施例の分析用固体標準試料を製造す
る。
【0021】この様に、本実施例の方法によれば、目的
元素を必要量だけ添加して、所望の組成の標準試料を容
易に製造することが可能であり、しかも合金粉末の使用
量を調節することによって、任意の量だけ標準試料を製
造することができる。また、この製造方法によって形成
された標準試料は、急冷して製造した合金粉末を焼結し
たものであるので、偏析が少なく金属組織が均一である
という優れた特長を有する。
【0022】しかも、溶解の歩留りの悪い低融点の金属
元素の場合も、合金粉末に混合するという方法によっ
て、標準試料に所定量を確実に含有させることができる
という利点がある。次に、本実施例の効果を確認するた
めに行った実験例について説明する。
【0023】(実験例1)本実験例では、主成分の鉄以
外に、下記表1の配合目標を設定し、この配合目標とな
る様に、上記実施例の方法で、合金粉末に対してHIP
を行って標準試料を製造した。そして、蛍光X線分析に
よって各元素の量(重量%)を求めた。その結果を同じ
く表1に示す。尚、比較例として、従来の様に、高周波
炉を使用して大気中で溶解し、冷却及び鍛伸を行って標
準試料を製造し、同様に蛍光X線分析を行った。その結
果を同じく表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】この表1から明かな様に、本実施例の方法
によれば、本実施例の標準試料は、配合目標に極めて近
い配合比が得られるので好適であるが、比較例の方法に
よる標準試料は、配合比とかなり違っており好ましくな
い。 (実験例2)本実験例では、上記実験例2で使用した標
準試料の偏析の状況を調べた。つまり、図3(A)に示
す様に、長さ300mm,直径35mmの標準試料に対し、
その軸方向に15mm毎のZnの偏析状況を、蛍光X線分
析によって調べた。その結果を、図3(B)に示すが、
横軸は標準試料の一方の端部からの距離を示し、縦軸は
Znの分析値(重量%)を示している。また、比較例の
標準試料についても、同様にZnの偏析状況を調べた。
その結果を同じく図3(B)に記す。
【0026】この図3から明かな様に、本実施例の方法
による標準試料は、全ての部位においてZnの偏析が少
なく好適であったが、比較例の方法による標準試料は、
全ての部位においてZnの偏析が多く好ましくはない。 (実験例3)本実験例では、主成分の鉄以外に、下記表
2に示す各元素と測定の対象となるPとを加えた材料を
使用し、Pの含有量を違えて上記実施例の方法で標準試
料を製造した。そして、蛍光X線分析によってPの検量
線を求めた。その結果を図4に示す。尚、比較例とし
て、従来の溶解・冷却・鍛伸による方法で、標準試料を
製造し、同様にPの蛍光X線分析を行った。その結果を
同じく図4に示す。
【0027】尚、図4において、本実施例は粉末HIP
による標準試料を示しており、比較例は従来の圧延・鍛
伸の熱処理を施した標準試料を示しており、更にアズキ
ャスト(AS CAST)とは、圧延や鍛伸を施さない溶解・
冷却のままのものを示している。
【0028】
【表2】
【0029】図4から明かな様に、本実施例による標準
試料を使用すると、目標となる配合比に近いグラフが得
られ好適であるが、比較例による標準試料を使用したも
のでは、目標の配合比からややずれたグラフしか得られ
ず好適ではない。以上本発明の実施例を説明したが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではなく、その要
旨を逸脱しない範囲内で種々なる態様にて実現すること
ができることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】上述した様に、本発明では、標準試料を
製造する方法として、溶湯を急冷して粉末化して合金粉
末を高温・高圧で焼結する方法を採用しているので、標
準試料中の偏析がなく金属組織的に均一で、しかも1つ
の試料に多くの元素がバランスよく含まれた分析用固体
標準試料を、極めて容易に製造することができる。ま
た、標準試料に含有させる元素の配合比を、目標配合比
に精密に調製することができる。
【0031】特に、合金粉末より低融点の金属粉末を合
金粉末に加えることによって、溶解の歩留り低い金属
を、精密かつ容易に標準試料に含有させることができる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の製造工程を示す工程図である。
【図2】 ガスアトマイズ装置を示す説明図である。
【図3】 実験例2の実験方法及びその結果を示す説明
図である。
【図4】 実験例3の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ガスアトマイズ装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の元素を配合した原料を溶解して溶
    湯を製造し、該溶湯を急冷するとともに粉末化して合金
    粉末を形成し、該合金粉末を材料として高温・高圧で焼
    結して標準試料を製造することを特徴とする分析用固体
    標準試料の製造方法。 【請求項2】 前記合金粉末に、合金粉末より低融点の
    金属粉末を加えたことを特徴とする前記請求項1記載の
    分析用固体標準試料の製造方法。
JP15702691A 1991-06-27 1991-06-27 分析用固体標準試料の製造方法 Pending JPH055680A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100402028B1 (ko) * 2001-09-12 2003-10-17 주식회사 포스코 합금철 정량분석용 몰드형 시료의 제조방법
CN108709657A (zh) * 2018-04-12 2018-10-26 中山大学 一种双模纳米荧光温度计及其制备方法

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