JPH055663U - 電動式四輪操舵装置 - Google Patents

電動式四輪操舵装置

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JPH055663U
JPH055663U JP6220291U JP6220291U JPH055663U JP H055663 U JPH055663 U JP H055663U JP 6220291 U JP6220291 U JP 6220291U JP 6220291 U JP6220291 U JP 6220291U JP H055663 U JPH055663 U JP H055663U
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steering angle
rear wheels
electric
steering
wheel
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勇 竹間
広 恵田
広之 狩野
信康 安藤
薫 清野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バッテリーの消耗を防止して、車両の走行に支
障を来したり、後輪に舵角が付与されたままの状態とな
るのを防止する。 【構成】バッテリーの電圧に応じて、後輪に付与し得る
舵角の最大値である舵角制限値を求め、後輪に対してこ
の舵角制限値を越えた舵角を付与しない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係る電動式四輪操舵装置は、自動車の操舵装置として利用し、自動 車の進路を変更する場合に、前輪だけでなく後輪の向きも変える事で、回転半径 を小さくしたり、或は車両の走行安定性を保てる様にするものである。
【0002】
【従来の技術】
狭い道での進路変更を容易に行なえる様に、自動車の回転半径を小さくする為 、或は、高速走行時に於ける進路変更でも車両の走行安定性が保たれる様にする 為、ステアリングホイールを操作した場合に、前輪だけでなく後輪も動かす四輪 操舵装置が、近年使用される様になって来た。又、電動モータ等を組み込んだ電 動式アクチュエータにより後輪への舵角付与を行なう、電動式の四輪操舵装置も 従来から研究されている。
【0003】 例えば、本考案者は先に、図4に示す様な電動式四輪操舵装置を考案した(平 成2年特許願第235553号)。この先考案に係る電動式四輪操舵装置は、車 両の走行速度が比較的低い場合にのみ、後輪への舵角付与を電動モータにより行 ない、高速走行時に於ける進路変更の際には、遠心力に基づいて後輪に舵角を付 与する、所謂コンプライアンスステア機構により後輪への舵角付与を行なうもの である。
【0004】 この先考案に係る電動式四輪操舵装置に於いては、運転席に設けられたステア リングホイール1の動きは、ステアリングシャフト2によりステアリングギヤ3 に伝えられて、前輪用出力軸4を軸方向(図4の左右方向)に亙って変位させ、 この前輪用出力軸4の両端部にそれぞれ連結された左右1対のナックルアーム5 、5を介して、前輪6、6に所望の舵角を付与する。
【0005】 前記ステアリングシャフト2を挿通したステアリングコラム7には、前輪舵角 センサ8、8が支持されており、この前輪舵角センサ8、8が検出するステアリ ングシャフト2の回転角から、前輪6、6に付与される舵角を検出自在としてい る。尚、前輪舵角センサ8、8を2個設けるのは、一方の前輪舵角センサ8が故 障した場合にも所望の制御を行なえる様にする、フェイルセーフを図る為である 。
【0006】 又、車両の後部床面には、後輪9、9への舵角付与機構を納める為のハウジン グ10が、車両の幅方向(図4の左右方向)に亙る変位を不能として、支持され ている。そして、このハウジング10の内側に後輪用出力軸11が、左右方向( 車両の幅方向)に亙って挿通されている。この後輪用出力軸11は、軸方向(図 4の左右方向)に変位する事により、前記後輪9、9に舵角を付与するもので、 後輪用出力軸11の左右両端部と各後輪9、9とは、ナックルアーム12、12 により結合されている。
【0007】 そして、前記後輪用出力軸11が軸方向に変位する事に伴なって、各後輪9、 9が操舵中心13、13を中心として揺動し、前記後輪用出力軸11の変位量に 見合う舵角が、前記各後輪9、9に付与される様にしている。又、各後輪9、9 の操舵中心13、13は、各後輪9、9の着力点14、14(タイヤ下面と地面 との接触面の中心)よりも距離lだけ、車両の前進方向(図4の上方向)後方( 同図下方)に位置させている。
【0008】 一方、前記後輪用出力軸11の中間部で、前記ハウジング10の内側に位置す る部分には、ラック歯15を固設している。又、前記ハウジング10の中間部内 側に、前記後輪用出力軸11と捻れの位置関係で回転自在に支持された、伝達軸 16の一端部(図4の上端部)には、ピニオン歯17を固設し、このピニオン歯 17を、前記ラック歯15と噛合させている。又、前記伝達軸16の他端(図4 の下端)にはウォームホイール18を固設している。
【0009】 又、電動式アクチュエータを構成する為、前記ハウジング10の外面に電動モ ータ19を支持固定している。そして、この電動モータ19の回転駆動軸(図示 せず)により、電磁クラッチ20を介して回転駆動される出力軸21には、ウォ ーム22を固設し、このウォーム22を前記ウォームホイール18と噛合させる 事で、前記出力軸21の回転により、前記後輪用出力軸11を軸方向に亙って変 位させる減速機構を構成している。尚、前記電動モータ19を含む電気部品は、 図示しないバッテリーから通電される。
【0010】 この減速機構は、動力の伝達方向に可逆性を有するものとし、前記出力軸21 の回転に伴ない、後輪用出力軸11を軸方向に変位させる他、後輪用出力軸11 の軸方向の変位に伴なって、前記出力軸21を回転させる様にしている。但し、 前記減速機構の逆効率は低く抑える事により、前記各後輪9、9に付与した舵角 をそのまま保持する際に、後述するセンタリングスプリング23の圧縮による荷 重が、そのまま前記電動モータ19に加わらない様にしている。又、電動モータ 19には回転角センサ24を付設して、この電動モータ19の回転量を検出自在 とし、その検出値を次述する制御器25に入力している。
【0011】 前記伝達軸16の一端には2個の変位センサ26、26を設けて、前記後輪用 出力軸11の変位量を、伝達軸16を介して検出自在としている。これら2個の 変位センサ26、26から送り出される検出信号は、前記前輪舵角センサ8、8 の検出信号、及び車速を検出する車速センサ27からの検出信号と共に、前記電 動モータ19への通電を制御する制御器25に入力している。尚、前記変位セン サ26、26を2個設けるのも、やはりフェイルセーフを図る為である。
【0012】 そして、前記制御器25は、前記車速センサ27により検出される車両の走行 速度が一定値(例えば40km/h)以下の場合にのみ、前記電磁クラッチ20を繋 ぎ、前記前輪舵角センサ8、8と車速センサ27とからの信号に基づいて、前記 電動モータ19による後輪9、9への舵角付与を行なう。この際、回転角センサ 24からの信号に基づいて、前記電動モータ19への通電を制御する。又、伝達 軸16の端部に設けられた変位センサ26、26は、実際に後輪9、9に付与さ れた舵角を検出して、その検出値を前記制御器25に入力する。
【0013】 又、前記後輪用出力軸11を車体に固定のハウジング10に対して、軸方向に 亙る若干の変位自在に、且つ弾性的に支持している。即ち、前記後輪用出力軸1 1の中間部に、互いに間隔をあけて1対の座板28、28を、後輪用出力軸11 の軸方向に亙る変位を自在として外嵌保持すると共に、両座板28、28の内側 面同士の間に、前記電動モータ19の故障時にも、前記後輪用出力軸11を中立 位置に戻せるだけの弾力を有するセンタリングスプリング23を設けている。
【0014】 又、前記ハウジング10の内周面には、互いに間隔をあけて1対の段部29、 29を形成しており、前記1対の座板28、28の外側面外周寄り部分を、それ ぞれ段部29、29に対向させている。又、前記後輪用出力軸11の中間部外周 面で、前記1対の座板28、28を挟む位置には、1対のストップリング30、 30を止着して、後輪用出力軸11に対する各座板28、28の移動を制限して いる。更に、前記1対の座板28、28の外側面と、前記段部29、29及びス トップリング30、30との間には、皿板ばね31、31を設けている。
【0015】 各皿板ばね31、31を完全に押し潰す為に要する弾力は、前記センタリング スプリング23が圧縮され始める際の弾力よりも小さくして、ハウジング10に 対して後輪用出力軸11が変位した場合には、図5に直線aで示す様に、先ず皿 板ばね31、31が変位し(押し潰され)、何れか(変位方向先端側)の皿板ば ね31が完全に押し潰されてから、前記センタリングスプリング23が、同図に 直線bで示す様に、1対の座板28、28の間で圧縮され始める様にしている。 但し、各皿板ばね31、31が完全に圧縮された場合に於けるばね荷重は、予想 される運転状態に於いて発生する遠心力に基づき、後輪用出力軸11に加わると 予想される最大横荷重FMAX よりも少し大きくしている。
【0016】 上述の様に構成される先考案の電動式四輪操舵装置に於いては、車両が一定速 度(例えば40km/h)以下で走行する場合には制御器25が、前輪舵角センサ8 、8と車速センサ27とからの信号に基づいて、電動モータ19への通電を制御 し、必要に応じて後輪9、9に所望の舵角を付与する。この際、電磁クラッチ2 0に通電して、この電磁クラッチ20を繋いだ状態のままとする。
【0017】 即ち、車両が低中速で走行する場合には、車両の旋回性を向上させる為、後輪 9、9に対して前輪6、6とは逆位相の舵角を付与するが、後輪9、9に付与す る舵角は、図6に実線cで示す様に、車速が速くなる程小さくする。この場合に 於いて、後輪9、9に付与される舵角は、伝達軸16の一端に設けた変位センサ 26、26によって検出し、その検出値を制御器25に入力して、フェイルセー フを図る。
【0018】 尚、図6の縦軸に表わされた舵角比とは、後輪に付与される舵角θR と前輪に 付与される舵角θF との比(θR /θF )で、絶対値が大きい程、後輪に付与さ れる舵角が大きい事を表わす。又、横軸よりも上の領域では、前後輪の舵角が同 位相となり、下の領域では逆位相となる。
【0019】 一方、車両が前記一定速度(40km/h)を越えて走行する場合には、前記電磁 クラッチ20への通電が停止されて、この電磁クラッチ20の接続が断たれる。 これに伴なって、前輪舵角センサ8、8と車速センサ27とからの信号に拘らず 、制御器25が後輪9、9の舵角制御を行なう事はなくなる。又、必要に応じて 、電動モータ19への通電も停止する。
【0020】 この様に、車両が一定速度を越えて走行する場合に於いて進路変更が行なわれ ると、遠心力に基づいて後輪9、9に、前輪6、6と同じ位相で舵角が付与され 、進路変更時に於ける車両の安定性が保持される。
【0021】 例えば、ステアリングホイール1の操作に基づき、前輪6、6を図4の矢印α 方向に変位させた場合、車両の進路変更に伴なう遠心力によって、後輪9、9が 図4の右方に振られ、各後輪9、9と路面との摩擦により各後輪9、9に、同図 に矢印βで示す様に、横方向の力Fが加わる。この力Fは、後輪9、9と路面と の接触面、即ち、各後輪9、9の着力点14、14を含む鉛直面上に加わる。一 方、各後輪9、9の操舵中心13、13は、前記着力点14、14よりも距離l だけ車両の前進方向後方に位置している為、各後輪9、9は、F・lなるモーメ ントで、図4の矢印γ方向に操舵される。
【0022】 この様にして各後輪9、9が矢印γ方向に操舵されるのに伴ない、後輪用出力 軸11が軸方向に変位して、一方(図4の左方)の皿板ばね31が圧縮される。 従って、各後輪9、9に付与される舵角は、前記横方向の力Fに基づき後輪用出 力軸11の軸方向に加わる力と、前記皿板ばね31の圧縮に基づいて後輪用出力 軸11に加わる力とが釣り合った状態で保持される。
【0023】 この為、車速が一定値を越えた場合には、後輪9、9に付与される舵角は、図 6に破線dで示す様に、常に前輪6、6と同じ位相となる。又、この場合に於い て後輪9、9に付与される舵角の大きさは、車両の進路変更に伴なう遠心力によ り後輪9、9に加わる横方向の力Fの大きさによってのみ定まり、車速や前輪6 、6に付与される舵角の大きさとは(間接的には大きく関係するが)直接は関係 しない。
【0024】 又、皿板ばね31、31の圧縮代は限定されたものである為、後輪9、9に過 大な舵角が付与される事はない。この様に、高速走行時に於いては電動モータ1 9による後輪9、9への舵角付与は一切行なわず、物理的な力によってのみ、後 輪9、9への舵角付与を行なうが、車両の走行速度が一定値を越えた場合に電磁 クラッチ20や電動モータ19への通電を停止する為の機構は、簡単なもので済 む為、当該機構の信頼性は十分に確保出来、更にこの機構部分に付加するフェイ ルセーフ機構も、簡単でしかも信頼性の高いものとする事が出来る。
【0025】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、例えば上述の様に構成され作用する先考案に係る電動式四輪操舵装 置を含む、電動モータにより後輪に舵角付与を行なう電動式四輪操舵装置を、実 際に自動車に組み込む場合に於いては、次に述べる様な点で、より実用性を高め る事が望まれている。
【0026】 即ち、上記先考案に係る構造を含む電動式四輪操舵装置に於いては、前輪6、 6に舵角が付与された場合には、バッテリーの容量に関係なく、後輪9、9に対 して前輪6、6に付与された舵角に応じた舵角を付与する。
【0027】 後輪9、9に舵角を付与する為の電動モータ19は、かなりの大電流を消費す る為、バッテリーの容量が不足しているにも拘らず後輪9、9への舵角付与を行 なった場合、前記バッテリーの容量がますます減少して、自動車を停止した後再 始動する際に、セルモータを駆動出来なくなる等、自動車の運行に支障を来す恐 れがある。
【0028】 又、前記先考案に係る構造と異なり、センタリングスプリングを設けない構造 に於いては、後輪に舵角を付与した状態でバッテリーが消耗し切った場合、後輪 に舵角が付与された状態のままとなる恐れがある。
【0029】 本考案の電動式四輪操舵装置は、この様な事情に鑑みて考案されたものである 。
【0030】
【課題を解決する為の手段】
本考案の電動式四輪操舵装置は、前述した従来の、或は先考案に係る電動式四 輪操舵装置と同様に、前輪に付与された舵角を検出する前輪舵角センサと、この 前輪舵角センサから送り込まれた信号に基づいて、後輪に付与すべき舵角を算出 し、その算出結果に基づく指令信号を出力する制御器と、この指令信号に基づい て後輪に舵角付与を行なう、電動式アクチュエータと、この電動式アクチュエー タに通電する為のバッテリーとを備える。
【0031】 更に、本考案の電動式四輪操舵装置に於いては、前記バッテリーの電圧を検出 する為の電源電圧検出手段を設け、この電源電圧検出手段の検出信号を前記制御 器に入力している。そして、この制御器は、前記電源電圧検出手段から送り込ま れる、上記バッテリーの電圧を表わす信号によって、この電圧が高い場合には前 記後輪に大きな舵角を付与する事を可能とし、前記電圧が少し低い場合には、前 記後輪に小さな舵角のみ付与する事を可能とし、前記電圧が低い場合には、前記 後輪への舵角付与を不能とする機能を有する事を特徴としている。
【0032】
【作用】
上述の様に構成される本考案の電動式四輪操舵装置の場合、バッテリーの電圧 が低い場合には、後輪に付与する舵角を小さくするか、又は後輪に対して全く舵 角を付与しない事により、バッテリーの消耗を防止する。
【0033】
【実施例】
図1は本考案の電動式四輪操舵装置が、後輪に舵角付与を行なう際の制御状態 の1例を示している。本考案の電動式四輪操舵装置は、図示しないバッテリーの 電圧を、やはり図示しない電圧計等の電源電圧検出手段により検出し、この電源 電圧検出手段の検出信号を、制御器25(図4)に入力している。
【0034】 そしてこの制御器25は、図1に示す様な判定並びに指示を行なう事により、 車速の変化に応じ後輪9、9(図4)に対して、舵角付与を行なう。
【0035】 先ず、ステップ1に於いて、前輪舵角センサ8、8(図4)から送り込まれる 信号を制御器25に読み込み、ステップ2に於いて、この信号に基づいて、バッ テリーの電圧が十分であったと仮定した場合に、後輪9、9に付与すべき舵角( 後輪一次舵角)を演算する。次いで、ステップ3に於いて、電源電圧検出手段か らの検出信号を読み取り、ステップ4に於いて、この検出信号に基づき、後輪に 付与し得る舵角の最大値(舵角制限値)を求める。即ち、このステップ4では、 現時点に於けるバッテリーの電圧に基づき、このバッテリーに加える事の出来る 負担を勘案し、前記舵角制限値を求める。この舵角制限値は、仮に後輪に付与し ても、バッテリーの能力が損なわれない範囲で定められる。
【0036】 上述の様に、ステップ2で後輪一次舵角を演算し、ステップ4で舵角制限値を 求めたならば、次いでステップ5に於いて、(後輪一次舵角と舵角制限値とを求 める順序は逆でも良い。)、これら後輪一次舵角と舵角制限値との大きさを判定 し、小さい方の舵角を後輪に付与する。
【0037】 即ち、後輪一次舵角が舵角制限値よりも小さい場合には、ステップ6に示す様 に、後輪一次舵角を後輪に付与すべき舵角として採用し、舵角制限値が後輪一次 舵角よりも小さい場合には、ステップ7に示す様に、舵角制限値を後輪に付与す べき舵角として採用する。
【0038】 そして、ステップ8に於いて電動式アクチュエータへの通電を行ない、前記ス テップ6又はステップ7で採用された、後輪一次舵角又は舵角制限値を、後輪に 付与する。
【0039】 以下、前記制御器25に内蔵されたパルス発生器の信号等に基づき、車両が走 行している間中、所定時間(1秒又はそれ以下の短時間)毎に、上記ステップ1 〜8を繰り返し行なう。
【0040】 尚、図2〜3は、バッテリーの電圧と舵角制限値との関係を示している。前記 ステップ4に於いては、この図2〜3に示した様な関係に基づいて前記舵角制限 値を求め、前記ステップ5に送る。この図2〜3に示す様に、バッテリーの電圧 が12Vある場合には、電動アクチュエータに通電する事で、バッテリーの機能 が損なわれる恐れはないとして、前記舵角制限値を後輪に付与し得る舵角の最大 値(図示の場合7°)とし、バッテリーの電圧が8V以下の場合には、前記電動 アクチュエータに通電する事で、前記バッテリーの機能が損なわれるとして、前 記舵角制限値を零にし、後輪への舵角付与を一切行なわない様にする。そして、 バッテリーの電圧が8〜12Vの間の場合には、その電圧に応じて前記舵角制限 値を、連続的に(図2の場合)、或は段階的(図3の場合)に変化させる。
【0041】 尚、本考案の電動式四輪操舵装置は、電動モータへの通電に基づいて後輪に舵 角を付与する構造のものであれば適用出来る。即ち、本考案が適用される電動式 四輪操舵装置は、前述した先考案に係る電動式四輪操舵装置の様に、コンプライ アンスステア機構を組み込んだものである必要はない。
【0042】
【考案の効果】
本考案の電動式四輪操舵装置は、以上に述べた通り構成され作用する為、バッ テリーを消耗し切る事で、車両の運行に支障を来したり、或は後輪に舵角が付与 された状態のままとする事がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の電動式四輪操舵装置の作用の1例を示
すフローチャート。
【図2】バッテリーの電圧と舵角制限値との関係の第1
例を示す線図。
【図3】同じく第2例を示す線図。
【図4】先考案に係る電動式四輪操舵装置を示す部分横
断平面図。
【図5】後輪用出力軸の変位量とばね荷重との関係を示
す線図。
【図6】車速と舵角比との関係を示す線図。
【符合の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングギヤ 4 前輪用出力軸 5 ナックルアーム 6 前輪 7 ステアリングコラム 8 前輪舵角センサ 9 後輪 10 ハウジング 11 後輪用出力軸 12 ナックルアーム 13 操舵中心 14 着力点 15 ラック歯 16 伝達軸 17 ピニオン歯 18 ウォームホイール 19 電動モータ 20 電磁クラッチ 21 出力軸 22 ウォーム 23 センタリングスプリング 24 回転角センサ 25 制御器 26 変位センサ 27 車速センサ 28 座板 29 段部 30 ストップリング 31 皿板ばね
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 137:00 (72)考案者 清野 薫 群馬県高崎市八幡町1390番地の12

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 前輪に付与された舵角を検出する前輪舵
    角センサと、この前輪舵角センサから送り込まれた信号
    に基づいて、後輪に付与すべき舵角を算出し、その算出
    結果に基づく指令信号を出力する制御器と、この指令信
    号に基づいて後輪に舵角付与を行なう、電動式アクチュ
    エータと、この電動式アクチュエータに通電する為のバ
    ッテリーとを備えた電動式四輪操舵装置に於いて、この
    バッテリーの電圧を検出する為の電源電圧検出手段を設
    け、この電源電圧検出手段の検出信号を前記制御器に入
    力し、この制御器は、前記電源電圧検出手段から送り込
    まれる、上記バッテリーの電圧を表わす信号によって、
    この電圧が高い場合には前記後輪に大きな舵角を付与す
    る事を可能とし、前記電圧が少し低い場合には、前記後
    輪に小さな舵角のみ付与する事を可能とし、前記電圧が
    低い場合には、前記後輪への舵角付与を不能とする機能
    を有する事を特徴とする電動式四輪操舵装置。
JP6220291U 1991-01-10 1991-07-12 電動式四輪操舵装置 Pending JPH055663U (ja)

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DE69213363T DE69213363T2 (de) 1991-07-01 1992-06-30 Elektrisches Vierradlenksystem
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0234476A (ja) * 1988-07-25 1990-02-05 Mazda Motor Corp 車両の後輪操舵装置

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