JPH0554993U - 高温炉用平天井 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄熱量を小さく断熱性を大きくして燃費を向
上させることができ、しかも十分な耐熱強度と使用寿命
とを備えた高温炉用平天井を提供すること。 【構成】 多数の吊り棒３によって天井部材４を吊り下
げて平天井を構成する。この吊り棒３として縦横両方向
に突起５を持つ耐火レンガを使用し、天井部材４として
比重が1.8 以下の軽量断熱レンガを使用する。これによ
って蓄熱量を小さくし、天井の断面積に対する吊り棒３
の断面積の割合を20％以上とすることにより強度を保証
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は1800℃前後の高温度域において焼成を行うための高温炉に用いる高温 炉用平天井に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

焼成炉の天井としては耐火レンガをアーチ状に組んだアーチ天井が普通である が、高温焼成を行う炉ではその寿命が短く、また天井の蓄熱量が大きいので炉の 燃費が悪いという欠点があった。 そこで近年、多数の吊り棒によって天井部材を吊り下げた構造の平天井が採用 されつつある。しかし従来は天井の耐熱強度を保証するために吊り棒と天井部材 とをともに比重の大きい耐火レンガ製としていたので、やはり天井の蓄熱量が大 きく、燃費の点でもなお満足できないものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の課題を解決して、蓄熱量を小さくして燃費を向上させることが でき、しかも十分な耐熱強度と使用寿命とを備えた高温炉用平天井を提供するた めに完成されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案は、多数の吊り棒によって天井部 材を吊り下げた構造の高温炉用平天井において、天井の断面積に対する吊り棒の 断面積の割合を20％以上とし、かつ吊り棒として縦横両方向に突起を持つ耐火レ ンガを使用し、また天井部材として比重が1.8 以下の軽量断熱レンガを使用した ことを特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】

以下に本考案を図示の実施例によって更に詳細に説明する。 図１は本考案の高温炉用平天井を持つ高温トンネル炉の全体を示す断面図であ り、図２は天井部分を拡大した断面図である。図１に示すように炉体の両側壁１ 、１の上端部間に金属製の桁材２が架設されており、上端をこの桁材２に支持さ れた多数の吊り棒３が天井部材４を吊り下げ、平天井を構成している。

【０００６】 図２〜図４に示すように、吊り棒３は縦横両方向に多数の突起５を持つもので あり、本考案においては耐火レンガが使用されている。実施例ではこの耐火レン ガとして、90〜98％のAl₂O₃ を含有するアルミナ質の耐火レンガが使用されてい る。この耐火レンガは耐熱強度に優れることは勿論、耐熱衝撃性にも優れたもの である。また吊り棒３は炉内温度1800℃の高温条件下においても十分な強度を確 保するために、最小幅Ａを65mm以上、最小幅Ａ／全長Ｌの値を0.15以上としてお くことが好ましい。

【０００７】 このような吊り棒３はほぼ一定の間隔で配置されており、それらの間に天井部 材４を支持している。天井部材４は比重が1.4 〜1.8 程度の断熱レンガによって 構成されており、実施例では内部に多数の気泡を持つ比熱の小さいバブルレンガ を使用して天井の持つ蓄熱量を小さくし、また断熱性を高めている。断熱レンガ の比重が1.8 を越えると蓄熱量が大となるので好ましくない。

【０００８】 なお、天井の水平断面積に対して占める吊り棒３の断面積が小さすぎると強度 が不足するので、本考案においては天井の断面積に対する吊り棒３の断面積の割 合を20％以上としている。しかし比重の大きい吊り棒３の断面積の比が大きくな りすぎると天井全体の比重が増加して蓄熱量が大きくなるので好ましくない。ま た図2 に示すように、２本の吊り棒３、３に囲まれた部分の天井部材４の横寸法 Ｂと縦寸法Ｃとの比、Ｂ／Ｃは30〜40％程度としておくことが好ましい。

【０００９】 なお、６は吊り棒３を金属製の桁材２に取り付けるための金具、７は天井部材 ４の上面に積層されたファイバー状の断熱材である。また８は吊り棒３と天井部 材４との間に形成されたモルタル層であり、実施例ではアルミナファイバを混入 した耐火性モルタルを使用して耐熱性と強度とを両立させてある。

【００１０】

【作用】

このように構成された本考案の高温炉用平天井は、吊り棒３として耐火レンガ を使用し、また天井部材４として比重が1.8 以下の軽量断熱レンガを使用したの で、全体が耐火レンガによって構成されていた従来の平天井に比較して天井全体 を大幅に軽量化して蓄熱量を低下させることができ、軽量断熱レンガの持つ優れ た断熱性と相まって炉の燃費を大幅に向上させることができる。更に本考案の高 温炉用平天井は、天井の断面積に対する吊り棒３の断面積の割合を20％以上とし て耐熱強度を保証するとともに、縦横両方向に突起５を持つ耐火レンガ製の吊り 棒３によって軽量な天井部材４を支持させたことにより、1800℃で焼成を行って も優れた使用寿命を得ることができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上に詳細に説明したように、本考案の高温炉用平天井は蓄熱量を小さくして 燃費を向上させることができ、しかも十分な耐熱強度と使用寿命とを備えたもの であるから、従来の問題点を解決した高温炉用平天井として、その実用的価値は 極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の高温炉用平天井を持つ高温炉を示す断
面図である。

【図２】本考案の高温炉用平天井の一部を拡大して示す
断面図である。

【図３】図２の吊り棒を横方向から見た断面図である。

【図４】図２の吊り棒の斜視図である。

【符号の説明】

３ 吊り棒 ４ 天井部材 ５ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の吊り棒によって天井部材を吊り下
   げた構造の高温炉用平天井において、天井の断面積に対
   する吊り棒の断面積の割合を20％以上とし、かつ吊り棒
   として縦横両方向に突起を持つ耐火レンガを使用し、ま
   た天井部材として比重が1.8 以下の軽量断熱レンガを使
   用したことを特徴とする高温炉用平天井。