JPH0554875A - 電池用セパレータ - Google Patents

電池用セパレータ

Info

Publication number
JPH0554875A
JPH0554875A JP3210788A JP21078891A JPH0554875A JP H0554875 A JPH0554875 A JP H0554875A JP 3210788 A JP3210788 A JP 3210788A JP 21078891 A JP21078891 A JP 21078891A JP H0554875 A JPH0554875 A JP H0554875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pore
forming agent
battery
sheet
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3210788A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Uramoto
弘 浦本
Hiroshi Nagano
宏志 永野
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUASA KASEI KK
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
YUASA KASEI KK
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YUASA KASEI KK, Mitsubishi Kasei Corp filed Critical YUASA KASEI KK
Priority to JP3210788A priority Critical patent/JPH0554875A/ja
Publication of JPH0554875A publication Critical patent/JPH0554875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエチレン樹脂を主構成物質とし、安価で
あり、アルカリ蓄電池にも良好に用いることのできる電
池用セパレータを提供することである。 【構成】 細孔半径100〜2000オングストロー
ム、細孔容積0.1〜2.0ml/gの細孔を有し、最
大粒子直径がシート厚みの60%以下である粒状多孔性
樹脂粉末に、開孔剤を含浸せしめ、これをメルトインデ
ックスが1以下のポリエチレン樹脂と混合し、この混合
物を加熱溶融してシート状に成形した後、開孔剤を除去
してなることを特徴とする電池用セパレータである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレン樹脂を主
構成物質とし、アルカリ蓄電池にも良好に用いることの
できる電池用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最も一般的な蓄電池として知られる鉛蓄
電池には、必ず電池用セパレータが使用されており、例
えばポリ塩化ビニル焼結式セパレータが知られている。
このセパレータは、ポリ塩化ビニルの粉末を高温で焼き
硬めてなるものであり、焼結粒子の間にできた10〜5
0μの間隙を電解液である希流酸が出入りすることによ
ってイオンによる発電反応が助長されるようになってい
る。
【0003】電池用セパレータの役割は、正極と負極と
が電気的に短絡することを阻止し且つ電解液の透過を阻
害しないことである。このため電池用セパレータには、
開孔部分の平均直径ができるだけ小さく、しかもその開
孔部分が均一に開いた微孔からなるものが望まれてい
る。そこで生まれたのがポリオレフィン系樹脂を主構成
物質とする電池用セパレータである。ポリオレフィン系
樹脂としては、主としてポリエチレン樹脂が用いられ
る。ポリエチレン樹脂を主構成物質とするポリエチレン
電池用セパレータとしては、具体的には、例えば特公昭
45−32097号公報に記載のものが知られている。
ここには、「本質的に平らな平面を持ち、標準荷重溶融
指数(メルトインデックス)が0である微孔性ポリオレ
フィンより本質的になり、平均の微孔の直径が1μより
小さいところの電池用隔離板(電池用セパレータ)」と
記載されている。
【0004】ポリエチレン電池用セパレータは、シリカ
(酸化シリコン)粉末に耐硫酸性の油(開孔剤)を含浸
せしめた後、ポリエチレン樹脂粉末と混練りし、これを
ポリエチレン樹脂の融解温度近辺に加熱されたダイスか
ら押し出して所望する厚みのシートに成形し、このシー
トから油を有機溶媒で抽出して製作される。シリカに含
浸された油はシート化する際の熱によってポリエチレン
樹脂の中へコロイド状になって拡散し、ポリエチレン樹
脂が固化した後は小さな油粒のままで固定される。この
油粒は有機溶媒例えばノルマルヘキサン等によって抽出
され、その跡には空隙(微孔)が残され、これによって
シートは多孔性を有することとなる。このようにしてで
きたポリエチレン電池用セパレータの微孔の直径は0.
02μ程度であることが知られている。
【0005】ところで鉛蓄電池と双壁をなすものとして
ニッケルカドミウム蓄電池がある。この蓄電池は、苛性
カリを溶解した水溶液を電解液として用いたものであ
る。鉛蓄電池とニッケルカドミウム蓄電池は、共に、電
極の活物質である2酸化鉛やスポンジ鉛、酸化ニッケル
やスポンジカドミウムがいずれも電極の極めて近傍で反
応して発電反応が生じるという点が特徴である。一方、
同様に苛性カリを電解液に用いる蓄電池の中に、電極の
活物質が電解液に溶解し更に溶解したイオンが電解液中
を浮遊することを特徴とする蓄電池が知られている。そ
の例としては、陽極活物質が酸化銀である蓄電池、負極
活物質が亜鉛である蓄電池がある。
【0006】例えば、陽極が酸化銀、負極がカドミウム
からなる蓄電池では、銀イオンが電解液中を浮遊し、そ
の挙げ句に負極の表面に析出して内部短絡や自己放電を
増大せしめるのが欠点であるとされてきた。これを防止
するために、セパレータとして、苛性カリ溶液に強くま
た水酸基イオンの透過を防止しない材質であるセロファ
ンが一般的に使用されてきた。しかしセロファンは、耐
酸化特性が弱く、電池の寿命を著しく短くすることが欠
点であった。
【0007】また負極が亜鉛からなる蓄電池、例えばニ
ッケル亜鉛蓄電池においては、亜鉛が苛性カリ電解液に
溶解しセパレータの表面に析出してデンドライト結晶と
なり、やがて陽極に接触して内部短絡の原因となること
が知られている。
【0008】これらの例から、亜鉛や酸化銀を活物質と
して使用する蓄電池においては、一般的に鉛蓄電池に使
用される電池用セパレータより更に平均直径の小さな微
孔を有する電池用セパレータが望まれていることがわか
る。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】ところで一般的にシ
リカは硫酸に対しては安定であるが、アルカリ性液体に
対しては溶解することが知られている。従って上記ポリ
エチレン電池用セパレータは、硫酸を電解液とする鉛蓄
電池や中性電解液を使用するその他の蓄電池に適用する
ことは可能であるが、苛性カリ溶液を電解液として使用
するニッケルカドミウム蓄電池、酸化銀カドミウム蓄電
池、ニッケル亜鉛蓄電池等には使用できない。なぜな
ら、上記ポリエチレン電池用セパレータでは、油を担持
するために使用されたシリカ粉末はそのままセパレータ
内に残されているが、これらのシリカがアルカリ性溶液
と接触することによって外部へ溶出し、このためシート
内の開孔率が減少したり、時にはシートが縮小したり変
形したりするという不具合が発生するからである。
【0010】従って、アルカリ電解液を使用する蓄電池
に適用する電池用セパレータとしては、アルカリ性液体
にも溶出しない担持剤を含有するものが必要である。こ
のような担持剤としては、各種の提案がなされている。
【0011】例えば特開昭55−165573号公報に
は、担持剤としてカーボン、アルミナ、水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム等の粉末が例示されている。し
かしこれらの物質では、一般的に開孔剤となる油の担持
性が悪く、そのため所定の油を含有せしめるのに多量を
必要とし、本来の主成分であるポリエチレン樹脂の性質
を喪失せしめる程に添加しなければならないという欠点
があった。またこれらの無機酸化物では、一般的に微粉
とするのに多くの工数とコストを必要とし、更に微粉の
中に幾分でも大きな粒子が存在すると、油の担持性能が
低下するのみでなく電池用セパレータに貫通孔ができる
ことによって使用中に電気的短絡現象が生じ、電池劣化
の原因となるという欠点があった。
【0012】このようにアルカリ電解液に使用可能な担
持剤として採用される上記微粉は、小さな直径であると
同時に粒の大きさが揃っている必要があるため、多くの
工数を必要とし、安価な電池用セパレータの提供を阻害
していた。
【0013】本発明の目的は、上記のような各種の欠点
を除去し、ポリエチレン樹脂を主構成物質とし、安価で
あり、アルカリ蓄電池にも良好に用いることのできる電
池用セパレータを提供することである。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明の電池用セパレ
ータは、細孔半径100〜2000オングストローム、
細孔容積0.1〜2.0ml/gの細孔を有し、最大粒
子直径がシート厚みの60%以下である粒状多孔性樹脂
粉末に、開孔剤を含浸せしめ、これをメルトインデック
スが1以下のポリエチレン樹脂と混合し、この混合物を
加熱溶融してシート状に成形した後、開孔剤を除去して
なることを特徴とするものである。
【0015】本発明の最大の特徴は、開孔剤の担持剤と
して粒状多孔性樹脂を用いることである。
【0016】この粒状多孔性樹脂は、細孔半径100〜
2000オングストローム、細孔容積0.1〜2.0m
l/gの細孔を有しており、比表面積が例えば5〜50
2/gである。このため、活性炭のように表面積が非
常に大きく、開孔剤の保有可能量がシリカに比して大き
いという特徴を有している。なお細孔物性の測定は、樹
脂を乾燥後、水銀圧入法により測定した。
【0017】表1は、シリカ及び粒状多孔性樹脂におい
て、平均粒子直径と、その比表面積、細孔容積、及び油
の担持量との関係を示している。
【0018】
【表1】
【0019】表1からわかるように、油の担持量は、比
表面積及び細孔容積と正の関係があるが、平均粒子直径
とは負の関係がある。
【0020】また上記粒状多孔性樹脂は、例えばスチレ
ン−ジビニルベンゼンを基本骨格としてなるものであ
り、各種の酸やアルカリに対して優れた耐薬品性を有し
ている。例えば、シリカは一般的に、アルカリ電池に使
用される電解液濃度である30%/50℃苛性カリ溶液
においては殆ど瞬時に溶解するが、上記粒状多孔性樹脂
は、同じ苛性カリ溶液において1週間の放置では0.1
8重量%、3カ月間の放置でも0.76重量%しか減少
しないという優れた特性を有している。
【0021】また上記粒状多孔性樹脂は、最大粒子直径
がシート厚みの60%以下であり、望ましくは50%以
下である。なお電池用セパレータとしては、一般的に厚
みが0.03〜3mmのものが多く用いられている。最
大粒子直径がシート厚みより大きいと、電池用セパレー
タにはその粒子によって貫通孔が形成されてしまい、そ
の孔が電池の内部短絡の原因となってしまう。通常用い
る粒状多孔性樹脂の最大粒子直径は18〜1800μの
範囲であるが、これはセパレータの厚みと要求特性によ
り選択する。粒子直径が大きくて済めば、粉砕の工数が
少なくて済むので、原料としての担持剤価格は安くなる
が、その反面、担持性能は低下するので、担持剤の粒子
直径は電池用セパレータとしての特性と経済性を見合せ
て決定される。
【0022】上記粒状多孔性樹脂は、球状のスチレンー
ジビニルベンゼンを基本骨格とする多孔質の架橋共重合
体により構成されている。この架橋共重合体は、モノビ
ニルモノマーとポリビニルモノマーとの混合物を、これ
らを溶解しない分散媒体中で懸濁下に重合させること
(懸濁重合法)により製造される。なおその他の公知の
方法も採用できる。
【0023】モノビニルモノマーとしては、スチレン、
ビニルトルエン等の芳香族モノビニルモノマーが有用で
ある。また必要に応じて、アクリロニトリル等の脂肪族
モノビニルモノマーを添加してもよい。
【0024】ポリビニルモノマーとしては、ジビニルベ
ンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニル芳香族モノ
マーや、エチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート等のポリビニル脂肪族モノマ
ーが有用である。これらのポリビニルモノマーは単独で
又は複数種を混合して用いられる。その使用量は、上記
架橋共重合体の3〜50重量%であることが好ましい。
樹脂中に占める架橋剤の比率が小さすぎると樹脂の多孔
性が減少し、本目的に適合しなくなるからである。
【0025】上記粒状多孔性樹脂の多孔性を発現させる
ための方法としては、公知の方法が使用できる。具体的
には、(a) ポリビニルモノマーとモノビニルモノマーの
両者に溶解するが生成する架橋共重合体を膨潤させない
ような溶媒、例えば2エチルヘキサノール、n−デカン
のような溶媒を、モノマー混合物に対して30〜150
%加える方法、(b) 線状の重合不活性な添加物、例えば
ポリスチレンのような添加物を、モノマー混合物に対し
て5〜50%添加する方法、(c) トルエンやジクロルエ
タンのようなモノマー混合物に溶解し且つ生成する架橋
共重合体を膨潤させる溶媒を、モノマー混合物に対して
30〜150%添加する方法、(d) 上記(a) 〜(c) の方
法を組み合わせた方法、等を使用できる。
【0026】上記架橋共重合体を得るための上記懸濁重
合法は、適当な分散安定剤を含んだ水性媒体中で行われ
る。この方法により、球状の共重合体が得られる。分散
安定剤としては、公知のものが使用でき、通常はゼラチ
ン、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール等が用いられる。また水性媒
体中には塩類を溶解させ、モノマーの水性媒体中への溶
解を防止することが好ましい。上記塩類としては、塩化
ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム等が有用
である。重合反応は一般に適当な重合開始剤を加えて行
われる。重合開始剤としては、通常は過酸化ベンゾイ
ル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソ
ブチルニトリル等の有機過酸化物や有機アゾビス化合物
等が用いられる。これらの重合開始剤は、通常はモノマ
ー混合物の0.01〜5重量%となるような量で使用さ
れる。重合反応は通常は撹拌下に50〜90℃で6〜2
0時間で完了する。重合完了後、樹脂は水洗され、必要
に応じて添加物が除去された後に、乾燥され、使用に供
される。
【0027】開孔剤である油としては、各種のマシン油
等に見られる鉱物油、ヒマシ油、胡麻油等の植物油、各
種のプロセス油として知られる合成油等が用いられる
が、使用するポリエチレン樹脂の溶解パラメータ(SP
値)に近似したSP値を有する油が好ましく用いられ
る。市販品のポリエチレン樹脂のSP値は約8.0程度
であるが、この値に近い特性を有する油としてはプロセ
ス油がある。プロセス油には、パラフィン系統、ナフテ
ン系統、アロマ系統のものがあるが、SP値に対する近
似性や電池電解液に対する耐酸化性等を考慮するとパラ
フィン系統が望ましく、具体的には出光石油化学株式会
社製の商品名「出光ダイアナプロセスオイル」が用いら
れる。この「出光ダイアナプロセスオイル」のSP値は
7.8であり、ポリエチレン樹脂の値と近似している。
二次電池は放電のみならず充電も行われ、その際、特に
充電末には酸素ガスや水素ガスが発生して電解液中に充
満し浮遊する。また液温度も零下20℃から85℃にま
で変化することが確認されている。このような雰囲気で
使用される電池用セパレータは、これらの過酷な周囲条
件に対しても変質や特性劣化の発生しないことが必要条
件とされるが、「出光ダイアナプロセスオイル」は充分
にこれらの試験条件を満足する特性を有することが確か
められている。
【0028】メルトインデックスは樹脂のシート化性能
を左右する特性であることが知られているが、その値
は、一定の温度に置かれた高分子がどの程度の流れ易さ
を有するかを示すものといえる。ポリエチレン樹脂のメ
ルトインデックスは、測定する樹脂粉末を190℃に加
熱し2160gの荷重を掛けた状態で放置した場合にお
いて、一定時間例えば10分間の間に流れ出る樹脂量を
g単位で示したものである。メルトインデックスは、実
質的には1以下であれば充分にシート化するのに適して
おり、樹脂中に開孔剤を担持した担持剤を混合すること
によって実質上のメルトインデックスは幾ばくか変化す
るが、工業的には0.2〜1.0程度のメルトインデッ
クスの変化は装置の作動条件で充分に吸収できる範囲で
あることが確かめられている。ポリエチレン樹脂は顆粒
状、粉末状、小さな円板状の形状で入手できるが、その
いずれにおいても、適用が可能である。
【0029】図1は本発明の電池用セパレータを製造す
るための装置の一例を示す。図において、1はリボンブ
レンダー、2は2軸式樹脂押出機、3はカレンダーロー
ルであり、本発明の電池用セパレータは次のようにして
製造される。即ち、リボンブレンダー1により、担持剤
である粒状多孔性樹脂粉末に開孔剤を含浸せしめ、これ
をメルトインデックス0.55のポリエチレン樹脂粉末
と混練りする。得られた混合物を2軸式樹脂押出機2に
投入する。混合物はモーター2aで駆動されるスクリュ
ー2bにより混ぜ合わされると同時に加熱溶融され、ダ
イス2cから適当な厚みに設定されたシートとして押し
出される。このシートを、所望の厚みに制御・設定され
たカレンダーロール3によりシート化加工し、続いて有
機溶媒中を潜らせることにより開孔剤を抽出してロール
に巻き取る。
【0030】2軸式樹脂押出機2はポリエチレン樹脂の
溶解温度よりやや高めの150〜200℃で運転され
る。また開孔剤の抽出には、各種の有機溶媒、例えばテ
トラヒドロフラン、メチルエチルケトン、N−ヘキサ
ン、トリクロロエタン等が用いられる。これらの有機溶
媒に上記シートを浸漬するだけで内部の開孔剤は抽出さ
れるが、超音波を外部から加えれば処理時間が短縮され
る。
【0031】
【作用】粒状多孔性樹脂粉末に、開孔剤を含浸せしめ、
これをメルトインデックスが1以下のポリエチレン樹脂
と混合し、この混合物を加熱溶融すると、樹脂の細孔の
中に吸着されていた開孔剤はそれまで固定されていた場
所から離れてポリエチレン樹脂の内部へ均一に拡散して
ゆく。一方、粒状多孔性樹脂は架橋されており非溶融性
のものであるので、周囲を構成するポリエチレン樹脂が
溶融しても、粒状多孔性樹脂が溶融することはない。従
って開孔剤が均一に分散したシートが得られる。このシ
ートを有機溶媒に浸漬すると、開孔剤が抽出され、その
跡には微孔が残る。即ち均一に分布した微孔からなる多
孔性のシートが得られる。
【0032】粒状多孔性樹脂は、それ自体が熱や機械的
応力に対して寸法安定性を有している。このため、抽出
工程によってシートが多孔体となっても、シートの形状
変化を阻止する効果即ち骨剤としての効果も有してい
る。従って微孔の均一な分布状態が維持される。こうし
て均一に分布した多数の微孔を有する電池用セパレータ
が得られる。
【0033】粒状多孔性樹脂は、細孔半径100〜20
00オングストローム、細孔容積0.1〜2.0ml/
gの細孔を有しており、比表面積が例えば5〜50m2
/gである。このため、開孔剤を多量に且つ細かい状態
で担持できる。従って、ポリエチレン樹脂の内部には多
量で細かい開孔剤が均一に拡散してゆくこととなり、抽
出工程後のシートには均一に分布した多数の微孔ができ
る。
【0034】また粒状多孔性樹脂は、例えばスチレン−
ジビニルベンゼンを基本骨格としてなるものであり、各
種の酸やアルカリに対して優れた耐薬品性を有してい
る。このため得られたセパレータをアルカリ溶液中で用
いても、溶け出すことはない。従ってアルカリ溶液中で
用いても、セパレータの開孔率が減少したり、セパレー
タが縮小、変形したりすることはなく、本発明の電池用
セパレータはアルカリ蓄電池にも用いることができる。
【0035】また粒状多孔性樹脂は、最大粒子直径がシ
ート厚みの60%以下であるので、粒子によってシート
に貫通孔が形成されることはなく、貫通孔による短絡が
生じることはない。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明の電池用セパレータ
は、細孔半径100〜2000オングストローム、細孔
容積0.1〜2.0ml/gの細孔を有し、最大粒子直
径がシート厚みの60%以下である粒状多孔性樹脂粉末
に、開孔剤を含浸せしめ、これをメルトインデックスが
1以下のポリエチレン樹脂と混合し、この混合物を加熱
溶融してシート状に成形した後、開孔剤を除去してなる
ものであるので、以下のような効果を奏する。 (1)酸性電解液蓄電池のみならずアルカリ電解液を使
用する蓄電池に適用しても、収縮したり変形したりしな
い。従ってアルカリ蓄電池にも良好に用いることができ
る。 (2)短絡の原因となる貫通孔の発生を防止できる。 (3)均一に分布した多数の微孔を有しており、電池用
セパレータとしての機能を良好に発揮できる。特に、陽
極活物質に酸化銀を使用したり、陰極活物質に亜鉛を使
用する電池では、イオン溶解性と電池の起電反応とが密
接に関連するためにそこに使用される電池用セパレータ
としては揃った微孔性多孔のものが必要とされるが、本
発明の電池用セパレータはかかる電池において最も望ま
れる特性を発揮できる。
【0037】
【実施例】
(実施例1)平均粒子直径が3μの粒状多孔性樹脂粉末
22重量部に開孔剤であるパラフィン系プロセスオイル
58重量部を加え、リボンブレンダー1にて開孔剤が粒
状多孔性樹脂に均一に混ざるまで混合した。その後、メ
ルトインデックス0.55のポリエチレン樹脂20重量
部を添加して更に混合した。得られた混合物を2軸式樹
脂押出機2に入れ、150〜175℃に加熱し、厚みが
1mmのシートをダイスより押出した。これを110〜
125℃に加熱したカレンダーロール3により厚み12
0μのシートに成形し、次いでN−ヘキサンに浸漬して
開孔剤を抽出した。こうして得られた電池用セパレータ
の多孔度は56%であった。
【0038】(実施例2)平均粒子直径が25μの粒状
多孔性樹脂粉末35重量部に、実施例1と同様に、同じ
プロセスオイル45重量部、ポリエチレン樹脂20重量
部を加えて混練りし、実施例1と同じ温度条件でシート
化した。この際のシート厚みは350μであった。これ
をN−ヘキサンに浸漬して開孔剤を抽出した。こうして
得られた電池用セパレータの多孔度は43%であった。
【0039】(実施例3)平均粒子直径が80μの粒状
多孔性樹脂粉末40重量部に、実施例1と同様に、同じ
プロセスオイル38重量部、ポリエチレン樹脂22重量
部を加えて混練りし、実施例1と同じ温度条件でシート
化した。この際のシート厚みは350μであった。これ
をN−ヘキサンに浸漬して開孔剤を抽出した。こうして
得られた電池用セパレータの多孔度は37%であった。
【0040】表2は上記各実施例の電池用セパレータの
諸特性を示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、本発明の電池用
セパレータは、特に耐アルカリ減量特性が従来例に比し
てかなり良好である。しかも耐酸性減量特性も従来例に
劣らない。また耐通電時間特性も優れている。従って、
本発明の電池用セパレータは酸性電解液とアルカリ電解
液の双方に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池用セパレータを形成するための
装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 リボンブレンダー 2 2軸式樹脂押出機 3 カレンダーロール
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 純哉 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細孔半径100〜2000オングストロー
    ム、細孔容積0.1〜2.0ml/gの細孔を有し、最
    大粒子直径がシート厚みの60%以下である粒状多孔性
    樹脂粉末に、開孔剤を含浸せしめ、これをメルトインデ
    ックスが1以下のポリエチレン樹脂と混合し、この混合
    物を加熱溶融してシート状に成形した後、開孔剤を除去
    してなることを特徴とする電池用セパレータ。
JP3210788A 1991-08-22 1991-08-22 電池用セパレータ Pending JPH0554875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3210788A JPH0554875A (ja) 1991-08-22 1991-08-22 電池用セパレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3210788A JPH0554875A (ja) 1991-08-22 1991-08-22 電池用セパレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0554875A true JPH0554875A (ja) 1993-03-05

Family

ID=16595142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3210788A Pending JPH0554875A (ja) 1991-08-22 1991-08-22 電池用セパレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0554875A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005041983A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005041983A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3661645A (en) Polytetrafluoroethylene battery separator and method for producing same
US3953241A (en) Heat resistant substrates and battery separators made therefrom
US5348820A (en) Zinc electrode for alkaline storage battery
US8043748B2 (en) Pasted nickel hydroxide electrode for rechargeable nickel-zinc batteries
JP2588523B2 (ja) 炭素電極
JPH0438101B2 (ja)
JP6999283B2 (ja) 電池
WO1997017737A1 (en) Rechargeable alkaline cells containing zinc anodes without added mercury
US3625765A (en) Production of battery electrode
US6168886B1 (en) Battery element containing metal macroporous additives
US3730777A (en) Separator for galvanic dry cells employing aqueous electrolyte
US3181973A (en) Fuel cell electrode and method of making the same
JPH0554875A (ja) 電池用セパレータ
JPS59502082A (ja) 密封されたニツケル−亜鉛電池
US4000005A (en) Method for making a nickel positive electrode for an alkaline battery
JPS5916271A (ja) アルカリ電池用正極活物質の製造法
US4765799A (en) Latex coated electrodes for rechargeable cells
JPS58163162A (ja) アルカリ亜鉛蓄電池
JP2019139986A (ja) 亜鉛電池用負極及び亜鉛電池
JPH0243308B2 (ja)
CA1056904A (en) Inorganic separator for alkaline electrochemical cells
JP2002063889A (ja) ニッケル水素二次電池
JPH08287906A (ja) 水素吸蔵合金電極
JP3030146B2 (ja) 電 極
JPH09171837A (ja) ニッケル・水素二次電池