JPH0554790A - 陰極線管用ヒータ構体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】陰極構体への溶接固定の工程におけるヒータ支
持体の変形を防止することに有効な構造の陰極線管用ヒ
ータ構体を提供すること。 【構成】上記目的は、ヒータとヒータ支持体とからな
り、該ヒータと該ヒータ支持体とを組立てた後陰極に挿
入固定する陰極線管用ヒータ構体において、陰極構体に
溶接固定する上記ヒータ支持体の少なくとも１ヵ所以上
に電子銃の軸に概略平行な折り曲げ部を設けて上記軸に
直角方向の曲げに対する剛性を向上させた構造の陰極線
管用ヒータ構体とすることによって達成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は陰極線管電子銃のヒータ
構体に係り、特に、陰極構体への溶接固定の工程におけ
る変形を防止することに有効な構造の陰極線管用ヒータ
支持体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の陰極線管電子銃のヒータ系は、例
えば実開昭 51‐56951号公報に開示されているように図
２に示すような構成からなり、ヒータ１をヒータ支持体
２に溶接してヒータ組立を製作した後該ヒータ組立を陰
極スリーブ３内に挿入し、陰極構体４に配設した２本の
ヒータリード５に上記ヒータ支持体２を溶接固定し、最
後に所定治具を用いてヒータ支持体２の下端６を切断す
ることによって形成されていた。

【０００３】このような構成においては、図３に示すよ
うに、ヒータ支持体２をヒータリード５に溶接(溶接点
８)するときに、ヒータ支持体２が変形し、その結果陰
極に応力が加わって陰極が偏りあるいは傾斜するという
問題があった。

【０００４】このように陰極が偏り、傾斜すると、陰極
構体の幾何学的中心にあるべき電子放射物質層７の位置
が変位し、この変位量が大きい場合には電子放射特性に
異常を来すことになる。また、陰極線管の動作中に上記
ヒータ〜陰極間の応力が熱的に開放されて電子放射物質
層７の変位が元に戻った場合には、電子放射物質層７と
最も近接する第1グリッド電極(G₁)との間の間隔が変化
し、カットオフ電圧が変化してしまう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来技術においては、ヒータ支持体の構成について十分な
考慮がなされていなかったために、ヒータ支持体の溶接
時の変形による陰極の偏り、傾斜に起因する電子放射特
性の異常、あるいは、カットオフ電圧の変化等を生じさ
せることがあった。

【０００６】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、ヒータ支持体の陰極構体への溶接固
定の工程におけるヒータ支持体の変形を防止することに
有効な構造の陰極線管用ヒータ支持体を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、ヒータとヒ
ータ支持体とからなり、該ヒータと該ヒータ支持体とを
組立てた後陰極に挿入固定する陰極線管用ヒータ構体に
おいて、陰極構体に溶接固定する上記ヒータ支持体の少
なくとも１ヵ所以上に電子銃の軸に概略平行な折り曲げ
部を予め設けて上記軸に直角方向の曲げに対する剛性を
向上させた構造の陰極線管用ヒータ構体とすることによ
って達成することができる。

【０００８】

【作用】ヒータ支持体に電子銃の軸に概略平行な少なく
とも１ヵ所以上の折り曲げ部を設けておくことによって
ヒータ支持体の上記軸に直角方向の曲げに対する剛性が
向上し、溶接時のヒータ支持体の変形を防止することが
できる。また、このような構成とすることによって、ヒ
ータ支持体の板厚、材質を変える必要がないために、ヒ
ータリード‐ヒータ支持体間の溶接時の溶け込みは従来
技術の場合と変わることがなく、従って溶接の信頼性、
作業性は従来技術と変わることがなく、しかも、変形の
発生のないヒータ支持体を得ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明陰極線管用ヒータ構体につい
て、実施例によって具体的に説明する。

【００１０】図１は本発明構成の陰極線管用ヒータ支持
体の一実施例にヒータを溶接した状態のヒータ構体を示
す斜視図で、ヒータ支持体２にヒータ１を溶接してなる
ことを示す。ここで、ヒータ支持体２のヒータリードと
の溶接部分(図のａ部)の両端面には電子銃の軸に概略平
行な折り曲げ部９を予め設けてあり、これにより曲げに
対する剛性が向上することによって、ヒータリードとの
溶接作業時に変形を来すことがない。

【００１１】実作業上の効果として、ヒータリードとの
溶接時に、変形をほとんど気にすることなく溶接作業を
行うことができるようになった。

【００１２】

【発明の効果】以上述べてきたように、ヒータ支持体を
本発明構造のヒータ支持体とすることによって、従来技
術の有していた課題を解決して、陰極構体への溶接固定
の工程におけるヒータ支持体の変形を防止することに有
効な構造の陰極線管用ヒータ構体を提供することができ
た。また、これによって、陰極の偏りに起因する電子放
射特性の異常、カットオフ電圧の変化等を生じることの
ない陰極線管を得ることができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明構造のヒータ支持体の一実施例にヒータ
を溶接した状態のヒータ構体を示す斜視図。

【図２】従来技術の陰極構造を示す要部断面図。

【図３】従来技術のヒータ支持体を用いてヒータリード
との溶接を行った場合のヒータ支持体の変形を示す要部
側断面図。

【符号の説明】

１…ヒータ、２…ヒータ支持体、３…陰極スリーブ、４
…陰極構体、５…ヒータリード、６…ヒータ支持体下端
切断部、７…電子放射物質層、８…溶接点、９…電子銃
の軸に概略平行な折り曲げ部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒータとヒータ支持体とからなり、該ヒー
   タと該ヒータ支持体とを組立てた後陰極に挿入固定する
   陰極線管用ヒータ構体において、陰極構体に溶接固定す
   る上記ヒータ支持体の少なくとも１ヵ所以上に電子銃の
   軸に概略平行な折り曲げ部を設けて上記軸に直角方向の
   曲げに対する剛性を向上させたことを特徴とする陰極線
   管用ヒータ構体。