JPH0554731A - 多芯セラミツクス超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

多芯セラミツクス超電導線材およびその製造方法

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JPH0554731A
JPH0554731A JP4021414A JP2141492A JPH0554731A JP H0554731 A JPH0554731 A JP H0554731A JP 4021414 A JP4021414 A JP 4021414A JP 2141492 A JP2141492 A JP 2141492A JP H0554731 A JPH0554731 A JP H0554731A
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composite
ceramics
cross
section
superconducting wire
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JP4021414A
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English (en)
Inventor
Sukeyuki Kikuchi
祐行 菊地
Masanao Mimura
正直 三村
Naoki Uno
直樹 宇野
Yasuzo Tanaka
靖三 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/20Permanent superconducting devices
    • H10N60/203Permanent superconducting devices comprising high-Tc ceramic materials

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、優れた超電導特性を発揮できる多芯
セラミックス超電導線材およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】金属マトリクスと、金属マトリクス内に、その
断面において、その長い方の幅方向が断面中心に向くよ
うに放射状に配置された複数の断面偏平な単層または複
数層のセラミックス超電導体層とを具備することを特徴
とする。金属部材の貫通孔内にセラミックス超電導体の
原料物質を充填して複合ビレットを得て、複合ビレット
に縮径加工を施して断面が偏平もしくは扇形である複合
線材を作製し、複合線材を集合させて複合線材集合体を
形成し、複合線材集合体に金属材料を被覆して金属被覆
複合線材集合体を作製し、金属被覆複合線材集合体に所
定の加熱処理を施して原料物質をセラミックス超電導体
にすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導特性に優れた多芯
セラミックス超電導線材、およびそのような多芯セラミ
ックス超電導線材を効率よく得ることができる製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、臨界温度(Tc)が液体窒素温度
を超えるBi−Sr−Ca−Cu−O系、Y−Ba−C
u−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系等のセラミッ
クス超電導体が見出され、種々の分野において応用研究
が進められている。
【0003】これらのセラミックス超電導体は脆いた
め、これらを所定形状のセラミックス超電導線材に加工
するには、例えば、金属製パイプ内にセラミックス超電
導体となし得る原料物質を充填して複合ビレットとな
し、次いでこの複合ビレットを所望形状に縮径加工する
方法が用いられている。そして縮径加工後、所定の加熱
処理が施されることにより、前記原料物質が反応してセ
ラミックス超電導体となり単芯のセラミックス超電導線
材に製造される。
【0004】また、多芯セラミックス超電導線材の製造
は、前記のセラミックス超電導線材の多数本を更に金属
製パイプ内に配置し、これを所望形状に縮径加工したの
ち、所定の加熱処理を施すか、または金属製ビレットに
複数個の貫通孔をあけ、この貫通孔内に前記の原料物質
を充填して複合ビレットとなし、この複合ビレットを所
望形状に縮径加工したのち、所定の加熱処理を施すこと
により行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして製造された多芯セラミックス超電導線材は、図
11(A),(B)に示すように、金属マトリクス10
中に断面が円形のセラミックス超電導体層11が分散し
て複合されたもの、または断面が偏平な矩形状のセラミ
ックス超電導体層12が一定方向に配列して複合された
ものである。
【0006】しかし、前者は個々のセラミックス超電導
体層11の充填密度が低く、超電導体のC軸配向性も低
いため、高い超電導特性のものが得られない。また、後
者は個々の偏平な矩形状のセラミックス超電導体層12
が一定方向にのみ配列されているため、この個々のセラ
ミックス超電導体層12が熱伝導のバリアとなり、厚み
方向への熱伝導が妨げられる。その結果、多芯セラミッ
クス超電導線材全体としての冷却能力が低下して、高い
超電導特性のものが得られない。
【0007】また、単芯セラミックス超電導線材を多数
本金属製パイプ内に配置する方法では、単芯セラミック
ス超電導線材を金属製パイプ内に整列させて配置させる
ことが難しく、得られる多芯セラミックス超電導線材内
で個々のセラミックス超電導体層同士がクロスする部分
が必然的に生じてしまう。そして、この部分が異常に変
形するために、高い超電導特性のものが得られない。
【0008】また、金属製ビレットに複数の貫通孔を開
ける方法は、特に孔の数が多くなると、孔あけ作業に多
大の労力を要するので好ましくない。
【0009】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、優れた超電導特性を発揮できる多芯セラミックス
超電導線材を提供することを目的とする。さらに、本発
明は、上記の如き優れた超電導特性を発揮できる多芯セ
ラミックス超電導線材を効率よく得ることができる多芯
セラミックス超電導線材の製造方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の請求
項1の発明は、金属マトリクスと、前記金属マトリクス
内に、複数の偏平なセラミックス超電導体層が金属マト
リックス断面内で、その長い方の幅方向が、断面中心に
向くように放射状に単層或いは複数層配置されてなるこ
とを特徴とする多芯セラミックス超電導線材を提供す
る。
【0011】また、本発明の請求項4の発明は、貫通孔
を有する金属部材の貫通孔内にセラミックス超電導体の
原料物質を充填して複合ビレットを作製する工程、複合
ビレットに縮径加工を施して断面が偏平もしくは扇形で
ある複合線材を作製する工程、複合線材を集合させて複
合線材集合体を形成する工程、前記複合線材集合体に金
属材料を被覆して金属被覆複合線材集合体を作製する工
程、並びに前記金属被覆複合線材集合体に所定の加熱処
理を施して原料物質をセラミックス超電導体にする工程
を有する多芯セラミックス超電導線材の製造方法を提供
する。
【0012】以下、本発明の請求項1の発明にかかる多
芯セラミックス超電導線材を図面を参照して説明する。
【0013】図1(A)に示すように、本発明の多芯セ
ラミックス超電導線材は、金属マトリクス20内に断面
が偏平形状のセラミックス超電導体層21の所望数が長
い方の幅方向が断面中心に向くように放射状にして単層
配置されて複合化されたもの、また、図1(B)に示し
た多芯セラミックス超電導線材は、断面が偏平な扇形で
あるセラミックス超電導体層22の所望数を有するもの
である。このような構成により、多芯セラミックス超電
導線材の断面においてセラミックス超電導体層の面積を
大きくすることができ、より大電流を通電させることが
できる。また、図1(C)に示すように、断面が矩形で
ある金属マトリクス23を用いてもよく、図1(D)お
よび(E)に示すように、中央部に冷媒を通流できる孔
24を有する金属マトリクス25を用いてもよい。さら
に、図1(F)に示すように、放射状に配置された偏平
形状のセラミックス超電導体層群26を同軸状に複数段
形成してもよい。
【0014】本発明において、金属マトリクスの材料と
しては、銅、銅合金、銀、銀合金、その他の熱および電
気伝導性に優れた金属等を用いることができる。特に好
ましくは、酸素透過性に優れた銀、銀合金である。
【0015】セラミックス超電導体としては、Bi系、
Y系、Tl系等のものを用いることができる。また、そ
の原料物質としては、通常の原料粉末に加えて、セラミ
ックス超電導体になる前の中間体、例えばセラミックス
超電導体の構成元素を含む酸化物、炭酸塩等の一次原料
粉を所望組成となるように配合し、混合して仮焼成して
なる仮焼体、セラミックス超電導体の構成元素を含む化
合物の溶液を所望組成となるように混合して得られる共
沈混合物、酸素欠損型複合酸化物、またはセラミックス
超電導体の構成元素の合金等を用いることができる。
【0016】個々のセラミックス超電導体層の断面形状
は、矩形、扇形、細長い楕円形等任意の形状でよい。た
だし、この断面形状は、偏平形状であることが好まし
い。これは、セラミックス超電導体の結晶のC軸配向性
が向上するからである。
【0017】多芯セラミックス超電導線材の断面形状
は、円形に限るものではなく、四角形、楕円形等任意の
形状のもの、更には中心に冷媒を流す空孔を設けたもの
に適用できる。
【0018】本発明者らは、セラミックス超電導体の結
晶のC軸配向性は、セラミックス超電導体層の断面形状
が偏平であるほど向上することを見出だし本発明をする
に至った。
【0019】本発明の多芯セラミックス超電導線材にお
いて、偏平形状の個々のセラミックス超電導体層により
セラミックス超電導体の結晶のC軸配向性が向上する理
由は、原料物質をセラミックス超電導体となすための加
熱処理の際に、金属マトリクスの金属の結晶がセラミッ
クス超電導体の結晶をC軸に配向させる作用を及ぼすの
で、個々のセラミックス超電導体層と金属マトリクスと
の接触面積を大きくすることにより、その作用がより強
くなると考えられるからである。
【0020】個々のセラミックス超電導体層の偏平の程
度を示す偏平度L2 /Sは、C軸配向性の点で18以上
の場合であることが好ましい。これは、偏平度が18未
満であると高い超電導特性を有するに充分なC軸配向性
が得られないからである。ここで、L(mm)は断面にお
いて個々のセラミックス超電導体層と金属マトリクスと
の接触長さを示し、S(mm2 )は個々のセラミックス超
電導体層の断面積を示す。
【0021】また、本発明の多芯セラミックス超電導線
材において、偏平形状の個々のセラミックス超電導体層
をその長い方の幅方向が断面中心に向くように放射状に
配置することにより、熱伝導性が向上する。特に、複数
の扇形の断面を有するセラミックス超電導体層が金属マ
トリックス断面内でその厚さの厚い方を外側に向けて放
射状に配置されていることにより熱伝導性が向上する。
【0022】通常、セラミックス超電導体は熱伝導性が
悪く、例えば図11(B)のような配置であると幅方向
への熱伝導性は良好であるが、厚み方向への熱伝導性は
悪くなる。このため、セラミックス超電導線材全体を冷
却する能力が低下してしまう。したがって、本発明のよ
うに個々のセラミックス超電導体層をその長い方の幅方
向が断面中心に向くように放射状に配置することによ
り、個々のセラミックス超電導体層相互のの妨害なしに
熱が速やかに伝導する。
【0023】次に、本発明の請求項4の発明にかかる多
芯セラミックス超電導線材の製造方法を説明する。
【0024】まず、図2(A)に示すように、金属製パ
イプ30内にセラミックス超電導体となしうる原料物質
31を充填して複合ビレット32を作製する。次いで、
図2(B)に示すように、この複合ビレット32に縮径
加工を施して断面が扇形である複合線材33を形成す
る。次いで、図2(C)に示すように、複数の複合線材
33をその円弧部33aが外側となるようにして配置し
て複合線材集合体34を構成し、次いで、図2(D)に
示すように、複合線材集合体34を被覆用金属製パイプ
35内に配置して金属被覆複合線材集合体36を構成す
る。次いで、前記金属被覆複合線材集合体36または金
属被覆複合線材集合体36に縮径加工を施して得た図2
(E)に示すような集合線材37に、所定の加熱処理を
施してそれぞれ図2(F)および(G)に示すように、
その長手方向が放射状に配置された個々のセラミックス
超電導体層38を有する多芯セラミックス超電導線材3
が得られる。
【0025】また、上記の複合ビレットに縮径加工を施
し、図3(A)に示すような断面が略台形状の複合線材
40を作製し、図3(B)に示すように、複数の複合線
材40をその円弧部が外側となるようにして金属製パイ
プ41上に配置して複合線材集合体42を構成し、これ
を被覆用金属製パイプ43内に配置して金属被覆複合線
材集合体44を構成する。これに所定の加熱処理を施す
ことにより、その長手方向が放射状に多数配置されたセ
ラミックス超電導体層45を有し、冷媒を通流する孔部
46を有する多芯セラミックス超電導線材4が得られ
る。
【0026】上記のように製造する際、断面が扇形であ
る複合線材に所定の加熱処理を施して原料物質をセラミ
ックス超電導体に反応させた後に集合体を形成して加熱
処理時間を短縮することもできるが、この方法によると
セラミックス超電導体層に割れが入り易くなるので、こ
の場合には後工程において取扱いに充分注意する必要が
ある。
【0027】上記の製造方法において、複合線材集合体
は被覆用金属製パイプ内に配置されることにより、集合
線材が固定されるだけでなく、加工性も改善される。複
合線材集合体を被覆用金属製パイプ内に配置する他に、
複合線材集合体を金属テープで巻き締める方法、複合線
材集合体の表面に金属材料を蒸着して被覆する方法等の
方法を用いてもよい。
【0028】また、原料物質を、金属製パイプ内に充填
する方法としては、粉状の原料物質をそのまま充填して
もよいし、あるいは粉状の原料物質をCIP(Cold Iso
static Pressing )処理等の方法により所定形状に圧粉
成形したものや、圧粉成形体を加熱焼結したものを充填
してもよい。
【0029】本発明の製造方法において、金属製パイプ
に原料物質を充填した複合ビレットを縮径加工する方法
としては、HIP処理、押出加工、圧延加工、引抜き加
工、スウェージング等の通常の加工方法を適用すること
ができる。
【0030】複合ビレットを断面が扇形の複合線材に縮
径加工する方法としては、例えば押出加工を行った後図
4(A)に示すような軸を傾斜させた圧延ロール50
や、図4(B)に示すような断面が扇状の孔部51を有
する金型52でプレスして仕上げる方法、あるいはコン
フォーム押出加工等の方法によってそのまま得ることも
できる。
【0031】セラミックス超電導体となしうる原料物質
をセラミックス超電導体に反応させるための加熱処理の
条件は、酸素含有雰囲気中でY系セラミックス超電導体
の場合、加熱温度950〜1000℃程度、Bi系セラ
ミックス超電導体の場合は850〜1000℃程度であ
る。
【0032】また、本発明の多芯セラミックス超電導線
材の製造方法においては、図5(A)に示すような複数
の貫通孔60を一列に形成した金属製板状体61を用い
ることにより、複数段の個々のセラミックス超電導体層
を有する多芯セラミックス超電導線材を作製することが
できる。
【0033】このような多芯セラミックス超電導線材の
製造方法は、まず、図5(A)に示す金属製板状体61
の貫通孔60内にセラミックス超電導体となしうる原料
物質62を充填して図5(B)に示すような複合ビレッ
ト63を作製する。次いで、図5(C)に示すように、
この複合ビレット63に縮径加工を施して断面が扇形で
ある複合線材64を形成する。次いで、図5(D)に示
すように、複合線材64の複数個をその円弧部64aが
外側となるようにして配置して複合線材集合体65を構
成し、次いで、図5(E)に示すように、複合線材集合
体65を被覆用金属製パイプ66内に配置して金属被覆
複合線材集合体67を構成する。次いで、金属被覆複合
線材集合体67または金属被覆複合線材集合体67に縮
径加工を施し得た図5(F)に示すような集合線材68
に、所定の加熱処理を施してそれぞれ図5(G)および
Hに示すように、その長手方向が放射状に複数段に配置
された個々のセラミックス超電導体層69を有する多芯
セラミックス超電導線材6が得られる。
【0034】また、上記の複合ビレットに縮径加工を施
し、図6(A)に示すような断面が略台形状であり、複
数の貫通孔70を有する複合線材71を作製し、図6
(B)に示すように、複数の複合線材71をその円弧部
が外側となるようにして金属製パイプ72上に配置して
複合線材集合体73を構成し、これを被覆用金属製パイ
プ74内に配置して金属被覆複合線材集合体75を構成
する。これに所定の加熱処理を施すことにより、その長
手方向が放射状に配置された複数段の個々のセラミック
ス超電導体層76を有し、冷媒を通流する孔部77を有
する多芯セラミックス超電導線材7が得られる。
【0035】複合ビレットを作製する場合、図7(A)
に示すような複数の溝80を有する金属製板状体81の
溝80内に原料物質82を充填し、図7(B)に示すよ
うに、この上に金属製蓋83を被せてもよい。このよう
な方法によれば、充填作業が容易となり、しかも原料物
質を均一に高密度に充填することができる。また、溝付
金属製板状体81を走行させながら原料物質82を連続
的に充填することにより長尺の複合ビレットを効率よく
製造することができる。
【0036】また、図8(A)に示すような複数の貫通
孔90を複数列に形成した金属製板状体91を用いて、
図8(B)に示すような複数列の原料物質層を有する断
面が扇形である複合線材92を形成してもよい。このよ
うな金属製板状体91を用いることにより、縮径加工数
を減少させることができ、効率よく製造することができ
る。
【0037】さらに、図9(A)に示すような複数の貫
通孔100が不規則に形成された金属製板状体101を
用いてもよい。このような金属製板状体101を用いる
ことにより、図9(B)に示すように、断面が扇形であ
る複合線材102を形成した場合に個々のセラミックス
超電導体層の密度を高くすることができる。
【0038】また、本発明の多芯セラミックス超電導線
材の製造方法においては、図10(A)に示すように、
金属マトリクスとなる金属棒状体110に断面が偏平な
矩形である複数の貫通孔111をその長手方向が放射状
になるようにして形成し、次いで、図10(B)に示す
ように、その貫通孔111内に原料物質112を充填し
て複合ビレット113を作製し、図10(C)に示すよ
うに、この複合ビレット113に縮径加工を施して複合
線材114を形成し、これに所定の加熱処理を施して多
芯セラミックス超電導線材を製造してもよい。
【0039】
【実施例】
実施例1 Bi2 3 、SrCO3 、CaCO3 、CuO等の粉末
をBi:Sr:Ca:Cuが原子比で2:2:1:2に
なるように配合し混合した後、得られた混合粉を大気中
で820℃×50時間仮焼成し、これを粉砕して平均粒
径5μmの仮焼成粉を作製した。
【0040】次に、この仮焼成粉を圧粉成形後CIP
(Cold Isostatic Pressing )処理して、15mmφの棒
材となし、次いでこの棒材を外径25mmφ、内径15mm
φのAg製パイプ内に充填して複合ビレットを作製し
た。次いで、この複合ビレットを押出加工して、一方の
円弧部が0.2mm、他方の円弧部が1mm、幅5mmの断面
が扇形である複合線材を得た。これを図4(B)に示す
金型を用いてプレスして仕上げた。
【0041】次いで、得られた複合線材の所望数を、大
きい円弧部側が外側になるようにして配置して複合線材
集合体を形成し、この複合線材集合体の周囲に厚さ0.
2mmのAgテープを巻き付けてAg被覆複合線材集合体
を形成した。
【0042】その後、得られたAg被覆複合線材集合体
に酸素気流中で、850℃×50時間の加熱処理を施し
て図2(F)に示す断面形状を有する多芯セラミックス
超電導線材を製造した。
【0043】実施例2 実施例1で作製した仮焼成粉を圧粉成形後CIP処理し
て、15mmφの棒材となし、次いでこの棒材を外径25
mmφ、内径15mmφのAg製パイプ内に充填して複合ビ
レットを作製した。次いで、この複合ビレットにスウェ
ージング加工後、押出加工を行い、この線材を図4
(B)に示す金型を用いてプレスして、一方の円弧部が
1mm、他方の円弧部が2mm、幅5mmの断面が扇形の複合
線材を得た。
【0044】次いで、得られた複合線材を所望数を、外
径10mmφ、内径6mmφのAg製パイプ上に大きい円弧
部側が外側になるようにして配置して複合線材集合体を
形成し、この複合線材集合体に厚さ0.2mmのAgテー
プを巻き付けてAg被覆複合線材集合体を形成した。
【0045】その後、得られたAg被覆複合線材集合体
に酸素気流中で、850℃×50時間の加熱処理を施し
て図3(C)に示す断面形状を有する多芯セラミックス
超電導線材を製造した。
【0046】実施例3 実施例1で作製した複合線材集合体の外側に肉厚2mmの
Ag製パイプを被せて金属被覆複合線材集合体を形成
し、次いで、この金属被覆複合線材集合体にスウェージ
ング加工を施して外径8mmφの集合線材となし、次い
で、この集合線材に酸素気流中で850℃×50時間の
加熱処理を施して図2(G)に示す断面形状を有する多
芯セラミックス超電導線材を製造した。
【0047】実施例4 Bi2 3 、PbO、SrCO3 、CaCO3 、CuO
の粉末をBi:Pb:Sr:Ca:Cuが原子比で1.
6:0.4:2:2:3になるように配合し混合した
後、得られた混合粉を大気中で750℃×50時間仮焼
成し、これを粉砕して得られた平均粒径5μmの仮焼成
粉を用いること以外は実施例2と同様にして図3(C)
に示す断面形状を有する多芯セラミックス超電導線材を
製造した。
【0048】比較例1 実施例1で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP処
理して20mmφの棒材とした。これを外径20mmφの7
つの貫通孔が等間隔に形成された外径100mmφのAg
製棒材の前記貫通孔に、前記棒材をそれぞれ挿入して複
合ビレットを形成した。この複合ビレットに実施例1と
同様にしてスウェージング加工および加熱処理を施して
図11(A)に示す断面形状を有する外径10mmの多芯
セラミックス超電導線材を製造した。
【0049】比較例2 実施例2で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP処
理して12mmφの棒材となし、この棒材を、外径20m
m、内径12mmのAg製パイプ内に充填し、次いで、こ
れにスウェージング加工および圧延加工を施して幅5m
m、厚さ0.2mmの断面が矩形のテープ状線材を形成し
た。
【0050】次に、このテープ状線材を外径40mm、内
径30mmの正方形のAg製パイプ内に整列して配置して
複合ビレットとし、この複合ビレットに圧延加工を施し
て厚さ4mm、幅18mmの多芯セラミックス超電導線材を
作製した。
【0051】次に、この多芯セラミックス超電導線材に
実施例2と同様にして加熱処理を施して図11(B)に
示す断面形状を有する多芯セラミックス超電導線材を製
造した。
【0052】このようにして製造した実施例1〜4、比
較例1,2の各々の多芯セラミックス超電導線材につい
て、臨界温度(Tc)および液体窒素中における臨界電
流密度(Jc)を通常の測定方法により測定した。その
結果を下記表1に示す。
【0053】
【表1】 表1より明らかなように、実施例1〜4の多芯セラミッ
クス超電導線材は、TcおよびJcが共に高い値のもの
であった。特に、実施例2は内部から冷却が促進されて
いるので優れた超電導特性を示し、実施例3は金属被覆
複合線材集合体を縮径加工しているので、複合線材同士
の密着性が高くなり、冷却効果が高く、優れた超電導特
性を示した。
【0054】これに対して、比較例1は、個々のセラミ
ックス超電導体層が円形の断面を有するものであるの
で、個々のセラミックス超電導体の密度が低くこれによ
り超電導特性が低く、また比較例2は、個々のセラミッ
クス超電導体層が厚さ方向の熱伝導を阻害するため冷却
効果が低く、いずれもJcが低い値であった。
【0055】実施例5 Bi2 3 、SrCO3 、CaCO3 、CuO等の粉末
をBi:Sr:Ca:Cuが原子比で2:2:1:2に
なるように配合し混合した後、得られた混合粉を大気中
で820℃×50時間仮焼成し、これを粉砕して平均粒
径5μmの仮焼成粉を作製した。
【0056】次に、この仮焼成粉を圧粉成形後CIP処
理して、2mm×2mmの棒材となし、次いでこの棒材を、
2mm×2mmの3つの貫通孔を一列に形成した厚さ4mm、
幅10mmのAg製パイプの貫通孔内に充填して複合ビレ
ットを作製した。次いで、この複合ビレットに押出加工
を施して、一方の円弧部が0.2mm、他方の円弧部が2
mm、幅10mmの断面が扇形である複合線材を得た。これ
を図4(A)に示す圧延ロールを用いて仕上げた。
【0057】次いで、得られた複合線材の所望数を、大
きい円弧部側が外側になるようにして配置して複合線材
集合体を形成し、この複合線材集合体の周囲に厚さ0.
2mmのAgテープを巻き付けてAg被覆複合線材集合体
を形成した。
【0058】その後、得られたAg被覆複合線材集合体
に酸素気流中で、850℃×50時間の加熱処理を施し
て図5(D)に示す断面形状を有する多芯セラミックス
超電導線材を製造した。
【0059】実施例6 実施例5で作製した2mm×2mmの棒材を、2mm×2mmの
3つの貫通孔を一列に形成した外径4mmφ、長さ8mmの
Ag製パイプの前記貫通孔内に充填して複合ビレットを
作製した。次いで、この複合ビレットを押出加工した
後、図4(B)に示す金型を用いてプレスして、一方の
円弧部が0.7mm、他方の円弧部が2mm、幅8mmの断面
が扇形である複合線材を得た。
【0060】次いで、得られた複合線材の所望数を、大
きい円弧部側が外側になるようにして外径8mm、内径6
mmのAg製パイプ上に配置して複合線材集合体を作製し
た。次いで、この複合線材集合体に厚さ0.2mmのAg
テープを巻き付けてAg被覆複合線材集合体を形成し
た。
【0061】その後、得られたAg被覆複合線材集合体
に大気中で825℃×50時間の加熱処理を施して図6
(C)に示す断面形状を有する多芯セラミックス超電導
線材を製造した。
【0062】実施例7 実施例5で作製した複合線材集合体の外周に肉厚2mmの
Ag製パイプを被せてAg被覆複合線材集合体となし、
次いで,このAg被覆複合線材集合体にスウェージング
加工を施して外径8mmφの集合線材となし、次いで、こ
の集合線材に酸素気流中で850℃×50時間の加熱処
理を施して図5(H)に示す断面形状を有する多芯セラ
ミックス超電導線材を製造した。
【0063】実施例8 Bi2 3 、PbO、SrCO3 、CaCO3 、CuO
等の原料粉末をBi:Pb:Sr:Ca:Cuが原子比
で1.6:0.4:2:2:3になるように配合し混合
した後、得られた混合粉を大気中で750℃×50時間
仮焼成し、これを粉砕して得た平均粒径5μmの仮焼成
粉を用いること以外は実施例6と同様にして図6(C)
に示す断面形状を有する多芯セラミックス超電導線材を
製造した。
【0064】比較例3 実施例5で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP処
理して外径20mmφの棒材とした。これを外径20mmφ
の7つの貫通孔が等間隔に形成された外径100mmφの
Ag製棒材の前記貫通孔に、この棒材をそれぞれ挿入し
て複合ビレットを形成した。この複合ビレットに実施例
5と同様にしてスウェージング加工および加熱処理を施
して図11(A)に示す断面形状を有する多芯セラミッ
クス超電導線材を製造した。
【0065】比較例4 実施例5で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP処
理して12mmφの棒材となし、この棒材を、外径20mm
φ、内径12mmφのAg製パイプ内に充填し、次いで、
これにスウェージング加工および圧延加工を施して外径
1mmφの単芯のセラミックス超電導線材を作製した。次
に、この単芯セラミックス超電導線材の所望数を外径3
4mmφ、内径26mmφのAg製パイプ内に挿入して複合
ビレットとなし、この複合ビレットに圧延加工を施して
外径20mmφの多芯のセラミックス超電導線材を作製し
た。
【0066】次に、この多芯セラミックス超電導線材に
実施例5と同様にして加熱処理を施して図11(C)に
示す断面形状を有する、すなわち、その断面において、
金属マトリクス10内にセラミックス超電導体層11が
分散している多芯セラミックス超電導線材を製造した。
【0067】このようにして製造した実施例5〜8、比
較例3,4の各々の多芯セラミックス超電導線材につい
て、臨界温度および液体窒素中にて臨界電流密度を測定
した。その結果を、セラミックス超電導体層の数、すな
わち芯数を併記して表2に示す。
【0068】
【表2】 表2より明らかなように、実施例5〜8の多芯セラミッ
クス超電導線材は、TcおよびJcが共に高い値のもの
であった。特に、実施例6は内部から冷却が促進されて
いるので優れた超電導特性を示し、実施例7は金属被覆
複合線材集合体を縮径加工しているので、複合線材同士
の密着性が高くなり、冷却効果が高く、優れた超電導特
性を示した。
【0069】これに対して、比較例3は、個々のセラミ
ックス超電導体層が円形の断面を有するものであり、ま
たその数も少数で寸法が大きいので、個々のセラミック
ス超電導体の密度が低く、これにより超電導特性が低
く、また、比較例4は、単芯のセラミックス超電導線材
を金属製パイプ内に1本づつ挿入して多芯化したため、
線材の配列にクロスした部分が生じ、その部分が異常に
変形して、いずれもJcが低い値であった。
【0070】実施例9 Bi2 3 、SrCO3 、CaCO3 、CuO等の粉末
をBi:Sr:Ca:Cuが原子比で2:2:1:2に
なるように配合し混合した後、得られた混合粉を大気中
で820℃×50時間仮焼成し、これを粉砕して仮焼成
粉を作製した。
【0071】次に、この仮焼成粉を圧粉成形後CIP処
理して、幅10mm、厚さが種々異なる、すなわち偏平度
が異なる、断面が矩形状の圧粉成形体をそれぞれ所望数
作製した。次に、外径30mmφのAg製の丸棒材にそれ
ぞれの圧粉成形体と同じ断面形状の貫通孔をその長手方
向が放射状になるようにして形成した。Ag製成形体の
前記貫通孔に前記圧粉成形体をそれぞれ挿入して複合ビ
レットを作製した。なお、Ag製成形体の貫通孔の数
は、複合ビレット毎に貫通孔の総断面積が同一になるよ
うに調整した。
【0072】次いで、各々の複合ビレットにスウェージ
ング加工を施して、外径2mmφの個々のセラミックス超
電導線材を得た。このセラミックス超電導線材に酸素気
流中で850℃×50時間の加熱処理を施して図1
(A)と同じ断面形状を有する多芯セラミックス超電導
線材を製造した。
【0073】実施例10 実施例9で作製した仮焼成粉を圧粉成形後CIP処理し
て、幅が10mm、厚さが種々異なる、すなわち偏平度が
異なる、断面が矩形状の圧粉成形体をそれぞれ所望数作
製した。次に、外径30mmφ、内径5mmφのAg製パイ
プにそれぞれの圧粉成形体と同じ断面形状の貫通孔をそ
の長手方向が放射状になるようにして形成し、この貫通
孔に前記圧粉成形体をそれぞれ挿入して複合ビレットを
作製した。なお、貫通孔の数は、複合ビレット毎に貫通
孔の総断面積が同一になるように調整した。
【0074】次いで、各々の複合ビレットにスウェージ
ング加工を施して、外径10mmφの多芯セラミックス超
電導線材を得た。この多芯セラミックス超電導線材に酸
素気流中で850℃×50時間の加熱処理を施して図1
(E)と同じ断面形状を有する多芯セラミックス超電導
線材を製造した。
【0075】実施例11 Bi2 3 、PbO、SrCO3 、CaCO3 、CuO
等の粉末をBi:Pb:Sr:Ca:Cuが原子比で
1.6:0.4:2:2:3になるように配合し混合し
た後、得られた混合粉を大気中で750℃×50時間仮
焼成し、これを粉砕して得た平均粒径5μmの仮焼成粉
を用いること以外は実施例10と同様にして図1(E)
に示す断面形状を有する多芯セラミックス超電導線材を
製造した。
【0076】比較例5 実施例9で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP処
理して5mmφの棒材とした。外径5mmφの7つの貫通孔
が等間隔に形成された外径25mmφのAg製棒材の貫通
孔に、この棒材をそれぞれ挿入して複合ビレットを形成
した。この複合ビレットに実施例9と同様にしてスウェ
ージング加工および加熱処理を施して図11(A)に示
す断面形状を有する外径2mmの多芯セラミックス超電導
線材を製造した。
【0077】比較例6 実施例10で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP
処理して12mmφの棒材となし、この棒材を、外径20
mm、内径12mmのAg製パイプ内に充填し、次いで、こ
れにスウェージング加工および圧延加工を施して幅5m
m、厚さ0.2mmの断面が矩形のテープ状線材を形成し
た。
【0078】次に、このテープ状線材を外径40mm、内
径30mmの正方形のAg製パイプ内に整列して配置して
複合ビレットとし、この複合ビレットに圧延加工を施し
て厚さ1mm、幅3mmの多芯セラミックス超電導線材を作
製した。
【0079】次に、この多芯セラミックス超電導線材に
実施例10と同様にして加熱処理を施して図11(B)
に示す断面形状を有する多芯セラミックス超電導線材を
製造した。
【0080】このようにして製造した実施例9〜11、
比較例5,6の各々の多芯セラミックス超電導線材につ
いて、臨界温度(Tc)および液体窒素中における臨界
電流密度(Jc)を通常の測定方法により測定した。そ
の結果を下記表3に示す。
【0081】
【表3】 表3から明らかなように、実施例9〜11の多芯セラミ
ックス超電導線材は、TcおよびJcが共に高い値のも
のであった。
【0082】これに対して、比較例5は、個々のセラミ
ックス超電導体層が円形の断面を有するものであり、セ
ラミックス超電導体の結晶のC軸配向性が悪かった。ま
た、比較例6は、個々のセラミックス超電導体層が厚さ
方向の熱伝導を阻害するため冷却効果が低く、Jcが低
い値であった。
【0083】実施例12 Y2 3 、BaCO3 、CuO等の粉末をY:Ba:C
uが原子比で1:2:3になるように配合し混合した
後、得られた混合粉を大気中で900℃×100時間仮
焼成し、これを粉砕して平均粒径5μmの仮焼成粉を作
製した。
【0084】次に、この仮焼成粉を圧粉成形後CIP処
理して、幅10mm、厚さが種々異なる、すなわち偏平度
が異なる、断面が矩形状の圧粉成形体をそれぞれ所望数
作製した。次に、外径30mmφのAg製の丸棒材にそれ
ぞれの圧粉成形体と同じ断面形状の貫通孔をその長手方
向が断面中心に対して放射状になるようにして形成し
た。Ag製成形体の前記貫通孔に前記圧粉成形体をそれ
ぞれ挿入して複合ビレットを作製した。なお、Ag製成
形体の貫通孔の数は、複合ビレット毎に貫通孔の総断面
積が同一になるように調整した。
【0085】次いで、各々の複合ビレットにスウェージ
ング加工を施して、外径5mmφに仕上げ、さらに引抜き
加工を行って外径2mmφの多芯セラミックス超電導線材
を得た。このセラミックス超電導線材に酸素気流中で9
20℃×20時間の加熱処理を施して図1(A)と同じ
断面形状を有する多芯セラミックス超電導線材を製造し
た。
【0086】実施例13 Tl2 3 、BaCO3 、CaCO3 、CuO等の粉末
をTl:Ba:Ca:Cuが原子比で2:2:2:3に
なるように配合し混合した後、得られた混合粉を酸素気
流中で750℃×20時間仮焼成し、これを粉砕して得
た平均粒径5μmの仮焼成粉を用いること以外は実施例
12と同様にして図1(A)に示す断面形状を有する多
芯セラミックス超電導線材を製造した。また、この場合
の熱処理温度は850℃×50時間とした。
【0087】比較例7 実施例12で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP
処理して5mmφの棒材とした。外径5mmφの7つの貫通
孔が等間隔に形成された外径25mmφのAg製棒材の貫
通孔に、この棒材をそれぞれ挿入して複合ビレットを形
成した。この複合ビレットに実施例12と同様にしてス
ウェージング加工および加熱処理を施して図11(A)
に示す断面形状を有する外径2mmの多芯セラミックス超
電導線材を製造した。
【0088】比較例8 実施例13で作製した仮焼成粉を圧粉成形およびCIP
処理して5mmφの棒材とした。外径5mmφの7つの貫通
孔が等間隔に形成された外径25mmφのAg製棒材の貫
通孔に、この棒材をそれぞれ挿入して複合ビレットを形
成した。この複合ビレットに実施例12と同様にしてス
ウェージング加工および加熱処理を施して図11(A)
に示す断面形状を有する外径2mmの多芯セラミックス超
電導線材を製造した。
【0089】このようにして製造した実施例12,1
3、比較例7,8の各々の多芯セラミックス超電導線材
について、臨界温度(Tc)および液体窒素中における
臨界電流密度(Jc)を通常の測定方法により測定し
た。その結果を下記表4に示す。
【0090】
【表4】 表4から明らかなように、実施例12,13の多芯セラ
ミックス超電導線材は、TcおよびJcが共に高い値の
ものであった。
【0091】これに対して、比較例7,8は、個々のセ
ラミックス超電導体層が円形の断面を有するものであ
り、セラミックス超電導体の結晶のC軸配向性が悪かっ
た。
【0092】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の多芯セラミッ
クス超電導線材は、C軸配向性が良く、セラミックス超
電導体層が交差することがないので、優れた超電導特性
を発揮できるものである。また、本発明の多芯セラミッ
クス超電導線材の製造方法は、優れた超電導特性を発揮
できる多芯セラミックス超電導線材を効率よく得ること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(F)は本発明の多芯セラミックス超
電導線材の断面を示す説明図。
【図2】(A)〜(G)は本発明の多芯セラミックス超
電導線材の製造方法の一例を説明するための図。
【図3】(A)〜(C)は本発明の多芯セラミックス超
電導線材の製造方法の他の例を説明するための図。
【図4】(A),(B)は本発明において複合線材に縮
径加工を施す際に使用される装置を説明するための図。
【図5】(A)〜(H)は本発明の多芯セラミックス超
電導線材の製造方法の他の例を説明するための図。
【図6】(A)〜(C)は本発明の多芯セラミックス超
電導線材の製造方法の他の例を説明するための図。
【図7】(A),(B)は本発明において複合ビレット
を作製する方法を説明するための図。
【図8】(A),(B)は本発明において使用される金
属製板状体を示す図。
【図9】(A),(B)は本発明において使用される金
属製板状体を示す図。
【図10】(A)〜(C)は本発明の多芯セラミックス
超電導線材の製造方法の他の例を説明するための図。
【図11】(A)〜(B)は従来の多芯セラミックス超
電導線材の断面を示す説明図。
【符号の説明】
3,4,6,7…多芯セラミックス超電導線材、20,
23,25…金属マトリクス、21,22,38、4
5,69,76…セラミックス超電導体層、24,4
6,51,77…孔部、26…セラミックス超電導体層
群、30,41,66,72…金属製パイプ、31,6
2,82,112…原料物質、32,63,113…複
合ビレット、33,40,64,71,92,102,
114…複合線材、33a,64a…円弧部、34,4
2,65,73…複合線材集合体、35,43,74…
被覆用金属製パイプ、36,44,67,75…金属被
覆複合線材集合体、37,68…集合線材、50…圧延
ロール、52…金型、60,70,90,100,11
1…貫通孔、61,81,91,101…金属製板状
体、80…溝、110…金属棒状体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖三 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属マトリクスと、前記金属マトリクス
    内に、その断面において、その長い方の幅方向が断面中
    心に向くように放射状に配置された複数の断面偏平なセ
    ラミックス超電導体層を単層または複数層具備すること
    を特徴とする多芯セラミックス超電導線材。
  2. 【請求項2】 断面中心に向かって放射方向に複数列配
    置された断面偏平なセラミックス超電導体層の各層が、
    非直線的に配列されていることを特徴とする請求項1記
    載の多芯セラミックス超電導線材。
  3. 【請求項3】 線材の断面中心に長手方向に貫通した空
    孔を具備していることを特徴とする請求項1記載の多芯
    セラミックス超電導線材。
  4. 【請求項4】 所望数の貫通孔を有する金属部材の前記
    貫通孔内にセラミックス超電導体の原料物質を充填して
    複合ビレットを作製する工程、前記複合ビレットに縮径
    加工を施して断面が偏平である複合線材を作製する工
    程、前記複合線材を集合させて複合線材集合体を形成す
    る工程、前記複合線材集合体に金属材料を被覆して金属
    被覆複合線材集合体を作製する工程、並びに前記金属被
    覆複合線材集合体に所定の加熱処理を施して前記原料物
    質をセラミックス超電導体にする工程を具備することを
    特徴とする多芯セラミックス超電導線材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999052157A1 (en) * 1998-04-07 1999-10-14 Bicc Public Limited Company Superconducting wires
KR100945195B1 (ko) * 2008-08-27 2010-03-03 한국전기연구원 러더퍼드 케이블을 이용한 전류리드
CN103714910A (zh) * 2012-10-05 2014-04-09 布鲁克Eas有限公司 制造超导线材的方法、尤其是使用无铅焊料制造的方法
WO2024009568A1 (ja) * 2022-07-04 2024-01-11 株式会社日立製作所 多芯線材

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