JPH0554031B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、冷蔵庫の扉体支軸装置に係り、特
に、上方を冷凍室、下方を冷蔵室とし、冷凍室に
は一体の冷凍室扉を有し、さらに冷蔵室扉を左右
に２分割し、それを観音開き式に開閉可能とした
冷凍冷蔵庫の扉体支軸装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の冷凍冷蔵庫は、後述する第１図に
示す如く、上方が冷凍室、下方が冷蔵室からなつ
ている。また冷蔵庫の扉は使いやすさ、省電力、
省スペース性を良くするためにほぼ中央で左右に
分割された観音開き構造となつている。一方、冷
凍室扉は、冷凍室開口面の前面が一体の扉で覆わ
れている。また、冷凍室扉の開き方向としては、
通常右開きとなつているが、顧客のニーズに対応
するため冷凍室扉の開き方向を左開きとしたタイ
プもメーカーとしては品揃えを行なつている。

〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術のように、冷凍室扉の開き方向と
して、右開き、左開きの２機種を製作すること
は、メーカー側としても販売店側としても、その
在庫管理上、および部品の種類が増えるため、そ
のサービス上、大変不都合が多い等の問題があつ
た。

本発明は、上記従来技術の問題点を解決するた
めになされたもので、１機種で冷凍室扉の開き方
向を右開きにも左開きにも付け替えできるよう
に、特に箱体本体および冷凍室扉に影響を与える
ことなく簡単に作業のできる冷蔵庫の扉支軸装置
を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明に係る冷蔵
庫の扉体支軸装置の構成は、箱体内部が区画壁に
より上下に区画されて、上方に冷凍室、下方に冷
蔵室を有し、冷凍室前面開口部を一体の冷凍室扉
体により、冷蔵室前面開口部を左右に２分割され
た冷蔵室扉体により開閉可能に覆つてなる冷蔵庫
において、前記左の冷蔵室扉体の左上方と右の冷
蔵室扉体の右上方をそれぞれ軸着する内部中空形
状のヒンジピンを有し前記区画壁の前面両側に左
右対称に設けられた中ヒンジと、この中ヒンジの
前記中空部に挿入されるボスと該ボスの上方に取
付部を介して前記冷凍室扉体の下部を軸着するヒ
ンジピンを有する共通ヒンジとを備え、前記共通
ヒンジが、この共通ヒンジのボスを前記左右対称
に設けた中ヒンジの左右いずれか一方の中空部に
挿入した状態で、前記中ヒンジ本体に固定される
とともに、前記冷凍室扉体の下部を前記共通ヒン
ジのヒンジピンで軸着してなるものである。

特に、共通ヒンジには、冷凍室扉体と冷蔵室扉
体との距離を所定の寸法となるように段差部を形
成したものである。

〔作用〕

上記技術的手段による働きは次のとおりであ
る。冷凍室扉体の回転支軸を構成する上ヒンジ、
中ヒンジ（冷凍室扉と冷蔵室扉とを同時に支持す
る回転支軸）の各ヒンジピンを挿入支持するヒン
ジピン受けが冷凍室扉体の上下および冷蔵室扉体
上部に左右対称位置に設けられている。

一方、中ヒンジの中空部に挿入されるボスと該
ボスの上方に取付部を介して冷凍室扉体の下部を
軸着するヒンジピンを有する共通ヒンジを用い
て、この共通ヒンジのボスを前記左右対称に設け
た中ヒンジの左、右いずれかの中空部に挿入して
中ヒンジ本体に固定し、共通ヒンジのヒンジピン
で冷凍室扉体の下部を軸着するとともに、上ヒン
ジを左右対称位置の左、右いずれかに付け替える
ようにする。

これによつて１機種で冷凍室扉の開き方向を右
開きにも、左開きにも付け替えでき、２機種の機
能を有するものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図ないし第７図
を参照して説明する。

第１図は、本発明を適用する一般的な冷凍冷蔵
庫の略示斜視図、第２図は、本発明の一実施例に
係る冷凍庫扉体の上ヒンジ部を示す上面図、第３
図は、第２図の上ヒンジ部の詳細断面図、第４図
は、本発明の一実施例に係る中ヒンジ部の正面
図、第５図は、本発明の一実施例に係る扉体支軸
装置の構成を左右共通に示す詳細断面図、第６図
は、第５図の装置における冷凍庫扉体を左開きに
するときの構成部品分解図、第７図は、第５図の
装置における冷凍庫扉体を右開きにするときの構
成部品分解図である。

第１図において、１は冷凍冷蔵庫の箱体、２
は、箱体１内を上下に区画する区画壁、３は、区
画壁２の上方にある冷凍室、４は、区画壁２の下
方にある冷蔵室、５は、冷凍室３の前面開口部の
全面を覆う一体からなる冷凍室扉体である。６は
冷蔵室扉体右、７は冷蔵室扉体左で、冷蔵室４の
前面開口部を覆い、これら冷蔵室扉体右６、冷蔵
室扉体左７は、それぞれ冷蔵室４の前面開口部を
ほぼ中央で左右に２分割する観音開き構造からな
つている。

年々大形化される冷凍冷蔵庫では、冷蔵室扉体
の大きさも大きくなり、取扱い性を向上させるた
め、また、庫内冷気の外部への逃げを少なくする
とともに冷蔵庫前方のスペースをより活用させる
ために、このように冷蔵室扉体を左右に２分割し
た観音開き構造が採用されている。

第３図に示す８は、左右対称形からなる上ヒン
ジでヒンジピン８ａが冷凍室扉体５の上面５ａの
左右両端に設置されえたピン受け９の中空部９ａ
に挿入され、冷凍室扉体５の上部回転支軸を構成
している。通常は右側に上ヒンジ８が取付けられ
（第２図参照）、冷凍室扉体５の開き方向は右開き
となつている。

第２図に示す１０は、第３図に示すように、箱
体１の上面１ａの前方の左右両側の対称位置に設
けられた、上ヒンジ８を取付ねじ１１で固着させ
るための取付用ねじ穴である。通常、ねじ穴１０
は２〜４ヶ所程度設けられている。

次に、中ヒンジおよび共通ヒンジを第４図ない
し第７図を参照して説明する。

１２は、冷蔵室扉体右６の上部回転支軸を構成
する中ヒンジ右で、この中ヒンジ右１２は、中空
からなるヒンジピン１２ａを当該中ヒンジ右１２
の支持面１２ｂ（第５図参照）に固着され、冷蔵
室扉体６の上面６ａ右端に設けられたピン受け１
７に挿入され冷蔵室扉体右６を支持している。

１３は、冷蔵室扉体左７の上部回転支軸を構成
する中ヒンジ左で、中ヒンジ右１２に設けられた
ヒンジピン１２ａとほぼ同一形状からなるヒンジ
ピン１３ａを支持面１３ｂに固着され、冷蔵室扉
体左７の上面７ａ左端に設けられたピン受け１８
に挿入され冷蔵室扉体左７を支持している。第６
図、第７図に示す１２ｃ，１３ｃは、後述の左右
共通に使用する共通ヒンジ取付用ねじ穴である。
支持面１２ｂ，１３ｂに設けられたヒンジピン１
２ａ，１３ａ、および共通ヒンジ取付用ねじ穴１
２ｃ，１３ｃは、それぞれ左右対称位置に設けら
れている。中ヒンジ右１２、中ヒンジ左１３は、
第４図に示すように区画壁２の前面２ａの左右両
側にねじ１４によりねじ止めされている。

１５は、冷凍室扉体５の下部回転支軸を構成す
る共通ヒンジで、この共通ヒンジ１５は、通常は
冷凍室扉体５の開き方向に合わせ、１本のねじ１
６により上述の中ヒンジ右１２の本体上面に係る
支持面１２ｂにねじ止めされている。

共通ヒンジ１５は、第５図に示すように、冷凍
室扉体５の下面５ｂ左右両側対称位置に設けられ
たピン受け１９の中空部１９ａに挿入されるヒン
ジピン１５ａを有し、冷凍室扉体５の下部回転支
軸を構成する。

また、共通ヒンジ１５は、前記ヒンジピン１５
ａの取付面１５ｂと、中ヒンジ右１２の支持面１
２ｂまたは中ヒンジ左１３の支持面１３ｂとでね
じ等により固定するための支持面１５ｃからな
り、上述のヒンジピン１２ａ，１３ａのカシメ部
を逃げるとともに冷凍室扉５の下面５ｂと冷蔵室
扉体右６、左７の上面６ａ，７ａとの距離Ｌ寸法
（第５図参照）を所望の寸法に確保するための段
差部１５ｄを有している。

さらに共通ヒンジ１５は、前記取付面１５ｂの
上方側にはヒンジピン１５ａが固着され、一方、
前記取付面１５ｂの下方側にはボス１５ｅが固着
されている。このボス１５ｅは、冷凍室扉体５の
開き方向が右開きのときは中ヒンジ右１２のヒン
ジピン１２ａの中空部に挿入させ、冷凍室扉体５
の回転支軸となるヒンジピン１５ａ部の横倒れ方
向の強度を強化させるとともに、冷凍室扉体５の
回転支軸位置を所望の位置に確保すべき役目をす
るものである。

第５図に示す２０は、上記共通ヒンジ１５のヒ
ンジピン１５ａの付け根に設けられたワツシヤー
で、冷凍室扉体５の開閉時にピン受け１９のフラ
ンジ面１９ｂと共通ヒンジ１５の取付面１５ｂと
の当接面の摩耗を防ぐべきものである。

次に、このような構成の扉体支軸装置による冷
凍室扉の組立てと開き方向を変更する操作を説明
する。

本実施例では、箱体１内部が区画壁２により上
下に区画され、上方に冷凍室３、下方に冷蔵室４
を有し、冷凍室前面開口部を一体の冷凍室扉体５
により、冷蔵室前面開口部を左右に２分割された
観音開き冷蔵室扉体右６、左７により開閉可能に
覆われてなる冷凍冷蔵庫において、冷凍室扉体５
上部あの回転支軸としては、上ヒンジ８のヒンジ
ピン８ａを挿入支持するピン受け９を左右対称に
備え、冷凍室扉体５と冷蔵室扉体右６左７とを同
時に支持する中ヒンジ右１２左１３のヒンジピン
１２ａ，１３ａを挿入支持するピン受け１７，１
８が冷蔵室扉体上部６ａ，７ａに左右対称に設け
られている。

前記冷蔵室扉体右６、左７の上方をそれぞれ軸
着する内部中空形状のヒンジピン１２ａ，１３ａ
を有する、左右対称に設けた中ヒンジ右１２、左
１３と、この中ヒンジの前記ヒンジピン１２ａ，
１３ａに嵌入すべきボス１５ｅと、このボス１５
ｅの他方にあつて冷凍室扉体５の下部を軸着すべ
きヒンジピン１５ａとを有する共通ヒンジ１５と
を備え、前記共通ヒンジ１５の一方のヒンジピン
のボス１５ｅを、前記左右対称に設けた中ヒンジ
の左右いずれか一方、例えば中ヒンジ右１２のヒ
ンジピン１２ａに挿入した状態で、共通ヒンジ１
５を中ヒンジ支持面１２ｂに１本のねじ１６でね
じ止めするとともに、冷凍室扉体５の下部を、共
通ヒンジ１５のヒンジピン１５ａをピン受け１９
の中空部１９ａに挿入することによつて軸着させ
る。このとき、上ヒンジ８のヒンジピン８ａは冷
凍室扉体５の右側上部のピン受け９の中空部９ａ
に挿入しており、上ヒンジ８は箱体１上部右側の
ねじ穴１０に固定されていて、冷凍室扉体５の開
き方向を右開きにできる。

また、冷凍室扉体５の開き方向を変えるとき
は、共通ヒンジのボス１５ｅを中ヒンジ左１３の
ヒンジピン１３ａに挿入した状態で共通ヒンジ１
５を中ヒンジ支持面１３ｂにねじ１６でねじ止め
するとともに、共通ヒンジ１５のヒンジピン１５
ａを冷凍室扉体左側下部のピン受け１９の中空部
１９ａに挿入する。このとき、上ヒンジ８のヒン
ジピン８ａは冷凍室扉体５の左側上部のピン受け
９の中空部９ａに挿入され、上ヒンジ８は箱体１
上部左側のねじ穴１０に固定され、冷凍室扉体５
の開き方向を左開きにできる。すなわち、同一部
品で容易に付け替えできるので１機種で２機種の
役割を果たすことができる。

また、上記共通ヒンジ１５に段差部１５ｄを形
成することによりヒンジピン１２ａ，１３ａのカ
シメ部を逃げるとともに冷凍室扉体５の下面と冷
蔵室扉体右６、左７の上面との距離を所望のＬ寸
法に確保することができる。

さらに、上記共通ヒンジ１５本体を中ヒンジ本
体にねじ１６によりねじ止めすることにより、該
ねじ１６を取り外し、付け替えるだけで、中ヒン
ジ右１２、あるいは中ヒンジ左１３を付け替える
手間を省いて、特に箱体１本体および冷蔵室扉体
右６、左７に作業上の影響を与えることなく、冷
凍室扉体５の開き方向を、右開きにもあるいは左
開きにも容易にできる効果は極めて大である。

なお、冷蔵庫の上部にテーブル等の庇を設けた
場合には、上ヒンジ部にも本発明の共通ヒンジ１
５を採用すれば、同様の効果の生ずることは自明
である。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明によれば、
１機種で冷凍室扉の開き方向を右開きにも左開き
にも付け替えできるように、特に箱体本体および
冷蔵室扉に影響を与えることなく簡単に作業ので
きる冷蔵庫の扉支軸構造を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を適用する一般的な冷凍冷蔵
庫の略示斜視図、第２図は、本発明の一実施例に
係る冷凍庫扉体の上ヒンジ部を示す上面図、第３
図は、第２図の上ヒンジ部の詳細断面図、第４図
は、本発明の一実施例に係る中ヒンジ部の正面
図、第５図は、本発明の一実施例に係る扉体支軸
装置の構成を左右共通に示す詳細断面図、第６図
は、第５図の装置における冷凍庫扉体を左開きに
するときの構成部品分解図、第７図は、第５図の
装置における冷凍庫扉体を右開きにするときの構
成部品分解図である。 １……箱体、２……区画壁、３……冷凍室、４
……冷蔵室、５……冷凍室扉体、６……冷蔵室扉
体右、７……冷蔵室扉体左、１２……中ヒンジ
右、１２ａ，１３ａ……ヒンジピン、１２ｂ，１
３ｂ……支持面、１２ｃ，１３ｃ……取付用ねじ
穴、１３……中ヒンジ左、１５……共通ヒンジ、
１５ａ……ヒンジピン、１５ｅ……ボス、１５ｄ
……段差部、１６……ねじ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 箱体内部が区画壁により上下に区画されて、
   上方に冷凍室、下方に冷蔵室を有し、冷凍室前面
   開口部を一体の冷凍室扉体により、冷蔵室前面開
   口部を左右に２分割された冷蔵室扉体により開閉
   可能に覆つてなる冷凍庫において、 前記左の冷蔵室扉体の左上方と右の冷凍室扉体
   の右上方をそれぞれ軸着する内部中空形状のヒン
   ジピンを有し前記区画壁の前面両側に左右対称に
   設けられた中ヒンジと、 この中ヒンジの前記中空部に挿入されるボスと
   該ボスの上方に取付部を介して前記冷凍室扉体の
   下部を軸着するヒンジピンを有する共通ヒンジと
   を備え、 前記共通ヒンジが、この共通ヒンジのボスを前
   記左右対象に設けた中ヒンジの左右いずれか一方
   の中空部に挿入した状態で、前記ヒンジ本体に固
   定されるとともに、 前記冷凍室扉体の下部を前記共通ヒンジのヒン
   ジピンで軸着してなることを特徴とする冷蔵庫の
   扉体支軸装置。 ２ 共通ヒンジが、冷凍室扉体と冷蔵庫扉体との
   距離を所定の寸法とする段差部を形成されたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の冷蔵庫
   の扉体支軸装置。