JPH0553824U - 剪断機の板止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 板止め２と剪断機の刃１との間隔が、あらか
じめ設定された板の垂れ下がりを防止する長さ以上の場
合には、腕４は板の垂れ下がり防止位置に位置し、剪断
動作直後あるいはあらかじめタイマーで設定された時間
だけ遅れて一旦収納位置に移動した後、ただちにあるい
は所定の時間の遅延後に板の垂れ下がり防止位置に復帰
し、板止め２と剪断機の刃１との間隔が、あらかじめ設
定された板の垂れ下がりを防止する長さ未満の場合に
は、腕４は収納位置に位置する。 【効果】 これにより、薄板でも垂れ下がりを腕により
防止しつつ所定の長さに切断することができる。また一
人作業で連続剪断も可能で経済性・作業性に優れ、しか
も装置自体が安価である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、試験材の採取用、および自動生産ライン外に設置された剪断機の、 板止め装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

試験材の採取用剪断機や自動生産ライン外に設置された剪断機は、図４に示す ように、通常剪断刃１の後側に手動または電動の板止め２を有し、これに板３を 押しつけることにより目的の長さに板を剪断する。 しかし、特に冷延鋼板、鍍金鋼板、ほうろう用鋼板、複合鋼板及びその素材な どの薄い板では、図５に示すように、長い板３ａを切る際には板３ａが垂れ下が るために板止め２に当たらないという問題がある。

【０００３】 この問題に対する従来の対策は、剪断機の後側で人が板を支えるというもので あった。しかし、この方法では作業者が最低２人必要になり、人件費が倍増する ことや、可動部（板止めは通常刃と連動して上下する）のすぐ近くで作業するた め安全性が損なわれるという欠点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、垂れ下がりやすい薄い板を、後側作業者なしで目的の長さに切断する ための設備の開発が要請されていた。剪断機の使用環境を考慮すると、上記設備 は安価で、種々の板切り長さに対応可能で、しかも連続しての切断作業にも対応 可能でなければならない。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解決した剪断機の板止め装置を提供することを 目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、剪断機の刃の後方に設置された、剪断長さを決定するための板止め と、前記板止めに設けられた腕であって、前記板止めからほぼ水平に突き出され た、板の垂れ下がり防止位置と、前記板止めに収納される収納位置に出入可能な 腕と、前記腕を移動する駆動手段とを有し、前記板止めと剪断機の刃との間隔が 、あらかじめ設定された板の垂れ下がりを防止する長さ以上の場合には、前記腕 は前記板の垂れ下がり防止位置に位置し、剪断動作直後あるいはあらかじめタイ マーで設定された時間だけ遅れて一旦前記収納位置に移動した後、ただちにある いは所定の時間の遅延後に前記板の垂れ下がり防止位置に復帰し、前記板止めと 剪断機の刃との間隔が、あらかじめ設定された板の垂れ下がりを防止する長さ未 満の場合には、前記腕は前記収納位置に位置することを特徴とする剪断機の板止 め装置である。

【０００７】

【作 用】

本考案では、板止めと剪断機の刃との間隔が、あらかじめ設定された板の垂れ 下がりを防止する長さ以上の場合には、腕は板の垂れ下がり防止位置に位置し、 剪断動作直後あるいはあらかじめタイマーで設定された時間だけ遅れて一旦収納 位置に移動した後、ただちにあるいは所定の時間の遅延後に板の垂れ下がり防止 位置に復帰し、板止めと剪断機の刃との間隔が、あらかじめ設定された板の垂れ 下がりを防止する長さ未満の場合には、腕は収納位置に位置するので、薄板でも 垂れ下がりを腕により防止しつつ所定の長さに切断することができる。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案の一実施例の斜視図である。図２、図３は、本考案の一実施例 の動作を説明する図であり、図２は腕が板の垂れ下がり防止位置に突き出された 状態を示し、図３は腕が収納位置に収納された状態を示す。

【０００９】 図１〜３において、１は剪断機の刃である。２は板を目的の長さに剪断するた めの板止めであり、４は板の垂れ下がりを防止する腕である。 ５は腕４を作動・収納するべく動かすための駆動手段で、種類の制限はとくに ない。本実施例では応答性と装置の軽量性から空圧シリンダを選んだ。６は腕４ と駆動手段５との連結部である。

【００１０】 腕４は、図２のように、板を受けるために板止め２から突き出た作動状態と、 図３のように、板を落とすかまたは短く板を切る場合のために板止め２内（また は板止め２の下部）に収納された収納状態の両状態をとることができる。 なお、腕４は作動状態時に必ずしも板止めと直角となる必要はない。また鋼板 など強度上問題のないものであれば素材の限定もない。もし剪断する板の表面に 傷を付けたくない場合にはゴム、フェルト等の軟質材で腕の上面を覆ってもよい 。

【００１１】 ７は板止め２の位置調整部で、例では手動設定であるが電動式でもかまわない 。８は板止め２と剪断刃１との距離が短い時、腕４を収納状態にするためのスイ ッチ部である。これも種々の方法が考えられるが、例で示したのはリミットスイ ッチで、板止め２と剪断刃１が近すぎると、リミットスイッチ８が外れることに より駆動手段５への指令が送られる。

【００１２】 なお、スイッチ８を作動させる位置は、腕４が作動時にぶつからないよう設定 する必要があるのはもちろんであるが、通常多少の距離的余裕をもって腕４を収 納動作させるのが望ましい。９はフットペダル式の剪断スイッチであるが、剪断 スイッチはボタン式でもかまわない。 本考案では、剪断スイッチ９の信号を受けて、剪断刃１が下降−復帰する間に 一旦腕４が収納されて剪断された板を受け台10に落下させた後、腕４が再び作動 状態となるよう回路が構成されている。作業速度の観点からは、腕４の収納およ び作動状態への復帰は迅速に行うことが望ましいが、剪断時の板ずれ防止および 板のハンドリング（剪断後の落下）を確実に行うためには、剪断スイッチ９の指 令から適切な時間待ちの後腕４を収納させ、しかる後適切な時間待ちの後腕４を 復帰させることが望ましい。この待ち時間は板の寸法・種類により微妙に異なる ので、遅延タイマーを用いて調節可能とすることが望ましい。

【００１３】 剪断した板の受け台10は、使用作業場での作業性を満足する形状であればどん なものでもよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案により、薄板でも垂れ下がりを腕により防止しつつ所定の長さに切断す ることができる。また一人作業で連続剪断も可能で経済性・作業性に優れ、しか も装置自体が安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図である。

【図２】本考案の一実施例の動作を説明する図であり、
腕が板の垂れ下がり防止位置に突き出された状態を示
す。

【図３】本考案の一実施例の動作を説明する図であり、
腕が収納状態に収納された状態を示す。

【図４】従来の剪断機の板止めの概要を示す側面図であ
る。

【図５】従来の剪断機の板止めの問題点を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 剪断刃 ２ 板止め ３、３ａ 板 ４ 腕 ５ 駆動手段（空圧シリンダ） ６ 連結部 ７ 位置調整部 ８ リミットスイッチ ９ 剪断スイッチ 10 受け台

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 榎本 英二 千葉県千葉市川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)考案者 関野 喜信 千葉県千葉市川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 剪断機の刃の後方に設置された、剪断長
   さを決定するための板止めと、前記板止めに設けられた
   腕であって、前記板止めからほぼ水平に突き出された、
   板の垂れ下がり防止位置と、前記板止めに収納される収
   納位置に出入可能な腕と、前記腕を移動する駆動手段と
   を有し、前記板止めと剪断機の刃との間隔が、あらかじ
   め設定された板の垂れ下がりを防止する長さ以上の場合
   には、前記腕は前記板の垂れ下がり防止位置に位置し、
   剪断動作直後あるいはあらかじめタイマーで設定された
   時間だけ遅れて一旦前記収納位置に移動した後、ただち
   にあるいは所定の時間の遅延後に前記板の垂れ下がり防
   止位置に復帰し、前記板止めと剪断機の刃との間隔が、
   あらかじめ設定された板の垂れ下がりを防止する長さ未
   満の場合には、前記腕は前記収納位置に位置することを
   特徴とする剪断機の板止め装置。