JPH0553636U - 水圧マッサージ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マッサージ中の人に圧迫感や不安感を与える
ことなく、心身共にリラックスした状態でマッサージを
受けるようにするために、人が上半身傾斜の仰向けの姿
勢や椅子に掛けて足を伸した姿勢つまり周囲を見渡せる
姿形でマッサージを受ける装置を提供すること。 【構成】 通水ネットの外面を防水シートで覆った支持
面4 を上半身支持用の傾斜支持面 4ａと生体の下半身を
支持する平坦支持面 4ｂとで区画するとともに、これら
各支持面の下面に沿わせて配置した左右一対のガイドレ
ール6,6 に沿って転動する複数の転子7,7 を噴水ノズル
5 に備え、また前記転子のうちの少くとも一個にモータ
Ｍの原動軸ｍを連結するとともに、このモータＭの反転
スイッチＳとその制御部材8 とを前記支持枠1 内に備
え、前記噴水ノズル5 に可撓送水ホースｈを経て加圧水
を送水するポンプＰと漏斗部材 9ａを有する貯水タンク
9 とを前記支持枠1 内に配置した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自走ノズルから噴射した噴水流を生体に防水シートを介し間接的 に当てることで、体にマッサージ効果を付与する水圧マッサージ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

水で人にマッサージを行うことは古くから周知であり、例えば「滝」や「打た せ湯」のように重力によって自然落下する水や湯によって行う方法がある。 またポンプ等で人為的に水に圧力を加えて体に噴射する方法もあるが、これら はいずれも浴衣や水着以外の通常の着衣のままでは行えないと言う問題がある。

【０００３】 その後、防水シートによって水を遮断し、水が直接衣服や体に当らないように した水圧式のマッサージ装置の提案が有る。 これらは大別して、水を上から下に向けて噴射するものと、下から上に向けて 噴射するものとがある。 水を上から下に向けて噴射するものは、噴射機構の入ったドーム状のものが人 の上から降りてきて体に覆いかぶせる構成のものである。

【０００４】 水を下から上に向けて噴射するものは、例えば米国特許第４９７６２５６号明 細書に記載のものがある。この水圧マッサージ装置は、人が横臥したり仰向けに なるに充分な平面積の平坦な支持枠に人を支えるに充分な強度で張設した平坦の ネット上に水を遮断する防水シートを張設し、この下方に前記支持枠の巾方向の 両側にトラックを中央にスクリューロッドを横設し、支持枠巾のほぼ全巾にわた って水を噴射するノズル機構を前記トラック上に車輪を有する移動機構を介して 前記支持枠の長さ方向に移動できるように取り付け、この移動機構はベアリング をもって前記スクリューロッドと係合し、モータを含む駆動機構が該スクリュー ロッドを正転または逆転させることで前記支持枠の長さ方向に往復移動を行う。

【０００５】 前記ノズル機構には一定量の水を貯水するとともに回収する水槽内の水を加圧 して前記ノズル機構に送るポンプを可撓パイプで接続しており、また前記駆動機 構は前記移動機構の位置を検知するセンサでその位置にしたがって正転または逆 転する構成のものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記した従来技術のうちドーム状のものが人に覆いかぶさる構成のものは、使 用者にかなり圧迫感があり、かえって緊張を増大させる恐れがあるといった重大 な問題点が有る。

【０００７】 また防水シート上に人が横臥したり仰向けになってマッサージをうける前記米 国特許第４９７６２５６号明細書記載のものは、健康センターやフイットネスク ラブといった不特定多数の人が出入りするところに設置して使用することが多い が、ベット上に人が仰向けに寝てマッサージを受ける状態は、身辺周囲を見渡せ ず人として最も無防備な状態であり、特に女性の場合このような姿勢で不特定多 数の人が出入りする中に長時間居ることは不安感が生じたり緊張が増大して折角 マッサージを受けても、心身共にリラックスした状態にはなりにくいといった問 題点が有る。

【０００８】 この考案は、前記した多くの問題点を除去するためにマッサージ中に圧迫感や 不安感を受けることなく心身共にリラックスした状態つまりマッサージを受ける 人が上半身傾斜の仰向けの姿勢や椅子に掛けて足を伸した周囲を見渡せる姿勢で 水圧によるマッサージを受けるようにすることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記したこの考案の目的は、支持枠の上面に張設した通水ネットの外面を防水 シートで覆った支持面を有し、前記防水シートの内面に対向配置した可動の噴水 ノズルから防水シートに向けて加圧水を噴射して防水シート上の生体にマッサー ジ力を付与する水圧マッサージ装置を構成するに当り、前記支持面を生体の上半 身を支持する傾斜支持面と生体の下半身を支持する平坦支持面とで区画するとと もに、これら各支持面の下面に沿わせて配置した左右一対のガイドレールに沿っ てそれぞれ転動する複数の転子を前記噴水ノズルに関連して備え、また前記複数 の転子のうちの左右一対の転子を前記噴水ノズルに関連して設けた防水モータの 原動軸に連結するとともに、この防水モータの反転スイッチとその制御部材とを 前記支持枠内に備え、前記噴水ノズルに可撓送水ホースを経て加圧水を送水する ポンプと漏斗部材を有する貯水タンクとを前記支持枠内に配置することで達成で きる。

【００１０】

【作用】

モータおよびポンプを始動させると、先ず低速回転する防水モータの左右の原 動軸の回転力でガイドレールに転接した少くとも一つの転子が同方向に回転し、 この回転力で噴水ノズルは対をなす台車などを介してガイドレールに沿って他の 転子も回転しつつ移動する。

【００１１】 この移動の左上および右下の各終点位置に対応して固定してある制御部材が噴 水ノズルに関連して設けた反転スイッチをプッシュするとその可動接片でモータ の印加電圧極性を切換えることで、モータは反転する。

【００１２】 以下噴水ノズルがガイドレールの上端または右端に位置する終点付近でモータ の回転方向が反転して噴水ノズルは往復する。

【００１３】 この間ポンプは貯水タンク内の水（温水）を可撓送水ホースを介して圧送し続 けていて往復移動中の噴水ノズルの噴出孔から噴水を勢いよく通水ネットおよび 防水シートに向けて噴射し続けており、前記通水ネットを経た防水シートの上記 噴水の往復移動に伴なう膨出マッサージ部の移動により、頭部傾斜の防水シート 上の使用者は周囲を見渡せる状態でシート対接部分に満遍なくマッサージを受け ることができる。

【００１４】 この場合ポンプの回転数を制御パネルで制御することで噴射圧を調整すること ができるし、モータの電圧印加極性を手動操作等で切換えることで、使用者の特 に凝った部分だけを局部的にマッサージすることもできる。

【００１５】

【実施例】

この考案の実施例を図面を参照して詳細に説明する。 先ず、この考案の水圧マッサージ装置の基本構成は図１から図３までに示すよ うに、上面の一部が傾斜した支持枠1 の上面に金網やパンチングメタル等の通水 ネット2 を張設してその外面を防水シート3 で覆った支持面4 を有し、前記防水 シート3 の内面に対向配置した可動の噴水ノズル5 から防水シート3 に向けて加 圧水を噴射して防水シート3 上の生体にマッサージ力を付与する水圧マッサージ 装置を構成するに当り、前記支持面4 を図１、図２に示すように使用者ａなどの 生体の上半身を支持する傾斜支持面 4ａと生体の下半身を支持する平坦支持面 4 ｂとで区画形成する。

【００１６】 そしてこれら各支持面の下面に沿わせて図１および図３〜図５に示すように配 置した左右一対のガイドレール6,6 を挟んで転動する２対の転子7,7 を前記噴水 ノズル5 の左右の台車 5ａ,5ａに備え、上記２対の転子7,7 のうち例えば左右一 対の転子7,7 の枢着軸にジョイントなどを介して周知の減速機付両軸防水モータ Ｍの左右の原動軸ｍに図１、図３、図４および図５に示すように連結するととも に、この防水モータＭの入力電圧極性を切換えてその回転方向を反転させるため 防水式反転スイッチＳを噴水ノズル5 の下部または台車に下向きに固定し、ソリ 状突起のようなスイッチ制御部材8 を前記支持枠1 内の左右両側に図１のように 備える。

【００１７】 また噴水ノズル5 に関連して搭載した防水モータＭにはビニル被覆撚り線など の防水絶縁被覆の柔軟電線ｄを接続し、さらに前記噴水ノズル5 に可撓送水ホー スｈを経て加圧水を送水するポンプＰと上部に漏斗部材 9ａを有する貯水タンク 9 とを図１、図３に示すように前記支持枠1 内に配置してこの考案による水圧マ ッサージ装置の基本構成とする。

【００１８】 上記基本構成のうち噴水ノズル5 は左右一対のガイドレール6,6 間に対をなす 台車 5ａ,5ａを介し２対ずつの転子7,7 で、ガイドレール6,6 を図１に示すよう に挟み持って脱落しないように配設してある。 さらにモータＭの反転スイッチＳは例えば周知の自己ロック押−押スイッチな どを用い、図１に示すように支持枠1 の直立辺内面上部左右終点付近に固定した 例えばカマボコ状の２個の制御部材8 で噴水ノズル5 の可動範囲長に対応して切 替えるように設置してある。

【００１９】 そして図６に示すように商用交流電源ＡＣに接続したトランスＴの２次コイル の１端に正逆方向に接続した２個の整流素子Ｄ1,Ｄ2 をそれぞれ反転スイッチＳ の固定接点Ｓ1,Ｓ2 に個別接続すると共に、可動接片Ｓｏは前記柔軟電線ｄとモ ータＭとを経て上記トランスＴの２次コイルの他端に接続する。 なおＣ1,Ｃ2 は平滑コンデンサである。

【００２０】 また貯水タンク9 の底にはポンプＰの取水口Ｐｏを設け、送水ホースｈは配管 途中で二股に分岐して噴水ノズル5 に接続開口してある。

【００２１】 なお図１、図３において、符号 1ａで示す部分は支持枠1 の底辺、ｗは噴水ノ ズル5 のノズル孔から噴出した噴水、 3ａは上記噴水ｗの圧力で持ち上がった防 水シート3 の膨出マッサージ部、ｗａは貯水タンク9 などに存在する水、 9ｂは 貯水タンク9 の支持台である。また平坦支持面 4ｂは若干傾斜形成してもよい。

【００２２】 また図２において符号10で示す部分は給水および排水用蛇口、11はモータＭや ポンプＰの制御パネルであり、操作釦11ａ，11ａを使用者ａが操作することによ り、モータＭやポンプＰの動作を周知手段で制御するようにしてある。

【００２３】 さらに防水モータＭと転子7,7 との連結手段は図示例以外に単軸防水モータの 回転軸のウオームギャに噛合したウオームホイールを介して防水モータの回転力 を左右一対の転子7,7 に伝達するようにしてもよく、その他回転ロッドやギャ組 等周知の伝動手段を使用できる。

【００２４】 この考案の水圧式マッサージ装置は、以上のように構成してあり、以下マッサ ージ動作について説明する。 使用者ａは、図２に示すように上半身が傾斜支持面 4ａに接するように斜め仰 向けになって制御パネル11の操作部11ａを操作することで、モータＭおよびポン プＰを始動させると、先ず低速回転するモータＭの左右の原動軸ｍ，ｍの回転力 で噴水ノズル5 の左右の転子7,7 が回転する。

【００２５】 このときにモータＭの原動軸ｍの図１矢示方向の回転時には、噴水ノズル5 は 図１の実線位置から対をなす台車 5ａ,5ａを介してガイドレール6,6 に沿って他 の転子7,7 も回転しつつ矢示Ｌ方向に移動する。

【００２６】 この移動の斜め上終点の対応位置に固着した制御部材8 が反転スイッチＳをプ ッシュすると図６に示すように固定接点Ｓ1 を介し只今まで整流素子Ｄ1 と接続 していた可動接片Ｓｏが今度は固定接点Ｓ2 を介して整流素子Ｄ2 に接続し、モ ータＭの印加電圧極性を切換えることで、モータＭは反転する。

【００２７】 したがって今度は上記各転子7,7 の反転回転力で噴水ノズル5 は他の転子7,7 と共に図１の矢示Ｒ方向に進行しガイドレール6,6 の右終点位置まで移動すると 他方の制御部材8 で反転スイッチＳが再度切換わり、噴水ノズル5 は左動する。

【００２８】 以下台車 5ａがガイドレール6,6 の斜め上端または右下端に位置する終点付近 でそれぞれモータＭの回転方向が反転し、噴水ノズル5 は往復する。

【００２９】 この間ポンプＰは貯水タンク13内の水（温水）を可撓送水ホースｈを介して圧 送し続けていて、噴水ノズル5 の噴出孔から図１、図５に示すように噴水ｗを勢 いよく通水ネット2 および防水シート3 に向けて噴射し続けており、前記通水ネ ット2 を経た防水シート3 の上記噴水ｗに伴なう膨出マッサージ部 3ａ（図１） の往復移動により、防水シート3 上の使用者ａのシート対接部分を満遍なくマッ サージすることができる。

【００３０】 この場合ポンプＰの回転数を制御パネル11で制御することで噴射圧を調整する ことができるし、モータＭの電圧印加極性を手動操作等で切換えることで、使用 者ａの特に凝った部分だけを局部的にマッサージすることもできる。

【００３１】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように構成したので、以下に記載の効果を奏する。 支持台の約半分を傾斜形成したことで、マッサージを受ける者が上半身傾斜の 仰向き姿勢または椅子に腰けて足を伸ばした格好の心身共にリラックスした状態 でほぼ全身のマッサージを受けることができるので、前記従来例のようなベッド 状の平坦な支持台上で仰向けになっている場合に比し、この考案では傾斜姿形で あり周囲を見渡せるので不安感や緊張感を受けることがなく、心身共にほぐれる という第１の効果が有る。

【００３２】 したがって健康センターやフイットネスクラブといった不特定多数の人が出入 りする所に設置しても、マッサージ中に周囲を見渡せるので安心であるから女性 客の利用も増加するしまた、マッサージを受けながら本を読んだり編み物をした り他のことを実行することもできるといった第２の効果も有る。

【００３３】 さらに噴水ノズル5 を防水モータＭによる自走式となしたので、構成簡単かつ 安価に実施できるという第３の効果も有る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施した水圧式マッサージ装置の縦
断側面図

【図２】図１に示すものの使用例を示す斜視図

【図３】この考案を実施した水圧式マッサージ装置の切
断平面図

【図４】図１におけるＡ−Ａ断線に沿った横断立面図

【図５】図１におけるＢ−Ｂ断線に沿った横断立面図

【図６】モータの反転制御回路の一例を示す回路構成図

【符号の説明】

1 支持枠 2 通水ネット 3 防水シート 4 支持面 4a 傾斜支持面 4b 平坦支持面 5 噴水ノズル 6 ガイドレール 7 転子 8 制御部材 9 貯水タンク 9a 漏斗部材 ｈ 可撓送水ホース Ｍ 防水モータ ｍ 原動軸 Ｐ ポンプ Ｓ 反転スイッチ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持枠1 の上面に張設した通水ネット2
   の外面を防水シート3 で覆った支持面4 を有し、前記防
   水シート3 の内面に対向配置した可動の噴水ノズル5 か
   ら防水シート3 に向けて加圧水を噴射して防水シート3
   上の生体にマッサージ力を付与する水圧マッサージ装置
   において、前記支持面4 を生体の上半身を支持する傾斜
   支持面 4ａと生体の下半身を支持する平坦支持面 4ｂと
   で区画するとともに、これら各支持面の下面に沿わせて
   配置した左右一対のガイドレール6,6 に沿ってそれぞれ
   転動する複数の転子7,7 を前記噴水ノズル5 に関連して
   備え、また前記複数の転子7,7 のうちの少くとも一個の
   転子7 を前記噴水ノズル5 に関連して設けた防水モータ
   Ｍの原動軸ｍに連結するとともに、この防水モータＭの
   反転スイッチＳとその制御部材8 とを前記支持枠1 内に
   備え、前記噴水ノズル5 に可撓送水ホースｈを経て加圧
   水を送水するポンプＰと漏斗部材 9ａを有する貯水タン
   ク9 とを前記支持枠1 内に配置した水圧マッサージ装
   置。