JPH0553427U - 草刈機用刈刃ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 回転刃と固定刃とを同軸状に重ね合わせてな
る草刈用刈刃ユニットに於いて、回転刃と固定刃の両刃
部間への雑草の取り込みを効率よくするとともに必要以
上の雑草が両刃部間に取り込まれた場合にはその一部を
両刃部間から外方向へと押し出しながら草詰まりを起こ
すことがないようにする。 【構成】 回転刃１を平面略角形形状に形成しその周縁
に回転方向Ｘに向かって略くの字形状に湾曲する凹形刃
部1aを形成し、固定刃２は平板円盤状に形成しその周縁
に回転刃１の凹形刃部1aと対向摺接する凸形刃部2aを、
その刃元から刃先までを緩円弧状に形成し且つ凹形刃部
1aの刃先部分1a’との擦れ合う交差角度よりも刃元部分
1a”との擦れ合う交差角度を大きく形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転刃と固定刃とを同軸状に重ね合わせて回転刃の回転により雑草 等を鋏切るが如く刈り取る草刈機用刈刃ユニットの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】

従来、この種の刈刃ユニットとしては、種々の刃形形状のものが開発され提案 されている。例えば実開昭49−31853 号公報に記載されている刈刃ユニットが知 られている。

【０００３】 しかし乍ら、この従来刈刃ユニットは回転場と固定刃の両刃部ともに放射線状 に突出形成し、その両刃部のいずれか一方の刃部側、実施例では回転刃の刃部側 を半月円弧状にならせしめて両刃部が互いに交差したときに両刃部間に半月状空 間が構成される刃形形状としているため、回転刃の半月円弧状刃部が固定刃の刃 部に交差する（擦れ合う）過程での両刃部間への雑草の取り込み効果は大である 反面、一旦両刃部間の半月状空間に取り込まれた雑草は逃げ道を塞がれ完全に封 鎖された状態となるため、回転刃の回転力で鋏切ることができないほどの必要以 上（大量）の雑草が半月状空間に取り込まれた場合、逃げ道を塞がれ鋏切られず に残る所謂草詰まり状態の雑草に回転刃の回転が完全にロックされる如く刃部が 衝突し過大な負荷が回転刃に掛かるといった負荷の変動が激しく、従って、回転 刃に回転動力を伝達する動力源（原動機等）に前記負荷変動に伴う過大な負荷が 掛かってその耐用年数を早めるばかりか、回転刃と固定刃の取付け状態にガタが 発生して両刃間に隙間ができて両刃部間の擦れ合いが悪くなり刈り残しが生じる といった刈取り効率の向上を図る上で要求される両刃間の密接な関係の摺接力状 態を一定に保つことが出来ない、同時に両刃部の損傷を早期に招いて新しい回転 刃と固定刃を購入して交換しなければならないといった数々の問題を保有してい た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこの様な従来事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとす る技術的課題は、回転刃と固定刃とを同軸状に重ね合わせてなる草刈用刈刃ユニ ットに於いて、回転刃と固定刃の両刃部間への雑草の取り込みを有効な刃形形状 をもって図りつつ鋏で切るが如く効率よく刈り取るこができる様にすることは勿 論、鋏切ることができない必要以上の雑草が両刃部間に取り込まれた場合にはそ の一部を両刃部間から外方向へと押し出しながら草詰まりを起こすことなく、回 転刃のスムーズ且つ円滑な回転と固定刃との密接な関係の摺接力状態を常に一定 に保って雑草の刈り残しない長期に亘って安定した草刈り作業を可能ならせしめ た草刈機用刈刃ユニットの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を達成するための手段】

上記目的を達成するために本考案が講じる技術的手段は、回転刃と固定刃とを 同軸状に重ね合わせて成る草刈機用刈刃ユニットに於いて、回転刃を平面略角形 形状に形成しその周縁に回転方向に向かって略くの字形状に湾曲する凹形刃部を 形成し、固定刃は平板円盤状に形成しその周縁に回転刃の凹形刃部と対向摺接す る凸形刃部を、その刃元から刃先までを緩円弧状に形成し且つ凹形刃部の刃先部 分との擦れ合う交差角度よりも刃元部分との擦れ合う交差角度を大きく形成した ことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

而して、上記した本考案の技術的手段によれば、回転刃周縁の凹形刃部の刃先 部分で雑草を固定刃周縁の緩円弧状に形成した凸形刃部との間に取り込みつつ、 そして凹形刃部の刃元部分ではその取り込まれた雑草を外方向へと押し出しなが ら凸形刃部と交差する対向摺接をもって切断しつつ該凸形刃部との擦れ合う交差 角度が刃元部分よりも小さい擦れ合い交差角度で交差し対向摺接する刃先部分と 凸形刃部との対向摺接をもって刃元部分により刃先側に押し出されてきた雑草を 刈り残し無く確実に切断するものである。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施の一例を図面に基づいて以下説明すると、刈刃ユニットＡは互い に同軸状に重ね合わせる回転刃１と固定刃２とから構成され、不図示の原動機を 備えた把柄杆Ｂ先端の動力変換機構を内蔵するギアケースＣの下面に固定刃１を 一体的に固着すると共に、突出する駆動軸３に回転刃１をボルト４にて固着せし めて回転刃１周縁の後述する凹形刃部1aを固定刃２周縁の後述する凸形刃部2aに 対して弾性的に密接させ、原動機からの回転動力によって回転刃１を回転させて 雑草を刈り取るものである。

【０００８】 回転刃１は、プレス加工にて平面略角形形状に形成すると共に周縁の凹形刃部 1aのみを後加工にて研磨加工するもので、各辺周縁を所望高さの立上り部５を傾 斜状に折り曲げ立ち上げた浅い皿状を呈した平面略細長矩形状をはじめ三角形状 や四角形状等の適宜の平面略角形形状、図示例では略正三角形状に形成せしめて その周縁の各辺立上り部５が略Ｖ字形若しくはＵ字形に交わる各角部に、回転刃 １の回転方向Ｘに向かって略くの字形状に湾曲する凹形刃部1aを形成する。

【０００９】 凹形刃部1aは、回転刃１周縁の各辺立上り部５が略Ｖ字形若しくはＵ字形に交 わる各角部（三隅角部）において回転刃１の回転方向Ｘに位置する立上り部分を 除く他の立上り部５の立上り高さ又はその立上り形状を一段低く又は漸次傾斜状 に形成して前記立上り部分を、固定刃２周縁の各凸形刃部2aに部分接触構造を持 って常に一定の摺接力で対向摺接する様にすると共に回転刃１の回転方向Ｘに向 かって略くの字形状に湾曲せしめることで当該部分に形成する。

【００１０】 そして、この凹形刃部1aの湾曲中央６から刃先７までを刃先部分（以下、草取 込み部分と称す）1a’とし且つその湾曲中央６から周縁立上り部５に連なるまで を刃元部分（以下、草押出し部分と称す）1a”とする。

【００１１】 即ち、草取込み部分1a’は湾曲中央６を通る回転刃１の回転中心Ｐからの放射 線Ｌよりその刃先７を回転方向Ｘに向かって前方に位置させると共に、草押出し 部分1a”は湾曲中央６を通る放射線Ｌに対して回転方向Ｘに向かって鋭角θに位 置させた周縁立上り部５に連設する凹形円弧状に突出形成せしめた刃形形状とし （図１参照）、固定刃２周縁の凸形刃部2aと相俟って、草取込み部分1a’でもっ て固定刃２周縁の凸形刃部2aとの間に雑草を取り込みつつ、そして取り込まれた 雑草を草押出し部分1a”でもって外方向（刃先方向）へと押し出しながら凸形刃 部2aの刃元８部分での草詰まりが生じることなく該刃元８側から順次鋏で切るが 如く切断し、最後に草取込み部分1a’によって効果的に且つ確実に切断し得る様 に構成してある。

【００１２】 固定刃２は、平板円盤状に形成しその周縁に、回転刃１の凹形刃部1aと対向摺 接する凸形刃部2aを複数個突出形成、図面では17個等間隔にて突出形成してなる 。この凸形刃部2aは、回転刃１の凹形刃部1aと対向摺接するその刃元８から刃先 ９までを回転刃１の回転方向Ｘに対して反対方向の緩円弧状に形成し且つ凹形刃 部1aの草取込み部分1a’との摺れ合う交差角度θ’よりも草押出し部分1a”との 摺れ合う交差角度θ”を大きく回転刃１の回転方向Ｘに向けた略山形傾斜状に形 成した刃形形状とし（図３イ，ハ参照）、鋏切ることができない必要以上の雑草 が回転刃１周縁の凹形刃部1aの草取込み部分1a’によって取り込まれた場合、そ の雑草の一部が凹形刃部1aの草押出し部分1a”によって押されつつ緩円弧状縁部 2a’に沿って外方向へとスムーズに押し出される様に構成してある（図３イ→ロ →ハ）。

【００１３】 而して、以上の如く構成した本実施例の刈刃ユニットＡによれば、回転刃１が 回転すると、回転刃１周縁の凹形刃部1aの草取込み部分1a’で雑草を固定刃２周 縁の凸形刃部2aの一側縁部2a’との間に取り込みつつ（図３イ）、そして凹形刃 部1aの草押出し部分1a”では凸形刃部2aの緩円弧状縁部2a’との交差角度θ”が 草取込み部分1a’との交差角度θ’よりも大きい角度（θ’＜θ”）で交差し対 向摺接することで取り込まれた雑草の一部を該緩円弧状縁部2a’に沿ってその刃 元８側から外方向へとスムーズに押し出しながら且つ切断しながら刃先９側に押 し出されてきた雑草を最後に緩円弧状縁部2a’と交差角度θ”で交差し対向摺接 する草取込み部分1a’によって鋏で切るが如く切断し（図３ロ→ハ）、それによ って、スムーズ且つ円滑な回転刃１の回転と該回転刃１周縁の凹形刃部1aと固定 刃２周縁の凸形刃部2aとの密接な関係の摺接力状態を常に一定に保って雑草を刈 り残し無く確実に刈り取りものである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の草刈機用刈刃ユニットは叙上の如く構成してなるから、下記の作用効 果を秦する。

【００１５】 回転刃周縁の回転方向に向かって略くの字形状に湾曲する凹形刃部のその湾曲 中央から刃先までの刃先部分（草取込み部分）で雑草を固定刃周縁の緩円弧状に 形成した凸形刃部との間に取り込みつつ、そして凹形刃部の刃元部分では凸形刃 部の緩円弧状縁部との交差角度θ”が刃元部分（草押出し部分）との交差角度θ ’よりも大きい角度（θ’＜θ”）で交差し対向摺接することで取り込まれた雑 草の一部を該凸形刃部に沿ってその刃元側から外方向へ押出しながら且つ切断し ながら刃先側に押し出されてきた雑草を最後に凸形刃部の緩円弧状縁部と交差角 度θ”で交差し対向摺接する刃先部分によって鋏で切るが如く切断することが出 来る。

【００１６】 従って、鋏切ることができない必要以上の雑草が両刃部間に取り込まれた場合 にはその一部を回転刃周縁の凹形刃部の刃元部分で凸形刃部の緩円弧状縁部に沿 わせて両刃部間から外方向へ草詰まりを起こすことなくスムーズに押し出しなが ら切断することができることから、回転刃のスムーズ且つ円滑な回転と固定刃と の密接な関係の摺接力状態を常に一定に保って雑草の刈り残しない安定した草刈 り作業を長期に亘って可能ならせしめ、同時に従来の様に回転刃に回転動力を伝 達する動力源（原動機等）に過大な負荷が掛かる、回転刃と固定刃の両刃部の損 傷を招く等の問題を全て解消し得た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案草刈機用刈刃ユニットの実施の一例を示
した平面図である。

【図２】同縦断正面図である。

【図３】回転刃の回転に伴い刃元から刃先へと対向摺接
する回転刃周縁の凹形刃部と固定刃周縁の凸形刃部との
対向摺接過程を示した要部の拡大平面図で、イは凹形刃
部と凸形刃部との刃元側での対向摺接状態を示し、ロは
その中間点での対向摺接状態を示し、ハはその刃先側で
の対向摺接状態を示す。

【符号の説明】

１…回転刃 1a…凹形刃部 1a’…草取込み部分（刃先部分） 1a”…草押出
し部分（刃元部分） ２…固定刃 2a…凸形刃
部 2a’…凸形刃部の緩円弧状縁部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転刃と固定刃とを同軸状に重ね合わせ
   て成る草刈機用刈刃ユニットに於いて、回転刃を平面略
   角形形状に形成しその周縁に回転方向に向かって略くの
   字形状に湾曲する凹形刃部を形成し、固定刃は平板円盤
   状に形成しその周縁に回転刃の凹形刃部と対向摺接する
   凸形刃部を、その刃元から刃先までを緩円弧状に形成し
   且つ凹形刃部の刃先部分との摺れ合う交差角度よりも刃
   元部分との摺れ合う交差角度を大きく形成したことを特
   徴とする草刈機用刈刃ユニット。