JPH055311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、移動する機械又は機械の移動部分
に定置部から電力、ガス、油等を供給する可撓ケ
ーブル、ホース等を多本数まとめて支持し、保護
案内するケーブルドラツグチエーンに関する。

従来の技術 従来のプラスチツク製又はダイカスト製のケー
ブルドラツグチエーンは開放形で、収納したケー
ブルやホース等に外部から異物が付着してこれを
損傷するおそれがある。一般に、自動工作機械や
自動運搬機器を多用する無人工場において全般を
少人数の作業員にて監視する場合、機器類には当
然に高い安全性が要求される。この見地から従来
のケーブルドラツグチエーンをみると、これが動
力系や制御系を内蔵する機器であるにもかかわら
ず前述のように安全性の面で不充分であつた。

考案が解決しようとする問題点 本案の目的は、プラスチツクやダイカストで一
体形成した枠形リンクを連結してケーブルドラツ
グチエーンを閉鎖形にするとともに、枠形リンク
の一面を開閉可能に構成してケーブル等の出入に
便ならしめたケーブルドラツグチエーンを提案す
るにある。

問題点を解決するための手段 本案は、相対するオフセツト形リンク部の外リ
ンク部一辺を支持ステイ部の両側に固着し、他辺
に開閉ステイ部を取付けてなる枠形リンクをオフ
セツト形リンク部において互に屈曲可能に連結し
てなり、外リンク部と支持ステイ部と閉位置にあ
る開閉ステイ部との前部を外リンク部に設けた連
結孔を中心とする凸状円筒面となし、外リンク部
の内側に連結孔を囲撓して前方に開口する凹所を
設け、オフセツト形リンク部の内リンク部は該凹
所内に滑入する可撓性舌片をなしてその後部外側
に連結孔内に嵌入する突出ピン部を有し、外リン
ク部と支持ステイ部と閉位置にある開閉ステイ部
との後部を突出ピン部を中心とし凸状円筒面より
僅か大径の凹状円筒面となし、連結孔に突出ピン
部を嵌入させたとき、凹所と可撓性舌片との側面
の当接により枠形リンクが直線状をなす位置と相
隣る前後の開閉ステイ部が重なりを保持する所定
角度位置との間に屈曲可能であり、開閉ステイ部
は一方の外リンク部に屈曲可能なプラスチツクシ
ートにてヒンジ結合されるとともに、他方の外リ
ンク部との間に閉位置において噛合する凹凸係合
部及び閉位置に係止するスナツプを有することを
特徴とする。

作 用 可撓性舌片を内側に撓ませて外リンク部の凹所
内に挿入し、舌片の弾性により突出ピン部を連結
孔内に嵌入させて枠形リンクを順次連結したと
き、相隣る前後の枠形リンクは舌片の側面と凹所
の側面との当接によつて直線状をなす位置と所定
角度位置との間に屈曲することができ、いわゆる
ノーバツクベント特性が得られる。しかも前記所
定角度位置において閉位置にある前後の開閉ステ
イ部は間隙小なる円筒面をもつて重なりを保持
し、且つ開閉ステイ部はヒンジと凹凸係合部とス
ナツプとにより外リンク部に対し閉位置に保持さ
れるので、枠形リンク内に収納したケーブル等に
外部から異物が侵入付着することがなく、また屈
曲状態においても開閉ステイ部を開いてケーブル
等の出入、保守を行うこともできる。

実施例 第１図乃至第７図は枠形リンク１の一例の構造
を示す。枠形リンク１は、ケーブルＫ等を保持す
る支持ステイ部２の両側に相対するオフセツト形
リンク部３ａ，３ｂの一辺を固着してなるリンク
本体４と、他辺に取付けた開閉ステイ部５とをプ
ラスチツク又はダイカストにて形成してなり、プ
ラスチツクにて形成した場合は、リンク本体４と
開閉ステイ部５とをこれらと同材質の屈曲可能な
薄いプラスチツクシートにて連結した状態で一体
成形する。

オフセツト形リンク部３ａ，３ｂは剛性大なる
肉厚の外リンク部６と内リンク部である肉薄の可
撓性舌片７とを有する。リンク部３ａ，３ｂの中
心線ｃ上の対向位置に、枠形リンク１の連結ピツ
チをもつて外リンク部６と舌片７の外面とに夫々
連結孔８とこれに嵌入する突出ピン部９とを設
け、支持ステイ部２と閉位置にある開閉ステイ部
５と外リンク部６との前部を連結孔８を中心とす
る凸状円筒面１０に形成し、同じくステイ部２，
５と外リンク部６との後部を突出ピン部９を中心
とし且つ凸状円筒面１０より僅か大径の凹状円筒
面１１に形成する。

外リンク部６の内面に連結孔８を囲撓して前方
に向い上下幅が拡大する扇状凹所１２を設け、そ
の側面１３，１４と中心線ｃとのなす角α，β
（β＞α）に後述のように連結した枠形リンク１
の所定屈曲角度だけ差を設ける。

リンク本体４と開閉ステイ部５とを連結するプ
ラスチツクヒンジシート１５の内側部分では、外
リンク部６と開閉ステイ部５とが若干の楔形間隙
１６を存して接合する。一方開閉ステイ部５のヒ
ンジ部と反対側の周壁１７のほぼ中央部外側にス
ナツプ１８を一体形成する。スナツプ１８は上端
が周壁１７と溝１９を隔てて固着し、下端内側に
フツク２０を有する。更に周壁１７には溝１９よ
り内側に中心軸ｃ方向の溝２１を設ける。

開閉ステイ部５を閉じたとき、フツク２０はリ
ンク部３ｂの外リンク部６の外側に形成した凹所
２２内を外側方に弾性変位をしつつ摺動して凹所
２３内に係入し、開閉ステイ部５を閉位置に保持
する。この状態でスナツプ１８は凹所２２内に嵌
入して外リンク部６と面一となる。該嵌入により
開閉ステイ部５の閉位置における中心軸ｃ方向の
位置が確保されるとともに、溝１９，２１と外リ
ンク部６に設けた凸壁２４，２５とは互に噛合す
る凹凸係合部４６を形成して外リンク部６の側方
への変形を防止する。

凹所１２内において外リンク部６の内面に外側
方に拡がる傾斜面２６を凹設し、これに沿い突出
ピン部９を凹所１２内に押込んで連結孔８に嵌入
させれば、枠形リンク１はチエーン状に連結され
る。この場合、舌片７の側面２７，２８と中心線
ｃとのなす角をαとし、側面２７が凹所側面１３
に当接したときは枠形リンク１は直線状をなし、
側面２８が凹所側面１４に当接したとき（第８
図）枠形リンク１はβ−αの角度に屈曲する。屈
曲角の両限界を定めるためには、前記のような側
面間の当接に代つて適宜形状のストツパを用いる
こともできる。凹所１２内へ突出ピン部９を挿入
し易くするため、突出ピン部９の外面を傾斜曲面
２９に形成し、更に舌片７の後端外側に斜面３０
を設ける。

開閉ステイ部５の凸状円筒面１０となる部分の
厚さは、前記屈曲時に凸状円筒面１０が凹状円筒
面１１に対して実質的に充分な重なりを保持する
ように定められる。

枠形リンク１を前記のように連結孔８と突出ピ
ン部９とにより必要長さに連結し、第９図のよう
に前後端に同様の連結構造をもつて取付金具３
１，３２を連結してケーブルドラツグチエーンを
構成し、支持ステイ部２に形成した凸条３３に隔
板３４を取付け、開閉ステイ部５を開いて支持ス
テイ部２上にケーブルＫ等を載置し、開閉ステイ
部５を閉じれば、相隣る枠形リンク１間には円筒
面１０，１１の僅かな半径差に相当する湾曲状の
間隙３５が存するのみであり、該間隙から枠形リ
ンク１内に異物が侵入するおそれはないから、ケ
ーブルＫをほぼ密閉状に保持することができる。

開閉ステイ部５をケーブルドラツグチエーンの
屈曲の外側に設ければ、屈曲状態においても開閉
ステイ部５の開閉は可能であるが、開閉ステイ部
５を屈曲の内側に設けた場合は、ケーブルドラツ
グチエーンを順次直線状にした部分の開閉ステイ
部５を開いてケーブルＫ等の出入を行う。

前後屈曲に際し、凹状円筒面１１の後端部３６
との干渉をさけるために、支持ステイ部２の外面
に凹所３７を設ける。

第１０図乃至第１４図は、リンク本体４と開閉
ステイ部５とを別体に形成した場合のヒンジ構造
を示す。プラスチツク製ヒンジ３８は柔軟な薄肉
部３９で接続した上下のカギ形屈曲部分４０に抜
け止め用爪４１を切り出した構造を有し、該屈曲
部分４０を開閉ステイ部５と外リンク部６とのヒ
ンジ結合部分に設けた凹所４２，４３、溝４４，
４５に挿入して固定する。

考案の効果 本案は、ケーブル等を良好な閉鎖状態で支持す
るから、外部から異物が直接ケーブル等に触れる
ことを防止し、また開閉ステイ部を開いてケーブ
ル等の出入、保守が可能である効果があり、また
開閉ステイ部のヒンジ構造が極めて簡易で量産に
適する上に、外部からケーブル等が見えないため
外観が良好である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は枠形リンクの一実施例を示
し、第１図は開閉ステイ部を除いた平面図、第２
図は立面図、第３図は右側面図、第４図は部分左
側面図、第５図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第６
図は開閉ステイ部の一実施例の平面図、第７図は
同じく立面図、第８図は枠形リンクの連結状態を
示す縦断面図、第９図は全体縦断面図第１０図は
プラスチツク製ヒンジの立面図、第１１図は同じ
く側面図、第１２図はヒンジ取付部分の立面図、
第１３図は第１２図のＢ−Ｂ線断面図、第１４図
はヒンジ取付状態を示す縦断面図である。 １……枠形リンク、２……支持ステイ部、３
ａ，３ｂ……オフセツト形リンク部、５……開閉
ステイ部、６……外リンク部、７……可撓性舌
片、８……連結孔、９……突出ピン部、１０……
凸状円筒面、１１……凹状円筒面、１２……凹
所、１３，１４……凹所の側面、１５……プラス
チツクシート、１８……スナツプ、２７，２８…
…舌片の側面、４６……凹凸係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対するオフセツト形リンク部の外リンク部の
   一辺を支持ステイ部の両側に固着し、他辺に開閉
   ステイ部を取付けてなる枠形リンクをオフセツト
   形リンク部において互に屈曲可能に連結してな
   り、外リンク部と支持ステイ部と閉位置にある開
   閉ステイ部との前部を外リンク部に設けた連結孔
   を中心とする凸状円筒面となし、外リンク部の内
   側に連結孔を囲撓して前方に開口する凹所を設
   け、オフセツト形リンク部の内リンク部は該凹所
   内に滑入する可撓性舌片をなしてその後部外側に
   連結孔内に嵌入する突出ピン部を有し、外リンク
   部と支持ステイ部と閉位置にある開閉ステイ部と
   の後部を突出ピン部を中心とし凸状円筒面より僅
   か大径の凹状円筒面となし、連結孔に突出ピン部
   を嵌入させたとき、凹所と可撓性舌片との側面の
   当接により枠形リンクが直線状をなす位置と相隣
   る前後の開閉ステイ部が重なりを保持する所定角
   度位置との間に屈曲可能であり、開閉ステイ部は
   一方の外リンク部に屈曲可能なプラスチツクシー
   トにてヒンジ結合されるとともに、他方の外リン
   ク部との間に閉位置において噛合する凹凸係合部
   及び閉位置に係止するスナツプを有する開閉可能
   な閉鎖形ケーブルドラツグチエーン。